クリスマスは友達と温泉地で過ごすから別に来なくていいって言われてた。
俺は逢いたいと思いながらもそのまま受け止めて、1人で過ごすと伝えたんだ。
そしたらイブの夜、電話があった。
「何やってるの?」
「いや、別に何も」
「私と逢いたくないの?」
「え?だって友達が・・・」
「来たいなら来て」
「・・・分かった」
彼女の『何で分かってくれないの?』って感じの口調が気になり、ダッシュで準備。
夜21時頃発。
仕事終わりで疲れてたけど速攻で彼女の県まで車を走らせた。
眠くて仕方ないのでコンビニの駐車場で仮眠を取ることにしたけど、電話したら向こうはいつまでも起きて待ってるみたい。
これは寝てられんと一気に飛ばしてついに温泉地へ到着。
すでに25日の2時くらい。
深夜の温泉地は真っ暗。
雪が深々と降り積もっていた。
アパートの階段を音が立たないように上がり、彼女の部屋に。
「・・・来ちゃった」
「うん」
「100キロ、F子のために飛ばしてきたよ」
「・・・ありがと」
「逢いたかったの?」
いつもエッチのときは落ち着いたスタートを切ってた俺らだけど、その時は彼女から激しくキスされて、服を脱がされた。
「友達がいるんでしょ?」
「いいの、そんなのいいの・・・」
彼女の体温で温かくなっていた布団に押し倒されて、彼女の腕が強く俺の頭を引き寄せた。
俺らは堰を切ったようにいつもより強く押しつけるようなキスをしてさ。
トレーナー姿の彼女はすでにブラを外していて、胸はとても温かかった。
性感帯の首筋や耳を舐めたら声を出すのを一生懸命我慢していたけど、時々溢れ出るように声が出るので、もっと声を出させてやろうと頑張ったりした。
そのうち彼女が珍しく自分から俺の手を握って、自分の下半身に持ってった。
俺、驚いてさ、「えぇ?」なんて声を出して・・・。
「凄い濡れてるよ?」
そしたら彼女は少しふてくされたような顔をして・・・。
「だって◯◯のことが大好きなんだもん」
そんな事を言われたから、もうたまらなくなった。
俺らはいつも生でやっていたので、俺はすぐに彼女に挿れた。
さっきまでいた外の凍るような寒さと彼女との距離。
それといつもは見せない彼女のしおらしさと激しい行為。
そんな対比も相まって、俺はいつもより温かく感じる彼女の中に感激したんだ。
「ねぇ、イッて」
「イッていいよ」
「イッて」
たまらなくなって果てた俺は、また強く彼女にキスをした。
ティッシュの箱が見当たらなかったのでトイレットペーパーで彼女を拭いてあげて、先にイッた方が次に相手をイカせるという俺らの暗黙の了解の通り、彼女に指を入れたらもうたまらないといった感じで俺にしがみついてきて、声を出せないまますぐにイッちゃったみたい。
あんなに濡れてたんだもんな。
まだ朝までは時間があったけど、狭い布団に一緒に寝て、吹雪の音と窓がガタガタ鳴る音をなんとなく聞いていたりしてた。
朝、目が覚めていつもの朝エッチをしたら、雪はもう止んでいた。
昨日の夜に車を飛ばして、こんな銀世界を見ているギャップと、夜とは違って明るく友達と話をしている彼女を見たら、なんかほのぼのしてきたりしてさ。
もう別れて1年以上経った彼女との、ちょうど2年前のイブの夜のお話でした。
一番寒かったけど、一番暖かかった思い出です。