俺は一瞬で酔いが醒めてしまった。
運転していたのは、制服で頭マッキンキンの榎本加奈子、後ろはエンジ色の特攻服を着た松島尚美だった。
俺はすでに逃げるタイミングを失っていた。
「誰に言うとんじゃ、こらぁ!」
松島が案外小声で言った、でも眼は無茶苦茶恐かった。
俺はその一言で縮み上がってしまった。
中学の2年まで空手を習ってたが茶帯止まりだし、第一根性は全然ヘタレだし・・・。
どうすればこの場を逃れられるかを考えようと思ったが、パニクッてて頭真っ白で何も喋れずに呆然としていたら、松島が降りてきて、「舐めとんかぁ!」と叫びながらいきなり俺のチャリンコにケリを入れた。
俺はチャリンコごとひっくり返って背中を思いっきり打った。
唸っている俺に松島はさらにケリを入れようとしたので思わず身を縮めたが、そのためにケリが後頭部を直撃したので俺は不覚にも気を失ってしまった。
助け起こしてくれたのは、近くのコンビニの店員だった。
「警察に言いますか?」と聞かれたが、擦り傷程度だったし、財布とかもちゃんとあったので、「いいです、いいです」と照れながら断った。
2人組は速攻で逃げていったそうだ。
なんとなく気が滅入っていたし、もしかしてまた見つかるのも恐かったので2日ほど講義をサボった。
でも前期試験も近かったので3日目に学校に行って、帰りに用心していつもと違う道で遠回りしたが、ついでに晩飯を食って帰ろうと◯ッテリアに入って座ってると、奥の席から学校帰りの女子高生が出てきて、俺の横を通り過ぎるときに中の1人が立ち止まって俺の顔を覗き込んだ。
髪は茶色っぽかったが普通の女の子だったので、最初は(なんだろう?)と思ったが制服に見覚えがあって、よく見ると榎本だった。
心臓が止まるかと思った。
一気に血の気が引いて蒼白になった顔を見ながら、「怪我?」と顎のバンドエイドを指差した。
俺は小刻みに顔を振っただけだった。
「ポリに言うた?」
榎本は俺の表情を読み取るようにしながら聞いた。
「言ってません、言ってません」
俺は慌てて答えた。
しかも敬語で。
「ほんま?・・・」
多少疑いながら榎本は続けた。
「悪かったな。あの娘いきなり蹴り倒すからビビッたわ。動けへんようになるから死んだと思て逃げてしもてん・・・」
(意外といい奴か?)
一瞬そう考えたが、それよりも関わりたくない気持ちの方が強くて、「いいです、いいです、大丈夫ですから」と言いながらまだ一口しか食べていないハンバーガーを処分して店を出ようとした。
後ろから声がした。
「明日同じ時間にここ来といて、あいつにも謝らすさかい」
そんな一方的な約束は当然無視した。
謝って欲しいとも思わなかったし、松島の顔など二度と見たくはなかった。
それから何事もなく2週間ほど経ち、前期試験の最終日、俺はツレと試験の出来栄えを話し合いながら構内の駐輪場にやって来た。
下宿が別方向なのでそこで別れ、通用門に差し掛かったところで不意に行く手を遮られた。
急ブレーキをかけて停まると榎本だった。
俺はまたしても固まってしまった。
「ちょっと、なんでブッチすんのんや。待っててんで」
俺は対応をミスったことを後悔したが、そもそも被害者はこっちのはずだ。
でもなんか約束を破ったことが引け目になって・・・。
「スミマセンでした、試験前で忙しかったんです・・・」
今考えてもつくづくヘタレだと情けなく思う。
「あ、そう、あれからずっと探しててんでぇ。試験、今日で終いやねんろ?」
「え・・・」
「知ってんで、ちょっと付きおうてや」
否も応もない言い方だった。
俺は諦めてついて行った。
◯ッテリアに連れて行かれたが松島は居なかった。
しばらく雑談をして一方的に色々と根堀葉掘り聞かれたが、俺は後で嘘がばれて立場が悪くなることを心配してほとんど正直に答えてしまった。
それがきっかけで榎本は妙に懐いてしまい、時々駐輪場のところで待っているようになった。
