「超可愛い子がいるからさ」
そう言うと、学校帰りに柳田はオレを強引に駅へと連れて行った。
そこで初めて下校中の香奈を見た。
一目見てオレも惚れてしまうほど好みだったし、柳田が興奮してるのも十分理解できた。
香奈は女子高だったため接点がなかった。
しかし柳田は女友達のツテを使って、どうにか近寄ろうと頑張っていた。
「全然ダメだ・・・。同じ学校のヤツがいるけど友達じゃないってさ」
落胆する柳田に、「じゃあオレも知り合いに聞いてみてやるよ」と言っていた。
「マジで頼むぞ!遊びに行けたらお前も呼んでやるから!」
相当にマジだったんだと思う。
だからオレも数人の友達に聞いてみたんだけど全然ダメだった。
それから1週間くらいしたある日、話を伝えていた友人に駅でばったり会った。
「お前が言ってた話、どうにかなりそうだぞ」
「マジでか?」
近くのマックでゴチってやりながらオレは香奈の話を聞いた。
そしたら偶然にも、知り合いが香奈と今、一緒にいるという。
「それじゃ◯◯駅前のマックに来てよ」
友人がゴリ押ししてくれた。
オレはお礼を言いながら柳田に電話したが、なぜか柳田は電話に出ない。
『至急連絡しろ』
仕方なくメールを入れたが、結局香奈が来ても連絡はなかった。
香奈達と合流したが、本人がいない状態でどうしたら良いのか分からなかった。
でもオレは香奈の可愛さにどんどん惹かれていった。
香奈もオレのことを満更でもないらしく、その後、男女4人でカラオケに行って連絡先を交換して別れた。
家に帰って23時頃になって柳田から電話があった。
友達とストリップに行ってたらしい。
車を持ってる先輩がいて、急に誘われたと、気まずそうに言ってた。
気まずそうってのは、そのストリップにオレが行きたいって随分前から話してたからだと思う。
「お前も誘おうかと思ったんだけど、もう5人集まっててさ、ゴメンな」
僻地にあるそのストリップでは柳田の携帯には電波が入らなかったらしい。
ストリップ数千円、本番数千円の格安ストリップ。
誘われなかった悔しさに、オレは香奈と会ったことを言わなかった。
ほんのちょっとの出来心だったけど、そのイジワルがオレの人生を大きく変えた。
「で、どうしたんだ?」と言う柳田に適当な話をして切った。
電話を切った直後、香奈からメールがあって、その日からどんどん親密になっていった。
香奈の家は門限が22時だったので、学校帰りに数時間だけ遊ぶという日々。
柳田に言わなきゃって思いながらも言えずに時が過ぎ、とうとうオレは香奈と寝てしまった。
華奢で今にも折れそうな体に不釣り合いなDカップの美乳。
オレのことが大好きだから頑張る!と言って、不慣れなフェラチオで奉仕する性格。
何度も学校帰りのラブホでセックスしていくうちに、次第に香奈もセックスの良さを知りはじめ、貪り合うような時間を過ごしていった。
「ちゃんと勉強して同じ大学に行こう」
香奈にそう励まされてオレは一生懸命に勉強した。
その甲斐あって、高2の時は大学なんて行けそうもなかったオレが、多くの受験生が第一志望にするような学校に合格した。
香奈も当然のように合格したが、とてもオレじゃ入れないような学部だった。
柳田はというと全然勉強なんてしてなかったから、受けた人が全員受かるような学校に進学した。
香奈と付き合いだしてから柳田とはほとんど遊ばないようになったが、事情を知らない柳田はよく遊びの誘いだけはしてきてた。
卒業式が終わって春休みになり、久しぶりにオレは柳田と会った。
「夕飯食おうぜ!」と誘われて行ってみると、当然のように柳田は居酒屋へ入っていく。
オレと会わなかった1年ちょいで、柳田は酒も煙草も普通にたしなむ男になっていた。
しかも驚いたのは、昔とは比べ物にならないほど女とヤリまくっていたという話。
ナンパは日常茶飯事で、飲み会をやってはお持ち帰りが当たり前。
「コイツすげぇーだろ?」
そう言って見せられた携帯には、オッパイ丸出しアソコも丸出しの女の子達が何人もいた。
「もう落ち着いたんだろ?お前も来るか?」
柳田は好意でオレを誘ってくれたんだと思う。
でもなんだか負けたような気がしていい気がしなかったオレは、香奈との関係を告白してしまった。
「何でだよ?オレよりも前から知ってたのか?」
「いや、あのとき初めてだよ」
「じゃあ何で黙ってたんだよ!ふざけんなよ!」
「ゴメン、でもお前もかなり遊んでたし、もう何も言わないから諦めたのかと思ってさ」
「なんだよそれ・・・」
「ゴメン・・・」
見る見るうちに顔が赤くなってきた柳田は1万円札を机に叩きつけて出ていった。
それ以来、柳田とは会うこともなく、オレも次第に罪悪感が薄れていってた。
香奈との大学生活は楽しく、周りからも公認のカップルだった。
