服越しではあったが、そのなんとも言えない温かさが右の甲から全身に駆け巡った。
まだ毛の生えかけの股間にも・・・。
あまりのことに微動だに出来ない私。
気づかずに、なおも胸を押し当ててくるN。
鉛筆をゲットし、乗り出した身を戻そうとしたその時、至近距離で目が合ってしまった。
ただでさえ胸の感触があるのに、加えてNの吐息を間近で感じる。
その状況に耐えきれず、反射的に身を引こうとしてしまったため、胸が当たっていたのがNにバレてしまった。
Nはさっと体を引き、胸を抑える仕草。
ちょっぴり顔が赤い。
・・・ほんの少しの間、2人とも動くことが出来なかった。
幸い昼休みだったこともあり、周りはぎゃーぎゃー騒いでて、誰もこの状況に気づいていないっぽい。
・・・謝るべきなのか。
でも、当ててきたのはあっちだし、謝ったら自分が悪者だ。
そうなれば向こう1ヶ月はそういうネタでからかわれ続けてしまう。
かといって、ここでNに騒がれたらもっと最悪だ・・・。
などと無い頭で考えてると、Nは小声で、「ちょっと来て」と言い、廊下に出ていった。
恐れた私は、ゆっくりと席を立つと、少し距離を置いてNについて行った。
行った先は旧校舎、この時間だとまず誰も近づかない場所。
Nはまっすぐに私を見ていた。
「胸、触ったでしょ」
「そっちが押しつけてきたんじゃ」と喉まで出かかったけど、声にならなかった。
ヘタレな根性なしだったから。
と、Nが怒ったような顔をして、ふいに近づいてきた。
「◯◯のエッチ!お返しだ!」
Nの手が私の股に伸びてきた。
咄嗟に反応できず、Nの右手に私の陰部が握られてしまった。
最悪なことに、私のそれは、小さいながらも充血して勃ってしまっていた。
Nがぎょっとした表情で私を見る。
「サイテー、あたしの胸でエッチな気分になってるんでしょ!」
・・・何も言い返せない。
そこで昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
Nは、「授業が終わったら学校の裏手の小屋に来い」と言った。
「来ないと言いふらしてやる」とも。
死刑執行に望む囚人のように絶望的な気分でふとNを見ると、微かに笑っているように見えた・・・気のせいだろうか。
午後の授業は当然、何も耳に入らなかった。
右隣には当然のようにNがいる。
午後の授業の間、一度もこちらを向かなかったのが得体の知れない恐怖に変わる。
気がついたら授業は終わっていて、Nはちらとこちらを見たかと思うとさっさと鞄を持って廊下に歩いて行った。
もう、どうしようもないじゃないか。
そう思い、なるようになれとばかりに裏手へと向かって行った。
小屋に鍵は掛かっておらず、中ではNがボロい椅子に座っていた。
「遅いぞ!」
(・・・なんか、あんまり怒ってなさそうな声だけど・・・?)
Nは私を椅子に座るように促した。
大人しく従う。
「◯◯、今から質問するから、正直に答えなさいよ」
嘘をついたら・・・ってわけか。
といっても、何を聞いてくるのやら・・・。
「◯◯、さっき私の胸を触ったわね?」
・・・憮然としつつも、頷く。
「どんな気分だった?」
(・・・は?何を聞いてくるんだ、Nは!?)
「どんなだったって聞いてるの、答えてよ」
「どんなって・・・柔らかくて、ほわほわして、ドキドキして・・・」
ほっぺたが急に赤くなっていくのを感じた。
これじゃ、まるで変態じゃないか!
それでも、ついつい思ったことをボソボソと喋っていく。
ちらっとNを見ると、なんかNの顔も赤くなってるような・・・?
