その日、夕方の18時頃、私はターミナル駅の某私鉄に始発から乗りました。
電車に乗ると、パッと目に付く可愛らしい女の子が長椅子の一番端に座っていました。
スケベ心もあって、その女の子の前の吊り革に掴まって立ちました。
とはいえ、それ以上のやましい気持ちはありませんでした。
PCMAX

その子は膝に大きなバッグを置いて携帯を弄っていました。
まじまじ見るのも悪いので、ちらちらと見ていました。
年齢は22、3歳くらい。
長いつけまつ毛をしてて一見ギャル風です。
でも化粧をとったら清楚な感じになりそうな雰囲気がありました。
下は短パンに生足。
上は重ね着をしたオシャレさん。

ちなみに私は40代のサラリーマンです。
その日はワイシャツに夏用の薄地のズボンを穿いていました。

時刻通りに電車は動き出しました。
そんなに混んでるわけではありませんでしたが、夕方なのでちょっと動けば人に当たる程度には乗客がいました。

で、事件は起きました。
その子が伸びをしたのかな、両手をぐっと前方に伸ばしたときに、私の股間に手が軽く触れたのです。

(あっ、邪魔な位置に立っててすみません!でも混んでるんでしょうがないんです!)

声には出せませんでしたが、そのとき私が思ったことです。
ところが、次第に一瞬触れた手の感触が頭の中でいっぱいになって、私のモノはみるみるうちに大きくなってしまったのです。
ちなみに私はパンツを穿かない派です。
いつも自由でいたいから。
笑い話ではありません。
さすがにやばいと思い、腰を引きました。
たぶん私はバツの悪い顔をしていたんだと思います。
心なしか彼女が笑みを見せたような気がしました。

(えっ?怒るんじゃなくて、笑うの?そっちがそう来るなら、このままでいてやる!)

なぜか私は、そう思ってしまったのです。

で、2度目の事件が起こりました。
またその子が伸びをする感じで前に手を伸ばしてきたのです。
今度はハッキリと、しなやかな指で強く触られました。
そう、私のモノがズボンの中でぐっとしなるくらいに。
誰もがそうなるように、私のモノも、さらに主張をはじめました。
しかし、こんなにテント状態になるとさすがに目立ちます。
私は狼狽して辺りを気にしました。
でもスマートフォンに没頭している人ばかり。
幸い近くに座っている人たちはみんな寝ていました。
そうなると興味は彼女に向けられます。

(わざと?それとも偶然が二度重なっただけ?どっち?)

そんなことを聞けるはずもなく、興奮は収まりません。
とりあえず期待半分でそのままでいました。
彼女は膝に置いた大きなバッグの前に腕を伸ばしている状態でした。
つまり、股間に触れた後も彼女は手を引っ込めなかったということです。

なので、“彼女の指”と“私のテント”は、かなり近い距離にありました。

3度目、4度目の事件が起こるのに、そう時間はかかりませんでした。
もう私の頭の中は真っ白です。
あそこだけが意志を持ち、その他はまるで抜け殻のよう。
私の視線は窓の外にありましたが、彼女は携帯を持ったり携帯をバッグに仕舞ったり、また携帯を出したりと、落ち着かない様子だけはわかります。

好奇心が生まれました。
彼女の顔を見たくなったのです。
チラッと見てみました。
私の勘違いかもしれませんが、彼女も興奮していたように見えたのです。
目は虚ろで、何かを我慢しているような感じ。
そんな彼女がちょっと愛しくなりました。
ぎゅっと抱きしめたくなりました。
馬鹿だなと自分でも思いますw

結局、私は降りる駅を乗り過ごしてしまいました。
実際はわざと乗り過ごしました。
その間、“事件”は全部で30回くらいは起きたと思います。
強いパターン、弱いパターン、右から左から・・・。
もう私はどうにかなりそうでした。
女王様に焦らされているM男の心境です。

そんなとき、ふと我に返りました。
だんだん申し訳ない気持ちになってきたのです。
なぜそういう気持ちになったのか、自分でもよくわかりません。
とにかく次の駅で降りようと決心しました。
そして実際に電車を降りました。
終点の一つ手前の駅でした。
つまり彼女は終点まで乗ったということです。
彼女も乗り過ごしたのか、終点が目的地だったのかは定かではありません。
私にとってとても強烈だったこの事件を、どこかに書き留めておきたいと思って書きました。