それからも桜子は本当に仕事を頑張ってくれた。
取引先からも気に入られ、食事に同席させたこともある。
そういう場での立ち居振る舞いも本当に大したものだ。
出しゃばらず、取引相手を上手くおだて、周りへの気配りを忘れない。
またあのルックスと性格に加え、仕事も正確かつ丁寧なんで社内での人気もあり、信頼も急上昇。
面倒くさい仕事を頼んでも1回も嫌な素振りをされたことすらない。
それどころか、「社長に命令されるのが嬉しいんです!」と言い出す始末。

俺の話し相手という重要な任務も見事にこなした。
俺は彼女の「社長、すごいです!」の一言が聞きたくて、本気で仕事をした。
きっと他の社員たちも大なり小なり同じ気持ちがあっただろう。
そのおかげもあり会社の業績は前以上に良くなり、全員に特別ボーナスを支給した。

最初は俺の暇潰しのために採用した。
でも、いつの間にか桜子は会社にとってなくてはならない存在になっていた。

ところで、うちの社員に1人、20代のイケメンがいる。
爽やか、やさしそう、人畜無害が服を着て歩いているような男だ。
実際とてもいいやつで、ときどき飲みに連れてってる。
だが、そこで聞かされる話は彼の見た目とは全く違う。
やつは下半身に人格がないのだ。
とにかく見た目がいいし、話も面白いのでモテまくる。
合コンに行っては、そこで知り合った女をホテルに連れ込んで、ハメ撮りをしてる。
何回もそれを見せてもらった。

(こんないい女が初めて会った男とその日のうちにセックスするんだ、それもハメ撮りまで・・・)と、本当に驚いたもんだ。

先日、そいつ(徹平)と2人で飲みに行ったときのこと。

徹平「社長、桜子ちゃんって可愛いっすよね」

俺「そうだな」

徹平「おっぱいもデカいですよね。俺、やっちゃっていいですか?」

俺「同じ職場の女の子と遊びでそんなことをするのはやめろ」

徹平「無理やりじゃないですよ。桜子ちゃんが望めば問題ないでしょ?」

俺「そりゃそうだが。お前、あの子のこと好きなのか?」

徹平「あはは。やってから考えますよ。社長は好きなんですか?そうなら我慢しますけど?」

俺「恋愛感情なんてない。いい子だとは思うけどな」

徹平「じゃあ好きにしていいんですね?」

俺「俺が決めることじゃないだろ。ただし無理やりはやめろよ。会社にとって大切な子だし、人間として気に入ってるから。それに、いくらお前でも、あの子は無理だろ?」

徹平「女なんてみんな同じですよ。社長は女に夢を見過ぎなんですって。まあ見ててください」

ちなみに、彼女との会話の中で、彼女には男がいることは判明している。
そのことを徹平に伝えたが、「そりゃそうでしょ。それが何か?」って感じだった。
俺は、桜子みたいな堅くていい子で彼氏持ちの子が、そんな誘いに乗るわけがないと思った。
やれるもんならやってみろ。
そんな気持ちだった。

数日後の金曜日の昼、現場の徹平から俺の携帯にメールが来た。
今夜、桜子と2人で飲みに行くことになってるらしい。

(嘘だろ。いつの間に?)

目の前にいる桜子の態度はいつもと全く変わらない。
まあ飲みに行くくらいどうってことないし、桜子はそんなことを俺に報告する義務もない。

でも、桜子には彼氏がいるだろ?
なんで断らない?
おまけに徹平は同じ会社の人間だろ?
俺に「徹平さんに誘われてるんです」の一言くらいあってもよくないか?
なんかガッカリしたのは事実。
でも徹平が言うように、女なんてみんな同じなのか?
俺が夢を見過ぎなのか?
てか、飲みに行くだけだろ?
俺の考えすぎなのかも。
確認のために徹平にメールをした。

俺『今日は飲みに行くだけか?』

徹平『そんなわけないじゃないですか』

まあそうだわな・・・。

桜子の帰社時間が近づいてきたときに彼女が、「残業してもいいですか?」と言ってきた。
作りかけの資料が完成しないまま土日を迎えるのは、なんだか気分が悪い。
できれば今日中に終わらせたい、と。
(ウチの会社は土日完全休業)
ちなみに、その資料は仕事的にたいした意味はなく、急なものでもなんでもない。
俺は残業をさせるのが嫌いなんで、いつもだったら速攻で却下する。
でも俺は迷った。

やっぱり本当は行きたくないんじゃないか。
でも性格上、断りきれなかったんだ。
徹平の誘いを断る口実が欲しい。
そのために桜子は俺に残業の許可を求めているんだ。
そう思いたい。

