サツキは、小柄でやさしい笑顔が可愛い女の子だった。
初日は地元ではなかなかできない手繋ぎデートや、人がいないエレベーターなどではこっそりキスをしたりしながら東京観光を楽しんだ。
夕方になり、予約していた大型の宿泊施設に向かった。
到着すると靴をロッカーに入れ、受付で手首に巻くタイプのルームキーをもらった。
館内での飲食や買い物は、そのルームキーを使うそうだ。
ドキドキしながら部屋に入り、ドキドキしながら浴衣に着替えた。
俺の家で何度かサツキとエッチはしているが、サツキの浴衣姿と、今夜のことを考えると期待と興奮で既にペニスは・・・。
「お風呂から出たらゲームコーナーにいる」と待ち合わせをして、大浴場に向かった。
俺が先に風呂から出てゲームコーナーで待っていると、怒った顔でサツキが近づいてきた。
部屋まで帰る間、理由を聞いてもサツキは一切答えなかった。
そして部屋に着いても隅で携帯電話を弄っている。
俺はさすがに頭にきて言った。
「言いたいことがあるならはっきり言えよ!」
するとサツキは俺を睨み・・・。
「マー君が悪いんでしょう!私が見ていないと思ってゲームコーナーで女の人たちとイチャイチャして!」
「はぁ!?」
そういえば、ゲームコーナーでサツキが来る少し前、2人組の女の人がなんか困った様子でウロウロしていた。
気になり尋ねると、遊んでいてルームキーを失くしたらしい。
一緒に探してあげると、ワニワニパニックの下に落ちていた。
「違うよ!一緒にルームキー探してあげただけだよ!」
「じゃあ茶髪の女に抱きつかれてニヤニヤしていたのは誰よ!意味わかんない!」
「それは・・・あっちが勝手に・・・」
「ア~ア、こんな旅行来なきゃ良かった!ば~か!」
サツキは部屋から出ていった。
それから夜10時くらいまでの間、サツキに何度もメールを送って謝ったが返信はなかった。
10時半を過ぎ、心配になり館内を探すが見当たらない。
11時を過ぎて、やっとサツキからメールが来た。
『サツキちゃん、酔って寝ちゃいましたw』
(?!)
浴衣姿で寝ているサツキの写真が添付されていた。
頭が混乱して全く状況が理解できない。
するとすぐにまたメールが来た。
『サツキちゃんの下着、すごくエッチだねw』
布団で寝ている下着姿のサツキ。
混乱した頭でサツキに電話をかけるが出ない。
そしてすぐにメールが・・・。
『マー君、私のスケベなおっぱい見てw』
左右から伸びる2本の腕がサツキの胸を直に揉んでいる。
左右に1人ずつ、そして携帯電話で撮影しているヤツ、最低3人はいることはわかった。
俺はサツキの携帯にメールをした。
『これ以上サツキに手を出すな!すぐに解放しろ!』
『マー君、怖~い!そんなに怒ると・・・w』
次は男の後頭部が寝ているサツキの股間にある写真。
次はサツキを横に向け、ペニスを口に押し付けている写真。
『お願いします!お金は5万円あります!助けてください!』
『う~ん、お金は欲しいけど、サツキちゃん可愛いから、ダ~メw』
そして・・・。
『サツキちゃんの締まり最高!あんまり遊んでないのかな?それともマー君のが小さいのかな?www』
俺は部屋にいても落ち着かず館内をウロウロした。
何度かそこで働く人に呼び止められたが、親に連絡されても困るし、あんなメールは見せられない。
そして3時頃だった。
『マー君、ごちそうさま!高校生の身体は美味しかったよ!サツキちゃんは3階のエレベーターの脇のソファーで寝ています!早く行かないと風邪を引かせちゃうぞwww』
急いで俺はそこに向かい、酒臭いサツキをおぶって部屋に連れて帰った。
サツキが起きるまで布団の横で待ち続けた。
サツキは起きると、「気持ち悪い!」「頭が痛い!」を繰り返した。
水を飲ませてシャワーを浴びさせると少し落ち着いてきたようで、昨夜のことを聞いた。
俺と喧嘩した後、海が見える椅子で泣いていると、日帰り客のOL2人が声をかけてきたという。
2人に軽食コーナーに誘われて、カルピスサワーを飲んだ。
奢ってもらい、悩み事を聞いてもらいながら、慣れないアルコールを飲み続けた。
結局5、6杯も飲み、OL2人にお礼を言って部屋を目指してエレベーターに乗ったが、そこから記憶がないらしい。
忘れるしかないと思った。