命に別状はなかったが、あの事故で姉は右目を失い、美しかった顔に大きな傷跡が残った。
それから姉は家に引きこもり、ほとんど誰とも話をしなくなった。
そんなある日、僕は姉が1人で自分を慰めているのを見てしまった。
姉は、僕が外出から帰ってきたのに気づかずに、自室のベッドで下半身を曝け出してオナニーに耽っていた。
少し開いたドアから覗いてしまった。
(あの清楚な姉が・・・)
僕にはショックだった。
でも、姉が事故に遭ったのは、27歳の時。
普通に彼氏もいただろうし、セックスもしていただろう。
「あっ、あっ、あっ・・・、うっ!」
姉の手の動きが激しくなり、体を少し反らせたかと思うと、姉は体をぐったりとさせた。
少し荒い息遣いだけが続いていた。
僕は、そっとその場を離れ、自分の部屋に戻って、今見た姉の姿を頭の中でリプレイしていた。
姉の中指が自分の膣を弄り、抜き挿しすると、親指でその上の突起を捏ねているようだった。
夕食のとき、姉はいつも通り何もしゃべらずに食事を口に運んでいた。
食べ物を咀嚼するその口元が、その日はなぜだかいやらしく見えて仕方がなかった。
その夜はまったく寝付けずに、悶々としており、僕は思い切って姉の部屋に向かった。
部屋に鍵は掛かっておらず、足音を立てないようにベッドに近づくと小声で声をかけた。
「姉貴」
姉は返事をせずに体だけを僕の方に向けた。
「一緒に寝てもいいかな?」
姉は、いいとも、駄目だとも返事をせず、ただ黙って暗闇の中で僕を見つめていた。
「入るよ」
思い切って僕はそう告げると、姉のベッドに潜り込んだ。
姉の温もりを感じながら枕の下から腕を差し込んで、姉の体をそっと抱き寄せた。
姉はそれでも何も言わず、僕に抱き寄せられるままだった。
「姉貴」
返事はなかったが僕は続けた。
「姉貴が夕方、自分で慰めてるの見ちゃった」
姉は少し目を見開いたように見えたけど、それでも何も言わなかった。
僕は何も言わない姉の胸に手を当てて、パジャマの上からゆっくりと胸を揉んだ。
Aカップの姉は、あまり手応えを感じなかったが、僕のペニスを興奮させ、勃たせるには十分だった。
それからゆっくりと姉のパジャマのボタンを外し、ズボンも下着も全部脱がして、自分も素っ裸になった。
姉の体に覆い被さり、姉の唇にキスをしたとき、姉の体は初めて小さく震え、目を閉じた。
姉はされるがままで、何の抵抗もしなかった。
あれほど憧れていた姉の裸体が目の前に晒されている。
僕は姉の小さな乳首を口に含みながら、姉の割れ目へと指を滑らせた。
姉の閉じた割れ目は乾いていた。
それでも指で割れ目をそっと開くようにしてその奥に指を這わすと・・・、姉は信じられないほどに濡れていた。
「姉貴、すごく濡れてる・・・」
思わず僕がそう呟くと、姉は初めて恥ずかしそうに腕で顔を隠した。
暗くて見えにくかったが、ほとんど毎日、能面のようだった姉の顔に久しぶりの表情を見た気がして、僕は嬉しくなった。
「姉貴、気持ち良くしてあげるね」
僕は姉にそう告げるとゆっくりと姉の股間に顔を埋めていった。
太ももの付け根を舐め、割れ目に沿って舌を這わせ、少しずつ姉の割れ目の合わせ目を開いていった。
やがて僕の舌先がクリトリスに触れると、姉は小さく、「あっ」と声を漏らして、体を震わせた。
「姉貴、気持ちいい?」
姉の突起を舌先でつつきながら訊いてみたが、姉は何も言わなかった。
僕は少し意地になって、姉の敏感そうなところを吸ってみたり、舌で転がしたりしながら姉の反応を窺った。
姉は何も言わなかったが、体は明らかに反応してきていた。
「ん、ん、ん、ん」
押し殺したような声だったが、姉は目を閉じて明らかに感じていた。
姉の声の間隔が短くなっていくのに合わせて、僕は舌の動きを激しくすると、姉は僕の顔に腰を押し付けるようにすると、大きく体をしならせて果てた。
「イッた?」
何も答えないと思っていても、訊かずにはいられず言ってみると、姉は、本当に小さな声で一言、「イッた・・・」と答えた。
これが姉と3年ぶりに交わした、初めて意味のある会話だった。
僕は本当に嬉しくなって、添い寝をするように位置を変え、姉の細い体を後ろから抱き締めた。
抱き締めた瞬間、姉は深く息を吐き出して、僕の手に自分の手を重ねてきた。
僕は姉に抱きついたまま、そのまま、まどろんでしまった。
ふと目を覚ました時、僕のペニスは再びギンギンだった。
姉の体を仰向けにして足の間に体を滑り込ませると、ペニスの先で姉の入り口を探った。
姉も眠ったのかどうか判らなかったが、俺を無表情のまま見つめながら、それでもわずかながら僕の脇腹を擦りあげるようにして、姉の中に入っていくのを促してくれた。
姉の膣はとても暖かくて、柔らかくて、僕は脳が溶けてしまうのではないかと思った。
最初はゆっくりと出し入れしていたが、そのうちに何もわからないくらい感じて、滅茶苦茶に姉を突いていた。
気づくと姉も口が半開きになって舌が覗いていたので、ディープキスをすると下からしがみ付いてきた。
「姉貴、感じてるの?」