ツレらには『駐輪場の総長』と渾名をつけられて冷やかされたり、羨ましがられたりしたが、俺にとってはそんな良いものではなくストーカーに近い存在だった。
何度か付き合わされているうちに、榎本はだんだんと馴れ馴れしくなった。
俺もさすがに敬語は使わなくなったが、やはり出来るだけ距離を置くようにしていた。
当然、それまでは榎本に指一本触れたことはなかったし、一度向こうから腕を組んできたときには勇気を出して「やめてくれませんか」と言ったくらいだったが、だんだんと馴れ馴れしさに耐えられなくなって、とうとう榎本が駐輪場に居るのがわかっていながら無視して俺は自転車を置いて歩いて部屋に帰ってしまった。
3日連続でそうした。
連れからは、「行ったれよ」「可哀想だ」と批難されたが俺も必死だった。
4日目に姿が見えなくなった。
やっと俺は自転車で帰ることができた。
その夜、シャワーを浴びて出てくると、部屋の真ん中に榎本が黙って座っていた。
今まで部屋に呼んだことはなかったし、住所は教えたが部屋番号は言ってなかったし、表札は出してないので分かるわけないと高を括っていたが、恨めしそうにこちらを見つめながら座っている榎本を見て、俺は恐怖を通り越してある種の“諦観”というか“悟り”に近い心境になってタオルを首にかけた裸のままベッドの前にへたり込んでしまった。
お互いに黙ったまま榎本は俺を真っ直ぐに見つめ、俺はうなだれて俯いていた。
榎本が立ち上がる気配がした。
俺は相変わらず俯きながらこのまま帰ってくれるのかと期待したが、ゴソゴソしてると思ったらいきなり目の前に制服のスカートが落ちてきた。
ギクリとしたが、顔を上げる勇気がなかった。
ブレザー、ネクタイ、カッターとだんだんと積み上げられてゆく。
俺はバスタオルを外して股間を隠しながら、ぎゅっと眼を瞑った。
生温かいものが太腿に触れた。
ハッとして眼を開けると榎本の手だった。
思わず顔を上げた。
榎本の顔が間近にあった。
目が合った。
薄いカーキ色のストライプのブラとパンツだけでじっと俺を見つめている。
少し潤んだ泣きそうな瞳をしていた。
その瞳は俺の拒絶の心を凍らせるには充分すぎるほどだった。
そしてスローモーションのようにゆっくりと顔が近づいてくる。
こういう場合は女性の方が目を閉じるのだろうが、情けないことに俺の方が先に目を瞑った。
すぐに榎本の薄い唇の感触が俺の唇に重なった。
俺は高校時代に当時の彼女と童貞は卒業はしていたが、4ヶ月あまりで別れてしまったので経験豊富とはとても言えないし、それ以降は右手が恋人だったので、こんな場合どうすればいいのかなんて想像も出来なかった。
榎本の舌が入ってきた。
それで今までビビって縮こまっていた俺の股間は一気に反応し始めた。
股間は充分に硬くなっていたが、尚もどうしていいか分からずにいると、榎本は立ち上がって俺の脇を掴んでベッドに座り直させると、自分は立ったまま私の手を腰に回すように促した。
座り直したときにバスタオルが落ちて、俺の股間が晒されたとき、榎本は一瞬目を見開いたがすぐに元の表情に戻った。
榎本を改めて“そういう対象”という眼で見てみると、結構可愛いのではないかとそのとき初めて感じた。
顔や雰囲気は文字通り榎本加奈子で華奢な割りに顔は大作りな感じ、眉は細く整えているがそれほどきつい顔でもなく、下品でもない。
身体も小柄だが手足はスラッとしてて、胸もボリュームは無いがちゃんと突き出している。
但し腰はそれほど大きくなく、まだ少女の域を脱していないようだ。
俺は徐々に自分が昂ぶってくるのを感じ始めていた。
俺は両手を腰に回し、軽く抱き寄せるようにするとお臍の上辺りに軽くキスをした。
榎本はちょっとくすぐったそうに身をよじったがすぐ俺の頭に手を回して屈むように覆い被さってきた。
それで俺はベッドに後ろに倒れこんだ。
榎本はまたキスをしてきた。
俺の股間はもう遠慮無しに動脈に血が通るたびにビクンビクンと脈打っている。
