年も明け、中3のボクの高校受験も近づいてきた。
家から近いという理由で実力より1ランク下の高校を受験する。
なので気持ちは結構余裕がある。
姉、高3のユキねえは昨年末には就職も決まり、のんびりと高校生活最後の休みをエンジョイしていた。
PCMAX

そんな2月半ば、祖母が転んで脚を折って入院した。
見舞いに来ていた親戚と何か神妙に話をしていた。
それがなんの話かわかったのは、祖母の入院から2週間経った頃。
祖母はある親戚の近くの病院に移ることになり、退院後はそのままその親戚の家に行くことになった。
単身赴任の母は、4月からこちらに戻ってくることになった。
ユキねえの就職先は、ここから電車で1時間半の大きな街にある。
なのでユキねえは4月から独り暮らしをはじめる。
そしてここに祖母がいなくなると、ボクも4月から1人になってしまう。
なので母は会社に、ここの地元の出張所への異動をお願いしたそうだ。

そんな周りの騒動が落ち着いた3月はじめ。
ふと気づくと、気持ちに余裕のできたボクとユキねえは子どもの頃のように、2人でよく話をしていた。
いよいよボクの高校受験結果発表の日がやってきた。
自信はあったが、やはり合格の知らせは嬉しかった。
ユキねえの引っ越しもあと4日と迫っていたこの日、ユキねえがいなくなることが急に寂しく思えた。
2人暮らししていたこの3週間ほど本当に仲良く暮らしていたし、時間が合えばずっと話していた。

「おめでとう!」

その日の夜、ユキねえがささやかな合格パーティをしてくれた。
祖母の手伝いをしていたこともあって祖母譲りのユキねえの料理はすごく美味しかった。
食事の後、それぞれの部屋に戻った。
今が楽しければ楽しいほどユキねえと離れるのが辛い。
そんなことを考えながら、ぼーっとテレビを見ていたら、こんこんとノックの音。

「よっ」

ユキねえだ。
いつものロングTシャツ姿で、片手には缶チューハイ、片手には父の形見のカメラ。

「これ、使いなよ」

「え?!」

カメラをボクに差し出した。
ボクも中学で写真クラブに入っていたが、高校でもユキねえと同じく写真部に入るつもりだった。

「いいの?ユキねえ」

「私は働いて、もっとすごいの買うからさ!」

そのまま部屋に入ってきて、「ほら」とボクの前にカメラを置いた。

「それにしても、アンタの部屋久しぶりかもー」

そう言いながらチューハイをすする。

「ふぅ」とベッドに腰掛けるユキねえ。

ユキねえと少し写真談議をする。

「へ~。じゃあ、まことはとりあえずポートレートが課題かー」

「うん。自然の表情引き出すのって難しいよ・・・」

「撮ったの見せてよ~。彼女の写真とかあるんでしょ?」

そう言いながらボクのノートPCに目をやるユキねえ。

「ちょっとしかないよ・・・それにもう彼女じゃないし」

昨年秋、とっくに別れていた、エッチを2回だけした彼女。

「あ、そーなん?まあこんなヤツとは別れて正解だな!うん!!」

「えー?!ユキねえと付き合ってる高橋さんこそ不思議だよー!!」

負けずにボクも言った。

「あはは。別れた別れた。とっくに」

あ・・・そうなんだ。
最近見かけないと思ってた。

「お互い寂しいのぅ。うっうっうっ」

ふざけて泣き真似をしながら、後ろからボクの首に手を回してもたれかかってきた。

(うわ、いい香り)