しかし・・・と思う。
俺は徹平が今日やろうとしていることを知っている。
徹平は、ちゃんと事前に俺に報告し、許可(?)を得ている。
俺がダメだと言えばやらないとまで言った。
でも俺はダメだとは言わなかった。
そんな徹平の邪魔をしていいのか?
もし彼女にその気がないなら、さすがに酒より先のことは断るだろ?
桜子も徹平も大人だ。
俺が口出しすることじゃない。
俺から、「今日は徹平と飲みに行くんじゃないの?」って聞いちゃえばいいような気もする。
でも、そのときの俺は、なんとなくそれが嫌だった。
徹平に悪い気がしたし、桜子がどんな決断をするのか見てみたい気もあったと思う。

そこで俺は考えた。
今から桜子に、「なんか帰りたくない理由でもあるの?よかったら相談に乗るよ?」と聞こうと。
もし彼女が正直に話せば、徹平には悪いが、部下から助けを求められた社長として助けないわけにはいかない。
彼女から徹平に断りの電話を入れさせよう。
俺が電話してもいい。
でも、もし正直に話さなければ、いつも通り残業の許可は出さない。
俺は聞いた。
彼女は少し迷っていたように見えた。

(頼む、正直に言ってくれ)

彼女の答えは、「別になんかあるわけじゃないんですけど、ただ仕事が残ってるのが嫌なんです」だった。

残念ながら残業の申請は却下だ。
彼女も粘らなかった。

「そうですよね。無理言ってすみませんでした。じゃあ帰ります」とだけ言って、更衣室で着替えて、定時の6時で会社を出ていった。

俺は徹平にメールをした。

俺『今、桜子は仕事終わったぞ』

徹平『ありがとうございます!今日は朝までハメまくりますよ』

俺『彼女とセックスすることまで約束してるわけじゃないだろ?』

徹平『当たり前じゃないですかwでも絶対やります!』

絶対に無理やりやるなよということだけ再度念押しして、通信終了。
俺、なんか必死だったな。
その日は他の社員はみんな直帰予定なんで、もう誰も事務所に来ない。
俺はなんとなく1人で事務所に残って、どうでもいい仕事をだらだらとやった。
で、9時くらいに徹平からメールが来た。

『今、桜子と飲んでます。マジ可愛いっす!上手いこと飲ませてるんで、いい感じに酔っぱらいはじめました。また報告します!』

おいおい、酔わせてんのかよ。
まあ当たり前か。

約1時間後、徹平からメール。

『彼氏と上手くいってないみたいです。彼氏は同じ大学出身の1年上。上場企業で働いてたけど激務に耐えきれず半年で退職。今は資格を取るために学校に行ってるらしいですが、ちゃんと通ってる様子はないみたいです。人生の負け組のくせにプライドだけは無駄に高いみたいで、桜子ちゃんの給料や仕事環境に嫉妬して、そのことで彼女をいじめるらしいです』

そうだったんだ、可哀想に。
そんな男、さっさと捨てちゃえばいいのに。
それができないのが桜子なんだろうな。

さらに約1時間後、徹平からメール。

『俺が勧めたものをなんでもグビグビ飲んでます。かなり彼氏のことで辛い思いをしてたみたいなんで、優しくしたら泣いちゃいましたwあんまり可愛いんで、チューして、服の上から乳揉みました。桜子、笑ってます』

なにっ!
キスされておっぱい揉まれて笑ってるだと?
もしかしてホントにやられちゃうのか?
てか、もう間違いないだろ。
でも酔わせてやるってのは・・・一応、それは反則じゃないかというメールを送るが、返信はない。
しばらくしたらメールが来た。

『今、俺の部屋です。確かに素面ではないですけど、それなりにちゃんと受け答えはしてますよ。ここに来る時も、「桜子ちゃんとやりたい」って言ったら、「いいよ」って言ってましたし。じゃ自分、週末まで音信不通になりますね!では!』

あーあ、ついにやられちゃうんだ。
でも、桜子が望んだことだからな。
それに、よく考えてみれば、たかがセックスだもんな。
俺はブサメンなんで経験人数なんてほんの数人だけど、桜子くらいの子なら昔からたくさんの男に言い寄られてただろうし、何人もの男とやってて当たり前。
そう考えたら気が楽になった。
まあ、せいぜい2人で楽しんでくれ。

明けて月曜日。
毎週月曜日の朝は全社員が事務所に集合して簡単な会議をする。
桜子も徹平もいつも通り参加なんだけど、2人でアイコンタクトをしたりして雰囲気が違う。
で、各自が現場へ散っていき、事務所に俺と桜子の2人が残された。
桜子はいつもよりも上機嫌に見える。
そのことを指摘しても、「えー、いつもと同じですよー」とはぐらかされた。

