チー「そんなこと言って。もう私の手ぇ触ってる~。Kっちって凄いね~」
俺「駄目だった?いいじゃん触るくらい、教えてるんだから」
チー「・・・いいよ。別に触っててもw」
無意味なはがし方講座は無言になっていき、ベリベリって音だけが聞こえてた。
それもゆっくりになってきたところで、チーの手の甲に覆い被さってた俺の手を滑らせて薬指と小指をチーの手のひらに当たるように掴み方を変えた。
そして無言のまま2、3度強く握る。
チー「ん~?んん~?」
『何?』って感じで小さな声を出し、俺の顔を覗き込もうとする。
俺「・・・」
俺は目を合わせず、優しく握り続ける。
チー「ん~?んん~?」
まだ覗き込もうとしている。
俺「どうしたの?」
知らんぷりしながら聞いてみる。
チー「ぅん・・・」
なんか普通の吐息のような返事。
嫌がる素振りはなかった。
ここからは少し2人とも無言になった。
俺は付き合ったことねぇのに、知識や焦らしの良さとかは知ってたけど、正直言うと攻め方のタイミングがわからない。
そんな事もあり、知識を順番に試すようにじっくりじっくり行く。
次は手のひらと手のひらを合わせる形に変え、チーの指の間にさわさわっと指を滑り込ませては引き、それを繰り返した。
ここまで来ると手同士のキスである。
俺は爆発しそうな感情を抑え、手と手のキスを楽しんだ。
チーの手を犯している気分になってきたのは気のせいだろうか。
思い出したのはレストランの先輩の声。
先輩「おい、K。女の体は全身が性感帯だと思えよ。相手に触れるか触れないかがいいんだ」
俺「マジすか。気持ちいい所に触るだけじゃ駄目なんすか?」
先輩「手のひら出してみな。そこにさわさわっと。触れるだけでいいから」
俺「確かにブルルっと来るもんがありますねぇ」
先輩「そして目安は血管な。血管に沿ってさわさわやるといい」
俺「何でですのん?」
先輩「俺もコック長に聞いただけ。でも実際気持ちいい。お前も覚えとき」
俺「コック長はエロいすね~、ありがとございます~」
そんな事をまだ付き合ってもいない、しかも1年以上片思いしてる子に実践してる童貞の俺。
今から考えたらすげー恐ろしいことをやっていました。
次は、「手相見せてよ」と言わんばかりに手のひらを自分の目の前に持ってきた。
俺「きれいな手だね」
シワに沿って爪で触る。
チー「ぅん。ぁりがと・・・」
ちょっとだけ吐息が大きくなっていた。
俺「恋愛運は上がったり下がったりしてるわ」
Y子に聞いたことと、これからの伏線を張っとく。
チー「やっぱりぃ・・・」
そう言って、彼氏が今はいないことを俺は確信した。
俺は「ふーん」と言いながら無表情で手首から肘までの血管を暗い街灯を頼りにさわっとしていく。
ブルっと震えたチーは鳥肌が立ったのがわかった。
チー「鳥肌が立っちゃったw」
俺「何で?」
知らんぷりである。
チー「だってKっちがそんな触り方するからぁ」
俺「あ、ゴメンゴメン。嫌だった?」
チー「嫌じゃないけどさぁ。なんかさぁ・・・」
俺「なんか・・・」
チー「ぅん。なんか・・・エロいっていうか・・・」
俺「ふーん」
おトボケ全開である。
チー「ふぅーー」
吐息ともため息とも取れない呼吸になってきた。
それを聞いた俺もそんな感じになる。
要は同調だ。
チーと俺は同じ状態であることをチーに感じさせる。
その時の俺が考えていたことは、チーがエロい気持ちになっているのは、『チーが俺のことが好きだからエロい気持ちになってるんだよ』と、チーに勘違いさせることだ。
先程のため息を気にしてるふりをして、次はチーの唇を見つめる。
これはエロ雑誌にも効果があるって書かれていた。
ありがとう、エロ雑誌。
もちろん手はさわさわ。
チーの指の間にさわさわっと指を滑り込ませては引き、それを繰り返した。
俺「どうしたの?」
じっと唇を見つめる。
チー「別にぃ・・・」
まだ見つめる。
俺「気分良くないなら、水買って来ようか?」
唇に話しかける。
チー「大丈夫だよぉ」
俺「ホントに大丈夫?」
少し目を見つめてから、また唇を見つめる。
チー「うん」
俺「目がトロンってしてるよ」
チー「そぉかなぁ」
俺「唇もさっきからちょっと開きっぱなしだし」
チー「ぅん・・・」
唇を噛んで閉め直す。
でも、閉めたら鼻からの吐息が聞こえる。
俺「やっぱ水買って来るよ」
買う気なぞ毛頭ないわけだが。
