チケットを取って、すぐに玲奈に電話した。
普通に雑談して、タイミングを見計らって切り出した。
俺「あ、そういえば、再来月にまた東京に遊びに行くよ」
玲奈「え?ほんとに・・・?」
このとき、正直俺はびっくりした。
玲奈が全然嬉しそうじゃなかったからだ。
俺「え?ほんとやけど・・・」
玲奈「そっか・・・。えっと、何日に来るの?」
俺「5、6、7日に行くつもり。5日にそっちについて、7日に帰るよ」
玲奈「わかった・・・休み取るから」
俺「三連休が難しいなら二連休でよかよ?6、7日で取ってくれたら有難いかな」
玲奈「ありがとう。店長に言っとくね・・・」
俺「・・・何か元気なくない?どうかした?」
玲奈「ううん、なんでもないよ」
俺「いや、なんでもないことないやろ。テンション下がりすぎやし」
玲奈「ううん、ごめんね。気ぃつかわせたね。ほんとになんでもないから」
俺「・・・」
玲奈「・・・。ごめんね」
俺「・・・俺さ、玲奈ちゃんとは重い話とかあんまりしたくない。馬鹿な話をしよるときが楽しい。でも、流れ的に完全に俺が原因で元気なくなったやろ?言いにくいことでもいいけん、言って。お願い」
玲奈「・・・申し訳ないなと思って」
俺「はい?」
玲奈「・・・申し訳ないなと思って。この前遊びに来たときも色々お金出してもらったじゃん?今回も・・・飛行機とか安くないでしょ?」
俺「なんそれ?」
玲奈「え?」
俺「いやもう、びっくりするくらいどうでもいいわ!!好きで払った金やん!!キャバクラと一緒たい。キャバクラとか、女の子と話すだけで金取られるとよ。子供じゃないっちゃけん、自分で稼いだ金を使いたいことに使いよるだけ。謝罪されることじゃない!!」
玲奈「・・・ごめん」
俺「誰がキャバクラのくだりはいらんやったや!!」
玲奈「え?」
俺「え?じゃねーし!!誰がキャバクラのくだりは例えが下手かったや!!」
玲奈「www意味分かんないしww」
俺「出ました。ボケ殺し。はい、すみませんでした~」
玲奈「いじけたww」
俺「いじけてねーし!!」
玲奈「ありがとう・・・」
俺「うっさい!!しんみりすんな!!ww」
玲奈「ごめんwwところで、キャバクラ行ってるの?」
俺「!?い、行ってねぇぇぇし・・・」
玲奈「嘘下手すぎww」
俺「行ってねぇぇぇし・・・」
玲奈「はいはい、分かったからww」
俺「ところで、俺そんなに色々奢ったっけ?」
玲奈「蒸し返すんだww奢ってくれたよ~、色々」
俺「ああ、ホテルとか?」
玲奈「やめてww」
俺「胸小さいよね、玲奈ちゃん」
玲奈「セクハラです!!この人、私のお尻触りました!!」
俺「触ってねーし!!っていうか触れんし!!あ、触ったか、こないだ」
玲奈「しまった・・・墓穴を掘った・・・」
俺「え?ケツは掘ってねーよ?」
玲奈「最低ww」
俺「まだまだやな」
玲奈「ところで、キャバクラ行ってるの?」
俺「ごめんなちゃいww」
何はともあれ、東京行きが決定した。
玲奈「バンビ君はどこに泊まるの?」
俺「また玉木んちに泊まらせてもらおうかな~」
玲奈「玉木君、休み取れたの?」(玉木の話は玲奈にしてたから一応知ってる)
俺「いや、まだ言ってないけど。最悪、ビジネスホテル泊まるよ」
玲奈「勿体ないよ。私の家来る?」
俺「え?マジ?大丈夫と?」
玲奈「大丈夫だよww実家じゃないしww」
俺「また誘ってるんですね・・・股の緩い女怖いわぁ・・・」
玲奈「違うからwwっていうか股の緩い女じゃないって言ってるでしょ?バンビ君が2人目!!」
俺「あ、そうなんですね。何?経験人数は100人目くらいやけど、チュウは2人目?」
玲奈「最低wwそれほんとに股の緩い女じゃんww」
俺「いや、やけんそう言いよーやんww」
玲奈「デリカシーゼロ!!」
俺「カロリーゼロ!!」
玲奈「今のはあんまり面白くなかったね」
俺「そうね。俺が悪かった」
玲奈「そこはごめんなちゃいでしょ?」
俺「なにそれ?ふざけてんの?足舐めて」
玲奈「ごめんなちゃいww」
と、いうわけで玲奈の家に泊まることに決定。
そこからの二ヶ月間は、何もなかったと言えば嘘になるけど、終わりそうにないので省きますww
ごめんなさいww
レナは二連休を取ってくれた。
初日は玉木と合流し、夜は玉木カップルと俺、仕事が終わった玲奈の4人で飲むことにした。
