私のプロポーションは自分で言うのもおかしいですが、自信があり、化粧して着飾れば並み以上だと思っています。
お客さんからも、「あすかちゃんは色白で、着飾れば男好きするタイプ」なんてよく言われていました。
(都会に出てお金を貯めるには、私の美貌である女の体を利用する!)
仕事終わりに、そんな事ばかり考えていました。
そんな時に高級会員制クラブの募集を目にして電話しました。
面接を受けるために上京しました。
もちろん、最高の化粧とヘアースタイルにミニスカートで・・・。
面接の場所は某雑居ビルの3階で、担当者は私を見るなり、「お綺麗な方ですね・・・。貴女でしたら皆さんに好まれること間違いないです」と太鼓判を押されました。
そのクラブに登録している男性会員は、『医者』『会社役員』『社長』『資産家』と社会的地位や名誉のある方ばかりと説明を受けました。
(貧乏な私には縁がない方ばかりだな~)と思いました。
私は男性経験はなく処女でしたので・・・。
「私、まだ経験が無いのですが大丈夫ですか・・・」
「大丈夫ですよー。男性は初めての女性を好む方が多いですから」と。
男性会員の個人情報の守秘義務に関する説明を受け、会員書に住所、氏名、電話番号、メールアドレスを記入し、別室に移って顔写真を撮影。
事前に用意してきた水着に着替えて撮影後、お車代として1万円を頂き、その日は帰ってきました。
数日後、大きな封筒が私宛に届きました。
美容室での仕事が終わり、自分の部屋で不安と期待が混同する気持ちの中で封筒を開けました。
内容は・・・。
『有意義な時間を共有しましょう』
『貴女を大切に・・お付き合いさせて頂きます』
『時間、お金に余裕があります』
『大人の楽しい時間を過ごしましょう』
『月50万円支給できます』
『若い女性には優しくします。絶対怒りません』
『愛人募集、マンション付き』
などの紹介文と、男性10人の顔写真入りのプロフィール。
気に入った方がいれば、男性の登録ナンバーを連絡し、会う日時が設定されます。
男性会員のプロフィールを読んだ感想は、(皆さんお金持ちなんだー!)と、私とは別世界の人ばかりで気後れさえ感じました。
3日ほど悩みましたが、行動しなければ何も始まらないので、3人の男性を選び、封筒ごと郵送しました。
3日後にメールで『あすかさんが選ばれた男性会員の3人の方は、綺麗な方に選ばれて光栄ですと、とても喜んでいました。早速お会いしたいので都合の良い日時を連絡して下さい』と連絡が入りました。
『次週の休暇日の火曜日、日中にお願いします』と返信しました。
2時間後メールが入り、『1人目11時』、『2人目13時』、『3人目15時』いった感じで夜は避けてくれました。
当日、新調した黄色系のスーツ、履きなれないハイヒール、店の全身鏡に映った私の容姿に自分でもうっとり。
(私ってほんとにイイ女・・・)
それと何かあるといけないので勝負下着を身にまとい、面接した事務所に行きました。
早速担当者から今日のスケジュールを説明されました。
・1人目は事務所の応接間で顔見せ後、昼食事の場所を先方が指定されているので一緒に食事。
・2人目は指定されたホテルのロビー。
・3人目はゴルフ場のハウス。
と簡単に本日の流れを聞かされました。
2人目と3人目の方は担当者が同伴するので安心でした。
そんな説明を受けているとドアのノック音がして、「近藤様がいらっしゃいました」と隣の部屋に案内されました。
近藤さんは、年齢43歳。
会社経営で年収8千万円の優しい感じの男性。
部屋に入る時は少しドキドキしましたが、部屋に入ると近藤さんは手に真っ赤なバラを30本ほど抱え、満面の笑みを浮かべて「初めまして、近藤です」と会釈。
私も「初めまして、あすかです」と会釈し、ミニスカートの裾を気にしてソファーに座りました。
10分ほど担当者を交えて話をした後、近藤さんが運転する車に乗り、高級そうな店に着きました。
私には今まで縁が無い“高級料亭”で、着物を着た女性に個室に案内され、次から次に運ばれる綺麗に盛られた料理に私は感動しっぱなしでした。
近藤さんは私をべた褒めで、女の感性や本能をくすぐられました。
心地よい時間を過ごしていた時、近藤さんの携帯に担当者から連絡が入り、事務所まで送って頂きました。
事務所に戻り、近藤さんの感想を聞かれたりして時間を潰し、2人目の男性に会う為に今度はホテルのロビーへ向かいました。
2人目は開業医で、ニヤけた印象の須藤さん。
34歳で年収3500万円。
担当者は私を紹介すると、離れた椅子に移動しました。
コーヒーを飲みながら1時間ほど、世間話などざっくばらんな話をしました。
ニヤけた印象の男性でしたが、女の感覚的な感触としては拒絶反応を起こすような人ではありませんでした。
最後の予定者はゴルフ場のハウスです。
1時間ほど車に乗り到着。
玄関から離れた駐車場に駐車して、担当者と2階のレストランに・・・。
日焼けした逞しい感じの飯野さん。
45歳で、年収6千万円。
ゴルフ仲間の目があるので、担当者を交えて、仕事の打ち合わせっぽい紹介したあと、15分ほどでハウスを後にしました。
事務所に戻る車中で、「今日お会いした男性で、あすかさんが気に入った方が入れば連絡しますので・・・」と言われました。
ハウスを出る頃には既に私の気持ちは決まっていましたので、2人の男性とのお付き合いを担当者にお願いしました。
1人目の近藤さんと、2人目の須藤さんです。
事務所に着き今日の手当として4万円を受け取りました。
高額なお金に「えーっ!」と不思議に思いましたが、この世界では当たり前のお金なんだと、私なりに納得して事務所を後にしました。
男性2人には私の携帯番号とメールアドレスを知らせてあり、翌日、近藤さんからメールがありました。
『昨日は時間を作って頂き感謝しています。担当者の方から朗報の連絡を頂き、嬉しかったです(*^_^*)またお会いしたいので、あすかさんの都合の良い時間を連絡して下さい!』
との内容でした。
夜、近藤さんにメールで日時を連絡しました。
3日後にも須藤さんからメールが入りました。
ここで悩むのが洋服でした。
洗練された女性を装う経験が乏しかった私には最大の悩みでした。
貯金もなく、消費者金融に申込み30万円を捻出。
そのお金でブティックの方にコーディネート、エステ通いをして、その日に準備しました。
その日は、私にとって、女として生まれて初めて尽くしの経験をする日になりました。
そう、女として輝く日になりました。
<続く>