山崎は中性的な顔立ちで、周りが言うにはかなりモテるらしい。
ずっと前から知ってたけど、喋るようになったのはその頃が初めてだった。
「みんなで飲んでるから来いよ」
誘われて、バイト終わりに飲みに行った。
そこに山崎もいて、ほぼ無理やりだったけど彼女の写メを見せてもらった。
イケメンの山崎だから、当然のように彼女も超美人。
芸能人って思うくらいの美人で、どんなエッチをするのかとかバカな話で盛り上がった。
メールをさせたり電話をさせたり、ちょっと可哀想だったかな。
山崎とは同じ沿線だったので終電間際の電車で一緒に帰宅。
でも調子に乗り過ぎたらしく具合が悪くなり、結局途中下車することになった。
そのまま終電はなくなり、「近くの満喫かファミレスに行くか?」と俺が言った。
そしたら、「彼女に迎えに来てもらうよ」と、山崎は彼女に電話をし始めた。
「彼女は実家暮らしだから、起きてれば車で来てくれるよ」と余裕顔。
その言葉通り、1時間後に彼女が迎えに来てくれたんだが、その頃が山崎のMAX。
「初めまして~」と俺はにこやかに挨拶をしてたんだが、山崎はベンチに座ったまま動けない状況。
このまま車に乗せたら完璧に吐くなってことで、落ち着くまで3人でファミレスへ。
山崎は突っ伏したまま動かないし、時々トイレで吐いてたみたい。
俺は初対面の彼女と世間話をしつつ、内心すげぇ~楽しかった。
写メ以上に超美人で、そのときはラフな格好だったけど、それがまたいい!
(こんな美人と仲良くできるチャンスなんて、きっとこれから先もないだろうな)
そう思いながら山崎を心配しつつしゃべってた。
彼女は明日も休みだからゆっくりしようと言い、それから2時間くらいしゃべってたかな。
やっと山崎が復活し始めたから車に乗ったんだけど、走り出して20分ほどでやっぱりダメだと言い出す。
もう少しで俺の家。
姉貴と2人で住んでた俺は、「今日は姉貴がいないからうち来るか?」と山崎に聞いた。
山崎は早く楽になりたい一心だったんだろう。
マンションの駐車場に車を停め、コンビニで飲み物などを買ってうちに向かった。
女の子を部屋に入れるなんて思ってなかった俺の部屋は、自分でもドン引きするほど汚かった。
2人をリビングに座らせ、とりあえず見える範囲だけ綺麗にした。
「部屋で絶対吐くなよ」と忠告して、山崎をベッドに寝かせた。
そして暇な俺と彼女は、テレビゲームをしたりして時間を潰した。
結局、朝の6時過ぎまで山崎は寝ていた。
起きたら二日酔いで苦しそうだったが、彼女の運転で帰っていった。
俺は彼女とずっとしゃべっていて、軽く惚れちゃいそうな自分がいた。
超美人なのにすごい気さくで、性格が男っぽい。
ゲームで負けると俺の肩をバシバシ叩いて悔しがるし、それでいて品があるから不思議。
古着が好きだったから、シャツとかジーパンとか色々掛けてあったんだけど、彼女も好きらしく会話が弾んだ。
こんな彼女がいたら最高だろうなって、2人が帰ってから少し悲しくなったりしたくらい。
俺に迷惑をかけたってことで、山崎は夕飯をご馳走すると言ってきた。
山崎も一人暮らしだったから、彼女の手料理を振る舞うと言う。
また美人な彼女に会えると思って喜んでOKした。
彼女も余所余所しい感じはなく、3人で手料理を食べながら飲んだ。
山崎にはあんまり飲ませなかったけど。
この日の彼女がまた最高に可愛くて、薄手でタイトなニットだったんだけど、胸のボリュームがすごいわけ。
前に見た時よりもデカい気がしたんだが、どうやらスタイルも抜群みたい。
しかもミニスカートに生足だから、スベスベの真っ白い脚が綺麗過ぎた。
山崎の家からは車で15分くらいなのでタクシーで帰ることにした。
だからゆっくりしゃべってたんだけど、途中から俺のモテない話に花が咲き始めた。
別に隠すことじゃないしと、かれこれ3年近くいない話や、無残にフラれた時の話を披露してやった。
「最後になんて捨て台詞を言われたと思う?」
「なになに?」
「『デカ過ぎて痛いの、アタシじゃ絶対無理!』だってよ!笑えるだろw」
2人とも大爆笑してたから調子に乗ってしゃべり過ぎてしまった。
「別にそこまでのデカチンじゃないんだよ、ただ少しだけデカいだけで」
「どんくらいデカいんだよ、このくらいか?」
