「だってお前、今どきエッチもさせないで付き合ってるとかあり得ないだろ。すぐに振られるぞ?」と追い撃ちをかけると、「・・・できないものは・・・できないの・・・」と表情を少し曇らせた。
ちょっと様子が変だが、貞操観念がしっかりしてるのが分かって何か嬉しかった。
「まぁあれだ、その平らな胸じゃ無理もないかw」
捨て台詞を吐いて自分の部屋に入ろうとすると、「失礼だな!これでもちゃんとDカップありますぅー!」と意外な返答。
(Dカップ・・・)
これには俺が少しドキッとして固まってしまった。
「・・・わかったぞ。アレだろ、乳首が黒くて見せられないんだろw」
苦し紛れに言ってやると今度は妹が一瞬固まって、無言で2階の部屋に行ってしまった。
(あちゃー、やっちまったか?)
そう思ったが、もう遅い。
祝ってやるつもりが傷つけてしまったようだ。
しばらくベッドに転がってどうしたものか考えていると、ノックの音がして妹が入ってきた。
「お、おお、さっきは・・・」
俺が言い終わる前に妹が下を向いたまま小さな声でつぶやいた。
「あのさ・・・兄貴の彼女はさ・・・その、先っちょって・・・どんなふう?」
(先っちょ?乳首のことか?)
「な、なんだよ急に!さっきのは冗談だよ!見たこともないのに変なこと言って悪かった!気にするな、な?」
「ねえ、私の見せるから彼女のと比べてよ。黒くないか心配なんだ。黒いのってヤバいんだろ?」
「ちょ、ちょっと待て!いきなり何言ってるんだお前・・・俺は兄貴だぞ?」
「兄貴だから頼んでるの!!・・・私、分かんないんだ。自信ないんだ・・・」
そう言って妹は静かに着ていたTシャツの裾を捲り上げ始めた。
下を向いた顔が赤くなってるように見えた。
「ちょ、ちょ、ちょ・・・」
その先が言えずに口をパクパクさせてる間にも少しずつ妹の肌が露わになる。
白くてきめ細かい肌、綺麗な縦長のヘソ、程よく肉付きながらもしっかりとくびれたウエスト。
見たことのない妹の姿がそこに現れようとしている。
あまりに突然のことに一瞬我を忘れて凝視してしまった。
「ちょーーーっとっ!待てっ!!・・・待て。頼む」
淡いブルーのブラジャーの下辺が見えた時に俺はたまらず叫んだ。
「なんだよ。ここまで見といて止めるなよぉ・・・」
妹が膨れっ面をしてTシャツを元に戻す。
「だってお前、やっぱまずいってこれは・・・」
「まずくないよ。別に兄貴とエッチするんじゃないし。それに他の男に見せるの嫌だし・・・」
「お前がまずくなくても俺が・・・」
「頼むよ。他に相談できる人がいないんだ」
妹の顔が真剣だ。
抱えた不安と、体を見せる恥ずかしさに真っ直ぐ立ち向かっている顔。
腹を決めた顔だ。
「・・・どうしても?」
「うん。どうしても」
少しの沈黙の後、俺も腹を決めた。
「よしわかった。お前は、えっと・・・色が気になってるんだよな?」
「うん」
妹が頷く。
「じゃあ部屋に戻って、先っちょだけ写メ撮ってこい。だったら見てやる」
これが俺に出来る限界だと思った。
「えーっ?写メ?先っちょだけ?・・・それじゃ全体が分からないじゃん」
「全体は分からなくていいだろっ!俺が全体を見る意味のほうがわからん」
「だって・・・大きさとかバランスとか・・・ちゃんと大丈夫か心配なんだよ」
「色だけって言ってたじゃねえかよぉ!」
「お願い!お願いお願い!もう決めちゃったんだもん!」
そう言いながら妹は一気にTシャツを捲り上げ、ジーンズとブラジャー1枚の姿になった。
「マジかよ・・・」
俺はもう目を逸らすことが出来なくなっていた。
淡いブルーのブラジャーの下には、白い胸が窮屈そうに収まっている。
Dカップと言っていたが、もっとあってもおかしくない大きさだ。
俺の彼女もDカップだが全然違って見えた。
くびれたウエストに肉感的なその体は、もはや俺の知ってる“妹”ではなく立派な“女”だ。
呆気にとられて口をポカーンと空けてると、妹が口を開いた。
「本当はもうDじゃキツいんだ。新しいの買いに行かなくちゃ。・・・取るよ?」
「え・・・?」
何も言えずにいる俺を無視して腕を後ろに回し、ホックを外す。
「どう?黒くないか?汚くないか?」
顔を下に向けたままブラジャーを取り去り、改めて体を俺の正面に向け、両腕を下に降ろした。
綺麗な胸だった。
Dでキツいと言うならEカップはあるんだろう。
でも大きすぎず、体とのバランスもいい。
それにさすがは18歳、まだ硬いのか垂れる気配もなく上を向いている。
でも色が白いのですごく柔らかそうに見えた。
問題の乳首だって綺麗なものだった。
さすがにピンクとはいかないが、淡いベージュ色で決して濃くはない。
ほんの少し大きめの乳輪から、まだ成長途中の小さな乳首が可愛らしく飛び出している。
「・・・綺麗だ。うん、凄く綺麗だぞ」
本当に綺麗だったのでそう言った。
「本当?・・・黒くない?」
「どこが黒いんだよ!すげー綺麗だよ」
思わず凝視したまま答える。
すると視線が恥ずかしかったのか乳輪がキュッと縮み、そのぶん乳首が少し大きくなった。
「・・・これ、大丈夫かな?こうなると黒く見えるんだ」
「それは誰でもそうだよ。それに、そうなっても全然綺麗だぞ?全然黒くないぞ」
「・・・彼女とか、他の人と比べたら、どう?やっぱり無理?」
「いや、自信持っていいぞ。一番綺麗だ。・・・悔しいけどなw」
「本当?・・・良かったぁ」
妹の顔がほころんだ。
緊張が少し解けたようだ。
と、俺も我に返る。
「なぁ、もういいだろ?安心していいから、早く服着て部屋に戻れ。こんなところを親に見られたらヤバいどころじゃないぞ」
Tシャツで胸を隠した妹が、「こっち見んな、スケベ!」と言って、笑顔で部屋を出て行った。
ふう・・・終わった。
それにしても困った。
妹に萌えるとか、妹とやりたいとかは全く思わないが、あの姿が頭から離れない。
いつの間にか女に、それもかなり“いい女”に変貌していた妹に対して、俺の頭がどう対応していいのか分からなくなっていた。
まぁ時間が解決するのを待つしかないんだろうなぁ。
なんて思ってると携帯にメール着信。
妹からだ。
件名:さっきはアリガト。
本文:やっと兄貴から卒業できる気がしてきたよ。
今まで生意気ばっかり言ってゴメン。
お詫びにこれあげるから宝物にしろよ!
兄貴が一番最初に見たんだからね!
添付されていたのは、妹の裸の画像だった。
本当に綺麗な写真だった。
神がかっていた。
あれから2年が経ったが、この写真は今でも宝物だ。
ていうか妹よ、勝手に自分だけ卒業してんじゃねえよっ!