榎本はあえてソコから目を逸らすようにして自分から仰向けになった。
俺は起き上がって榎本を見つめ、胸に手を伸ばした。
ぎゅっと掴むとワイヤーが邪魔をした。
それでブラを上にずらすと、小さいが思った以上に盛り上がった丸い丘が2つ現れた。
多少不健康に思えるくらいに青白い肌に意外にも非常に綺麗なサーモンピンクの乳首。
俺は堪らなくなって夢中でむしゃぶりついた。
榎本はごく控えめに吐息を漏らす程度だったが、原チャリで前を横切られて以来、初めて俺のほうが主導権をとったように思えて、興奮はさらに高まったように感じた。
ひとしきり榎本の胸を楽しみ、唾液でヌルヌルにしてしまってから、俺の手は徐々に下におりていきパンツに手がかかった。
榎本はピクリと一瞬身体を強張らせたが、普段のイケイケヤンキーとは別人のような初々しい反応がますます俺を奮い立たせた。
両手でパンツを掴むと一気に脱ぎ取った。
すぐに俺の目は榎本の秘所に釘付けになった。
ぴっちり閉じた細めの太腿とその部分の間には指2本分ほどの三角の隙間。
ヘアーは、文字通り産毛に毛が生えたような程度で、薄くて面積も少ない。
肝心の部分は上の薄い唇よりもさらに細いのが遠慮がちにはみ出しているだけだった。
そして色素沈着の一切無い少し朱色ががったサーモンピンク。
以前の彼女に失礼だが、処女をもらった彼女よりもよっぽど綺麗な色をしていた。
俺はこめかみから血が噴出すかと思うくらい、のぼせていた。
榎本はじっと耐えるように身を固くしている。
閉じられた膝の内側に両手を差込んで徐々に左右に開いていこうとした。
榎本は最初ちょっとだけ力を入れて抵抗したが、すぐに力が抜けた。
自分から行動を起こした割りに消極的な態度に多少の不審感を抱きながらも、俺は大胆に榎本の脚をM字開脚させた。
上品なその唇はそうされてもまだ閉じたままだったが、よく見ると一番下の端からアナルに向かって一筋の雫か光っている。
榎本の外見のすました表情とは反対に内側は充分に反応しているようだった。
妙な征服感に柄にもなく感動してしまった。
一言の会話も無いまま、俺は榎本のその部分に口を近づけていった。
乾いた表面に口をつけ、すぐ舌でヒダを押し分けると、ビックリするくらいの榎本の愛液が溢れ出してきて、すぐに俺の口元はグチュグチュになってしまった。
榎本はそうされても耐えるように目を閉じていたが、俺が舌先でクリ触れたときに初めて、「クゥン・・・」と鼻を鳴らした。
俺は我を忘れたように、稚拙で乱暴なテクニックで榎本のソコとは言わず体中のあらゆる部分を舌と指先で楽しんだ。
榎本も少しずつだが甘えたような吐息を漏らし始めた。
俺の興奮はすでに頂点に達してすぐにでも挿入したいところだったが、一方的な奉仕では物足りなかったので、榎本の手を掴んで恐る恐る俺の股間に持っていった。
首元から頬にかけて上気して紅く染まり、胸元の白さと対照的なコントラストを見せてくれていたが、あっさりと俺のモノを握った榎本の手は驚くほどひんやりとしていた。
そして握った瞬間、ぎくりとして今まで瞑っていた目を開けてチラリと怒張を見ると、すぐに目を背けて、ぎこちなく手を動かし始めた。
俺はほぼテンパっていたので、そんな下手くそな手コキでもすぐに発射しそうだったが、榎本は5、6回シコシコしただけですぐ手を離し、俺の方に背中を向けて猫のように丸まってしまった。
ここまで来ての榎本の理解できない態度に多少苛立ちを覚えて、俺は肩を掴んで強引に元に戻すと榎本の股の間に割って入った。
榎本は口元をギュッと結んでこらえるように横を向いてしまった。
でも俺もここまで来て後には引けないので、自分でモノを愛液でヌルヌルになっているソコに宛てがうと、ゆっくりと腰を前に突き出した。
「ゲッ!!」
突然、榎本は上半身を起こし、半ば突き飛ばすように両手で俺の身体が前に進むのを押しとどめた。
(???)