山崎が手で大きさを伝えてきた。
「ばか、そんなデカくねーよ、このくらいだな」
手振りで大きさを伝えてやった。
「マジかよーっ!そりゃ痛がるわw」
「違うんだよ、その子が経験不足なだけ。元カノ達は慣れてきたって言ってたしな」
「え~、慣れるもんなのぉ?」
彼女も乗ってきた。
そんな感じで自虐的なネタを交えつつ、しばらく俺のチンコ話をしていた。
「だから、こんな俺でもいいって女の子がいたら紹介して下さいw」
「大きさで選ぶ子なんて周りにいないしw」
「そこをなんとか!頼んます!」
「はいはい・・・聞くだけ聞いてあげるね」
「よっしゃーっ!w」
俺の自虐ネタが楽しかったのか、それとも哀れに思ったのか、なぜかそれ以降、山崎からの誘いが多くなった。
毎回彼女の手料理が待っていたし、3人で食べて飲んでってのが恒例になった。
頻繁に遊ぶようになってから2ヶ月くらいした頃、珍しく山崎から飲みに行こうと誘われた。
「彼女はいいのか?」って聞いたら、今日は旅行に行ってるからって。
バイトの後、居酒屋で飲んで、最後は俺の家で飲んだ。
いつも通りだったんだけど、なんか妙な感じだったのを覚えている。
やたらと俺の好みを聞いてきたり、どんなAVが好きかとか。
お前はゲイか?とつっこむほど変だった。
普通に飲んで酔いだした頃、山崎がもっと変なことを言い出した。
「俺の彼女、どう思う?」
「どうって?そりゃ滅多にいないほどの美人だろ。性格もいいし、お前が羨ましいけどな」
「じゃあさ・・・彼女とエッチできる?」
「は~?んなもん無理に決まってんだろ?お前の彼女なんだし。何言ってんだ?」
「いや・・・もしもの話でさ・・・俺がいいって言ったら?」
「変なこと言うなよ。お前がいいって言っても彼女が嫌がるだろ。お前、大丈夫か?」
「もしもの話だって。そんなムキになるなよ」
「ムキにもなるだろ。お前、何考えてんだ?」
「いやさぁ~、彼女もお前のこと嫌いじゃないっぽいからさ・・・」
「それはお前の友達ってことでだろ?何言ってんだよ」
場が変な空気になり、お互いに無言で酒を飲んでいた。
「何かあったのか?」
聞いても、別に何もないと言う。
「じゃあなんで変なこと聞くんだ?」としつこく聞いてみた。
やっとボソボソと喋り出した山崎だったが、内容を聞いてて唖然としてしまった。
なんと・・・彼女が他の男に抱かれるのを体験したいと言う。
他に男を作るとか嫌いになったとかそんなんじゃなく、ただ他の男に抱かれている彼女に興味があると。
「お前・・・大丈夫か?普通、そんな事したら怒ったり別れたりするだろ」
「そうなんだけど、なんつ~か・・・そうじゃないんだよな・・・」
自分以外の男に抱かれて感じまくる彼女、嫌々ながら感じてしまう彼女、最後は気持ち良くなっちって自ら腰を振っちゃう彼女、そんな彼女に興味があると。
俺には信じられないような話を真面目に言い出すもんだから、コイツはどうにかなったんじゃないかと心配になった。
でもずっと真顔で、時々照れるような表情で力説するもんだから、どうやら本気なんだと思えてきた。
「だとしてもよぉ、俺が彼女を襲うわけにもいかないだろ?そう上手くはいかないと思うぞ」
「ヤル気になってきた?」
「だってあんな美人だからなぁ。願ったり叶ったりだよ。でも無理だと思うけどな~」
「そうでもないんだよ、ヤル気があるなら教えるから」
「何を?」
「アイツ、あ~見えてじつはドMなんだよ。しかもすっごいエロくて、酒飲むとヤバいんだ」
「マジかよ・・・そうは見えないけどなぁ・・・」
「だろ?でもそうなんだよ。アイツ、あんまり酒飲まないだろ?あれって弱いわけじゃなくて、ムラムラして欲情してくるからなんだよ」
「そりゃ~ないだろ。欲情って・・・我慢できるもんだし」
「『酔うと子宮がジンジンしてくる』ってアイツ自身が言ってたしw」
「マ~ジっすかw」
山崎が言うには、前に3人で部屋飲みした時、俺が帰ったら襲いかかってきたらしい。
「我慢できない!」って感じで、チンコにむしゃぶりついてきたんだって。
俺が早く帰らないかウズウズしてたとも。
彼女、酒を飲むと毎回そうらしく、発情期の猿並みにドスケベのド淫乱になるらしい。
驚いたのは、彼女にとって男は山崎が初めてだっていうこと。
