そして一番俺が頭を悩ませられるのは、よく熟れた桃のような尻だ。
妹は気付いていないが、歩くときに、その尻が左右に大きく揺れる。
何の警戒心もなく、妹がバスタオル1枚の姿で風呂から出てくる度に、俺はバスタオル越し揺り動く妹の尻を眺め、邪で下卑た情欲に浸る。
そんなある日、夜中の2時を過ぎた頃、俺は部屋のドアを軽く叩く音に気付いた。
「ちょっと待って」
俺は妹と並んで写った記念写真を急いで引き出しに隠し、机に並んだ参考書を適当に何冊か手にして机に広げた。
我ながら情けない・・・。
「あ、どうぞ」
心持ちゆっくりと部屋に入ってきたのは、思慮深げに下を向いた妹だった。
「兄ちゃん、ちょっといい?」
妹は俺に目を合わせることを避けるように、部屋のあちこちを眺めながら小声で尋ねた。
おいおいおい、なんかヤバイ状況だぞ。
エロ漫画に出てくる状況とそっくりだ。
マジか?マジなのか?
ついに現実にやって来たのか・・・なんか嬉しい。
いやいや、違う!
どっか行け、俺の妄想。
そんなことはあり得ん!
「どうしたんだよ?」
心臓の鼓動が嫌みなほど大きく鳴り響くなか、俺は心配そうな表情を必死に浮かべ、大量に流れ落ちる汗を妹に気付かれないようにゆっくりと自然に拭った。
少し間を置いてから妹は俺に視線を移し、ゆっくりと話を始めた。
「・・・あのね」
「うん」
「兄ちゃん、あたしをオカズにしてない?」
(・・・)
「兄ちゃん、大丈夫?」
(はっ!?)
驚いて顔を上げると、不安げに俺の顔を覗き込む妹の顔があった。
「びっくりしたよ、汗ビッショリで寝てたから」
何やらやたらと寒気がすると思ったら、シャツが大量の汗を吸い込んでべたついていた。
(夢だったのか。・・・良かった。本当に良かった)
俺は大きく背を反らせ、力いっぱい深呼吸した。
今は机に向かって座ってる。
夢ではドアの方向いていたからな。
それに今は午前3時、1時間も気絶していたなんてことはあり得ない。
俺は椅子を引いて立ち上がり、妹の方を向いた。
ピタ。
俺は硬直してしまった。
夢では普段着を着ていた妹だったが、今は寝巻き姿だ。
しかも第2ボタンまでは留めておらず、ノーブラの胸が寝巻き越しにはっきりと目に入った。
よく見ると寝巻き越しに乳首のポッチがくっきり・・・。
(もっと見ていたい!!)
俺は今までの自分を呪った。
妹の前で半ば無理やりに、いい兄貴を演じてきたことを呪った。
「おいおい、ボタンくらい留めろよ」
(畜生!)
「あっ」
妹は顔を赤らめて、慌ててボタンを留め始めた。
(あぁ、やめて、留めないで・・・)
ボタンを留め終わってから、なんとなく気まずくなったような妹は、そのまま部屋から出ていった。