サークルには入らなかったから2人で旅行にも行ったし、言葉には出さなかったけど、このまま結婚かなって互いに思ってたと思う。
大学時代の香奈は明らかに数年前とは違っていた。
「お前はあの巨乳を好きにしてるのか?羨ましいヤツめ」
なんてよく言われたくらい香奈は色気ムンムンになっていってた。
香奈が言うには、オレのとエッチで女性ホルモンが出まくりらしい。
確かに昔とは違って香奈はセックスに対して貪欲になっていた。
恥ずかしい話、オレは香奈で3人目だったので、他の女がどうなのか知らなかった。
だけど今だから思うのは、確実に香奈は淫乱な女だったと思う。
Mっ気が強いので、「ちょっとしゃぶってよ」とか言うと、照れながらも喜んでしまう。
前戯無しでいきなり襲いかかって入れたりするのも大好き。
大学内ではもちろん、誰かに見られそうな場所でのエッチも大好きな子。
見た目はそんな事しそうにない。
そのギャップがたまらなくて、浮気なんてすることもなく付き合っていた。
毎回精子を飲もうとする香奈は、「あれ?なんか薄いけど出したの?」とか言ってくるから、そもそも浮気とかできなかったんだけどね。
そんな香奈だけど夢があったので、オレたちはちゃんとゴムは付けてた。
少しだけ生で入れたりはしたけど、すぐにゴムを付けて、イク時はお口というスタイル。
「生って気持ちいいけど怖いから・・・」
大好きな香奈を傷付けるのは嫌だったので、オレは率先してゴムを付けてた。
もしかしたら香奈は無理やりにでも生で入れられたかったのかもしれないけど・・・。
いつの頃からか忘れたけど、香奈は積極的に腰を動かすようになっていた。
どこで覚えたのか分からないが、騎乗位だけではなく正常位でもバックでも腰を動かす。
その理由が分かったのはずっと後のことで、どうもオレの亀頭がポルチオに当たる良さを知ったようだった。
亀頭にコリコリと突起物が当たるような感触は毎回あって、次第に激しく腰の動きが激しくなっていうのがいつものこと。
そして何より凄かったのはイキっぷり。
正常位でイク時は背中を仰け反らせ、ブリッジでも始めるのかって思うほどのエビ反り。
その後激しく体を痙攣させて余韻を楽しみ、イッた後は単純な出し入れでも昇天しまくる。
騎乗位の時は自分である程度はコントロールできるらしく、オレの乳首を舐めてきたりして休憩を挟む。
でも昇りつめ始めると腰の動きは加速していき、最後は虚脱して前に倒れ込んでくる。
その後、下から突きまくると人形のように虚脱したり、強烈な力で抱きついてきたりして何度も昇天。
いつからからそんなイキまくる女になっていて、それに伴って色気も増していったのかもしれない。
大学4年になり、オレ達は就活と国試のために会えない日々が続いた。
会っても2時間程度のお茶タイムとかだけ。
でも月に1回は会って、1日セックスしまくる。
毎日オナニー三昧だと暴露してた香奈は、会うと性欲を爆裂させていた。
そんな日々を送っていたけど、一足先にオレの方が内定をもらって暇になった。
邪魔をしてもしょうがないので、オレは海外旅行に行くことにした。
男友達と2人で2週間、アメリカに行ってきた。
もちろんその間も香奈にはメールをしたり電話はしていた。
旅行から帰ってすぐ香奈に会い、いつものように激しくセックスをした。
そのとき、なんにも何も変わっていないと思った自分を、今は情けなく思う。
大学を卒業後、それぞれの道に進んだ。
社会人となってからは週末の土曜か日曜に1泊するというデート。
確実にオレの中では、『結婚』という二文字が明確に浮かんでいた時期だった。
でも香奈が、「もうちょっと落ち着いてから」というようなことを言っていたので、今まで通りの付き合いを続けていた。
で、社会人になって1年目の8月、高校時代の友人から久しぶりに誘いがあった。
偶然同じ業種に就職したらしく、友達からオレのことを聞いて誘ってきたらしい。
仕事の話をしながら酒を飲んでいると、突然そこに柳田がやってきた。
「おう!久しぶり!元気だったか?」
突然の合流にビックリしたオレは正面に座っていた友達を見た。
「サプライズってヤツだよ!コイツにはオレが来ることを言わないように言っていたんだよ」
柳田は友人の隣に座り、オレに握手を求めてきた。
妙にぎこちない動きになったもう1人の友人。
でも柳田はそんな雰囲気も関係ないらしく、頼んだビールをガンガン飲みまくって昔話を始めた。
柳田は今、金融会社で働いていると言い、だいぶ羽振りも良いという。
「お前はどうなのよ?」
隠すこともなく現状を喋った。
時間が経つにつれて昔の感覚が戻り始めたオレは、あの時のことを忘れて喋っていた。
柳田もあのことには触れずに喋っていた。
だから忘れていたのかもしれない。
2時間くらい飲んでオレはホロ酔いに、もう1人の友人は「明日も早いから」と先に帰った。
