まだ学生のボクはネクタイの結び方に慣れていなくって、チアキはボクを自分の前に立たされると、不格好に結んだネクタイの結び目を直してくれた。
「ハンカチは持った?」
「へい、へい」
「もう・・・、ホントに大丈夫?」
チアキは小言を言いながらもボクの面倒を見るのが大好きで、ボクもそれに甘えてしまっている。
礼服で電車に乗るのは何だか恥ずかしかったので、贅沢だと思ったけれど会場までタクシーを使ってしまった。
「お姉ちゃんたらね、田中さんとお付き合いするようになってから、週末が来るたびに私を家から追い出していたのよ」
「それでチアキはあんな汚いボクの下宿に足繁く通って来ていたわけだ」
「でも私が行くようになってから、ずいぶん綺麗になったと思うけど」
「へい、へい」
自分では気が付いていないようだけど、チアキは結構ガサツなところがあって、チアキが言うほどボクの下宿は綺麗になっていたわけではなかった。
魚を食べるのだけは、なぜだか上手いのだけれど。
「ったくお姉ちゃんたら、いつも田中さんと何をしてたんだか」
「何って、ボクたちと同じじゃないの?」
そう言うとチアキは昨晩のことを思い出したのか、顔を赤らめてボクを叩く真似をした。
タクシーの運転手さんが黙ったままバックミラー越しにボクたちのことを窺っていた。
姉の結婚式を翌日に控えて、ボクたちのことと重ねて考えていたせいか、昨晩のチアキはいつも以上に激しかった。
いつもより丹念にボクの肉棒を口に含み、しっかりと勃たせるとボクの腰に跨がり、自分で手を添えたかと思うと一気にボクを根元まで飲み込んだ。
「あふ・・・、いいよぉ・・・、桜井くん、いいよぉ」
チアキの艶めかしい声に誘発されて一層ボクの硬度が増すと、チアキの張り出した腰に手を添えて下から力強く突き上げた。
「あぁ、すごい!」
チアキは髪を振り乱し、声を上げていた。
ボクが上半身を起こして小さなおっぱいに吸い付くと、チアキのピンク色の乳首はコリコリになっていた。
舌先で転がした後、吸ったり甘噛みをするとチアキの興奮は高まり、自分で腰を前後に激しく動かすと昇天し、愛液が結合部分を伝って流れた。
ガックリと上半身をボクに預けるようにして、先生は覆い被さってきた。
「早く、桜井くんの赤ちゃん、産みたいよぉ」
チアキはボクの耳元でそう囁くと、スースー寝息を立て始めた。
披露宴での千夏さんは、アラフォーとは思えないほど若くて綺麗だった。
お婿さんの田中さんは、チアキのお義兄さんになるのだけれど、ボクよりは年上だったものの、チアキよりも年下だった。
それでもボクがチアキのご両親に挨拶に行く前には、自分の経験を踏まえて色々とアドバイスしてくれた。
大きな会社の営業でエースの田中さんは、ボクにとって頼りになるアニキだった。
「姉妹揃って年下の婿殿を見つけてくるとは」
お義父さんに初めて会ったとき、そう言われたのだけれど、お義父さんこそ姉さん女房だった。
「血は争えないねぇ」
そんな風に感慨深く言われたけれど、こうも言ってくれた。
「年上の女房ってのはねぇ、年を重ねるごとに良さが分かるものなんだよ」
ルビー婚式を過ぎたお義父さんの言葉には重みがあった。
今、お姉さん夫妻にもボクたちにも娘がいる。
彼女たちもいつか年下のカレシを見つけて連れて来るのだろうか。