浩一はあまり単刀直入に物事を言わない性格なので、あの日、僕が浩一の彼女を寝取ったことを知っているのか知らないのかははっきりわかりません。
だからこそ怖いのです。
大学生の時に浩一が同い年の愛ちゃんと付き合い始めた時は、高校時代からの親友の僕でもびっくりするくらいのろけまくっていました。
それまでは結構毎日のように僕に連絡してきては一緒に飲みに行っていたのが、一時的に疎遠になったほどです。
しかし、浩一と愛ちゃんが付き合いはじめて半年くらいだったでしょうか、2人の仲がちょっと怪しくなってきたのです。
それで、間に僕を挟んで3人で遊ぶのを起爆剤にしようとしたのでしょう。
浩一が愛ちゃんを紹介がてら飲みに行くことが何度かありました。
いつの間にか3人でグループメッセージをすることもあり、その流れで僕と愛ちゃんが直で連絡できるようになりました。
愛ちゃんは浩一の詳しくない音楽ネタを僕に振る名目でメッセージを定期的に送ってきましたが、その本題はたいがい浩一に対する愚痴に占められるようになってきました。
愚痴と言っても、自分の感情を表に出さない浩一に対する不安とか、恋人がいない僕にとっては贅沢言うなよって感じの愚痴に聞こえたのですが、愛ちゃんにとっては深刻なようでした。
僕は一応親身になって話を聞いていました。
僕はただ聞き役に徹しているだけでしたが、愛ちゃんにとってはいい相談相手として信頼感を得るようになりました。
そして、ついに浩一に内緒で2人で飲む機会が訪れました。
といっても僕は愛ちゃんを寝取るつもりは当初はありませんでした。
彼女がいる浩一に対しての対抗意識とでもいうのでしょうか。
2人の恋愛に対するアドバイスをする立場に自分を置くことで、自分は浩一よりも恋愛強者だと思いたかったのです。
実際はその時、彼女がいない僕が恋愛に関して浩一を見下す根拠など、どこにもありませんでしたから。
僕は愛ちゃんがキンキン声で浩一の愚痴を言うのを聞きながら飲んでいました。
2人で飲むのは初めてなので僕は緊張を緩和するためにちょっとオーバーペースで飲んでほろ酔いになってしまっていました。
愛ちゃんもまた愚痴の聞き役がいることで上機嫌になり、お酒のペースが上がっていたようです。
お酒でほろ酔いになって今まで意識していなかった愛ちゃんが可愛く見えていたこと、浩一への対抗心から愛ちゃんと浩一がセックスレスなのか確認したかったこと、などなど色々な思惑があり、僕は愛ちゃんに聞きました。
「ねえ、最近浩一とセックスしてる?」
返事は予想通りでした。
「ううん。してないよ。なんか冷めてきてる・・・」
僕はそれを聞いただけで、意地悪な満足感を得ました。
(彼女がいない僕と、彼女がいても最近セックスレスになった浩一は同じだ!)