腰を激しく振って尋ねたが、姉が頷いたのかどうかも判らなかった。
ただ、姉が腹筋に力を込めるように首を持ち上げて体を痙攣させたのと、僕が姉の中に全てを吐き出したのは、ほとんど同時だった。
姉から流れ出る精液の始末をして、姉に布団をかけると、僕は自分の部屋に戻っていった。
眠りに落ちる直前、僕は遠くでシャワーの音がするのを聞いた。
翌朝、姉は元の何も言わない姉に戻っていた。
でも、ひとつだけ気がついた。
姉は薄っすらと、本当に薄っすらと化粧をしていた。
「あら、さとみ、お化粧なんて久しぶりね」
母親がそう言うのを聞いて、僕は初めてそのことに気付いたように、「ホントだね、姉貴、何かいいことでもあったの?」と言ってみたが、姉は表情を変えず、自分の部屋に戻っていってしまった。
その日は、仕事が手につかなくて困った。
気がつくと姉のことばかり考えている自分がいた。
こんなにも自分はお姉ちゃんっ子だったのだろうか・・・。
それとも昨夜のことが、そうさせているだけなのだろうか。
そんなことを考えているうちに終業時間を迎え、家に戻ると、やはりそこには表情を見せない姉がいた。
昨日のことは夢だったのかと思ったりもしたが、夜中になると僕はまた姉のベッドに潜り込んでいった。
姉の体に触れたとき、僕は驚いた。
姉は何も身に纏わず、ベッドに入っていたのだ。
僕が布団を剥いで、ほとんど無意識にベッド脇のライトを点けると、姉は自分の体ではなく、咄嗟に自分の顔を隠した。
姉は、自分の裸よりも傷痕の残った顔を見られるのを嫌ったのだ。
「姉貴、ゴメン」
そう言って、僕は姉に覆いかぶさって、姉を抱き締めた。
できるだけ優しく、手を顔から離そうとすると、左手は素直に離したものの右手は目と頬を覆ったままだ。
「このままじゃキスもできないよ・・・」
そう言いながら、そっと頬に口づけをすると、姉は僕の首にしがみ付いてきた。
「見ないで」
呟くように姉が声を発した。
僕は、そのまま手を伸ばしてライトを一番暗くしたが、最後までは消さなかった。
事故の後、姉はずっと前髪を伸ばしている。
そしてその髪で顔の右半分をいつも覆うようにしている。
「傷が気になるのはわかるけど、姉貴、今でも十分きれいだよ」
そう言って僕は今夜も姉の中に入っていった。
もう遅いかとも思ったけど、姉を困らせたくなかったので、その日はゴムを用意しておいた。
しばらく姉は無言のままだったが、少しずつ声が出てきた。
「うっ、うっ、うっ」
僕が突くたびに姉の喉の奥から声が漏れ出す。
顔の右半分を覆っていた手は口を覆うようになり、声が漏れるのを懸命にこらえていた。
やがて、姉が再び昇りつめようとしたとき、僕は姉から抜いた。
姉は明らかに戸惑った表情をして、細かく口を動かして何か言おうとしている。
「姉貴・・・、僕の前で何もかも曝け出せるようになったら、言ってね」
そう言うと僕は自分のパジャマと下着を拾い、自分の部屋に戻った。
さっきまで姉の中で暴れていたモノを鎮めるために、僕は自分で扱いて精液を絞り出すと、そのままさっさと眠りに就いた。
明け方、僕は人の気配で目を覚ました。
姉が僕のベッドに潜り込んできたのだ。
「シン、ごめん・・・」
掠れるような声で姉はそう言うと、僕にしがみついてきた。
「して・・・」
絞り出すような声でそう言うと、僕のパジャマのボタンを外し始めた。
「姉貴、待ってよ」
姉の動きを制して姉の体を引き寄せると、姉は僕の胸に熱い吐息を吐きかけ、子供みたいに言った。
「もう私を抱きたいと思う人なんて、いないと思ってた・・・」
「そんな・・・」
「シンが来たとき、驚いたけど、嬉しかった」
口元に耳を寄せないと聞こえないくらいの声だったが、僕には辛うじて、そう聞き取れた。
「だから、して・・・。抱いて」
清楚な姉の言葉とは思えないことを、姉は僕にはっきりと告げた。
姉はパジャマの上だけを着た状態で、下半身は裸のままだった。
僕は姉の上半身を起こしてパジャマを脱がせると、自分も着ているものを脱ぎ捨てた。
それからは、姉の至るところにキスをして、じっくりと燃え上がるのを待った。
「シン、◯×△・・・」
「なに?聞こえなかった」
本当は口の動きでわかっていたけれど、どうしても姉の言葉を聞きたくて、そう言ってしまった。
「・・・シン・・・中に入れて・・・」
今度は、はっきりとそう言うのが聞こえた。
ゴムを付けようとすると姉は言った。
「そのままで大丈夫」
「いいの?ホントにこのままでいいの?」
「昨日もそのままだったくせに・・・」
そう言って姉は少し笑うと、僕の腰を引き寄せた。
「あっ、シン・・・、いいっ!」
姉は狂ったように悶え、何度も何度も絶頂を迎えた。
そして最後には・・・。
「シン・・・、もうダメ・・・、あっ、でも、そのまま・・・、イク・・・、イク、イク、イクぅ!」
そう叫んでエクスタシーを迎えると、いつまでもビクンビクンと体を震わせていた。
それからの姉は、僕と一緒なら少しずつ外出もするようになった。
心の傷が癒えるまで僕は姉を抱き続ける。
<続く>