で、いざ始まったんだけど、幸い同じ時間帯のグループには同じ学校のやつもいたんだけど、まぁ顔見知り程度というか。
寂しかったけど、恥をかかずに済んだという気持ちの方が大きかった。
でもさ中学生のコースには、どう考えてもついていけないわけ。
だってオレ、全然泳げないし。
スイミングスクールのプールって深いからさ、半分溺れてるようなもんよ。
2、3回我慢して行ったけど、もうしんどくて親に泣きついたけど許してもらえず。
そしたらスイミングの先生から電話がかかってきて、「君は必ず泳げるようになるから下の学年のコースに混ざって1からやらないか」とのこと。
この先生が若い男の先生だったんだけどすごくいい先生でさ、わざわざうちの学校の体育教師とかに電話して、色々とオレの情報を仕入れてたみたいで。
なんでこんな風に言ってくれたかというと、実はバスケでオレは小学校の県代表に選ばれてたり、中学でも入学してすぐにレギュラーになったりしてたから、運動神経はあると思ってくれたらしい。
その先生の熱意に負けて、オレは行き続けることにした。
本題はここから。
まぁ恥の上塗りみたいな、ちょっとラッキーな話ですが。
オレが入ったコースはまさかの小学校下級学年コース。
ここでは1~3年生を下級、4~6年生を上級と呼び、例え1年生でも上級クラスであればそっちの方にいけるし、もっとすごければ競技者育成コースに大抜擢される。
中1で小学校の1~3年生と一緒ってのは屈辱以外の何ものでもない。
ハッキリ言って嫌だったが、そのとき同じような境遇の女の子が、同じタイミングでこのコースに入ってきた。
同じ中学同じ学年だったのだが、中学生コースでも別のクラスだったらしく学校でも面識がほぼないので、「どうもー」って感じ。
名前はメグミちゃん。
背は小さい感じで、結構好みのタイプ。
でも体は中1だから幼児体型&ぺったんこですが。
先生は、「2人で切磋琢磨して頑張れ」みたいな感じ。
まぁ2人でよく話したりはした。
初めての下級生コースが終わりを迎え、内容的には本当に低レベルというか、むしろ1~3年生よりも泳げない俺たち。
終わり迎え、プールサイドで先生の話を聞き、「皆でシャワー行くぞー」と先生が指示を出した。
途端に他の小学1~3年生は水着を脱いで全裸になりだした。
男の子も女の子もみんな。
オレとメグミはぽかんとしてる。
他の子が、「お兄ちゃんたちも早く行こうよー」とせがむ。
すると先生が・・・。
「ごめん、こういうルールなんだよ。他におばちゃんクラスしかいないから、今日は合わせてくれないかな」
2人で顔を見合わせる。
オレは男だからまだいいが、メグミはだんだんと顔が真っ赤になる。
先生がなかなか脱がない他の子に注意をしだすと、メグミは覚悟を決めたのか、肩紐に手をかけてするするっと脱ぎだした。
ぺったんこの胸が見える。
そして下は産毛みたいに薄い毛が2~3本。
今考えたら、きっとこんなシチュエーションになったことなんてなかったんだろうね。
どう自分の体を隠したらいいかわかんない感じで、とりあえず腕をまわしてギュッと抱き締めるようにしてた。
もうオレが脱がないわけにはいかないからさ、俺も脱いだわけ。
そしたら、いや、わかってたんだけど、メグミの裸を見てオレのチンポは当然勃起してた。
チンポが上向きになってる。
オレはバスケやってたのもあったから背はそんなに大きくなかったけど体つきはしっかりしてて、チンポもそれなりに大人だったというか・・・。
毛もそれなりに生えてたしね。
メグミはそれを見てびっくりしたのか、それまで体を隠してた手で顔を覆った。
隠れてた体が露わになって、オレのはより一層ビンビンに。
その後、シャワーに行って帰るまで無言だったけど、なぜかずっとメグミはオレのそばで行動してた。
シャワーでもすぐ隣で、お互いチラチラ体を見ながら、目が合ったらすぐ逸らす感じで。
更衣室はさすがに別だったけど、ロビーで会ったときは改めてって感じでお互いちょっと微笑んだ。
そんなこんなで、“毎週裸を見せ合う”という、よくわかんない関係からものすごく仲良くなり、学校でもよく絡むようになった。
友達に「2人とも仲がいいよねー」ってからかわれると、メグミは「お互いの秘密を知ってるもんねー」って笑ってた。
結局、オレはバスケが忙しくなって、中学2年の途中で辞めた。
水泳もとりあえず25mクロールで息継ぎなしで泳ぎ切るという技も覚えた。
メグミは泳げなかったのが嘘のように泳げるようになってた。
後から聞いたら、小学校の頃は病弱でほとんど泳ぐ機会がなかったらしい。
それからも2人の仲は続いた。
スイミングスクールで裸を見せ合うことはなくなったけど、なんだかお互いに一番の理解者のような気がしてた。
裸の付き合いってこういうことを言うんですかね。
有り難いことにオレはバスケの強豪進学校にスポーツ推薦で入れることが確定してたし、メグミは俺と違って頭が良かったので高校受験は問題なかった。
だから中3の最後の大会の時に、「この大会で優勝したら付き合ってよ」と告白した。
でも大会は決勝で負けてしまい、めちゃくちゃ落ち込んでた。
次の日、メグミに会いづらいなと思ってたら、廊下ですれ違いざまに手紙をもらった。
『頑張ったのに残念だったね。オレくんとの約束はダメになっちゃったけど、頑張ったみたいだからご褒美をあげる。放課後、近くの公園で』という内容だった。
やっぱりダメだよなー。
ここで、「それでも付き合って」なんて言ったら、男としてカッコ悪いよなー、なんて思いながら公園へ。
「優勝できなかったね」
「もうちょっとだったんだけどね・・・」
「オレくんが言ってた約束はダメになっちゃったね」
「うん・・・」
「でも、頑張ったんだよね?」
「そりゃそうだけど・・・」
「じゃあ、ご褒美あげるね!」
「・・・ん?」
「好きだよ。付き合って!」
「・・・えっ?」
それからバスケも引退して暇になり、中3の夏休みの親の留守中に初めて結ばれました。
久しぶりの裸にお互い緊張してたけど。
「胸、大きくなったでしょ。オレくんも大きくなったね(笑)」
それから高校でもバスケを頑張ったオレは大学推薦をもらい、オレの頭ではまず入れないメグミと同じ大学に進学。
今、4回生。
懲りずに、オレはまた言っちゃってます。
「就職が決まったら結婚してよ」
「うん。じゃあ今度は約束を守ってね」
終わり。