ちっぽけな理屈でした。
しかし、愛ちゃんは僕の質問を別の意味で捉えたようで、話がややこしくなってしまったのです。
愛ちゃんは潤んだ瞳で僕を見上げながら、「それって・・・どういう意味・・・?」と聞いてきました。
僕は瞬時に理解しました。
『浩一とセックスしてないんなら僕とセックスしようよ』という意味に取られてしまったのです。
僕の中の意地悪な感情がまた湧き上がってしまいました。
(ここで愛ちゃんとセックスすれば、一瞬でも僕は浩一を上回ることができる)
会計して店を出ました。
僕は愛ちゃんと闇雲な方向に並んで歩きながら言葉を発することができず、その代わり歩道の橋の暗がりに愛ちゃんを追い込むようにして、そのまま吸い寄せられるように愛ちゃんの唇に自分の唇を近づけてしまいました。
愛ちゃんは迷わず僕とキスをしました。
気が付くとどちらからともなく舌が入っていました。
お互い罪悪感を消すように夢中でお互いの舌を絡ませて舐め合いました。
愛ちゃんの呼吸は速くなり、僕も自分の鼓動が自分で聞き取れるほどでした。
お互い言葉を交わした記憶はほとんどありませんが、了解のもとに僕たちはラブホテルに向かいました。
思えば、ラブホがあるような駅で愛ちゃんと2人で会ってしまったのが間違いのはじまりだったのかもしれません。
ラブホに入って、他人の目がなくなると僕は躊躇なく愛ちゃんにハグして、チュウチュウと音が出るほどにキスをしました。
ラブホに連れ込んだ時点で浮気だと吹っ切れたので、もう躊躇はありませんでした。
僕は愛ちゃんのおっぱいに手を触れました。
愛ちゃんのおっぱいは小ぶりですが、僕にとっては愛ちゃんのおっぱいを今この手で触っているという高揚感のほうが重要でした。
ブラの中に侵入して僕は愛ちゃんのおっぱいを直接揉みました。
揉んでいるうちに愛ちゃんは、「うん!うん!」と控えめな喘ぎ声を上げはじめました。
僕は目でおっぱいを見ながら揉みたくなり、服を捲り上げ、そして最終的には乳首を吸いました。
乳首を吸いながらベッドに押し倒すと、ちょっと夢中になりすぎてしまったのか全体重が愛ちゃんにかかってしまいました。
愛ちゃんは、「く、苦しい・・・」とちょっと笑い、体勢を直すと同時に僕の下半身の服を脱がして手際よく手コキからフェラに移りました。
僕も負けじと愛ちゃんの下半身の服を剥いていき、お互いが全裸になる頃には争うようにお互いの性器を舐めようとしたのでシックスナインに落ち着きました。
愛ちゃんのフェラは慣れている感じがあり、歴代の彼氏や浩一にフェラをした経験があるのはわかりました。
しかし、僕のクンニに対する反応は予想以上にフレッシュでした。
僕がクリトリスを舐めあげるようにクンニすると愛ちゃんは、「あああうううう!!!」とフェラの動きが止まるほどに、新鮮な甲高い声を上げてよがります。
クリトリスもみるみる赤くなっていくのがわかりました。
愛ちゃんのクリトリスは反応がわかりやすいほどに露出気味で、トマトのように赤々としていました。
僕は興奮してますます激しくクンニをしました。
また愛ちゃんのフェラが完全に止まり、「ああう!あう!あああ!」という叫び声が上がります。
「愛ちゃん、もしかしてクンニ・・・?」
「クンニされたの初めてなの・・・」
僕は浩一の彼女を寝取り、そしてクンニヴァージンを奪ったのです。
それだけのことですが僕は勢いづきました。
クリトリスを舐めまくり、愛ちゃんをイカせました。
愛ちゃんをイカせて十分におまんこが濡れたと判断した僕は、コンドームを装着して浩一の彼女である愛ちゃんに正常位で挿入しました。
挿入しながらクリトリスをなおも指で愛撫して、ねっとりとゆっくり腰を振ると、ペニス全体が愛ちゃんの体温で包まれ、背徳感と征服感が感じられました。
動かすたびに愛ちゃんのおまんこがぎゅぎゅぎゅっと締まってくるようで僕は鳥肌が立ちました。
ピストンのストロークを大きくすると愛ちゃんは、「ああああ!イッちゃう、イッちゃう!」と声を出し、その声と締め付けに呼応するように僕も射精しました。
終わった後、一緒にシャワーを浴びていると愛ちゃんは、「なんでしちゃっだんだろ?」と後悔とも満足ともつかないことを言っていました。
その気持ちは僕も同じでした。
今日愛ちゃんを寝取ったとしても、僕が浩一の彼女である愛ちゃんと付き合うことはあり得ません。
愛ちゃんは愛ちゃんで、浩一に不満はあっても別れたかったわけではなさそうでした。
まあ浮気セックスとはそういうものなのかもしれません。
愛ちゃんと浩一が別れたのはそれから1ヶ月後でした。
浩一も特に何も語らなかったので、僕と愛ちゃんのこの一夜のことが浩一にバレているのかいないのか、いまだにわからないままです。