「んふふ、りょ~かい。でも・・・」
姉はもう何度目かの悪戯な微笑で言った。
「まずは素直になったタツにご褒美をあげる」
「え、うわっ」
こちらが危惧した直後、姉は肌蹴た俺の胸元へ顔をうずめた。
そしてペロっ。
(な、舐めた!?)
ぬめりの塊のような物体が肌を滑っていく。
それは紛れもなく姉の舌だった。
寒気と鳥肌が広がる。
(ホンマもんの発情メス猫かよ・・・!つーか)
「俺、シャワー浴びてないって!」
「大丈夫。スポーツやってる人の汗はサラサラして清潔やって先生が言ってたし」
その通りだ。
逆にやっていない人間の汗は皮脂の塊のようなもので、普通に日常生活を送っているだけでニキビや油顔の原因となってしまう。
「って違う!汗は汗や、舐めたら汚いやろ!」
「全然。逆に興奮するー」
「お前・・・変態か!」
「弟の汗やん。汚くないって」
説得は不可能だった。
次第にぬめりが下腹部へと進んでいく。
姉の身体が沈み、俺の半身に触れた。
「くっ・・・」
「準備万端って感じやね」
カチャリとベルトの留め金が外される。
ひときわ大きく心臓が鼓動を打ち鳴らした。
(い、いよいか)
自分で脱ぐべきかと考えたが、ここまで来たら姉に全て任せようという結論に至った。
(というか、早く抜いてくれぇ!)
「・・・フェラで、ええんよな?」
「そ、そりゃあもう。うん」
一度は味わってみたいし。
その・・・口の中の感触ってやつを。
その言葉に、「よーし。じゃあお姉ちゃんに任せとき」と請け負ってから、姉はトランクスごと一気にズボンを引き下ろした。
外気に触れたソレはムクムクと直立の兆しを見せたかと思えば、数秒で完全体へと進化した。
先端は当然すでに湿り気を帯びている。
「わぁ・・・」
(うわ。見られとる)
内心冷や汗もので、それでもなるべく平常を装って言う。
「なんか、おかしいか?」
血液が顔面と陰部の両極端に集中するのを自覚し、俺は荒い息を殺して姉の感想を待った。
「タッちゃん、これ」
「おう」
「おっきい・・・ね」
「おう。え?」
・・・至って平凡だと思うのだが。
が、他の奴のを見たこともなかったので(勃起時以外なら腐るほどあるが)、率直に聞き返しておく。
「でかいんか?コレ」
「う、うんーーー凄い・・・」
目をまん丸にした姉の口から予想外の言葉が漏れる。
「先輩のより」
衝撃が走った。
(ま・じ・か!)
今日一番の衝撃。
まさか、そんな現実があっていいのか。
ただイチモツのサイズが勝っただけ。
それ以外では、顔も身長も精神も、当然柔道における実力も、全てにおいて劣っているはずの俺が、今現在、あの竹先輩に対し抱いているこの感情。
それは紛れもなく、オスとしての優越感!
「姉ちゃん!」
「へ・・・?ひゃ!」
勢いよく姉の身体を抱え上げる。
軽い。
柔らかい。
日頃担ぎ上げている男共とは圧倒的に違う。
そのままどさっとベッドに放り出す。
「痛っ。な、なんよ。いきなり乱暴・・・」
「ごめん」
限界はすでに訪れていたのだ。
「俺、もう無理やわ」
まとわりつくシャツとズボンとトランクスを脱ぎ捨てる。
「え、そんな、タツ・・・?」
不安げな表情が、先ほどまでの悪戯な微笑との対比で、たまらなく嗜虐心をそそった。
所詮、無関心を装っていても男は男。
あんなことをされれば、こんなことになるのは自然の摂理なのだ。
「わかったかっ!」
「わからんよ・・・あっ!」
言い終わる前に俺は姉の白ショーツめがけて飛び込んだ。
「あ、あかん!あかんよ!やめーー」
「濡れてんやん」
「・・・え?」
「ほら」
「あぅっ」
無理やり下着に突っ込んでいた右手の中指で秘部をなぞり上げる。
その途端、強張った姉の全身が震え、悩ましい吐息を吐き出した。
そして右手を目の前まで持っていく。
見事に糸を引いていた。
「あ、う・・・嘘ぉ・・・」
「姉ちゃん、エロい」
その言葉に赤面し、目を逸らす姉。
逃がすかと俺は回り込んだ。
真っ赤になった姉の顔は、それはもう高2の女とは思えないほどの幼さで、その小さな体型と相まって、思わず俺は、何か犯罪を犯しているような気分になった。
(やばい。俺ちょっとやばい)
その罪悪感ですら気分の高揚に繋がっているのだから。
妙なスイッチが入ったような変貌振り。
先程の姉のそれと酷似しているような、最後の押しを脳が命じた。
「しよ。姉ちゃん」
「・・・『嫌』って言ったら?」
「犯す」
「『いいよ』って言ったら」
「犯す、かな。やっぱ」
「・・・タツも立派にお姉ちゃんの弟なんやね」
それで最後。
そこにあるだけの白い布を取り払い、その奥。
「姉ちゃん!」
姉の秘所に目を奪われながら・・・。
「ええな?」
俺は、姉弟の領域を踏み越えることを告げた。
「・・・うん。・・・犯して」
姉が静かに頷いた。