チー「ぅぅん。ここにいて・・・」
正直、来た!と思ったよ。
ロリ顔なのに目がトロンとし、唇を少し開きながら吐息が漏れる様子はホントにエロく、感じているのがわかりました。
周りを見渡すと人も少なくなってきていたが、まだ皆から見渡せる範囲にいましたので、「ちょっと横になろうか」とあくまでも心配している形で、街灯の届かない他の人にも見えない位置に行きました。
そこは斜面の角度もきつく、座ってから自然にゴロンと寝転がれました。
2人とも寝たままで膝を立てている状態です。
俺「明日の予定とかはないの?」
チー「うん、明日は日曜日だし、大丈夫」
時間は22時頃を回ったくらいだったと思う。
遠くで誰かの「帰るわ~」ってな声も聞こえた。
俺「ねぇ」
チー「ん?」
チーは膝を俺のいる方に倒し、横になってこちらを見ています。
俺も顔だけ横になりチーの唇を見つめ、話し始めました。
俺「唇すごいキレイだね。キラキラってしてるし」
チー「やっぱKっち、唇見てたよねぇ。なんかさっきからおかしいなって視線が」
俺「なんて言うか、魅力的って言うの?」
チー「ぇ・・・自信はないけどなぁ。リップ塗ってるよ。キラキラの」
俺「どんなリップ?」
チー「えーとね・・・」
チーはデニムスカートのポケットに視線を落とし、「ちょっと待ってね」って言いながらポケットに手を入れて探していました。
ゴソゴソしている最中に俺はぐいっと体を寄せ、探しているポケットの上からチーの手首を掴み、ちょっとだけ動けないようにしました。
少しドキっとした表情になったチーはこちらをゆっくりと見ます。
顔と顔の距離は20センチくらいになってました。
俺「リップが見たいんじゃないよ」
チー「ぇ・・・違うの?」
掴んでる手とは違うもう一方の手で、チーの唇の縁を指の腹で撫でるように触りました。
縁をくるくると周り、少しグニっと押したりしました。
俺「ふーん」
チーの視線は指も俺も見ていません。
チー「ねぇ・・・なんか・・・分かったの?」
チーの顎がゆっくりと上がります。
俺「キラキラって取れないんだね」
チー「うーん、分かんない」
俺「ちょっと取っていい?」
チー「ぅん・・・ぃぃょ」
俺「それじゃあ」
そう言ってもっと体を寄せ、顔と顔の距離を5センチくらいに近づけます。
彼女は口で取られると思ったのでしょう。
顔を少し後ろにします。
チー「ねぇ。今チューしようとしたでしょ?」
俺「まさか」
チー「だって・・・こんな近くに寄ってきたし」
その言葉を無視し、唇を触っていた手を首筋と耳に移します。
そして優しく首筋の薄っすらと見える頚動脈を目安に、触れるか触れないかの力でさわさわとし、チーの表情を窺います。
チーは「くすぐったいよ~」
そう言いながら口からは走った後のような吐息が静かに聞こえてきます。
生唾を大きく飲んでいる仕草も見えました。
チー「ねぇ・・・チューしようとしなかった・・・?」
今にも消え入りそうな声です。
俺「チューはしようとしてないよ」
チー「だってぇ・・・ハァ」
俺「でもね」
チー「ん」
「でもね」と言いかけた俺は、チーのデニムスカートの裾を少しだけ上げるくらいの力で、チーの足の間に僕の足をするっと入れました。
彼女はさらに顔が紅葉し、瞬きにゆっくりと時間をかけるようになっています。
そして首筋を触っていた手が彼女のビクっとする場所を見つけ、そこの周辺をさらに重点的に触ります。
俺「口でキラキラを取ろうとはしたよ」
先程の話を引っ張ります。
チー「それってチューじゃん。んっ」
俺「どうしたの?ちょっと熱っぽそうだね」
チー「なんか・・・気持ちいいっていうか・・・んっ・・・エロいっていうかぁハァ・・・ゴメンね」
「ゴメン」と聞いて少し可哀想かなと思い、ポケットを押さえていた手を腰の後ろに回し、密着するまで抱き寄せました。
首筋を刺激する手は首の後ろをひと回りし、逆側の首筋を刺激しています。
チー「Kっちって、こんなにエロいんだぁ・・・ハァ・・・ハァ」
俺「そうかなぁ。そんなつもりないんだけどなぁ」
チー「エロいよぉ。すごいドキドキする。こんな感じ初めてかも」
俺「そうなの?」
チー「ぅん。心臓じゃなくて胸の中心が凄い熱いんだぁ・・・何だろぉ」
それを聞いた俺は同じくらい胸が爆発しそうでしたが、それを抑え、首筋のポイントに俺の唇を触れるか触れないかの距離で当てました。
<続く>