プールは職員室の窓から見えるので、監視員役の先生も常駐はしてない。
俺は学校まで徒歩3分の近所に住んでたので、1人でもちょくちょく行ってた。
その日も朝から1人で、のんびりプカプカしに行った。
まず職員室で先生にひと声かけて、プール利用者ノートに名前を書くことになってる。
ここんとこ俺が一番乗りだったけど、その日はちょっと遅くなった。
ノートを見ると、すでに女子が3人来てるらしい。
その中に『マコ』の名前があった。
(マコがいるー!マコの水着が見れる!)
いっぺんにドキドキしてきた。
マコ、部活サボったのか?
まあ理由はどうでもいい。
マコは幼小中とずっと同じ、その後も高校まで同じだった女子。
マコとは小4くらいまで、毎年同じクラスで一緒にはしゃぎ回る大の仲良しだった。
中学では割と真面目な性格になったみたいで、そこそこ優等生。
クラスも違ったし、俺なんかと話す機会はほとんどなくなった。
でも控えめな佇まいも可愛くて、ちょい天然なとこもあって、ずっと大好きだった。
夏休みのプールは、普段の男女別の授業とは違って混浴状態。
男子に水着を見られるのが恥ずかしいのか、もともと女子の利用者は少なかった。
別に俺は最初から、女子の水着目当てでプールに通ってたわけじゃないよ(力説!)
けど、好きな女子がいるとわかったら話は別だ!
ふふふ~んと鼻歌でワクワクしながら更衣室に入った。
・・・ところで。
実は俺には、ちょっとした露出願望がある。
公共の場でパンツ脱ぐだけで、なぜか勃起することがあるっていうプチ変態。
周りに女がいなくても、ちんこを外界に晒すと興奮する。
授業のプールの着替えでも勃起しそうになる。
宿泊研修の風呂とかもやばかった。
(※ゲイではない)
そんな中で『心頭滅却』という言葉と、その実践の難しさを知った。
でもこうして1人の時は自分を抑える必要がない。
更衣室という公共の広い空間で堂々と全裸になれる!
空いてるプールに1人で来ると、こういう副産物的な楽しみがある。
だからズボンの下に海パンを穿いてくる、ってことはしてない。
思い切り全勃起して、更衣室の中を歩き回るのは楽しい。
誰かが急に入って来た時のためにバスタオルだけは手に持っている。
この、全裸だけど最後の砦だけはあるっていう緊張感のバランスがたまらない!
といってもプチ変態はその程度で、こんなとこでオナニーとかする度胸はなかった。
(※実際に露出狂になったことはないので、どうかこんな変態少年を許して下さい)
さて、この時は水着のマコを思い浮かべて、もう脱ぐ前から小勃起してた。
そして全裸になった瞬間、ムクムクぼっきんとちんこが完全体に。
バスタオルは手に持っている。
いつもはちょっと歩きまわったら満足してプールサイドに出る。
でも今日は、出たらそこに人がいるとわかってるので、勃起が収まるまで行けない。
早くマコを見たいけど、収まるのを待つ。
(むしろ本当は勃起をマコに見せたかったりして・・・)
とか思ってみるけど、イヤーン、やっぱり恥ずかしい。
結局、いつもより大胆に全裸ではしゃいでしまって、ちんこは収まる気配がない。
腰を突き出してちんこをぶんぶん回して、ふーんっふーっと鼻息が荒くなったり。
ちんこをタオル掛けにして、直立不動で意味もなくニヤリとしてみたり。
「ああ、マコぉ・・・」
つい、独り言も出た。
「(モゾモゾ)クフン」
(・・・おや、何?今の・・・)
「フンッ、ク」
え?なんか聞こえたよね・・・ひいぃい!!!
何だろ、今の音?
声か?・・・ええぇ?
周りを見渡して、俺は・・・あることに気付いた。
更衣室の隅に、カーテンで仕切られた個室的な一角がある。
これは先生が着替えるところ。
先生と生徒が同時に着替えることはあまりないけど、一応そういうスペースがある。
そのカーテンが閉まってた。
いつもは開いてるのに。
今日に限って浮かれてた俺は、そのことに全然気付いてなかった。
(あの中に誰かいる!!)
