「内緒だけど実はあの2人、前々から出来ているんですよ」
もちろん自分のことは棚に上げた。
「ええ~、やっぱり!」
佳恵さんは驚きながらも自分の勘が当たったことに妙にテンションを上げて喜んでいた。
「うふふ、うふふ。40歳の人妻と未成年の不倫。うふふ」
おっとりした佳恵さんにもこういうところがあるのか、というくらいテンションがおかしくなっていた。
ちょっと驚いたが新鮮だった。
「珠美も変わらないなあ」
佳恵さん曰く、珠美さんは以前にも色々とそういう事があったようだ。
俺はちょっと聞いてみた。
「佳恵さんはそういうことしないの?」
「ん?私?私は旦那一筋・・・ってわけでもないか・・・」
そう言い、ペロっと舌を出す。
そしてこう切り替えしてきた。
「杉クンはどうなの?年の離れているおばさん、そういう対象で見れる?」
普段の佳恵さんの口からは想像つかない質問だ。
「いや、俺は女性経験がないから・・・。でも、佳恵さんだったらいいですよ。と言うか前々から佳恵さんのことが好きだし」
まじモードで言ってみた。
珠美さんとのことはこの際なかったことにした。
しばらく沈黙。
ただ佳恵さんの表情を見るに、手応えは悪くないと思った。
が、佳恵さんは急に茶化すような言い方で・・・。
「ダメダメ。田所クンが上手いことやっているから自分もって思ったんでしょ?その手には乗らないんだから~」
鋭い。
佳恵さんが好きってのは嘘じゃないけど、田所への対抗心からというのも当然あった。
「いや、そうじゃなく本当に・・・」
弁解しようと思ったが、この会話はここで打ち切られた。
がっかりした。
が、しかし、それから佳恵さんの態度が変わってきた。
俺に対して妙に優しくなり、さりげなく親しみを見せるようになった。
俺もことさら殊勝に佳恵さん一筋の態度を崩さなかった。
その間も田所はおめでたくも珠美さんとのセックス自慢を俺にしてくる。
俺は佳恵さんと進行中というのを気取られないように、ひたすら田所を羨ましがり、煽った。
案の定、彼は調子に乗り、自分の快楽ばかりにしか目がいかなくなった。
そして一月もしないうちに佳恵さんはあっさりと落ちた。
仕事休みの日に2人で遠出した。
平日で旦那にもバレず、他のパートにもバレない日を選ぶのは苦心した。
そして、そこのホテルで体を重ねた。
正直、田所と珠美さんのことを佳恵さんが知らなければ、彼女はいくら俺が告白したところで、自制心が働いて俺なんかになびかなかっただろう。
他人もやっている、だったら自分も大丈夫。
そんな気持ちになったんではないだろうか。
ともかく佳恵さんと遠くのホテルへ行った。
ベッドの上で佳恵さんの服を1枚ずつ脱がすときは、明らかに手が震えていた。
珠美さんとの時もビビっていたが、その時よりも緊張した。
ただあの時は終始珠美さんのリードだったし、俺は流れに半ば強引に乗せられただけだったから戸惑いが先立ったが、なぜか佳恵さんは俺に身を委ねてきている。
俺は童貞(という事になっている)だというのに。
お互い緊張していた。
俺がまごまごしながらも佳恵さんのブラのホックを何とか外したその瞬間・・・。
「恥ずかしいっ・・・」
そう言って佳恵さんは俺に強くしがみついてきた。
肌の温もりと佳恵さんの匂いが直に伝わってきて、急激に興奮した。
そのままベッドに押し倒して唇を吸った。
自然と舌が絡まった。
考えてみると珠美さんとの時はキスしなかった。
(これが初チューか・・・)
感動しながらブラを剥いだ。
横になっているので潰れてはいたが、揉んでみると柔らかくていいおっぱいだった。
そしてショーツを下ろす際、佳恵さんは恥ずかしさのあまりか両手で顔を覆っていた。
でも腰をくねらせ、浮かせ、ショーツを下ろす俺には協力的だった。
陰毛は縦に一本筋が通ったように生えていて、広がりがなかった。
逆三角形で毛深かった珠美さんとはここも違っていた。
悪いけどやっぱり比べてしまう。
そして佳恵さんの方がいいと実感する。
俺はちょっと嫌な男だ。
そのままマンコに舌を這わせ、指で慣らし、何とか知識を動員して膣をトロトロにした。
液がたっぷり出てきて驚いた。
佳恵さんって、こんなに濡れるんだと。
「もう・・・恥ずかしいっ・・・やだっ・・・」
その間、佳恵さんはずっと本気で恥ずかしがり、顔を隠し、体をくねらせていた。
挿入しようとベッドの上のゴムに手を伸ばしたら、佳恵さんはその手を押さえてゴムを取らせてくれない。
もちろん生でやりたい気持ちはあるが、やはり妊娠とかは怖い。
でも佳恵さんは首を横に振り、「そのままでいいから」と断固ゴム装着を許してくれない。
妙なところで頑固だ。
俺はそのまま大きくなった(と言ってもたかがしれているが)チンコを佳恵さんのマンコに宛てがい挿入を試みるが、滑って上手く入らなかった。
