幼馴染のRちゃんと小学生くらいからお医者さんごっこをしていた。
ほとんど毎日一緒に遊んでたんだけど、遊び場が家の中から庭になり、近くの空き地になり、高学年になった頃は裏山でお医者さんごっこをするようになった。
遊び場の発展と同時に成長していった2人は、お互いの身体にどんどん興味を持ち出して、ただのお医者さんごっこで済まなくなってしまった。
わずかに膨らみだした発育途中のロリおっぱいや、明らかに俺とは違う形状のツルっとした先に小さな溝が1本ある丘が気になり、毎日サワサワした。

そこにカビみたいに現れだした毛。
自分にはまだ生えていない不思議な繊毛を撫でているうちに、それはとうもろこしのヒゲみたいに成長していった。
毎日触っていると、ぺったんこだったおっぱいも次第に大きくなってきて、股間のヒゲが伸びたり色づいてきて、なんだか自分がRちゃんの体を改造しているみたいな感覚になっていった。
なんか途中で恐ろしくなったりもしたけど、やめることはできなかった。

RちゃんはRちゃんで、自分にはない俺の朝顔の蕾みたいな突起を触っては、その形状の変化にキャッキャッと喜んでいた。
そういう過激なことがいつ始まったのかはよく覚えていないが、Rちゃんの股間のヒゲのことを考えれば、おそらく小4の後半くらいだったんだと思う。
最後の頃の記憶では、Rちゃんは母親の範囲には及ばないまでも、十分に大人の色や長さになっていた。
結局、俺は小学校では生えなかったから、そこだけ見れば大人と子供の絡み合いみたいだったんじゃないだろうか。

その後、何がどうしてそうなったのかはまったく覚えてないのだが、結果として2人は合体した。
その頃、まだ性的な知識が何もなかった俺がどうしてそんなことを実行できたのかまったく理解できないが、もしかすると全てはRちゃんの主導で執り行なわれた儀式だったのかもしれない。
だって俺はその頃、Rちゃんより10センチは身長が低く、精通すらまだだったし、『セックス』という言葉を覚えたのだって中学の後半だったくらい遅咲きだったから。

中学になり、行動範囲が広くなった俺はRちゃんと遊ぶこともなくなり、その行為継続への未練もなかった。
ただ体のどこかで、その背徳的な行為に対するトラウマがあり、そのことは誰にも言うことができなかった。

そして10年以上が経ったある日。
野暮用で帰郷し、東京へ戻るために始発電車の指定席に座っていると、隣に座ったのが、かつてお医者ごっこをしてた幼馴染のRちゃんだった。
口をきかなくなって10年、顔を合わせることがなくなって5年の2人だったが、幼いながらも一応肉体関係を持った間柄ではあるわけで、もちろんそのことに触れることはなく3時間以上も積もる話をした。
Rちゃんが結婚したことは知ってはいたが、流産したり、そのことで旦那とギクシャクしてるなどの身の上話や、俺も自分の同棲相手への愚痴を聞いてもらって、互いに慰めあった感じだった。

時間の経つのも忘れるくらいあっという間に東京に着いたが、次の乗り換え電車は逆方向だった。
しかし、このまま別れてしまうにはあまりに名残惜しい気がした俺は、Rちゃんの表情にもそれを感じたので、とりあえずもう少し話をしようと言って駅を出て、そのままダメ元でホテル街に足を向けた。
Rちゃんも無言のまま部屋までついて来てくれて、それから夜まで、10年分の溝を埋めつくように貪り合った。
かつてはお姉ちゃんみたいな存在だったRちゃんが、今では俺の腕の中にすっぽり収まっているのが不思議でしょうがなかった。
費やした時間のあまりの長さに、「また会おう」という口約束だけをして駅で別れた。

じつは俺にとってRちゃんとのその行為は、ものすごい衝撃的なものだった。
それまで相当数の女性とセックスしてきてはいたが、どうにもセックスというものに背徳感というか嫌悪感というか罪悪感というか、とにかくそういうものを背負っていて、常に義務的に行なっているという感じがあった。
ところがRちゃんとのこれがあってからは、憑き物が落ちたようにそういう感覚がなくなり、セックスに対して前向きというのも変だけど、言葉に表し難い感覚で望めるようになった。
幼いRちゃんと肉体関係を持ってしまった体験がトラウマになっていたのかもしれないが、今も因果関係はわからない。
しかし、再び訪れたRちゃんとの関係がその霧を晴らしてくれたのは間違いない。
おかげでちょっとこじれていた同棲相手ともいい感じになり、Rちゃんに連絡する約束も忘れてしまっていた。

それから1年ちょっとして帰郷した際、母親から聞かされた。

「Rちゃん、◯月に亡くなったのよ」

すっと血の気が引いた。
驚いてしばらく声も出なかったが、隣の家に線香をあげに行くと、Rちゃんのご両親がさめざめと泣くのにつられて俺もポロポロと涙が溢れた。
なんだその下らない小説みたいなオチはと批判されるだろうが、俺にとっては大事な事実なので省けない。
あまりエロい話でなくてスマン。