そして・・・ユキねえの胸が背中に当たる。
ユキねえに女を感じる。
吐息がボクの首筋にかかる。
ボクは・・・ボクのアレが少し熱くなるのがわかった。

「もう終わったことはいい!いい!」

すっと離れて上体を起こすユキねえ。
安堵か心残りか、ふっとため息が出た。

「まこと、じゃあ練習!!最後にこのねえさん自ら写真の特訓してやるー!」

「え?!何それ」

いきなりの展開。
ボクを、もしかしたらユキねえ自身も元気づけようとしている。
そんなユキねえの気持ちがボクにはよくわかる。

「アタシをさ、グラビアアイドルみたいに撮ってよー!」

「ユキねえを?!グラビアぁ~~!?」

ふざけてボクは叫んだけど。
ユキねえならそこにいるだけで十分グラビアアイドルで通用すると思う。

「何よ!アタシならアンタの腕でもアイドル並みに写るわよぉ~」

「へぇぇぇぇぇー。ま、俺の腕ならおすぎとピーコでもアイドルにできるからなぁ」

「おーおー!よく言う!!じゃあ撮ってみな!!」

ボクの部屋にあった雑誌を捲り、「あーこんなのこんなの!そして・・・ふんふん、こんなポーズね!よしっ」と言いつつ、ボクの部屋から出ていくユキねえ。

「ユキねえ、どうしたの?撮影会はー?」

そう言ってるとすぐに戻ってきた。
ユキねえは着替えていた。

「そのアイドルと似た服持ってたから着てみた。雰囲気出るっしょー!?」

グレーのニットのワンピース。
身体の線がよくわかる。

(いい。すごくいい!)

実の姉でなければ今ここで告白していた。
いや・・・我慢できずに襲っていたかもしれない。
ぷっくら豊かに盛り上がった胸。
Vネックからは深い谷間が現れる。
それとはちぐはぐなほどきゅっと細いウエスト。
小ぶりだけど丸々としたお尻。
すべてが滑らかな曲線で描かれている。
たまらない。

「まずは・・・こうかな?」

ボクの前で屈み込んでボクを見上げ微笑む・・・完璧だ。

「オイ!撮って!」

はっ、見惚れてしまっていた。

「今、イメージ考えていたんだよー」

「まことは考えずにシャッター切る切る!!」

「はいはい」

ファインダー越しに見える胸の谷間。
もう立派な生身のグラビアアイドルだと錯覚してしまう。
手を伸ばせば、そこにアイドルの肉体。
もうギンギンに勃起しながら、ずっとファインダーの向こう側を凝視して、シャッターなんか適当に押してる。
ユキねえはそれからもポーズを変え、様々な表情でボクを挑発してくる。
いや、それはボクの勘違いなんだけど、そう倒錯してしまうほどだ。
前屈みになった時の、あの量感のある胸。
体育座りしたときの伸びやかな足と、それをたどると程よい肉付きの官能的な太もも。
振り返るときの細く長いうなじ。

興奮していた。
ボクは明らかに、今、目の前にいるオンナとヤリたいと思っていた。
妄想は過激で、ユキねえの胸を揉み、バックからガンガン突き、顔にぶっかける。

「あー疲れたー。酔いがまわったー」

ユキねえがボクのベッドに寝そべってる姿を数カット撮った頃、ユキねえは突っ伏した。
時計を見ると、もう午前1時。
ユキねえがボクの部屋に来てから3時間。
撮影会というか、グラビアごっこから30分が経っていた。

「はー。もうダメ。ひと休みー」

「はいよ。ゆきさんお疲れさまー!」

ふざけてボクは言った。

「お!それいいね~、アイドルみたいで気持ちいいよ、まこと!」

ボクは撮った写真を少し見ていた。
ちらっと乳首が見えている写真や、後ろからのカットで下着が少し見えてしまっている写真もいくつかあった。
ボクの勃起が収まることはなかった。
5分くらい経ったろうか、ユキねえが静かにうつ伏せたままだった。

