だって聡美さんは語りかけながら、同時にお尻の穴と前を開く指がくねって、悶絶しそうになってしまうから。
今だって必死に快感の喘ぎをこらえているのに、声を出したら、もうあたし、我慢、できない。
変だよう・・・こんなヒクヒクして、自分の指とは全然違う。
狂わされちゃう、おか、おかしく、なっちゃぅぅぅ・・・。
あからさまに目を逸らすと、途端に指がいじわるく激しくなり、かといって情欲に濡れる瞳を睨み返すなんて無理。
LOVEじゃないけど、憧れ続けていた女性に裸の肌を重ねられて、「こんなの変」だと叫ぶ理性なんか吹っ飛ぶほどあたしは濡れて感じまくっているから・・・。
こうして太ももの辺りからサワサワと充血した下腹部を弄られちゃったりするだけで、聡美さんの指も手首もビショビショに雫で汚しちゃって、弁解することも訴えることもできず、視線を奪われて目を潤ませているのだ。
「ねえ、嫌かな、私じゃ?お願い、本当にやめて欲しいなら・・・今、そう言って」
切羽詰まった声で聡美さんが囁きかける。
でないと、もう我慢が利かない。
そういうニュアンスをこめているのだ。
いつの間にか聡美さんはあたしの裸体の上に跨がり、痛いほどこわばった未熟な乳首がキャミソール越しに重なる体に変に擦れて甘く痺れが走っていく。
太ももに絡んだ聡美さんの下半身・・・。
無意識にそこに目が行った瞬間、ゾクゾクっと妖しい快感が火花を散らして背筋を駆け上がった。
あたしなんかの比じゃなく本気で滴ってる、聡美さんの、乱れた大人のいやらしい唇。
(あたしを見てこんなに感じてくれている。エッチに乱れてくれているんだ)
その卑猥さに、頭のどこかがバチっと激しくショートした。
「あ、あたし・・・恥ずかしい・・・」
拒絶ではなく嫌悪でもなく、そう口から漏れたのは聡美さんへの屈服の合図だった。
「いいの?私だって恥ずかしい・・・でも嬉しい」
「さ、聡美さん」
名前を呼ぶ、ただそれだけの行為が、まるで甘いおねだりのようだった。
2人して真っ赤な顔を見つめ合い、それでも視線は逸らさない。
妖しく鼻と鼻を触れあわせ、エッチな雫で濡れた手で顎を摘まれると、芳しく唇が色づいてあたしの唇をぴっちり塞いだと思う間もなく、再びぬるりと彼女の舌に侵入されて瞳孔を見開いてしまう。
彼女の瞳の中には、これ以上ないほどいやらしく上気したあたしの姿。
例えようもなく淫靡なハーモニーが滴った。
唾液と唾液がぐちゃぐちゃに攪拌しあって淫らな汁音をあたしの口の中で奏で、酸欠で意識が遠のくまで口の中を蹂躙しつくされ、混じり合う2人分の粘液を一滴もこぼすことなく、聡美さんの舌技に導かれていじわるく、とろりとろり飲まされていく。
何もかも受け身で無抵抗。
すべて聡美さんにされるがままでいることが総毛立つような快楽をもたらし、2本に増えた指がみりみりと括約筋を割り裂いて潜り込んでくるのを懸命にお尻で噛み締め、ビクビクっとお尻の穴を締め付けて味わう。
ジェルでひやりとした指は内側からみちりみちりと直腸を引っ掻いて、排泄物が引っかかり逆流してくるようなその独特の感触に、だらりだらりと汗がこぼれる。
そう、この感触。
この倒錯感。
必死に絞りあげて阻止しようとするお尻の穴を嘲笑うかのようにあたしを責めたて、今にも意識が飛びそうなのに、膜がかかったように最後の一線を越えられず、必死になって聡美さんの指に指を絡めてしがみつく。
その手をぽんと振り解かれ、聡美さんが本格的にあたしを嬲りだした・・・両手で。
それは劇的な変化だった。
2倍の刺激どころじゃない、全身が溶けていく。
ねば~っと唾液のアーチを引き伸ばしながら離した唇で耳たぶを甘く噛み、胸を胸に擦らせつつ指が潜り込んで痛痒く乳首を捻り潰し、一方で3本目の指をお尻にねじ込みながら親指が割れ目の包皮を押し上げ、過敏な突起をさらけ出す。
