去年の話です。
大好きだったバンドのライブに友達と2人で行きました。
ライブは2daysだったのですが、一緒に行った友達は1日しか都合がつかず、1日目は友達と、2日目は1人での参戦となりました。
都内でのライブだったので、地方に住む私達は1日目に都内で1泊し、友達は翌日始発で帰るという予定で行きました。
1日目のライブが終わり、興奮状態の私達は「2人で打ち上げをやろう!!」ということになりましたw
ですがライブの後(翌日もライブがあり、しかも週末)ということもあり、会場近くのお店はどこも満席でした。
私達は、せめて会場から少し離れた所に行ってみようということになり、しばらく歩くことに。
結局、会場からも中心街からも結構離れた所にあった店に入りました。
偶然見つけたのですが、なかなか見つかりにくそうなお店で穴場的な感じでした。
お店の中は薄暗く落ち着いた感じで、お客さんは私達の他にカップルが1組いるだけでした。
私達は飲みながら大興奮で今日のライブについて話しまくっていましたw
それからしばらく経って、お店に5~6人くらいの男の人達が入ってきたんです。
しかし私と友達は、そんな事は気にも留めずに飲み続け、話し続けました。
そしてまたしばらく経った時、さっきの団体さんの中の1人が私達の席に来て、「一緒に飲もうよ!!」と誘われました。
その時には私達もかなり酔っていたし、ライブ後でテンションも高かったこともあり、まぁいっかという感じでOKし、男の人達の席へと移動しました。
男の人達も、もう結構酔っているような感じでした。
男の人は5人いました。
テーブル席だったので私と友達が向かい合わせに座り、私達を挟んで両サイドに男の人が1人ずつ座り、もう1人の人がお誕生日席に座りました。
その状態でしばらく飲み、かなり盛り上がってきた頃、その中の1人が私達に「◯◯(バンド名)のファンなの?」と聞いてきました。
私達はライブの時に着ていたツアーTシャツのままでした。
好きなバンドの話になり喜んだ私達は、今日あったライブについてと、そのバンドについての話をガンガンしました。
男の人達はすごくニコニコして嬉しそうに私達の話を聞いてくれていました。
すると別の人がまた私達に、「ねぇ!これ、何だかわかる?」と聞き、プラスチックの薄いケースに入ったカードを見せてきました。
私と友達はそれを見てビックリ!!!
そのカードは今日のライブのバックステージパスだったんです。
彼らがライブ関係者だったことを知り、驚いて軽いパニック状態になった私達を見て、全員大爆笑していました。
そしそんな私達にさらに追い討ちが・・・。
その中の1人に「Mちゃん(私)、隣を見てごらん!」と言われ、ハッとして横を見た瞬間、気を失いそうになりました。
私の隣に座っていたのは私の大好きなバンドの、私の大大大好きなKさんだったのです。
店内は薄暗かったし私はかなり酔っていたし、前の人達しか見ていなかったので全然気づかず、そこで初めて気がついたのです。
私は本当にビックリしてしまい、というか、なかなか事態を呑み込むことができず、ただただKさんを見て固まっていました。
あまりの出来事にビックリして一気に酔いが醒め、改めてKさんを見ると、キャップを被りメガネをかけてはいましたが、確かにKさんでした。
それでも信じられずにKさんの耳を見たら、そこにはKさんがいつもしているピアスがちゃんと付いていました。
私はKさんに慌てて自己紹介をして握手を求めました(今さらという感じでしたがw)。
Kさんはとても優しく応えてくれました。
落ち着いてから他の4人をよく見ると、その内の1人もメンバーさんで、またビックリでした。
その他3人はツアースタッフさんとのことで、2人以外の他のメンバーはいませんでした。
すると、そこでまた信じられない話を聞くことになったのです。
スタッフさんの1人が私に、「ここに入ってきた時にさ~、珍しくOが『可愛い子がいる』って言い出したんだよね!だから俺らが『よし!後で酔った勢いで誘ってきてやる!』って言ったんだよ!」と笑いながら言ってきたんです。
信じられない気持ちでKさんを見ると、真っ赤になって本気で照れていました。
少し前までは赤くなかったので、たぶんお酒のせいではなかったと思いますw
しかし、最初はかなり迷ったそうです。
私達がツアーTシャツを着ていたために、Kさんのバンドのファンだとわかったからです。
でもKさんが普段はそんな事を全然言わない人だったということもあり、なんとか協力してやりたくて誘った、ということでした。
私はそんな夢のような話を全く信じることができませんでしたが、それでもやっぱり嬉しくて、すごく幸せな気持ちでした。
さらに3時間くらい飲みました。
かなり盛り上がって、Kさんともやっと打ち解けた頃、明日もライブだしそろそろ・・・という感じになり、解散する雰囲気になりました。
私はちょっと残念だったけど、一緒に飲めただけでもかなり幸せだったので満足していました。
私と友達がお店を出ると、お店の横でKさん含む5人が待っていてくれました。
その後、私達は最後にお礼やら何やら色々なことを伝え、5人と別れました。
