その夜はダンナが早めに帰れそうだと電話してきたので、双子の息子たちをお風呂に入れてくれる約束をしていました。
ですが、8時になっても戻ってきません。
携帯に電話してみると、同僚と一緒に飲みに行ってしまったとのこと。
息子たちはもうすぐ4歳になるのですが、まだ1人で洗うことができないので結構大変です。
しかも双子なので倍の時間がかかります。
PCMAX

(久しぶりに1人でゆっくりお湯に浸かれると思っていたのに・・・)

子供たちはいつも9時過ぎには寝かしつけるようにしていたので、急いでお風呂に入れることにしました。
毎晩のことですが、お風呂の中で暴れまわる息子たちをなだめすかしながら、頭や身体を順番に洗っていくのは疲れます。
やっとのことでお風呂から上がり、湯冷めさせないようにと、自分の身体は簡単に拭いただけで、まず子供たちにパジャマを着せようとしていました。
2人とも拭き終えて、暴れる2人にパンツを穿かせようとしていると、リビングからダンナが子供たちを呼ぶ声が聞こえました。
いつの間にか帰ってきたみたいです。
電話をしてからまだ30~40分しか経っていないはずです。

(帰れないと言うから私がお風呂に入れたのに・・・)

正直イラッきました。

「あ、お父さんだ!」

2人とも裸のまま嬉しそうにリビングへ走って行ってしまいました。
最近急に寒くなってきたので風邪でも引いたら大変です。
仕方なしに私は何も身に着けないまま、着替えだけを持って子供たちを追いかけてリビングに入りました。
子供たちが真っ裸のままダンナに抱きついてはしゃいでいます。

「ちょっと風邪引くでしょ。あなたも笑ってないで着させるの手伝ってよっ!」

そう言って子供たちの前で跪き、パンツを穿かせようとするとダンナが、「おいおい、そんな格好でみっともないだろ」と言いました。

「仕方ないでしょ」

そう言いかけてダンナの後ろに目を向けると、信じられないことに知らない男性が2人、私を見つめていました。
驚いた表情を見せてソファーに腰掛けています。
私は、子供に穿かせようとしたパンツを持ったままの状態で固まってしまいました。

(なんでスーツ姿のサラリーマンが?!)

思わずダンナを見上げると、スケベそうな顔でニヤニヤしています。
そこで我に返りました。
そうです、私は今、何も身に着けていません。
全裸なんです。
見ず知らずの2人の男性の前に、私は裸で登場してしまったのです。

「きゃっ!!!」

膝をついた姿勢のまま、思わず胸を両手で隠しました。
ソファーの2人を見ると、少し困ったような、でも喜んでいるような複雑な表情をしています。
慌てて立ち上がり、首に掛けていたバスタオルを身体に巻きつけました。

「会社の後輩の◯◯君と◯◯君だ。近くで飲んでたから、ちょっと誘ったんだ」

ダンナがそう紹介すると、気まずそうに2人は揃って頭を下げました。
私もつられて、「いつもお世話になってます」と挨拶しましたが、すぐにそんな場合じゃないことを思い出して、裸のままダンナにじゃれている子供たちを連れて洗面所に引っ込もうとしたのですが、言うことを聞いてくれません。
いつまでもバスタオル一枚の格好でいるわけにはいきません。
しかも私は割りと背が高いほうなので、屈んだりすると巻きつけたバスタオルの裾からお尻がはみ出てしまいそうです。
子供たちを無理やり引っ張っていこうとしていると、「もういいじゃん。ここで着せちゃえよ」とダンナが言いました。
顔を見ると案の定、ニヤニヤしながら私のことを見ています。
その後ろで後輩の2人も私のことを見つめています。
きちんとネクタイを締めた男性の前で、なぜ私だけが、こんな恥ずかしい格好をしているのでしょう。

2人はその後すぐに帰ったので、その場はそれで終わりましたが、この異常な状況に興奮を覚えてしまった自分がいました。