玲奈「ねえ、玉木君って怖くない?」
俺「めっちゃ怖いよ。タメ口きこうものなら、たぶん怒鳴られるよ」
玲奈「もう、ほんっと怖いんだけど・・・」
俺「嘘やけどね」(超小声)
玲奈「え?」
俺「なんでもないよ。っていうか、ついに明日やね!!」
玲奈「そうだね。なんか緊張してきたww」
俺「うん、俺も緊張してきたww」
玲奈「部屋綺麗にしたから!!」
俺「普段どんだけ散らかっとーとww」
玲奈「綺麗だから、大丈夫!!」
俺「スルーすんなしww」
前日、俺は案の定眠れなかったww
ほとんど眠れずにまた飛行機に乗り込む。
着いてすぐに高円寺に向かった。
今度は山手線、逆回りせずに済んだぜww
玉木と合流する。
俺「おう、久しぶり」
玉木「おう!!」
俺「悪いね、また休み取ってもらって」
玉木「いや、大丈夫。東京気に入ったかww」
俺「うるせーしwwとりあえず寝させて。眠いww」
玉木「俺も夜勤明けやけん、寝ようww」
で、玉木彼女がバイトから帰ってくるまで寝たww
新宿駅に行き、玲奈と合流。
玲奈「初めまして、玲奈です」
玉木「いや、なんでそんなに緊張してるんだww」
玲奈「え?いえ・・・緊張なんてしてません」
俺、横で爆笑。
玉木「お前、変なこと仕込んだろーが!!」
俺「何のこと?お前が性的暴行魔ってことしか伝えてねーよ」
玉木「おま、ふざけんな!!ww」
玲奈の顔が引き攣ってて、さらに爆笑した。
玉木「ほんと、安心してね。こいつの言うことは八割嘘だから」
俺「おい、ふざけんなww」
玉木「うるさい!!あ、あと、敬語じゃなくていいよww」
玲奈「え・・・でも・・・」
俺「まあ、たぶん頭はたいてもこいつは怒らんよww」
玲奈「え?もしかして嘘ついてた?ww」
俺「うん、今気づいたと?」
玲奈「ほんと最低ww」
俺「っていうのが嘘やったりね」
玲奈「もう、ほんっと最低ww」
そこから、四人で飲んだ。
飲み内容は大したこともないので省きます。
飲み終わって、玉木カップルと別れた。
そこから、玲奈の家に向かう。
酔っぱらった玲奈が可愛くて、ドキドキが止まらなかった。
で、玲奈の家に行くんだけど、女の子の部屋すぎて緊張したww
俺「予想以上に綺麗やん」
玲奈「でしょ?掃除したんだから!!」
俺「この扉、何?」
玲奈「クローゼットだよ」
俺「へー。見ていい?」
玲奈「ダメ!!絶対ダメ!!ww」
俺「・・・さてはこの中に詰め込んだなww」
玲奈「あ、お風呂入る?」
俺「スルーすんなってww」
そこから、風呂に入って、テレビを見た。
たしか、『ひまわりと子犬の7日間』をやってた。
その後、まあ、女の子の部屋に二人きりだからね。やること決まってるよねww
そんな感じで一日目終了。
二日目は朝から起きて東京観光。
今回はスカイツリー、秋葉原(またしても俺のリクエスト)、お台場だったと思う。
スカイツリー、昼間に行ってもあんまり楽しくないねww
秋葉原で玲奈がSuicaとか入れたキーケースを無くして探し回った。
で、お台場。
夕方過ぎて薄暗い感じ。名前は忘れたけど、海が見える公園に行った。
あの時間、すっごい綺麗ね、あのへん。
で、二人で話しながら、俺は言うと決めていたことを玲奈に伝えた。
俺「玲奈ちゃん、今日はほんとありがとう。すっげえ楽しかったわ」
玲奈「どういたしまして。明日もあるじゃんww」
俺「うん、そやな。でも、一つ言っときたいことがある」
玲奈「・・・何?」
俺「俺、東京に行こうかどうかすっごい迷ってさ。仕事辞めるかとか、住む場所をどうするかとかね。でね、結局、無理やなって結論に至ったっちゃん」
玲奈「・・・」(涙目)
俺「で、昨日玲奈ちゃんに会って決めた。東京に行くわ。仕事辞める」
玲奈「・・・。え?え!?」
俺「いや、だから、仕事辞めるww」
玲奈「え?ほんとに?え?」
俺「テンパりすぎやろww」
玲奈「えっと・・・え!?ww」
俺「やけん、玲奈ちゃん、俺と付き合って欲しい。大好きです」
玲奈「え?え?あ、はい!!」
俺「どっちだよww」
玲奈「えっと・・・。ごめんなさい。私も、大好きです」
玲奈はそう言って、泣いた。
俺は玲奈を抱き締めた。
秋が深まりはじめて、少し肌寒いくらいだった。
抱きしめたときの玲奈の温もりを今でも忘れることができない。
<続く>