まな板の上で跳ね回るだけのあたしを、徹底して火照らせ、下ごしらえしていくのだ。
「全体にちょっと上付きなのね、律子ちゃんは」
「ん、ぃう・・・し、知りません」
言葉でも恥ずかしがらせながら、コリコリと親指の先が、真っ赤にただれているだろう神経の塊を弄りだすと電撃が駆け抜け、かはっと息を詰まらせた一瞬のうちにあたしは立て続けに3度もイッてしまった。
完全に脱力してるのに、後ろのすぼまりは、未だ根元までいやらしく刺さった聡美さんの指を噛みしめていて、まだアクメが止まらない。
「さっ、聡美さん、イク、イッ、イキま・・・」
「他人行儀じゃなく、昔みたいに『お姉さま』って呼んで?」
甘えるようにねだられ、しかもこんなに愛されて、身も心も抗えるはずがない。
「おっ、お姉さま・・・すご、すごく、て・・・お姉さまの指・・・感じちゃ・・・」
「嬉しいわ。その言葉を待っていたの」
あとはもう言葉じゃなかった。
たぶん盛りのついたエロエロなメス猫の悲鳴だ。
よがり狂ってギリギリと穴を窄め、内側の壁をぐいっと拡張する3本の指に仰け反らんばかりの快感を励起され、とろんと垂れる腸液さえ感じられそうなほど、どころか締めあげるその場所には4本目を埋めようとして、しかも痛みもなく緩みきったお尻はあっさりと小指の先を咥えこんでしまい、どっと変な衝撃がカラダを押し流した。
たゆたゆと未成熟な胸を聡美さんと擦り合わせ、意識も飛びそうなほどの快感と悦びを彼女にもなすりつけて、肌の触れ合いで伝えるのだ。
「私、胸が薄いのがコンプレックスなのよ。律子ちゃんの胸、羨ましいわ」
「はひ、ん、聡美さ・・・お姉さまこそ、きれい、です・・・」
いつの間にか上半身も裸になっていた聡美さんは、ほっそりした顔を傾けて微笑んだ。
確かに見た目はあたしの方がボリュームがあるけど、でも聡美さんの胸は膨らみ方が上品で、つんと控えめに尖った乳首と、小さ目の乳輪の色づき方がすごく情欲をそそるギャップを醸し出しているのだ。
桜色にゆだる女性の肌が、同じ女のあたしをこうもおかしく誘惑するなんて。
その指が4本も、あたしのお尻をみっしりと占領してる、なんて・・・。
「ふわぁ」
想像と現実のシンクロでお尻がひくんと弾み、子宮の底からカラダがねじれた。
聡美さんの指がアナルを探索し、さらにもう片手でぎゅぎゅっと外からお尻の肉を揉まれてしまい、しかも同時に親指の先で痺れきったクリトリスまで弾かれて、カラダを駆け上る熱さと快感は電撃さながら、口から涎がこぼれているのだって気づけないくらい。
(お尻、ゆるゆる・・・もっと、もっと深くにまで、この捲れるような刺激を欲しい・・・)
聡美さんの目が淫蕩に揺れて、あたしの声無きおねだりはすべて伝わっていた。
あっと思ったときにはお姫様抱っこをされていて、あたしは聡美さんの乳房の間(谷間というほどじゃない控えめな膨らみ)に、顔を埋めている。
「最後は、もっと涼しい部屋で、ね」
言葉を区切ったけど、その先は聞かずとも分かる。
だから、おだやかな表情と裏腹にドクドクと昂ぶる聡美さんの鼓動を聞きながら2階の寝室に運ばれ、ぎしりとベッドに沈みこんだ。
鼻を埋め、シーツに残る聡美さんの匂いをくんくんと嗅いでしまう。
「いけない子。何を調べているの?」
「だって、お姉さまの匂いが、しみついて・・・」
「動物みたいなのね、ふふ」
覆い被さってきた聡美さんの口づけを今度こそ自分の意思で受け入れて、さえずるようについばみながら唇をうなじや頬に這わせていく。
聡美さんの指がまたも下腹部へと伸び、羞恥心をこらえて力を抜くと、まるでそれが当たり前のように長い指先がヌプヌプとお尻の中へ沈んできた。
顎を反らし、目を閉じ、逆流するような異物感を楽しむ。
(すごい、いくらでも感じちゃう、濡れて溢れてしまう、聡美さんもこの感触を・・・?)