「ユキねえ、ユキねえ!」

声をかけた。

「んー・・・」

力のない返事。

「布団に入らないと風邪引くよ!」

「んー・・・はいはい・・・」

ボクのベッドに潜っていった。

「そこボクのベッド!自分のベッドで寝なよー」

心にもないことを言った。
本当は、ボクの心はすごくゾクゾク、ザワザワしている。

「ボクだってそろそろ眠たいのにー!」

そう言うと、ごそごそとベッドの端にずれていった。

「そうじゃなくてさー!!」

一応、ボクは言った。

「いいじゃんいいじゃん・・・細かいこと言うなー・・・」

選択肢はいくつもあった。
ボクがユキねえのベッドに行くこともできたし、祖母のいた部屋で寝ることだってできる。
いやむしろ、その方がのびのび寝られる。

「しょうがないなぁ・・・今日だけだぞー・・・」

なのにボクは、ユキねえが空けてくれた隣のスペースに潜り込んだ。
そうせずにはいられなかった。

「狭いなぁ、もう・・・」

とりあえずそう言った。
ボクが潜り込んだ直後。

「あっ!」

向こうを向いていたユキねえが、こっちを振り返った。
何か言われるのか、ドキッとした。

「写真~しゃしん~♪」

なーんだ。
ユキねえはベッドの頭のあたりにボクが置いたカメラを手に取った。

「どれどれぇ~・・・」

そしてボクが写した写真を見はじめた。

「なかなかだろ?」

「ほー!いい感じじゃん!!モデルだね」

「えー!?ボクの腕だよ!!」

笑いながら2人で話した。
目の前30センチにあるユキねえの笑顔・・・本当にきれいだ。
ボクは昔を想い出して言った。

「昔はさー、ボクが勉強とかよくできたら、ちゅっとかしてくれたねー。あの頃のユキねえは、やさしかった」

「こらぁ!今でもやさしいお姉さんだぞーー!!」

また2人でクスクス笑いながら話していると、ユキねえが枕元にカメラを戻して、「しょうがないなー」とボクの頭をくしゅっと撫でながら唇を近づけてきた。
20センチ・・・10センチ。
きっと唇が触れるまでは0.3秒とかだったかもしれない。
でもボクにはとてもゆっくりに感じた。

「ん・・・」

ユキねえの唇が押しつけられた刹那、舌がゆるりとボクの唇を割って入ってきた。

(・・・!!)

びっくりした。
ユキねえはいつもより少しだけ深い呼吸のまま、ボクの口の中で舌をゆっくり回した。

「・・・」

「・・・ん」

4~5秒経っただろうか、今度はホントにゆっくりユキねえの唇が離れていった。
自分の気持ちの何かを誤魔化すかのように、すかさずユキねえは話しはじめた。

「よくできましたチュウ、大人バージョン!!」

おどけて言うユキねえ。

「なるほど!進化してる!!」

ボクも作り笑顔でおどける。
でも心の中は破裂寸前でドキドキしていた。

(これはいったいどういうことなのか?!何をどうすればいいのか?!)

たくさんの感情や想いが整理されないままぐちゃぐちゃに渦巻く。
激しく情熱的なキスしか経験したことがないボクは実の姉のこのキスに、すごい包容力とやさしさを感じた。
こんなキス初めてだった。

「ねーちゃんも頑張ったんですけど?」

ユキねえは言った。

「あ、認める認める。うんうん、すごく頑張ってくれた!!」

ボクが言い終わる直前くらいから、ユキねえはゆっくり瞼を閉じはじめた。
ボクは引き寄せられるように、自分の唇をユキねえの唇に重ねた。

「んん・・・」

あの素敵なキスをしてくれたユキねえにお返ししたい。
ユキねえを真似て、ゆっくり舌を入れて、ユキねえの口の中で回した。

「んふぅ・・・んんん・・・」

さっきよりユキねえの呼吸が乱れていたのがわかった。

「んふぅ・・・んふぅ・・・」

ボクの舌に応えるようにユキねえも舌を動かす。

「・・・ふぅ・・・ん・・・」

ボクの舌にユキねえの舌が絡む。

(気持ちいい・・・興奮がすごい・・・)

自分の鼻息の荒さに驚く。
雰囲気というか、流れでユキねえの肩に当てたボクの手はゆっくりと下がって、今はユキねえの胸を軽く掴んでる。
手に力を入れたり、抜いたり、ユキねえの胸を揉む。

「んっ・・・んっ・・・」

ユキねえの呼吸がボクの手に、舌に、呼応する。
手をスライドさせて、今度は右の胸を触る。
揉みながら人差し指と中指でさりげなく胸の中心を挟んでいると、その突起物は大きく硬くなり、小指の先ほどになった。

「あっ・・・ああ・・・」

ユキねえが感じてる。

(ユキねえ・・・)

普通の姉弟はきっと本能で血のつながりを感じ、意識して、(姉も女だから・・・)と考えるのだろう。
しかしボクは逆だった。
本能で姉から女を感じてしまう。
だから理性で、姉だと言い聞かせて耐えているんだ。
でもここまでなら、とりあえず姉弟の悪ふざけで済ませられる。
また、いつもの姉弟でいられるよな・・・。
そう思い、ボクはゆっくりと唇を離した。

「よくできましたチュウ・・・メンズバージョン」

ユキねえの真似をして言った。

「へぇ。メンズ、ね。ふふふ・・・」

くすっと笑うユキねえ。
可愛い。
ホントに可愛い。
ユキねえはくるっと背を向けて、「あ、電気消してよー」と一言。
起き上がってぱちんとボクは消した。
一瞬、ユキねえの部屋に行って寝た方がいいかなとも考えたが、もう本能には逆らえなかった。

<続く>