今でも母親同士はランチやカラオケに行ったりしてるくらい。
そんなだから、あたしがその兄弟の隣の通りに引越して来た幼稚園の頃から、よく3人で遊んだり、お互いの家に泊まったりしてた。
あたしは身長が低くて(今も146センチしかない)Kにはいじめられたりもしたけど、Mは小さいながらにそれを庇ってくれたりした。
中学くらいからは照れもあって、あまり話すこともなくなってた。
でも高3になってKと同じクラスになってからは急に親しくなって、そのうちに付き合うように。
それからはまた、お互いの家に泊まるようになった。
親がかなりアバウトな人なので、未成年のくせにKの部屋で、Mも交えて3人で酒盛りしたりもしてた。
KとMは声がとにかくそっくりで、背も少しKが高いくらい。
Kは昔から社交的で、Mはその頃にはフワフワした感じの不思議ちゃんになっていた。
ジャニ系の可愛い顔をしているので女子にはモテてたみたいだけど、勝手に学校休んで制服のまま近所ウロついてたり(怒られても「空見てた」とか言って動じなかったらしい)、何かイマイチ掴めないタイプ。
Kとあたしが高校を卒業した春、Kの両親が温泉旅行に行った。
だからM(当時は高校2年生)と3人で飲んでたんだけど、なぜかその日は飲み過ぎちゃって、あたしはベロベロに酔っちゃってたと思う。
気付いたらKのベッドで2人で寝てた。
起き上がろうとしたらまだ頭がグラグラする。
とりあえず洗面所に行こうと思ってフラフラ歩いて行って戻って来たんだけど、距離感もちょっと狂ってる。
そんな感じでKの部屋に入ったら、何かちょっと物の配置が違うし、怖がりのあたしのための豆球が点いていない。
(あれ?おかしいぞ)とか思いつつも、眠かったしベッドまで歩いて行ったら、いつものように手を広げてあたしを待っている。
眠いし、私もいつものように抱きついてベッドに入った。
「愛してる」
いつもは恥ずかしがってなかなか言ってくれない言葉を言って、ぎゅっと抱き締められた。
胸のあたりを触られて、気持ち良かったから目を閉じて、そのまま身を任せる。
Eカップのブラを上にずらされ、優しく揉まれて、キスされ、舐められる。
酔いも手伝ってか敏感になってて、声を出してた。
普段は隣の部屋のMやご両親を気にしていたはずなのに、それも気にならなかった。
胸からお腹へとキスが移っていって、下の敏感な所も舐められた。
普段はそんな事されないから凄く濡れちゃってた。
しかも愛撫が、そっと撫でられたりと、いつもより優しい。
クリを舌先で弄ばれて我慢できなくなって、「早く入れて」なんて言ってたと思う。
シーツまでびちゃびちゃになって、冷たくなってた。
さんざん焦らされて、ようやく覆いかぶさって、一気に挿れられた。
「K君、もうやめて!」
あたしがそう言うと、「ごめん」って言いながらバックで挿れられて、激しく動かれた。
その時だった。
「◯◯(あたしの名前)~?」
あたしを探す声がした。
あたしが凍りついてると、ドアを開けてKが入ってきた・・・。
その後のことはあまり覚えていない。
Kが何やら叫んで、腫れあがるほどMの顔を殴りつけていたと思う。
その間、Mが少しも抵抗しなかったことだけは、はっきり覚えてる。
「お前、とりあえず帰れ」
そう言い残すとKは自分の部屋に戻っていった。
あたしはMの顔を見ないようにして服を直し、フラつく足で玄関から飛び出した。
とぼとぼ歩いてるとMが追いかけて来た。
「夜中だし、危ないよ」
(アンタのせいだ)と思いながら無視して歩いていると、Mが前に回り込んで、「ごめんね」と一言。
叩いてやりたかったけど、その謝る姿があまりに可哀想に見えて、ただじっと見ているしかなかった。
「もし兄貴と別れることになっても俺が責任取るから。兄貴より絶対大事にするから」
その時、あたしは小さい頃のやりとりを思い出していた。
Mがあたしのことを、「お嫁さんにして大事にする」と言ってたこと。
Kは、「こんな奴絶対やだ」とか言ってたこと。
(もう二度と、3人で仲良くなんて出来ないんだろうな・・・)
あたしは、「無理だよ」とだけ言って、Mをその場に残して家に帰った。
数日後、Kから『話し合ってやり直そう』というメールがあったけど、あたしの方が気まずくなってしまって別れた。
道で会うことがあっても、もう目も合わせない。
Mからはこの前、久々にメールが来た。
アドレスはうちの母に聞いたらしい。
だけど返す気になんてならなくて、今もメールボックスに入ったままだったりする。
終わり。