最初は同僚にお持ち帰りされたのかと思ったんだけど、何か違うんだよね。
昔から知ってるような気がすると思ったら血の気が引いた。
このあたりから意識がハッキリしてきた。
確認するまでもなく、そこは兄の部屋だった・・・。
昔は一緒にゲームしたりマンガを貸し借りによく行き来してたけど、兄が高校に上がった頃から部屋に入るのを拒まれるようになり、中に入るのは5年ぶりくらいだったかも。
(懐かしいなぁ)
なんて一瞬呑気な気分になったりもしたけど、自分の下着らしきものが目に入り、ハッと我に返る。
(まじか・・・裸だ、私・・・)
そして、あの日から1ヶ月くらい後の話。
いつもなかなか寝付けない私は部屋の明かりを消してから最低でも1時間はベッドの中でゴロゴロしてる。
ゴロゴロしているというか、まあ言わなくとも分かるでしょ?w
だんだん良くなってきたところに、べろんべろんに酔っ払った兄が奇声を上げながら帰宅。
一気に覚めた。
そして何を思ったか、兄は直行で私の部屋にやって来た。
「お前の大好きなお兄ちゃんがご帰還だぞー!」
なんてことを叫んでたが、絡まれると面倒なんで寝てるふりをした。
「寝てるの?w寝てるの?wマジウケるんですけどww」
なんてことを言いながら、兄は1人で爆笑していた。
何が可笑しいんだこの野郎!
これだから酔っ払いは嫌いだ!
ま、私も人のことは言えない酒乱だけどな!
おまけに良いところを中断させられて余計ムカムカしていたが、下手に怒ると面倒なことになりそうだからシカトした。
そのうち飽きて戻るだろうし、と思ったから。
・・・静かになったなと思ったら、布団を捲られ、胸に手を伸ばしてきた。
さすがにマズい!と思って、声を上げて腕を弾き返した。
すると、キョトンとした表情でこっちを見つめる兄。
「帰れ!酔っ払い!!」
そう言って枕を投げつけたら兄の表情が変わった。
そして半ギレになりながら一言。
「お前だって、酔っ払って俺のこと襲ったろ?」
(な、なんですと?!)
「『お兄ちゃん好き好き』言いながら、全裸でベッド潜り込んできたのはどこのどいつだ?」
(記憶にございません)
「『兄妹でまずいだろ!』って止めたのに、むしゃぶりついてきたのはどこのどいつだ!?」
(全く記憶にございません。てか?え?私から?嘘でしょ?)
呆然としてたら、急に兄が抱きついてきた。
何だかもう抵抗する気も起きなかった。
(兄のことが好き?)
そんな風に思ったことは一度もない。
いや、幼少の頃ならあったかもしれないが、少なくとも異性として意識したことは一度もない。
でも兄に彼女が出来た時は嫉妬に似た感情が多少湧いたが、それはオモチャを横取りされたって感覚に近かった。
そんな私が兄に迫った?
頭の中がぐるぐる回っておかしくなりそうだった。
そして兄が耳元で囁く。
「今日は俺がお前にさせて」
後はもうされるがままだった。
兄はゆっくりと軽くくすぐるかのようにお腹から胸にかけてを愛撫し始めた。
兄の手は細くてすべすべで、まるで女の子に触れられているかのと錯覚するほどだった。
今まで付き合った男たちの荒々しい揉み方とは全然違う感じ。
この時点で軽く吐息が漏れてたと思う。
口を使った愛撫も決してむしゃぶりつくような感じではなく、ゆっくりと探るように舐められ、ポイントを見つけられるとそこをチロチロと執拗に攻められた。
ほんとはもっと触って欲しかったというか、クンニして欲しかったんだけど、そんなことを言えるわけもなく・・・。
「てかゴムは?生でしてんの!?」
ハッと我に返り、真顔で兄に言うも、「大丈夫」だと。
「いやいや!大丈夫じゃないからwwそもそも兄妹でしてるなんておかしいから!」
「この前もしたし。外に出すから大丈夫」
「待って!」と引き離そうとするも、こんな細い身体のどこにこんな力を隠してたんだと思うほど、がっしりしがみついて離れない。
そして、そのまま腰を振り続ける兄。
浅く数回突いたあとに、ぐっと深いところまで突き刺してくる。
「やめて!抜いて!」
何度も引き離そうとするも離れない。
何だかもうわからなくなり、途中からは「やめて」と言いながら全く抵抗してなかったと思う。
と言うか、体がガクガクしちゃって言うことを利かなかった。
しばらくしたら兄が、「ごめんね」と言って私のお腹の上に出したモノを拭こうとしたが払いのけた。
性欲の陰に隠れていた感情が一気に襲ってきて、私は泣いてしまった。
兄はオロオロしていたが、「出てけ!出てけ」と叩いて追い出した。
それ以降、兄とは一切会話もしてないし、目も合わせてない。
何か話そうと近づいてくることもあるが、全力で避けている。