かなり手間取った。
その様がおかしかったのか、佳恵さんは恥ずかしさからやや正気を取り戻し、「うふふ、初めてだもんね。うふふ」と何か嬉しそう。
まあ、初めてではないが、初めてのようなものだ。
俺の方が恥ずかしくなってきて、照れ隠しで「じゃあ佳恵さん、上になって下さいよ」と言ってみた。
佳恵さんはこの提案が気に入ったらしく、すぐさま俺と体を入れ替える。
そして興味深げに俺にチンコを握り一言・・・。
「可愛い」
佳恵さんは意地悪な面がある。
「私もね、旦那しか知らないから・・・上手くいくかなあ」
そう言って俺に跨がり、握ったチンコを自分のマンコに宛てがう。
そして一発で俺のチンコを挿入させた。
さすが人妻だ。
そして温かい。
そのまま佳恵さんは俺を入れたまま優しげな目で俺を見下ろしていた。
下から眺める佳恵さんは最高だった。
大きな骨盤、肉付きはよくなっているがまだちゃんとくびれている腰、お椀型で柔らかいおっぱい、その上に乗っている茶色く小さい乳首。
俺は我慢できなくなり、「佳恵さん・・・」と下から情けない声で求める。
「ん?」
佳恵さんは腰を動かし始めた。
いやらしい光景だった。
あのおっとりした佳恵さんの腰が何でこんないやらしくクネクネ動くんだろう。
「杉クン・・・好き・・・好きよ・・・」
そう連呼して、「んっんっ」とノドの奥を鳴らす佳恵さん。
さっきまでの恥じらいは何処へ、こうなれば大胆だった。
不器用に俺は体を起こし、体位を入れ替え、頑張って腰を動かし、佳恵さんの上で果てた。
俺がイク瞬間、佳恵さんは頬を赤らめながら喘ぎ、「・・・中で・・・いや、ダメ、外に・・・いや・・・ああ、もう・・・」と、ちょっと悩乱状態だった。
結局、俺は佳恵さんの腹の上に放出した。
しばらくお互い肩で息をしながら沈黙していたが・・・。
「うふふ、うふふ、41歳の人妻と21歳の童貞クンの不倫、うふふ」
佳恵さんはまたテンションンをおかしくして、お腹に精子を乗せたまま俺にしがみついてきた。
佳恵さんとの最初のセックスは時間にして数分だったが、俺は満足した。
珠美さんの時とは雲泥の差の充実感だった。
珠美さんには申し訳ないが・・・。
ただ、未熟な俺では佳恵さんを完全に喜ばすことは出来なかった。
その後、すぐに、「もう一度と」せがんできた。
佳恵さんは一度火がつくとなかなか消えないようで・・・、その日は時間の関係上、そのまま3回やった。
佳恵さんは、「緊張したけど良かったね」と言ってくれた。
「絶対、内緒にしてね。私、珠美みたいに逞しくないから」
当然、2人の関係は2人だけの秘密ということになった。
もちろん田所にも。
それから佳恵さんと俺は隠しながら上手く関係を続けた。
田所が語っていた珠美さんとの関係の隠蔽の仕方やあれこれがここで参考になった。
佳恵さんは旦那しか知らないと言っていたが、よくよく聞くと、「結婚してからは旦那しか知らない」ということらしい。
ま、結婚前も旦那以外2人だけらしいので、男性経験が少ないことには変わりない。
おまけに、ここ数年セックスレスだった。
だから、周りの主婦のそういう噂を聞くたび、やはり疼くものがあったらしい。
風呂場で密かにシャワーでオナニーしたこともあったと言っていた。
でももう年だし、声を掛けてくれる人もいない。
諦めもあった。
そんな時に俺が声を掛けたというわけだ。
「田所が声を掛けていたら?」と聞いたら、「杉クンだからこういう関係になれたんだろうな」と言ってくれた。
ここでやっと俺は精神的に田所に優位に立てた。
佳恵さんからそういう過去の下の悩み話を聞かされた時は、普段そんな感じを受けなかっただけに意外だったし、佳恵さんも女なんだなあと実感もした。
そしてそのギャップに興奮した。
佳恵さんに初めてフェラを頼んだとき、「やったことないよ~」と言いつつ咥えてくれたのを覚えている。
当然珠美さんのように上手くはなかったが、「どうすればいいの?」と俺が教えることを忠実にやろうとする様が嬉しかった。
その一生懸命咥える表情に興奮した。
だけど飲むのを躊躇い、そうこうしているうちに俺が顔に精子を放出した時は、「もう~」と怒っていたっけ。
俺もセックスできるということに溺れたし、佳恵さんも長年のフラストレーションの反動からか、お互いに体を交わすときは貪欲だった。
どちらかというと佳恵さんの方が激しく求めてきて、俺は正直、体がもたないと思うこともしばしば。
冷や冷やすることもあったが、今思えばそれも楽しかった。
田所から珠美さんの自慢を聞かされていた時、同じ職場だとやりづらくないかなと疑問を持った。
実際、俺は珠美さんとは少々気まずい。
