修学旅行の時の話。
風呂の時間は決められてたんだけど、人がいっぱいいるのが嫌だったんで、時間をずらして一人で入ることにした。
一階の風呂場に続く狭い廊下を歩いている時、何か布っ切れのような物が落ちているのを見つけた。

(何だ?)
PCMAX

拾い上げてみると・・・。

(うぉ!どう見ても女子のパンツじゃないか!しかも染み付き!!!)

鼻血が出そうになったその時、後ろから人が来る気配がした。
俺はとっさに染みパンをジャージのポケットに押し込んだ。

「ねぇ?」

その気配が話し掛けてきた。
振り返ってみると同じクラスの涼子だった。
涼子はどっちかっていうと可愛い子で、それなりに俺とも仲が良かった。

俺「どーした?」

涼子「・・・うん。何か落ちてなかった?」

(ははぁ~ん、このパンツは涼子のだな)

俺「な、何もなかったよ。落し物??」

涼子「うん、あ、いいの。ごめんね」

そう言って涼子は来た方に帰って行った。
というわけで、めでたく涼子のパンツをゲットいたしました!!
俺は風呂に行くのをやめて、速攻で便所に篭った。

(と、と、とりあえず、抜くか?)

もうチンコはビンビンなので、とりあえず抜こうと思ってひとしきりパンツの匂いを嗅いだりした。
涼子のだって考えると、ものすごい興奮した。
匂いを嗅いだり広げてみたり。

(何だ?何か足りないぞ?)

その頃、俺のマイブームは『変態仮面』だった。
そのおかげで、(そうだ!被ればいいじゃん!)という結論に至った。
ちょうど股間の部分を鼻のところに当ててっと・・・。

「フォオオオオォォォォォッ!!!」

俺はチンコ丸出しで叫んだ。
最高に興奮した。
とりあえず一発抜いて、さてどうしようかと冷静に考えた。
今さら返すわけにもいかないし。
もう俺の宝物だし。

便所を出て自分の部屋に帰ろうとしていると、涼子が階段の辺りをうろついていた。

俺「まだ見つかんないの?」

涼子「あ、うん」

俺「一緒に探そうか?何落としたの?」

涼子「いやいや、いいよ!まじでいいから!!」

そりゃそうだろうな~。
いくら探しても見つからないぜ~。

俺「そうか。見つかるといいパンな」

涼子「??」

俺「じゃあ俺、部屋帰るパン」

涼子「!!」

あからさまに牽制。
俺はこんなに変態だったのか。

涼子「ちょ、ちょっと!」

俺「何?」

涼子「・・・こっち来て」

さすがに涼子も気づいたようで、人気の無い方へ連れて行かれた。

涼子「◯◯、知ってんの?」

俺「知らんパン」

ドスッッ!!

涼子のパンチが脇腹に入った。

「うっ・・・」

我慢の限界だったらしいです。
涼子がこんなに暴力的だとは思わなかった。

涼子「拾ったの?持ってんの?」

俺「ごめんよぁ~。ちょっとふざけただけだよぉ」

俺は泣きそうだった。
こんなに怒ると思わなかったんだもん。
涼子も顔を真っ赤にして、泣き出しそうな感じだった。
ていうか泣き出した。

涼子「何で◯◯が拾うのぉ?嫌だぁ」

さっきまで怒ってたのに・・・。
俺はなんだか優位に立った気がして立ち直った!

俺「だって、いきなり涼子が来るんだもん。焦っちゃって」

涼子「◯◯だけには見られたくなかったのに・・・」

(『だけ?』これはもしや!涼子は俺が好きなのか?)

ドキドキドキドキ・・・。

俺は黙って涼子の次の言葉を待った。
ポケットの中のパンツを握り締めて!

涼子「・・・◯◯に拾われたら何されるか分かんないじゃん!」

(ウオオオオォォォォ!!そっちかぁぁ!!)

俺「ななな何言ってんの?な、何もする訳ないじゃん!」

涼子「・・・っていうか、早く返してよ!」

俺はもそもそと涼子のパンツをポケットから出した。

涼子「何かしたでしょ?・・・怒らないから、さ?」

俺「ごめん。ちょっと・・・しちゃった」

別に言わなくてもいいのに。
言わなくてもいいってば!

俺「オカズにしちゃった」

バシッッ!!!

今度はほっぺただった。
痛い~!

