女グループの4人は口々に騒ぎながら、汚水でビチャビチャになったモップを持って俺を取り囲み・・・。
「汚しちゃったから拭いてあげなきゃーwww」
「ぎゃはははwwww」
そう言いながらモップで俺を制服ごとゴシゴシとやり始めた。
俺は制服が汚れるので逃れようとしたが、床に広がった汚水に滑り転んだ。
「ぎゃーっwwwかわいそぉーwwww」
女グループは大爆笑していた。
俺は強かに打った激痛の膝を抱えながら振り返らずに歩いて、人気のない廊下まで逃げた。
激痛と悔しさと悲しさと怒りで鼻の奥が熱くなり、涙が滲んだ。
そこについて来た奴がいた。
クラスで1番ブスな、『ニキビ妖怪』と呼ばれている女だった。
「体操袋・・・」
ニキビ妖怪は俺の体操袋を持って来ていた。
汚れた制服をこれに着替えろということか。
やさしい気遣いなのかもしれないが、ニキビ妖怪から憐れまれ、手を差し伸べられていることが許せなかった。
プライドがズタズタになった。
女グループにやられて傷ついた心に、追い打ちをかけられた気がした。
「触んじゃねぇええよ!!!」
自分でも驚くほどの大声が出た。
ニキビ妖怪は全身をビクッとさせて体操袋を取り落とし、走って逃げていった。
俺が膝を痛めているのにニキビ妖怪が軽々と走っているのも苛立った。
「死ね!!!」
ニキビ妖怪の後ろ姿に向かって、もう一度大声をあげた。
ニキビ妖怪が視界から消えると涙が溢れてきた。
あまりの惨めさに言葉もなく、ただ泣くしかなかった。
・・・大人になった今、いまだに何度もあの時の夢を見る。
しかも、卒アルの女グループの写真で今でも抜くこともできる。
女グループは全員が上の中以上の容姿だった。
そして女グループの1人は、俺の好きな子だった。
アイドル並に可愛い子だった。
あの時は、他の3人のように下品に騒ぎ立てはしていなかったが、ビチャビチャのモップで俺を拭いたし、転んで汚水まみれの俺を見下ろして笑っていた。
それでも可愛いから勃起できる。
これは男の業だ。