この日、定時になって桜子が帰った後、徹平が事務所に戻ってきた。
聞くと徹平は語り始めた。
あの日、やっぱり桜子と何発もやりまくったそうだ。
桜子のおっぱいはデカいだけでなく形も色もきれいで、徹平が見た中でもトップレベルの美巨乳だったらしい。
またマンコも相当気持ちよかったとのこと。
金曜の深夜は桜子は酔っぱらってヘロヘロだったらしいが、土曜の朝くらいからは酒が入ってない状態でやりまくったらしい。
ちなみに、彼氏が結構暴力的なセックスをするらしく、彼女はセックスに対して恐怖感があったらしい。
しかし、そこは徹平。
自分が気持ちよくなるだけでなく、彼女を何回もイカせたらしい。
それで桜子は徹平にメロメロになった。
しかし桜子としては彼氏を捨てることができない。
その日の夜に桜子は彼氏と会うことになっていた。
徹平は桜子の彼氏と別れたいという気持ちを確認した上で、彼氏に話をつけに行ったそうだ。
徹平は一緒に行こうと言ったが、桜子が怖がったので徹平1人で行ったらしい。
そして話し合いは成功し、晴れて桜子は彼氏と別れて、徹平と付き合うことになったそうだ。
どうやって話をつけたのかは、あえて聞いていない。
とりあえず言えるのは・・・。

・徹平はその軽そうな外見とは裏腹に、空手だかなんかの有段者だということ。
・それから結構な金持ちであること。
・そして、彼氏の桜子への暴力行為を知っていること。

そんなところだ。
そのどれかか、あるいはいくつかを使って別れることを納得させたんだろう。
まあ何にしても、俺としては大事な部下の2人がくっついてくれたのは嬉しいことだった。
徹平は、これからは彼女と付き合うことをきっかけに真人間になろうと決めたんだろう。
俺と同じように。
そのことを徹平に話したら、きょとんとした後で大爆笑し始めた。

「何言ってるんですか、社長。勘弁してくださいよ。俺にとって女なんてみんな同じですよ。確かに桜子はすっげー美人だし、スタイルも最高です。見た目は最高ですよ。でも精神的にガキなんですよね。自分の恋愛の後始末くらい自分でしろって言いたいです。そんなことまで他人に頼って恥ずかしくないのかって思いますよ」

そう言われてみれば、そうかもしれないが。
じゃあ、なんで彼女と付き合うことになったんだ?

「ホントはそんなつもりは全然なかったんですけどね。ただ遊びでヤラれたってことになると、あいつの性格上、会社を辞めかねないんで。彼女に辞められたら社長は困るでしょ?俺も困るし、みんなも困ります。桜子が仕事ができるのは事実ですから。だから付き合うことにして、数ヶ月程度は桜子で遊びますよ。そんな中で、俺を自然に好きじゃなくなるようにもっていって、彼女の方から別れ話を出させるように仕向けます。で、別れた後はいいお友達として、これからもこの会社でやっていけるようにしていきます。だいたい桜子は世の中の男のことを知らなすぎるんですよ。いくら同じ会社とはいえ、俺みたいなあんまりよく知らない男と2人で飲みに行って、あんなに無茶飲みするなんて。下手したら輪姦されますよ。だから、この数ヶ月で彼女のために教育してあげます。まあ自分のやってることを正当化してるだけですけどねw」

恐ろしいやつだ。
人として大問題な気がするが、それは俺の器が小さいだけのかもしれない。
実際、徹平の言う通りになれば、彼女は今後、悪い男には引っかからなくなり、大きな痛手を被ることはないかもしれない。
徹平は桜子とハメまくれて幸せだろう。
俺は、桜子と徹平という優秀な部下を2人とも失わずに済む。
これぞ大団円なのかも。
でも、そんなに上手くいくのか?

俺「女に関しては俺はお前の足元にも及ばないんでよくわからんが、そんなふうにに上手く別れられるもんなのか?」

徹平「任せといてください。あんなガキ、どうとでも操作できますから。それにしても社長。桜子はほんとにいい体してますよ。マジで最高だし、恥ずかしがっても、お願いすればなんでも言うこと聞きますからね」

と言って徹平は1枚のDVDを取り出した。

「これは金曜日の夜に、あの子がベロベロに酔っぱらってる時にやった時と、それから日曜の夜にやった時のやつです。日曜の夜にやった方は完全に素面ですよ。それなのに、付き合って1日しか経ってない男にハメ撮りさせるなんて、ほんとにバカですよねwそれは差し上げますよ。結構自信作なんで是非見てくださいね!」

マジかよ。
このDVDの中に、あの桜子がヤリまくってる映像が入ってるってのか。
信じられん。
ありえんだろ。
でも、すごく見たい。

<続く>