でも、先生じゃないのは確か。
たまに定期見回りを兼ねて泳ぎに来る体育のムキムキ先生は、さっき職員室にいた。
(じゃあ何だよ!怖いいいぃ!)
心霊的なお化けを想像して全身鳥肌が立った。
勃起している理由が“生存本能”に変わった気がした。
カーテンは少しだけ隙間が開いていた。
俺は怖いのに、いや怖いからこそ、そこに背を向けることが出来なかった。
ちんこだけはタオルで押さえて隠していた。
ちんこをお化けに見られる恥ずかしさじゃなくて、守らなきゃいけないと思った。
すると・・・。
「アワワ・・・ムッチャン・・・ガ」
ビクン!
「睦ちゃん」って俺の名前だ。
カーテンの向こうのお化けが、なぜか俺の名前を知っている。
って言うか・・・その声は?
俺は思わずカーテンをがばっと開けた。
そこにいたのは・・・マコ!
なんでマコ!
どうしてこうなった!
スクール水着のマコが、壁際にへたり込んでいた。
なぜか水着をおへその辺りまでしか着てなくて、胸は両手で押さえてる。
(まさかレイプとか!)
でも違う、そんな雰囲気じゃないことだけはわかる。
俺の思考は停止した。
勃起ちんこをタオルで押さえたまま後ずさりした。
後ずさりって言うか、後ろによろめいた感じ。
そしたら簀子につまずいて地味にひっくり返った。
「うわあ!大丈夫っ?」
駆け寄って来るマコ。
一瞬タオルを離してしまって、ちんこをもろに見られたけど、またすぐに隠す。
マコも慌てていたのか、胸を押さえていた両手を離した!
お、お、おっぱい!
ああ、同級生のおっぱい!
「フー」(←鼻息)
おっぱい見えたよ!
大好きなマコのおっぱい!
ちゃんとふよふよ揺れるくらい大きく育ってるよ!
乳首乳首!
乳首も見えたよ!
色は薄いよー。
おっぱいが見えてることに、すぐに気付いたマコ。
慌てて背中を向けて水着をちゃんと着直した。
停止していた俺の思考が、支離滅裂に回転し始める。
おっぱい見た。
ちんこ見られた。
マコがいる理由がわからない。
足ぶつけた、痛い。
あー、マコが心配して俺のそばにいる。
見たかった水着姿。
おっぱい見た、ちんこ見られた。
今、俺、裸だ。
マコが俺の顔を見てる。
可愛い。
でも泣いてる。
おっぱい見た、ちんこ見られた・・・。
何これ?
なんか来たぞ!
ちんこが・・・ちんこがぞわぞわする!
あー!あー!
・・・混乱しまくってる俺には、突然の射精を止める方法がなかった。
俺はタオルの中に精液をたっぷりどっぷり、どっぴゅん、ドクドクと放出し続けた。
そんなこと知る由もないマコは、倒れている俺のそばに座っていた。
射精の快感で下半身がびっくんびっくん震える。
マコも俺の様子に気付いて、反射的にびくっと少し後ろに下がった。
俺が震えた理由は・・・、どうか知らないでいて欲しい。
イッちゃったからか、俺はほんの少しだけ冷静になった。
ちんこは急激に萎んで元に戻った。
「ごめん、大丈夫」と言って、ささっと海パンを穿いた。
でも、やっと訪れた冷静さは、当たり前の事実に気付くとすぐに吹っ飛んだ。
血の気が引くような恥ずかしさで吹っ飛んだ。
マコは俺が来る前からそこにいた。
ってことは最初から全部?
全部見られてた?
俺が、更衣室に入ってからとった行動!
すっぽんぽんでニヤニヤ~からの変態奇行を全部見られてた!