だが佳恵さんと付き合うようになって思った。
同じ職場だからいいのだ。
チラッと目と目が合った時、2人しか知らない秘密を共有している。
スリルというか、何と言うか。
だから2人だけで会った時、激しく燃える。
田所は相変わらず何も知らず、珠美さんとのことを自慢してくる。
その後で佳恵さんとセックスするときは、俺はいつも以上に燃えた。
佳恵さんを後ろから突き上げ、あの日の珠美さんのバックで童貞を捨てた不甲斐ない自分を思い出し、そして今、俺も田所も本命だった佳恵さんを勝ち取った満足感。
少々、歪んでいる・・・。
ただ、そんな歪んだ気持ちも興奮のためのスパイス程度で、やっぱり純粋に佳恵さんが好きだという気持ちの方が勝っていた、と思う。
そんなこんなで数ヶ月が経った。
田所は相変わらず俺に対して増長していたが、俺には密かに佳恵さんと関係を持っているため、以前にはない余裕があった。
ある日のこと。
その日の田所はなぜか酷かった。
雰囲気を察するに、珠美さんとケンカでもしたのだろう。
八つ当たりなのか、俺に対する態度も酷かった。
「この半童貞野郎!」とか「珠美ともう一度やりたいんだろ?」とか、今までにない暴言を吐いてきた。
今までもたまにカチンとくることを言われたこともあったが、ここまでしつこく露骨に言われたことはなかった。
俺もついに頭にきた。
何かを言われた拍子につい、「いや、俺、佳恵さんとやったし」と言ってしまった。
「うそつけ!」と最初は彼も信じなかった。
信じないなら信じないままにしておけば良かったのだが、つい俺もムキになってしまい、そして自慢したい気持ちを抑えきれなくなり、佳恵さんとのことを色々暴露してしまった。
後悔した。
何よりこいつの口から外に漏れるのを恐れた。
「いや、お前と珠美さんとのことが羨ましくて、俺もつい。内緒にしててくれ」
何とか上手く彼の自尊心をくすぐりつつ、なだめすかした。
田所は単純な奴なので、それで多少は機嫌を直し、俺に佳恵さんとの話をもっとせがんできて、身悶えるようにして羨ましがった。
俺は勝ったと思った。
が、思わぬことが起こった。
ある日、佳恵さんから電話がかかってきて、かなりの怒声で罵られた。
最初は秘密を田所に話したことを怒っているのかと思ったが、どうもそうではないようだ。
佳恵さんは全部知ってしまった。
俺が実は珠美さんとも関係を持っていたことを怒っているのだった。
佳恵さんは翌日から仕事に来なくなった。
そして辞めた。
ヘタレな俺は結局、田所を責めた。
しかし田所に、「確かに珠美さんに杉さんと佳恵さんのことを喋ったけど、お互い様じゃん」と言われ、ぐうの音も出なかった。
そして数日後、会社を辞めた佳恵さんから電話かかってきた。
前の怒声とは違い、普段の朗らかな感じの声だった。
俺はよりが戻せるのかと内心喜んだが、奈落の底に突き落とされた。
「私ね、田所クンと寝たから」
いつもの優しいトーンでそう言われ、もう後は何を言われたか覚えてない。
翌日から俺は仕事をサボり、職場関係とは一切連絡を絶った。
当然、田所とも。
しばらく引きずったが、新しいバイトを始めて心機一転、何とか立ち直った。
何でこんな話を急に書く気になったかと言うと、この前、実に3年ぶりくらいに田所と電車内でばったり出会った。
実のところ、今までも俺は彼を何度か見かけたことがあるが、気付かれる前に避けた。
が、今回は本当にばったり顔を合わせてしまい、逃げられなかった。
「あ、杉さん久しぶり!」
田所は屈託なくそう言った。
多少は俺も傷は癒えていたし、彼のペースに乗ってしまい久々に長々と喋り、そしてその晩、2人で飲みに行った。
そこで性の近況報告。
俺はと言えばあれ以来、一度年下の彼女が出来たものの別れ、今は主に風俗で抜いている至ってノーマルな男。
一方、田所は驚くことに10人近くの女性と寝たと言っていた。
しかも全員40歳以上の人妻だそうで・・・。
懲りた俺とは逆に、彼は完全にはまってしまったようだ。
そして俺は田所にあの時のことを嫌味まじりに聞いてみた。
「佳恵さんの体は良かったか?」
すると田所は、「はい?」と不思議な表情をした。
彼は佳恵さんとは断じて寝ていないと言う。
「佳恵さんがお前と寝たって言ってたぞ」と俺が言っても、「う~ん・・・寝てないものは寝てないし」と。
本当に寝ていないらしい。
ま、本当に寝てないのか実は寝たのか、正直もうどうでもいいことだ。
が、寝ていないなら、何で佳恵さんは俺にあんなことを言ったのだろう。
「思うに、杉さんが珠美さんと寝ていたのを知って、自分も俺と寝たということにして対等になりたかったんじゃないの?その上で杉さんの気持ちを試したかったんだよ」
田所は大人になったなと思った。
おしまい。