髪は少しウェーブのかかったしっとりした黒で、肩に届くくらいまでの長さです。
性格も大人しく、優しい母でした。
勉強もよく教えてもらい、おかげでいい中学に入れました。
私はそんな母が大好きでした。
7月、その日も朝はいつもの母でした。
トーストを綺麗に焼いてくれました。
父はビジネス誌を読みながら美味しそうに食べていました。
「和樹。今回の期末はうまくいきそうか?」
「うん。ばっちし」
「そうか、頑張れよ」
いつものように母は、父と息子の会話を微笑みながら見ていたような気がします。
その日は部活が中止になったので、早めに家に帰りました。
とにかく暑く、汗をダラダラと流していました。
「お前、汗が凄いぞ」
「ああ。じゃあな」
「和樹」
「なんだ?貴紀」
「お前の家に行ってもいいか?」
「いいけど」
私は貴紀と家へ向かいました。
貴紀は同級生です。
エッチな話が大好きでした。
男子校であることをいいことに、授業中でも平気で下ネタを話してました。
そんな貴紀ですが、お母さんが浮気を繰り返した結果、性病になってしまったのです。
その時は大変だなと思いながら他人事のように聞いていました。
それから貴紀は下ネタを口にしなくなりました。
庭の池の錦鯉にエサをあげると玄関のドアを開けます。
すると1階のリビングから母と複数の男性の話し声がしました。
「お客さんかな?」
私と貴紀は邪魔にならないよう、こっそりと2階の勉強部屋へ上がって行きました。
その後は、ベッドで寝転がりながら2人で数学の勉強をしていました。
しばらくは母と男の人達の声が微かに聞こえてました。
しかし急に聞こえなくなったのです。
(ん?)
私は不思議に思いました。
勉強を中断し、耳を澄ましました。
それでも聞こえません。
そこで押し入れを開けました。
そして底板を外しました。
こうすると下のリビングの声がよく聞こえるんです。
ただの好奇心です。
深夜、両親はドキュメント番組をよく観るんです。
私はそれが好きなのですが、小学生の時は早く寝ないといけないので、こうしてこっそりと聞いていました。
「何?俺にも聞かせて」
私は貴紀と2人でウキウキしながら床に耳を当てました。
(どんな話をしているんだろ?仕事の話かな?)
しかし、いつもと様子が違うことに気付きました。
チュバッ!チュバ!
そんな音がしました。
次いで、「はあん!はあん!」と母の声がしました。
「真昼間にこんなことしていいの?講義を受けなさいよ。学生でしょ」
「そんなこと言って、もうこんなグチョグチョじゃないですか」
「旦那さんが知ったら、どう思うんだろうな?」
「フフッ、もうここまでにしときなさいよ。ああ!」
母の叫び声がしました。
聞いたことのない声でした。
「もうイッたみたいですね」
「マンコだけじゃ、もう収まりませんよね?」
その時の私はうぶだったので、彼らが何を言っているかわかりませんでした。
ただ何となくエロい話をしているんだなとは思いました。
それだけでも私にはショックでした。
貴紀が私を真顔で見つめました。
「お前の母さん、かなりヤバイぞ」
怖ろしい目つきをしました。
「え?まさか!?」
私は息を呑んで、また聞き耳を立てました。
「はあん。はあん。もうダメよ。トイレに行かせて」
「じゃあ、ここでしちゃいなよ」
「その前に俺もしたいよ。奥さん、飲んでよ」
「しょうがないわね」
何を言っているかまるで見当がつきませんでした。
しばらくするとジョロジョロジョロという水が床に溢れるような音がしました。
「はあん、美味しいわあ」
母の声もしました。
何を言っているかわかりませんでした。
「あの・・・」
貴紀が私に話しかけてきました。
「お前の母さん、男のションベンを」
「え?今、何を?」
「ションベンを飲んでいるんだ」
あの上品で優しい母が、男のおしっこを、それも望んで飲むなんて・・・。
「そんなの嘘だ!」
「嘘じゃない。俺の母さんも男のションベンを飲んでいたんだ」
私と貴紀はまた耳を押し当てました。
「次は奥さんの番ですよ」
「仕方ないわね。たっぷりと飲みなさい」
ジョロジョロジョロという音がまたしました。
「これですっきりしたでしょ」
「まだ、すっきりしていないわ。こんなに汚しちゃって。あなたのは口で掃除してあげるから。あんたは後ろからついて。後ろの方の穴でね」
(母は何を言っているんだ?)
しばらくすると、「おお!おお!おおん!」と、さっきとは違う喘ぎ声がしました。
貴紀が私の母が今、何をしているのか話しだしました。
その話を聞き、世界が壊れるのではないかと思いました。
私は居ても立ってもいられなくなりました。
そして2人で覗きに行きました。
ベランダの床の隙間からリビングを見ることができるのです。
普段はレースのカーテンを引いているのではっきりとは見えませんが、何をしているかは大体わかります。
隙間から覗くと、その日はなぜかカーテンが開けられていて、割とはっきり見えました。
窓側の方に立っている裸の男はよく見えました。
しかし向こう側にいる男と、母らしき人はよく見えませんでした。
貴紀は、窓側の男が母に後ろから挿入をしているんだろうと言いました。
頭がクラクラしてきました。
でも、もっと見たくなりました。
衝撃は大きかったのですが、興味が先走っていました。
ベランダから頭を出すと、赤いマスクをした女が両手で自分の乳房を揺らしながら、窓側の男のモノを咥えている様子が見えました。
「おおん!おおん!」
低い喘ぎ声がしました。
すぐに赤いマスクの女が母であることが分かりました。
(あの上品な母が、父以外の男と変態プレイ!?)
見たくない現実を、これでもかこれでもかと突きつけられているようでした。
しばらくすると母はヨロリと倒れこみました。
貴紀は押し黙っていましたが、ボソリと言いました。
「俺の母さんと同じだ」