店を出たオレ達は柳田の行きつけというバーへ移動した。
常連らしく入っていくと店員たちがフレンドリーに挨拶をしてくる。
そして通されたのは奥にある3畳ほどの小さな個室。
「お前ってすげーな!」
正直な気持ちを口走っていた。
「ここはいつもナンパした女連れ込んだりするからな」
「そうなんだ。女も喜ぶだろ?こんな特別扱いされたら」
「まぁな。でもそれだけじゃ女はオチないぞ」
「そりゃそうか」
「ヤッちまえばオレのテクにヒーヒー言って楽勝なんだけどな」
「なんかお前、経験数が凄そうだもんな」
自然に女絡みの話になっていったが、後になって冷静に考えれば身の毛がよだつ。
柳田はオレの彼女の話を一切聞いてこなかった。
自分のナンパした女やセフレの女の話ばかり。
「この前、セフレを連れてって同期と先輩で4Pしちゃってさぁ~」
ニヤニヤしながら喋る柳田の話は、たぶん酒を飲んでなかったら耐え切れない。
3P4Pは日常茶飯事で、ハメ撮りしては裏の業者に売ったりもしてると言う。
お得意さんに女を紹介して3人でヤリまくったりしてるとも言っていた。
「女を紹介したら仕事なんて余裕だよ!」とゲラゲラ笑う柳田に、オレはかなりの違和感を感じていた。
随分飲んでそろそろ帰ろうかって頃、柳田がとあるムービーを観せてくれた。
「お前だから特別だぞ」と携帯を差し向けてきた。
そこにはアイマスクをした女が1人の男に両足を抱えられるようにして映ってる。
撮っているのは柳田らしく、ゆっくりと女にカメラが近づいていった。
女のアソコにはバイブが根元まで刺さっていて、曇った音を響かせている。
驚いたのはアナルにまでバイブが入っていたこと。
女は必死に声を殺しているらしく、時々「はぁぅっぅっっ・・・」という声を出していた。
「ほらほら、気持ちいいんだろ?」
「もっと喘げよ!このメス豚が」
「2穴に突っ込まれてる変態が何我慢してんだよ」
抱えている男がそんな罵声じみた言葉を発している。
「くっくっくっ・・・」
柳田が笑っている。
「どうだ?凄いだろ?」
「あぁ・・・いや・・・凄いなんてもんじゃないわ・・・それ」
「だろ?この女はちょっと前にナンパしたんだけどさ、見た目以上に淫乱で最高なんだよ」
「へぇ~・・・そ~なんだ」
「初めは2人で楽しんでたんだけど、中出しもOKだしな」
「妊娠しないのか?」
「ピルを飲んでるってさ。それでお得意さんに紹介したらドンピシャで、今じゃオレたちのメス豚だぜ」
ぞっとするような下品な笑い方をしながら他にも2つほどムービーを観せてきた。
1つは四つん這いで中年オヤジにバイブで弄ばれている動画。
もう1つはオヤジと正常位でやっている動画。
圧巻だったのは2つ目。
女がもっと深く入れてと言わんばかりにオヤジの腰に足を回して下から抱きついている。
オヤジは腰をグリングリンとグラインドさせているらしく、女は喘ぎ声もなくただヤラれていた。
カメラが後ろから横に移動すると、目隠しをされた女がオヤジの首に手を回して濃厚なキスをしている。
鮮明な動画じゃないので何とも言えないが、むしろ女の方からキスをしているようだった。
「実はさ、携帯じゃなくてビデオカメラでも撮影してるんだよ」
「マジかよ、女はそれを知ってんの?」
「撮ってる途中で気が付いたけど、気持ち良過ぎて狂ってたから何も言ってこなかったよ」
「すげーな・・・それ」
「あぁ~マジでメス豚なんだよw世話になってる他のお得意さんにも紹介しようかと思ってさ」
「へぇ~・・・またそれで仕事もらえるんだな」
「そうそうwつーか、お前だから特別にその動画、観せてやろうか?」
「マジで?」
「紹介するお得意さん達に配るように準備してあるんだよ」
「ホントに?マジで観ていいの?」
「いいよ、ネットで落とせるようにしてあるから」
動画を観せて気に入ったら紹介するという感じで、他にも色んな女の動画があるらしい。
それらは何個かに分割されていて、パスワードを入れて結合するという。
もちろん落とす時にもパスワードが必要で、それらを柳田は携帯に送ってくれた。
オレは柳田と別れてから急いで家に帰った。
すぐにでも見たかったがファイルが大き過ぎる。
夜しかPCが使えないから1日1個しか落とすことが出来ない。
全部落として結合しないとダメだと言われたので、オレは何も知らずに1つずつダウンロードしていった。
やっと残り1つになった木曜日、オレはいつものようにダウンロードしながら寝た。
朝になって外付けハードをバッグに入れてオレは会社に行った。
その日の夜に香奈と会う約束をしていたので、どうせなら香奈にも観せてやろうと思って。
『今日、面白いもん見せてやるよ』
そうメールすると香奈も気が付いたらしく、『楽しみ♪』と返事が来た。
これが、香奈の無邪気な文章で送ってきた最後のメールだった。
<続く>