俺は怪訝な表情で榎本の顔を覗き込んだ。
榎本はハッとしてばつが悪そうな表情になり、再び横になると照れたように、「はよしぃや!」と弱々しく言った。
俺はまさか!とは思ったが、ある疑念が湧き上がってきて聞かずにはいられなくなった。
「え・・・?初めてなん?」
「・・・」
「なぁ?」
「うっさいなぁ!せぇへんのやったら帰るで・・・」
言葉とは裏腹に榎本は蚊の鳴くような声で言った。
俺は動揺した。
俺の実家は関西だが超が付くほどの田舎なので、そのせいか古臭いところがある。
高校の時の彼女はお互い好き同志だったのであまり意識しなかったが、男の立場として処女を貰うということは、やはりある種の責任を負うように思っているからだ。
まして相手は彼女ではない。
そのときまでは少なくともあまり関わりたくない存在の、年下である。
ズルイと言われればその通りだが、俺の頭は目の前の快楽とその後のリスクを目まぐるしく計算していた。
今まではち切れそうだった俺のモノは見る間に緊張が緩んだようにお辞儀を始めた。
「どないしたん?」
榎本は俺が固まったまま行為を続けようとしないので身を起こし、そして股間を見て、「あれ?」と声をあげた。
榎本は恨めしそうな表情で、「そんなにうちのこと嫌いなん?」と涙声で言った。
俺はしばらくどう言って良いか分からずに黙っていたが、やっとのことで・・・。
「え、でも大事なもん、俺がもろてもええんかなぁ~て思て・・・」(くさい台詞だ)
俺としてはまだ行くか退くか判断に迷っていたのだが、榎本はその言葉でパッと顔を明るくした。
「ええねん、ええねん・・・ありがと」
何か勘違いしてるみたいだ。
「うちがしたげる、どないするん?」
急に俺のモノを握ると、さっきとは打って変わって積極的に弄りだした。
座り直して、呆然としている俺を押し倒し、「こうすんの?」と言ってまだ意気地のないモノをいきなり口に含んだ。
俺にしてもフェラチオは初めての経験だったが、ぎこちなくも一生懸命に俺に奉仕している榎本を見ていると急に愛しく思えてきて、同時にモノも激しく反応し始めた。
「うっそ~~!」
膨張しきったモノを見て榎本は目を丸くしたが、「うち、もしかして上手い?」と真顔で聞いてきたのには答えに窮してしまった。
改めて榎本の両肩を掴んでベッドに横にさせると、再び会話が途切れた。
俺は少しでも苦痛が和らげればと思って、さっきより念入りに股間を舐め回したが、榎本は新鮮な魚のように時々ピクピクと身を弾ませた。
十二分に潤滑油を溢れさせると、俺はふと冷静になって入学式のあと、念のために買っておいたゴムの封を切った。
榎本の腰に手を回し、さっきと同じように狙いをつけると、俺は再びゆっくりと腰を前に突き出した。
亀頭の部分までは案外すんなりと入った、でもそこで行き止まりになった。
腰に力を入れると・・・。
「イーッタ、イタイイタイイタイ・・・イタァ・・・」
押し殺した榎本の悲鳴が口元から漏れた。
でもここで躊躇するとかえって痛みが増すということを彼女のときに経験していたので、俺は一気に自分のモノを榎本の中に沈め込んだ。
「ぐふっ!!」
榎本は一声唸ったが、今まで強張っていた体から急に力が抜けた。
「いけるか?」
「うん、まぁ大丈夫や・・・」
俺は2、3度腰を振ってから一旦抜いて様子を見た。
縞柄のシーツに薄い鼻血のような染みが出来ていた。
「どうしたん?大丈夫やで、最後までしてもええよ」
「うん」
再び俺は榎本にリードを許したような気分になった。
<続く>