初めてしたときは処女だったらしく、しかしその時はすでに脳内がドエロだったらしい。
「ホントにいいんだな?ホントのホントにいいんだな?」
ヤル気になってきた俺は、かなり念を押した。
「俺こそ頼むよって感じだし。それでさ・・・できればビデオに撮ってくれないかな」
「えぇ~っ・・・それは無理くさくない?ハメ撮りなんてしたことねぇ~し」
「据え置きでいいんだよ。どこかに隠しておいてくれたらいいし。どんな反応をするか見たいんだ。頼むっ!」
「部屋に隠しておくのはできるけど、暗くされたら見えないと思うぞ、いいのか?」
「声だけでも十分だからさ。頼むよ」
まるで夢でも見てるような信じられない話だったが、山崎は目をキラキラさせながら作戦をしゃべりだした。
彼女が興奮するようにこうするんだとか、こうなったらこうしちゃえば大丈夫とか。
半信半疑で聞いていた俺だったが、ダメ元で山崎の作戦に乗ってみることにした。
だってあんな超美人とセックスできるなんて、確実にあり得ないことだったから。
「緊張して勃たなかったなんて言うなよ」
そう言われてたので、約束の日まで5日間の禁欲。
想像するだけで勃起しちゃってたから、たった5日でも俺には限界間近だった。
作戦はこうだった。
俺の家で3人で飲むことにしたが、山崎が急用で来れなくなる。
そのままヤッちゃってくれという作戦。
かなり雑な作戦だったが、とりあえず決行することにした。
当日は彼女の好きなカクテルの作り方を覚え、それを披露して飲ませる。
その日は姉貴が帰ってこない日で、まず彼女がうちにやってきた。
山崎は遅れてくると言ってたので、とりあえずピザを取ってゲームしながら待機。
ピザが来て、「冷めちゃうから食べるか」となり、カクテルを作って飲ませることに成功。
「美味しい!」と喜んでくれた彼女は、ピザを食べながら上機嫌。
途中で、「これ好きなんでしょ?」とカリカリ梅を出してあげて、カクテルを飲ませることに専念した。
予定通りいつも以上に飲んだ彼女はほろ酔いになってきたので、山崎に言われた通りの行動をしてみた。
「ちょっと手を見せて?」
「なんで~?はい・・・」
「ほぉぉ~~~」
「何よぉ~」
「いやいや・・・面白い手相だなと思ってさ」
「えぇ~っ!何が面白いのぉ~?」
うろ覚えながらも説明しながら、言われた通り手のひらを指先でツツーと触ってみた。
くすぐったいらしく手が微妙に動いたが、ガッチリ腕を握っていたので何度もなぞった。
山崎が言うには、酔った彼女にはそれだけでもヤバいとのこと。
ホントかよ・・・と疑っていたが、どうやらホントだったらしい。
彼女はいつも以上に身を乗り出してて俺の顔にかなり近い。
オデコがくっつくかと思うほど寄ってきてたし、嫌がる素振りもない。
すでにこの状況で俺のチンコは勃起してた。
山崎が言うには、俺のチンコサイズに彼女は興味津々だったらしい。
もうこの場で見せちゃおうかとも思ったが、さすがにあんな美人を目の前にすると恐縮する。
(手相を見るフリをした後は何するんだっけかな・・・)と少し焦りはじめていた。
そんな俺の気持ちなんて知りもしない彼女は、次に俺の手相を見てきた。
彼女に握られる手や指先の動きに心臓はドキドキしっぱなし。
「そういえば足の裏にも手相みたいのがあるんだよ、ほら・・・」
「あぁ~そういえばそうだよね、生命線とかあるの?」
「さすがに足のことは分からないけど、これがそうじゃない?」
「ホントにぃ?」
「だって真ん中を走ってるじゃん、ちょっと見せて?」
脚を伸ばしてもらって足の裏を見た。
外反母趾でもない綺麗な脚で、しゃぶりつきたくなる気持ちをグッと我慢。
「ここが真ん中でしょ?で、これが手相で言うと・・・」
ムチャクチャなことを言いながら足の裏をツーッツーッと触ってみた。
山崎が言うように彼女は感じ始めてたみたい。
足をクネクネと動かしながらも、やめてとは言わない。
トロンとした顔で俺の話を聞いている。
丁寧に足の裏を指先で愛撫した。
見えそうで見えないミニスカートから覗く太ももを見ていると、もう我慢の限界だった。
山崎は、「キスしちゃえばたぶん大丈夫だと思うよ」と気楽に言っていた。
ウソだろって思ってたけど、もう勇気を出すしかない。
脚を戻して座り直す瞬間、俺は彼女に抱きついた。
<続く>