そして一段落してお茶を飲んでいたときです。
玄関のチャイムが鳴ったのでドアを開けると、新聞の勧誘でした。
なかなか帰ってくれませんでした。
ふと気が付くと、その男は私の胸のあたりをぎらついたいやらしい目でじろじろ見ていたのです。
きつく追い返すわけにもいかず、さりげなく腕を組んで胸を隠しましたが、今度は視線が下の方へ移り、私の股間や太股を舐めるように見始めたのです。
さすがに、そのときはものすごい嫌悪感があり、ようやく追い返そうと玄関のドアを開けようとしたときに、腕組みをしていたせいかバランスを崩し、私は男の前で転んでしまいました。
「奥さん、大丈夫ですか?」
男は私を抱き起こそうと後ろから両手を前に回してきて、私の両乳房をぎゅっと掴んで起こしたのです。
とっさのことで私は抵抗できませんでした。
「と、とにかく帰って下さい!」
そう言うと、なおもじろじろと私の身体を見て、やっと帰りました。
部屋に戻っても動揺が収まらず、1人で悶々としてしまっていました。
何せ、主人とは全くのご無沙汰で、男性に身体を触られるのなんて何ヶ月もなかった身です。
(もし、あの男にあのとき押し倒されて、レイプされていたら・・・)
そんなふしだらなことを思って、私は疼いてしまったのです。
今までもオナニーは何度も経験がありました。
でもそれは真夜中の秘め事。
こんな明るい時間にしたことなどありません。
しかしそのときの私は、抑えがきかなくなっていました。
私は畳の上に仰向けになり、ショートパンツをパンティごと膝まで下げ、ランニングシャツもめいっぱいずり上げてブラを首の方へずらし、そのままオナニーをはじめてしまったのです。
誰もいないと思い、安心して・・・。
(もし、こんな姿をさっきの男に見られたら・・・)
そう思うと、私はいつになく激しく感じてしまいました。
まるで、さっきの男にレイプされてでもいるように、「駄目!いや!や、やめて!」などと口走りながら私は昇り詰めたのです。
「はあはあ・・・」
私はそのままの格好で、ぐったりと余韻に浸っていたときです。
2階の部屋からバタンと音がしたような気がしました。
(え!?)
ボーっとしながらも、私はギクっとしました。
(まさか?誰かいる?)
慌てて身繕いして2階へ上がると、顔を上気させた息子が部屋から出てきました。
鉢合わせです。
「あ、あなた、なんでいるのよ?!」
「具合が悪くて早退したんだ。声をかけようとしたけど、母さん洗濯してたから・・・」
迂闊でした。
玄関に息子の靴があったのに気が付かなかったのです。
私は、さっきの行為を見られたかもしれないと不安でいっぱいでした。
「ずっと部屋にいたの?」
そう息子に聞くと・・・。
「え!あ、ああ・・・」
しどろもどろになっています。
そして、息子までもが私の胸を欲情した目で見ているのです。
(危ない!)
咄嗟に私はそう感じ、「具合が悪いんなら寝てなさい!」ときつく言ってその場を離れました。
(やっぱり見られてしまった・・・どうしよう・・・)
私は痴態を見られた恥ずかしさと後悔で落ち込んでしまいました。
そんな事があってからです。
息子の私を見る目が違ってきたのは。
今では買い物から帰ると私は必ずベッドとタンスを点検します。
すると、必ずと言っていいほど息子が触った形跡があるのです。
シーツは乱れ、タンスに至っては、元に戻しているつもりなのでしょうが、パンティやブラが触られているのです。
(私の下着を使ってる・・・)
ある日、私の枕元の引き出しにしまってあるアルバムから、写真が何枚かなくなっていました。
嫌な予感がして息子の留守中に部屋を探ってみました。
そのとき、とんでもないものを見つけてしまいました。
エッチな本だらけなんです。
でも、男の子なら仕方ないとは思うのですが、息子のエッチな本は、熟女、人妻、近親相姦ものばかりなのです。
心臓が張り裂けそうになりました。
私は恐る恐るその中の一冊を手にとり、ページを捲ってみました。
『実母×××!』
そんな見出しのページに写っている女性が私にそっくりなモデルさんでした。
服装や体型などがです。
その本の見出しには、恐ろしいことが書いてありました。
『若い女にはない熟女ならではのいやらしい身体、デブとは違う、むっちりと脂の乗った身体。一番身近な女、それは母親!やりたきゃ犯せ!』
(犯せ、だなんて・・・)
さらに私はページを捲って腰を抜かしそうになりました。
私の写真の顔の部分だけ、ハサミで切ってそこに貼ってあるのです。
恐ろしくなって、それ以上は見れませんでした。
今も何も状況は変わっておりません。
いつか息子に無理やりされてしまうのではないかと不安に駆られる毎日です。