初めて、あたしは自分から指を伸ばした。
「あっ、律子ちゃん、何を・・・っ!?」
「お姉さまのも、見たいから」
聡美さんの声が思わぬ動揺の色を帯び、艶かしい喘ぎを滲ませる。
あたしの指が聡美さんの下腹部を、あたしよりも生え揃った茂みをなぞり、そこから下へと遠慮なくつぷんと潜り込んだせいだ。
湿ったヒダにとろりと雫が絡みつき、ざわめいて指を深くへ引き込んでいく。
もう片方の手をお尻にまわすと、あのお尻に埋まったリングに指が触れ、それをきゅっと引っ張ると、初めて喉を鳴らして聡美さんが嬌声をあげた。
あとは2人とも無我夢中だった。
足を絡め合い、互いの指を互いの下腹部に沈め、前と後ろをひたすらに弄りっこして慰め合う。
お互いの性器(とお尻)を弄る指は、一秒だって離したくない。
そのくらい発情してて、だから手を使えぬままでもどかしく、唇を這わせたり肩を甘噛みして痕をつけたり。
あっという間に身体が疼き、火照り、燃え上がっておつゆが溢れ出してきた・・・。
フウフウという喘ぎにまみれた聡美さんが持ち出した器具に、目がとろけた。
そのいやらしい形状には見覚えがあったし、使用方法も知っていた。
・・・レズ用の、ペニスバンドだ。
装着する人の側にも男性を模した突起があって、甘く呻きながら聡美さんが自分側のディルドを割れ目に挿入して腰に沈めると、下半身から黒々した男性のニセモノが反り返っている。
「律子ちゃんは、えっと、男性経験はないのよね?」
「はい、バージンですから・・・聡美さんが最初の人です」
躊躇う口ぶりだったのですぐピーンと来て、あたしの返事は甘えるような、少し挑発的なものになる。
すると聡美さんは意外なことを口にした。
「嬉しいこと言うのね。でもバージンなら、そっちは大切にしておきましょう」
あたしが「え?」と聞き返す前に、聡美さんはあたしの耳たぶをコリコリと歯で弄びつつ囁いた。
「律子ちゃんには、お尻での楽しみ方を徹底的に教えてあげたかったし」
「え、待って。でも、じゃあ、まさか、その太さを、お尻に・・・!?」
「大丈夫よ。さっきも指3本半が入ったじゃない。普段からお尻の好きな律子ちゃんなら、解れているし、痛くなく入れられるわ」
「・・・し、知りません」
言葉責めだとか気がついて、思わずぷいっとむくれてしまい、でも次の瞬間にはくるんとうつ伏せにされていた。
あたしの腰を聡美さんが押さえ込むと、硬い、今までにない太さのモノが、ジェルまみれのヌルヌル感で背後からお尻に触れてきて・・・。
「さ、息を吐いてね。可愛がってあげる」
「ひ、ひぁぁぁ」
ぬぬぬぬぬ・・・。
もうなんて言うか他の表現がないくらい、ぎしりぎしりと一息ごとに括約筋をガバッとこじ開ける感覚で、とてつもない密度の塊がアナルに挿入されてきた。
その圧倒的な硬さときたら、燃え立つなんてものじゃなく、火がついたようにお尻の肉がへばりつき、まとわりついて深くみっちり咥えこみ、太ももどころか下半身全体が汗だくになった。
(すごい・・・こんなに飲み込んじゃって・・・入ってくるぅぅ・・・。入ってくるのが止まらないぃぃ・・・)
なんかもう手足をばたつかせたくて暴れて、その両手を聡美さんにしっかり握られ、逆上がりに失敗した人みたく両手を後ろに引っ張られると、いっそう深々とディルドを突っ込まれてしまい、胸がたゆたゆとシーツの海で揺れ動く。
(まだ、まだ入って・・・、うっそだぁ!)
もう指の長さの2倍くらい挿入されてるのに、まだ窮屈なところへ肉壁をこじられていって・・・。
とうとう、ついに、ぴとんと濡れそぼった聡美さんの下腹部があたしのお尻に密着する。
「すごい!根元まで入ったわ。でも苦しくはないでしょう?」
「ひっ、はひ・・・」
覆い被さる聡美さんに顎を首の後ろをちろりと舐められ、びくびくっと痙攣が伝染して腰にまで響く。
(何これ、全身が過敏になってない・・・?)