涼子「馬鹿!変態変態変態!!!」

怒らないって言ったじゃぁぁぁん。

涼子「もうこんなの穿けないよ!!」

そう言って涼子は走って行っちゃった。

俺「いらないんならくれよぉ~」

俺は卒業まで変態呼ばわりされました。
そんなにエッチじゃなくってごめんなさい。
以上パン。

~後日談~
事件の次の日。
このままではいかん!
なんとか涼子と和解せねば!と思っていた。
一日観光を終え、夜ホテルに帰ってきてジュースを買おうと自販機コーナーに行った。
そこで偶然、涼子と鉢合わせた。

涼子「!!」

僕「お、おおう」

涼子「・・・」

き、気まずい!どうしたものか!?

僕「・・・あ、あのさ、昨日の事なんだけどさ・・・」

涼子は俯いたまま。

(ヤバい!!)

涼子「・・・ごめん」

(へ?ごめん?何で僕が謝られるの?)

涼子「・・・昨日さ、つい手が出ちゃったけど・・・。冷静に考えたら◯◯の冗談だったんだよね・・・。◯◯が『オカズ』とか言うから・・・」

(これはいい流れだ!!買いかぶってるよ、涼子!!)

僕「いや!俺が悪いんだよ・・・。ちょっとふざけ過ぎた・・・。ごめん」

この流れに乗ろう!
そうすれば僕は社会復帰できる!!

涼子「・・・ううん。拾ってくれたのにごめんね。落としたの恥ずかしくって誰にも言えなかったから・・・」

僕「悪いのは俺だもん。最初の一発はしょうがないけどね(笑)」

涼子「うん(笑)、よかった。気になって今日一日楽しくなかったもん」

(やった!やったよ!何とか誤魔化せた!!)

俺「あ、ジュース買ってやるよ。オレンジジュースがいいよな?」

涼子「いや。烏龍茶」

コノヤロウ。

僕「あのパンツ穿く時は俺を思い出せよ!」

涼子「もう。馬鹿!」

また軽く殴られた。
涼子はやっぱり暴力的だ。

こうして僕は“変態”ではなく、“変態キャラ”に収まった。
いや、まじで良かった!
被ったのとかバレたらシャレにならん!!!
こんな感じで、涼子とはその後も仲良くしていた。

時は経って、冬。
友人宅での鍋パーティーが企画された。
8人くらい集まってた。
男女半々くらいで。
その中にはもちろんカップルもいたが、僕は一人身だった。
涼子、里子、いっつも出てくる僕の友達も参加していた。

一同「かんぱ~い!」

僕は酒が弱いのでちょっと飲んだだけでほろ酔い気分だった。
もう卒業が近いこともあって思い出話に花が咲いた。

友達「あ、修学旅行。覚えてる?」

里子「うん!楽しかったよね~!」

あ~ちょっと酔っ払って気持ちいぃ、ふわぁぁ。
何!修学旅行?修学旅行の話かね?
ほう!

僕「修学旅行か!修学旅行といえばなぁ涼子!あれだ!涼子がパン・・・」

ガッッ!!
コタツの中で思いっきり足を蹴られた。
イッタァー!!
涼子は誰にも言ってなかったのに、酔いに任せてつい口走りそうだった。

涼子「それよりさぁ~・・・」

涼子は僕を睨みながら話題を逸らした。
僕はもうふわふわして正常な判断力を失っておりました。
一通り鍋も終わって、それぞれにまったりし始めていた。
コタツには僕、僕の正面に涼子、右に里子、左に友達。
下ネタなんかを散りばめながらウダウダ言っていた。

あぁぁぁ、もーだめだ。
眠い。
酔ってるよ。

僕「眠い!寝る。あとヨロシク!」

僕の後ろは壁だったので、里子側に頭を倒した。
で、何気なく頭をコタツに潜り込ませてみた。

(うおおおぉぉ!!!涼子!!!パンツ丸見えじゃん!!)

膝立てて座ってるから丸見えだった!
き、気づかれないよな?
よし!しばらく見てよう!!

僕「・・・、・・・、・・・うお!」

涼子!もじもじするな!
が、我慢できんじゃないか!!

しばらく見ていたら、酔いとコタツの熱でボーっとしてきた。

あぁ~、我慢できん!
独り占めするのは勿体無い!!!
僕はもうおかしくなってました。

僕「おい!大変だ!!」

僕はコタツに頭を突っ込んだまま叫んだ!

友達「うわ!なんだ寝てねーのかよ!」

僕「お前も潜れ!涼子のパンツが丸見えなんだよ!!涼子のパン・・・」

ドカッ!!
強烈に蹴られました。
それも顔を。

僕「痛い!!」

涼子「馬鹿!!」

今思えば、僕は涼子のことが好きだったのかも?
そんな思い出です。