「◯◯の変態!痴漢!スケベ!#$#%$&%$・・・」
顔を真っ赤にしてNが叫んできた。
だんだんわけのわからないことまで言ってくる。
「チビ」って言葉にカチンときて言い返した。
「そっちが押しつけてきたんじゃないか!」
「何よそれ、女の子の胸触っておいてそんなこと言うわけ?」
「そんなもの、触りたくなんてないさ!」
一旦口が開いたらもう止まらない。
「そんなものって何よ!」
「触ったかどうかわかんない平べったいのでよくそんなこと言えるね!」
「そういうのでおちんちんおっきくしてたのは誰さ!」
同級生の女の子の口から「おちんちん」というエッチな言葉が発せられて、ぎょっとしてしまった。
なぜだか、聞いてるこっちが恥ずかしくなってしまう。
「大体、あたしはそんなに平べったくなんかないわよ!」
言うが早いか、Nはトレーナーを捲りあげた。
・・・確かに、膨らみが、ある。
先っぽがピンク色だ・・・思わず見惚れてしまう。
私の、恐らくは食い入るような視線に我に返ったのか、Nは「きゃっ!」と小さく悲鳴をあげ、そのまましゃがみ込んでしまった。
顔は物凄く赤くなっている。
何とも言えない気まずい空気。
勝手に見せたのは向こうだし、自爆しまくってるだけなのに、それでも、なぜだか自分が悪いような気もしてしまう・・・。
そんなことを思いつつも、今しがたの間近でのおっぱい、昼間のその感触が頭をグルグルしてのぼせてきた。
同時にジャージの股間も外から見てもわかるくらい、にょこっと盛り上がっている。
Nの視線が、その部分に集中しているのに気づく。
すでに凝視と言ってもいいくらい。
「・・・」
ボソボソとNが何かしゃべったような?
「見せなさいよ・・・」
ほえ?見せろって・・・あの、その、コレを?
「あ、あ、あたしも見せたんだから、◯◯も見せてよ、それでおあいこよ!」
微妙に支離滅裂さを感じる。
Nの物凄い怒気らしきもの、それと私の羞恥心がグルグルと天秤をかけてる。
あうあうとしてる間に、またしてもNは私の股間に手を伸ばしてきた。
今度は下がって避けた。
空ぶったNの手。
呆然としたNの表情がだんだん泣きそうな顔になってく。
(ヤバい!泣かれる!)
泣かれる→何もかも言いふらされる→グッバイ残りの5ヶ月の小学校生活。
「N!ほら、その、見たいなら見せるから・・・」
「そんなのどうだっていいわよ!」
Nは自分に組み付いてわんわん泣き出した・・・。
こんなに大泣きされてはもうどうしようもなく、背中や頭をよしよしと撫でてやるしか出来ない。
少しして、泣きが収まってきたのか、しゃくりあげながらNは言った。
「あたし、◯◯のこと、好きだったのに」
(・・・へっ!?)
もう頭が真っ白。
Nが色々言ってたような気がするけど何にも覚えてない。
耳の右から左、左から右という感じだった。
「ちょっと、◯◯、聞いてるの!?」
その声ではたと我に返る。
至近距離からの音源。
まだ抱き付かれたままだった。
ふと、髪からふわっと、いい匂いがした。
柔らかい感触が当たってる。
おっぱい。
・・・血液が股間に集まっていくのを感じる。
「◯◯、なんか当ってる・・・」
この状態だから当然バレてしまう。
Nはちょっと右腕を動かし・・・自分の意思とはすでに離れてしまってズキンズキンいってるそこは、Nの手に捉まれてしまった。
ジャージ越しだけどグニグニと触られ撫でられ、なんか変な気分になってきた。
めちゃめちゃ熱い。
ズキンズキンいってる。
「なんか、すごい・・・」
Nのその声でさらにおかしくなってく。
左腕をNの首に回す。
「あっ」という声。
ぎゅっと身を寄せてくる。
右手が吸い寄せられるようにNのトレーナーの中に入っていく。
直に触れたNのおっぱいは、少し汗ばんでて、とても柔らかかった。