ビビビビっと振動が走りはじめ、そこで理性がふつんと消滅した。
たぶん最弱のディルドの振動。
でもそんなもの直腸を串刺しにされてしまったあたしにとっては、体内からフルボリュームで響かせられているようなもので、その感触たるや、あまりのすごさに内壁と擦れ合う摩擦に悶え狂い、噛みしめるとかそういう次元じゃなく、アナルが最初から最後まで開きっぱなしで、ぎゅっと閉じようと試みたってまったく感触さえ手応えさえ感じないほど無意味なのだから、まさに自分の意思におかまいなくお尻を犯され放題なカラダになってしまっている。
「動くわよ、律子ちゃん」
「は、はぃ・・・優しく・・・」
すがる瞳で振り向くあたしに優しいキスを一つくれたお姉さまは、本格的に腰を使いだす。
ずずず・・・。
抜けていく感触は、切れ目のない排泄物を力んで力んで力み続けているような途方もない排泄感。
しかも、捲り返された腸壁まで括約筋から引きずり出すような衝撃だ。
(・・・耐えられる、わけが、ないじゃない)
辛うじて呼吸を合わせて、かは、かはっ、と息が乱れ、絡めた指だってお姉さまのいいように操られて、自分の胸をクニクニとシーツのひだに擦りつけられ、もう何がなんだか分からず頭を振り立てて、しがみつくように双頭のディルドを食い締めて裸体をよじり立ててしまう。
ほとんど抜けかけたと思ったディルドが一気に打ち込まれ、体じゅうが鳥肌立ってどろっと蕩けて、液体という液体を溢れさせた。
捲れかかったアナルの内側を一瞬で疾走し、ぱぁんと最奥まで貫くディルドが灼熱の槍となって神経を隅々まで焼き尽くし、ただれさせるのだ。
こんなの、リズムを合わせるも何もない。
快楽の泉で溢れ返った奈落に頭を掴まれて押し込まれ、溺れさせられているようなもの。
一突き一突きで背中がそっくり返り、はあはあと犬のように舌を出して喘いだ次の瞬間には、その舌を噛まぬよう慌てて歯を噛み鳴らして衝撃に耐え、自分のものじゃないようなお尻がビリビリと絶頂に追い上げていく。
息をしていることが不思議なほど呼吸が千々に乱れ、ただ熱い硬度だけがあたしの全てのように感じた。
「あ、は・・・、イッた、イキました・・・」
そう口にしかけた次の瞬間、引き抜かれていくディルドの反動でさらに高みへと打ち上げられ、涙目になり、留まることを知らぬオーガズムに喉まで溺れて声もなく泣き叫ぶ。
(壊れ、壊れちゃう・・・こんなの、ダメェェ・・・!こんなにされたら、あたし・・・!!)
お姉さまがあたしの様子に気づいてくれた。
「あ、ごめんなさい、私が暴走しちゃって・・・こんな感じかしら、これなら、どう?」
「はひっ、ありがとうございまふ」
声も出せないあたしを見て、お姉さまの動きがゆるやかに変わり、抽送のリズムがより軽くテンポを上げていく。
どん、どん、ずるるっ。
お尻の穴がキュルキュルと噛みしめたり緩めたりを繰り返し、これなら、お姉さまを感じながらイクことができそうだ。
確かめて、噛みしめて、味わって・・・お尻がヘビのようにくねってる。
いけないところが痙攣して、痺れの波が広がって熱く甘く蕩けていけそう。
「おね、お姉さま・・・あ、あぅ」
「律子・・・可愛いわ、もっと私に顔を見せて」
「お姉さまがいっぱい、いっぱい、あたしの中」
呼び交わしながら、幾度となく腰を打ち付け合い、首をねじって唇を吸われ、愛されている快楽を一心に、汗だくで重ねる裸の身体に刻みつけていく。
はしたなくお尻を掲げ、処女の割れ目をびしょびしょにして、獣のように交わっている・・・っっ!!
