なぜなら母ちゃんは６時半頃になると、俺とその子が目に届く場所に一緒にいると、たまにこう言うから。

「お風呂一緒に入っちゃいなさい」

（やった！）

内心そう思いながら、母ちゃんに言われたからしょうがない・・・っていう顔する。

そして、「じゃあ、お風呂行こ」って彼女に言う。

口実がないと恥ずかしくて言えない。

風呂だからといって遠慮なくまじまじ見れるわけじゃないし、エッチなことするわけでもない・・・。

ただ淡々と入るだけなんだけどね。

その子は恥ずかしがりはするけど、頑なに隠すっていうわけでもない。

こちらに見る気があってもなくてもお尻とか割れ目とかチラチラ見えるから、俺はどうしても勃起しちゃう。

だからその子に笑われたりして、俺の方が女々しく隠してたかも知れない。

二人で湯船に浸かって、今日遊んだこととか宿題のこととかを普通に話す。

勃起しながらすっぽんぽんで普通の会話してるのが変な気がして・・・。

でも、それが一番ドキドキすることだったりもした。

恥ずかしいけど、裸で一緒にいるドキドキな気持ちは、当たり前のようにその子が好きっていう気持ちに変わっていった。

言わなかったけど、気持ちは自然に伝わってたと思う。

その子が親の都合で近隣の町に引っ越すことになった。

小６に上がる前の、春休みのある日、この日は引っ越しの数日前だった。

久しぶりにその子と一緒にお風呂に入った。

たぶん最後だって分かってたから、なるべく一緒に居たくて、長く入ってた。

なのに何も話せない・・・。

そんな中、ふと「湯船せまくなったね、体が大きくなったんだね」とその子が言った。

そのあと、どちらからともなく体をぴったりくっ付け合ってたら、水面下で自然に手が繋がった。

ずっとモジモジして俯いてたその子は、突然お湯から立ち上がって、「ほんのちょっと生えたから見て」と、本当は生えてるうちに入らないような産毛を見せた。

俺は、毛よりも、初めて至近距離で見る割れ目に釘付けだった。

「それくらいの毛だったら俺も！」

今度は俺が立って、その子は座った。

一緒に風呂に入ると必ず勃起してたけど、ちゃんと見せたのは初めてだった。

やっぱり彼女も毛はあんまり見ていなかった。

この日、お風呂でした会話はそれだけ。

今までずっと、ちゃんと見せっこしたかったのかなあ・・・。

最後だから思い切って見せてくれたのかな・・・。

色々想像したけど、結局「好き」って言えなかった。

風呂から上がり、一緒に晩飯を食べたけど、なんだか上手く話せなかった。

濡れた髪を色っぽいと感じたのはこの時が初めてだった。

その後は出発日まで、会うことはもうなかったから、思ってた通り、その日がその子と入浴した小学校最後の日になった。

出発を見送った日の夜、一人の風呂がやたら広く、寂しく感じられた。

一人なのになぜか勃起したから、なんとなく弄ってたら、出た・・・。

お別れの日に精通したわけで、その日のことは忘れられない。

その子には「もう何日か早く迎えてくれてたら、お風呂でその瞬間を目撃できたかもね」って今でも言われる。