「やっ」って言ってるけど、本気で嫌がっていないみたい。
Nの手が股間から離れる。
と、ジャージの中にぎゅっと右手を差し込んできた。
すべすべしたNの手。
Nの胸。
匂い。
苦しそうな、いやらしい吐息。
ぎゅっとしがみついてくるNの左腕。
体全体で感じるNの柔らかさ。
そしてNが、ぎゅっと私の勃起したそれを握り・・・。
体全体がびりびりって震えて、めちゃめちゃ股間が熱くなって、・・・精通だった。
初めての快楽の激流に、ただただ飲み込まれていった。
力が入らなくて、Nにしがみつくような形になった。
・・・体全体がこんなに熱いのに、Nのほっぺたはそれ以上に熱かった。
「ちょっと・・・やだ・・・これって・・・」
顔を真っ赤にさせながらであろう、ぼそぼそと呟いている。
お互い性教育の授業での知識しかなかった精通、射精の現場を共有してしまった。
しばらくしてNのポケットからティッシュを取り出して、拭いた。
結局、Nに思いっきり見られてしまい(しかもNの強硬な主張により、Nにそこを拭かれた)、「可愛い」などと言われる始末。
出した直後だからか、この上なく縮んでいたのだ、仕方がない。
拭き終わってからも、Nはさわさわと撫でてくる。
正直、気持ちいい。
「◯◯って、もう生えてるんだね」
「・・・Nは?」
際どい、際ど過ぎる質問。
しかしNは動じず。
「・・・見る?」
顔を赤くして、下を向いて、ちらっと上目遣い。
ヤバい。
N、可愛い。
「◯◯のおちんちんは見たがってるよ」
くすくす笑う・・・。
そう、私のそれは小さいながらも音を立てるような勢いでムクムクと立っていくではないか。
その過程を見られていることに途方もない羞恥を感じ、「み、見るなよ!」と叫んだ。
・・・が。
「あたしも見せたげるから、いいじゃん」
Nもジャージのズボンをパンツごと脱いだ・・・。
初めて見た女の子のあそこ。
そう考えるだけで痛いほど股間が疼いていく。
「もっと、見てみる?」
かすれたような声でNは言う。
ぶんぶんと、大きく首を縦に振る。
「◯◯だから、見せたげるんだからね・・・」
そう言いながらNの顔はこれまで以上に真っ赤である。
そこに顔を近づけてみる。
スジ。
奥には色々な器官があるらしいけど、表向き、スジしか見えない。
「やだ・・・そんなに顔を近づけないで・・・」
きゅっと内股になる、その仕草が女の子っぽくてドキドキする。
「奥、自分で見たことある?」
「あるわけないよ!」
「鏡、持ってる?」
「持ってるけど・・・」
「一緒に見てみようよ、Nのここ」
・・・一瞬の静寂の後、Nのこの世のものとは思えぬ怒号とも悲鳴ともつかない叫び声が小屋中に響いた・・・。
その後、何だかんだ言って結局2人で観察したのだが、その辺はあんまし鮮明に覚えていないので省略。
ただ、桃色の肉がうにうにと蠢いててめちゃめちゃいやらしく感じたのは覚えている。
小屋を出るとすっかり暗くなっていた。
もう帰らないとマズい。
「急ごう!」と自然にNの手を取って駆け出してく。
ぎゅっと握り返してくれて嬉しかった。
一気に町の方まで駆け下りて、Nが息を切らせてるので立ち止まる。
「ね、◯◯」
肩で息をしながら、Nが私の耳に口を寄せる。
「あたし、まだなんだ。だから今度はエッチしようね」
とんでもない発言にぎょっとして振り向く。
「内緒だからね!その、まだのこと」
・・・言えるわけ、ない。
互いの家に帰る分かれ道。
「じゃあね」って走って行こうとするNに、ちょっと手招き。
周りに誰もいないことを確かめて、胸にタッチ。
ふにゅっと。
やっぱり、柔らかい。
「やっ」てNが言うか言わぬかの間に、「また明日~!」とダッシュ。
「バカ~~~!!」とか背中に受けつつ、家路に就くのであった。
おしまい。