ゾクゾクする快感が弓のようにカラダをしならせ、痙攣の波で意識が真っ白になった。
強い快楽の揺り戻しの波をかけられ、脱力した肢体がガクンと弾んで、ほんの数秒、オーガズムで気絶していたのだと気づく。
深々とお尻にはディルドが串ざしのまま、聡美さんが慌てて抽送中のディルドをぴたっと止めたのだ。
「あ、はふ、お姉さ・・・ま」
「律子、ちゃ、ん・・・最後まで、イった、のね」
おかしい、声が乱れている。
ふと顔を上げたあたしは、切なそうに眉をひそめる聡美さんの顔を目にしてすべてを悟った。
刺激の強さからあたしだけが先にイッてしまい、聡美さんはイクにイケない辛い状態にされてしまったのだ。
思うのと同時にカラダが動いた。
自分でお尻のディルドに手を沿え、裸体をうねらせつつ腰を沈めていく。
あっという間にぶり返すビリビリした絶頂のオーガズム。
その痺れに気を遠くしつつも、あたしは聡美さんに涙目で訴えかけた。
「さ、聡美ちゃん、どうして・・・」
「いいの、あたしはいいから、お姉さまがイクまでして!一緒にイキたいの!」
叫んだ瞬間、意識がふっと途切れ、一瞬世界が闇に落ちた。
再び目を開けた瞬間、括約筋の縁まで引き抜かれていたディルドが、ずどんと芯まで打ち込まれて・・・。
あっという間の抽送の連続に、何かを喚き、オーガズムに打ち震え、指の先までびーんと突っぱらせたまま、真っ白な輝きに染め上げられ、今度こそ、あたしは絶頂の無の中へと意識を手放して転がり落ちていった。
「もう入って来てもいいですよぉ」
その日の夜・・・あたしの声で入って来た聡美さんの旦那様は、「おーっ」と娘を見るような面映い顔で目を細め、部屋着から浴衣に着替えたあたしと聡美さんをニコニコと見た。
健太君はあたしの裾を掴んで大はしゃぎだ。
聡美さんと目を見交わし、ほんのり染まる頬に秘密を共有した者同士の笑みを浮かべる。
ほんの半日前のできごと。
けれど、引き返せない線を踏み越え、あたしと聡美さんは今や、決定的な蜜月の共犯者だった。
あれから30分くらい余韻に浸り、あたしは聡美さんの裸の胸に顔を寄せて甘えていた。
どうしてこんなになっちゃったのか?
ありえない体験をしてしまって、でも今なら、聡美さんとなら、これ以上なく幸せを噛みしめていられる。
淡白な旦那様への不満だとか、ネットの通販だとか、色々と込み入った裏の事情もあるんだろうけど、そんな話は全然大事じゃない。
あたしと聡美さんの関係は、もう憧れじゃない。
本当の意味で愛を交わしあった、もう二度と手放したくない、そういう意味の好き同士なのだ。
カラカラと下駄を鳴らし、暗くなったあぜ道を隣町の花火大会へ急ぐ。
健太君はお父さんとゲームでもするように遊びながら歩き、あたしたちはその数歩先を腕を組んで歩いている。
時おりよろめきつつ、甘く上気した顔を・・・いやらしい刺激に頬を染めあい、噛み締め、じゃれあう。
絡みあう目線はどこまでも涼やかで、奥ゆかしい人妻のどこにあれほどの淫靡さが潜んでいたのか想像さえつかない。
聡美さんの瞳の中に愛情深く映り込んだ自分を見る。
その顔は、ぼうっとのぼせていた。
新しい刺激が体を満たしているのだ。
そう、着付けてもらった2人のカラダには、エッチな仕掛けが施されている。
お尻の穴をみっちり塞ぐのは、バルーンプラグという空気でサイズが膨らむアナルプラグ。
あたしの中にあるのも聡美さんの中にあるのも、力んだって絶対抜けない大きさまで膨らまされ、文字通りアナル栓になってて、しかも空気を抜く部分には触れないように上からチェーンをかけ、小さな錠で留めてあるのだ。
簡易貞操帯・・・なのだとか。
もちろん股間をくぐるチェーンは割れ目に埋もれ、クリトリスも刺激され続けで、とぷとぷといやらしい湿り気が尽きることなく滲み出す。
「気持ちいいでしょう?」
「悪趣味ですよぅ」
頬を膨らませつつも、ジィンと絶えず疼かされる淡い刺激は、まるで一糸まとわぬ裸で歩いているかのようで、視線が気になって見回す瞳が泳ぎ、恥じらいのあまり発情して、そそり立った乳首が浴衣に擦れてしまうのだ。
錠とプラグを振動させるリモコンはお互いの手の中。
だから、彼女はあたしのもので、あたしは彼女のもの。
いつONにされて鳴かされるか分からない、ひやひやするいやらしいゲームのはじまりだ。
いけない秘密を分かち合う実感。
それは、とても愉しく、心地いいものだった。
ようやく川べりの土手に出ると、そこはちょっとした縁日状態で、立ち並ぶ夜店が賑わっていた。
朴訥な田舎の祭りめいた騒音が気分を高揚させる。
「お姉さまー、花火、楽しみですね」
あと1週間、その間、あたしと聡美さんの記憶はどのくらい増えるのだろう?
無性に頬ずりしたくなって聡美さんの腕に顔をすりすりながら、あたしは聡美さんのプラグの振動を、かちりとONにした。