私達はまだ信じられない気持ちで、Kさん達の背中を見送っていました。
すると少し歩いた所で5人が立ち止まり、Kさんがこっちを振り返りました。
そして他の4人に何か言われ、また私達の方へ歩いて来たんです。
そして私の前に立つと、目も合わせられない様子でかなり恥ずかしそうに頭をかきながら・・・。
「良かったら・・・もう少し一緒にいてくれませんか?」
私は何がなんだかわからず、ただ戸惑って唖然としていました。
するとKさんは改めて私の目を見つめ、「一緒にいて下さい!」と言って手を差し出してくれたんです。
他の4人に「ねるとんかよ!」と笑われていましたw
私が戸惑いながら友達の顔を見ると、「行かなきゃ後悔するよ!」と言ってくれました。
私が思い切ってKさんの手を握ると、Kさんはパッと顔をあげて嬉しそうに笑ってくれました。
友達のことは他の4人が責任を持ってホテルまで送ってくれるとのことでした。
5人と別れたあと、Kさんは遠慮がちな感じで手を繋いできました。
そして・・・。
「なんか・・・わがまま言ってごめんね。友達にも悪いことしたね。でも、こんな事したの本当に初めてだから信じて欲しいんだ・・・って言っても無理かな」
そう言って苦笑していました。
私はKさんがものすごく真面目でシャイな人だということを知っていたし、今までの様子から見ても慣れないことをしているということはよくわかったので、「大丈夫です。信じてますから」と言いました。
(本当は騙されてもいいと思っていましたがw)
私は結局、Kさんの泊まっているホテルへ行くことになりました。
Kさんは私のツアーTシャツを隠すために着ていたシャツを私にかけてくれました。
Kさんの部屋に着くと、Kさんがソファーに座ったので私も自然と隣に座りました。
部屋は広く、すごく静かで、私はドキドキして死にそうでした。
なんとか会話を・・・と思いましたが、何も浮かびませんでした。
Kさんは普段からあまり喋る人ではないのに加えて、かなり照れているようで、まったく話しかけてきませんでした。
そしてしばらく沈黙が続いた後、話す代わりのようにそっと抱き締めてくれました。
Kさんの胸がすごくドキドキしているのが聞こえ、私もドキドキしました。
Kさんは私の頭を優しく撫でながら言ってくれました。
「このシチュエーションで・・・どうしたら単なる遊びじゃないって伝えられるかな・・・。どうしてもわかって欲しいし、信じて欲しいんだけど・・・」
Kさんの気持ちに応えるように、私はKさんをぎゅっと強く抱き締めました。
Kさんも私を強く抱き締めてきました。
それが本当に強くて、思わず「苦しいです・・・」と言ってしまいました。
するとKさんは慌てて私から手を離して、「ごめん!!つい・・・。痛かった?ごめんね!」と心配そうな顔をしていました。
その様子がおかしくて私がクスクス笑うとKさんも恥ずかしそうに笑ってくれて、やっと空気が和んだ感じになりました。
そして2人で笑ったあと、見つめ合って、どちらからともなくキスをしました。
初めは軽く触れるだけのキスでした。
緊張しているのかKさんは少し震えていて、唇も乾いた感じでした。
私は、こんな事はもう2度とないし、どうせなら後悔のないようにしようと思い、少し積極的にいくことを決めました。
さっきからずっと軽く触れているだけのKさんの乾いた唇を濡らすように、私は舌を出してゆっくりとKさんの唇に当てました。
Kさんは少し驚いたのか、一瞬ほんの少しだけ離れましたが、Kさんもゆっくりと舌を出してきてくれました。
ゆっくりと動くKさんの舌を感じながら、私も大切に大切にKさんの舌を舐めたり口に含んだりしました。
静かな部屋に2人のキスの音だけが響いていて、すごくいやらしい気持ちになったことを今でも覚えています。
だんだん激しいディープキスになり、ピチャピチャというキスの音に混ざって、「はぁ・・・はぁ・・・」という2人の荒い吐息も部屋に響いていました。
Kさんはゆっくりと私から唇を離すと、改めて私の顔をじっと見つめて、キスで濡れた私の唇を指で拭いてくれました。
そして優しく笑うと、聞こえないくらいの小さな声で、「本当にありがとう」と言って私のおでこにチュッと軽いキスをして、また抱き締めてくれました。
すると急に涙が溢れてきてしまい、慌ててKさんにしがみつきました。
Kさんは私の背中を優しくポンポンと叩くと、「ベッド行こうか・・・」と言いました。
泣いているのをKさんに気付かれないよう、私は声を出さずに軽く頷きました。
Kさんは私から離れるとベッドに座り、軽く手を広げて「おいで・・・」と言いました。
私はKさんに近づき、腕の中に飛び込むように抱きつきました。
するとその衝撃でKさんがそのままベッドに倒れ、私はKさんに覆い被さるような形になりました。
Kさんは、また優しく微笑んで、私の頭を軽く引き寄せてキスをしてくれました。
私はKさんの唇の隙間から舌を入れ、Kさんの舌に絡ませ夢中で激しいキスをしました。
Kさんもそれに応えてくれるかのように激しく私の舌を舐めたり吸ったりしてきました。
<続く>