マコがなんでここにいるかってことより、そのことだけで頭がいっぱいになった。
「み、みみみっ、見・・・」
怖くて、「見てた?」と聞けなかった。
でもマコの表情を見れば聞くまでもなかった。
マコもまだパニック状態であわあわしていた。
「ごめんごめごめん、でも睦ちゃんで良かった」
何だよそれ・・・。
やり場のない恥ずかしさが怒りに変わった。
「何が良かったんだよ!なんで女がいるの?もう勘弁してえええ!」
喚いてしまってちょっと後悔。
マコは泣いていた。
泣きながらマコが話し始めた。
「◯◯先輩が、私を好きで、それで、森ちゃんと泉ちゃんが、ああああ」
・・・全然意味がわからない。
後から知ったことも合わせて、ちょっと話をまとめます。
◯◯先輩というのは、安易なキャラ説明をすると、爽やかチャラ男な部活のOB。
森と泉はマコの部活仲間で同級生。
今日は3人でプールに来た。
最近、爽やか先輩がマコに告白したみたいで、森と泉はマコを憎たらしく思っている。
マコが告白を受けようが断ろうが、妬み女子にはそんなの関係ねー。
嫌がらせのためにマコをプールに誘って、男子更衣室に放り込んだ。
「告白は断れ。先輩とはもうしゃべるな。でないと許さん」
「お前はここで着替えて男の裸でも覗いとけ。一緒に着替えてもいいぞ、プププ」
「ちんこ見たらサイズを教えろよ、ウチらは先にプールで待っているからな」
というようなことを言われた。
これを言うために、服の下に水着を着て来ないように、急かして誘い出したようだ。
用意周到なずる賢さである。
そして、「誰か男が来るまでは出てくるな」と釘を刺された、と。
つまり、マコが男(この場合は俺)よりも後にプールサイドに出てくる状況を見たいと。
そしたら森と泉は、“マコは男が着替えしてる更衣室にいた”ってことで断罪できる。
「変態だ、プププッ」とあざ笑って楽しむわけだ。
という状況に置かれて、恐る恐るカーテンの裏で着替え始めるマコ。
すると、そこに鼻歌まじりの俺が来た。
物音を立てたくないので、マコは水着を半分まで着た状態で息を潜めた。
いじめられてる最中だけど、なんだかんだ言ってもやっぱり気になる。
カーテンの隙間からマコはドキドキしながら覗く。
『うわ、睦ちゃんだ』
来た男子が、よく知ってる俺だったから、安心感と罪悪感が両方あった。
(その安心感の部分で、さっき「睦ちゃんで良かった」と言ってしまったらしい)
そして・・・1人だからと何も隠さず堂々と全裸になる俺。
それどころか、歩き回ったり、誰もいないのに見せびらかすような動き!
ちんこも振り回す!
なぜか勃起している!
『何これ・・・?』
ドキドキして息を呑むマコ。
初めて見る同級生の勃起ちんこに心臓バクバクのマコ。
とどめは俺の、「マコぉ」というつぶやき。
マコは『見てるのがバレたっ?』と思ってちょっと動いてしまい、喉の奥を鳴らしてしまった。
頭の中は真っ白&パニックで、無意識に俺の名前を声に出した。
そして俺に見つかって、今こういう状況。
マコの話は取りとめがなくて散漫で、この時点ではよく判らなかった。
でもこれがいじめの現場だってこと、それだけは理解できた。
混線してた俺の怒りの感情が、ようやく2人の女子、森と泉に向けられる。
あの2人の性格ブス加減は俺にも覚えがある。
どうやらマコは普段から、この2人に軽くいじめられてるらしい。
「あいつらめー、ちょっと殴ってくる!」と言う俺に、マコは「やめて」と言ったけど、俺は怒りを露わにし続けた。
そうしないと話が、「ところで睦ちゃん、裸で何やってたの?」と恥ずかしい方向に行っちゃうから。
それもあって、ほんとに殴るつもりはないけど大袈裟に、「許せん、殴る!マコの仇!」とか言い続けた。
でも無駄だった。
心優しい、というか気弱なマコには仕返しを考える度胸はなかった。
「睦ちゃんもういいよ。来たのが睦ちゃんだったから私、平気だよ。でもそれよりさ・・・」
だよな。
やっぱりこの流れが来た。
<続く>