当時高校生だったオレの部屋には大きな本棚があった。
元々は親父のお古で、大半はオレが使っていたが、それでもまだ空きがあったので、一部姉貴も使っていた。
普段はあまり読まないような本ばかりを入れていたようだが、それでも時々オレの部屋に取りに来ることがあった。
ある夏の日の午後、家人が誰もいないと思っていたオレが自室のベッドでオナっていると、ノックもなく突然姉貴が入ってきた。
PCMAX

「あ、いたんだ。いないと思ってた」

オレは慌てて布団を被ったが、姉貴はすぐに何をしてたか分かったらしい。

「あらゴメンね。続けていいわよ。本を取りに来ただけだから」

「バカ、いきなり入ってくんじゃねェよ!」

「しょうがないでしょ!いないと思ってたんだから」

姉貴とは4つ違いだが、普段から特に目上として接していたわけではなく、恥ずかしさを誤魔化すためにもオレはあえて乱暴に応えた。

「テメェ、しゃぶらせんぞ」
「あらぁ、アンタ、そんな態度に出るわけ?」

「な、なんだよ・・・」
「アンタがクローゼットの中に隠しているモノ、知らないと思ってる?」

そこには、数ヶ月前に近くの河原に捨てられていた女王様系のエロ本雑誌数冊を隠していた。
まさか姉貴がその存在に気づいているとは思わなかったオレは激しく動揺した。

「バ、あ、あれはちが・・・」
「アンタの友達に言っちゃうよ~。◯◯(オレ)はこんなのが趣味なんだって」

「や、それは・・・。ゴメン、オレが悪かったから・・・」
「アンタ、ホントは女の人にいじめられたいんでしょ?あたしには生意気な口をきくくせに」

「や、だからゴメンって・・・」

オレはすっかりしどろもどろになって姉貴に許しを乞うた。
オレのパニックぶりに興をそそられたか、何かを思いついた姉貴が意地悪そうな笑顔を浮かべながら言った言葉は思いもよらぬものだった。

「じゃあ、続けなさい。ほら、見ててあげるから」

「!や、そんな、ムリだって!勘弁してよ」

確かにオレはその頃、すでに自分の中のM性らしきものに気がついてはいたが、当時はネットもなく情報も今日ほど氾濫していない時代、SMはかなり変態的な行為だという認識で、自分にその素養があると認めることには大きな抵抗があった。
ましてや姉貴に見られながらオナニーするなど、「はい、そうですか」と出来ることではない。
そんな問答の最中、突然姉貴の手が布団の中に伸び、オレの股間を弄った。

「ほら。こんなになってんじゃない。何がムリよ」

結局、オレはそのままオナニーをさせられた。

「イク時は言いなさい」

そう言いながら姉貴はオレの頬や太ももの内側などを優しく撫でてくれた。
たぶん5分もかからなかったと思う。

「あ、イク!」

姉貴の視線の元という特異な状況に興奮していたせいか、自分でもびっくりするくらい大量の精を吹き上げた。
その一部はオレの体を撫でてくれていた姉貴の腕にも掛かってしまった。
姉貴はその腕をオレの顔の前に突き出した。

「舐めなさい」

姉貴に見られながら達してしまったという罪悪感から拒否することもできず、オレは目を瞑って自分の出したモノを舐めた。
初めて味わう苦さが口の中に広がり、喉を過ぎた後にはいがらっぽさが残った。

「ヘンタイ」

笑いながらそう言うと、姉貴は本棚の方へ向き直った。
当初の目的だった本を探し当てると、「また遊んであげるね」と言い残して部屋を出て行った。

そうしてそれからしばらくの間、オレは姉貴の玩具になった。
オレは姉貴に頭が上がらなくなった。
今まで姉貴と会話する時には、愛想もなくぶっきらぼう(というか、むしろ邪険なくらい)な応対しかしていなかったが、あれ以降、満足に姉貴と目を合わせることもできず、俯きがちに返事するのが精一杯だった。

数日後、家には姉貴とオレの2人きりだった。
(ウチは親父を亡くして母が仕事に出ていたため、親不在の状態はよくあった)
オレは姉貴の部屋に呼ばれた。

「鍵、閉めて」

ドアを開けて入り口に突っ立っているオレに、姉貴はそう告げた。
その言葉に、これから始まるであろうことを想像したオレは、まるで早鐘を打つかのような心臓の鼓動を感じながら姉貴の言う通りにドアの鍵を閉めた。

「脱ぎなさい」

「えっ・・・」

姉貴の仕打ちを期待していなかったといえば嘘になるが、それでもやはり羞恥心からすぐには反応できず、もたもたしているオレに姉貴の声が飛ぶ。

「裸になるの。早く!」

覚悟を決めてオレは服を脱いだ。
トランクスだけになった時、すでに股間は反応してテントを張っていたため、両手で前を隠すように立っていたが、「全部!」という姉貴の言葉に、結局全裸になった。

「何、隠してるの。手は後ろに回してきちんと見せなさい」

恥ずかしさをこらえながらオレは姉貴の言う通りにした。

「ほら、こっちおいで」

姉貴の言葉に椅子の前まで進むと、いたずらっぽい視線を感じて余計に屹立させてしまう。

「ふ~ん。いつの間にか◯◯も大人になってたんだね~。昔、一緒にお風呂入っていた頃には、まだこんなもんだったのに」

そう言いながら姉貴はオレの顔の前に小指を突き出した。

「でも、恥ずかしくないの?お姉ちゃんに裸見られてこんな風にしてるなんて」

そう言いながら、姉貴は机の上にあった定規でオレのペニスを軽く弾いた。

「あっ!」

「◯◯は本当にヘンタイなんだね。なんでそんなになっちゃったのかな?」

オレは何も言い返せず、ただ俯くだけだった。

「座りなさい。正座」

そう言われてオレは姉貴の前に正座した。
あまりの恥ずかしさに小さく丸まろうとしているオレ自身とは裏腹に、ペニスだけは強烈に自己主張していた。

「ほら、してごらん。この間みたいに」

それでも躊躇っているオレに叱責が届く。

「グズグズしないの!ほら!」

仕方なくオレは右手でしごき始めた。
とても顔を上げる勇気などなく、オレは視線は目の前にある姉貴の脚だけを捕らえていた。
当時、ウチの姉貴は、実弟から見ても比較的スタイルがいい方だったと思う。
胸こそやや控えめだが、全体的に細すぎず太すぎず、特に脚は本人も少し自信を持っていたようで、よく短いスカートを穿いていた。
この時もタンクトップにホットパンツと、思いきり露出の多い格好だった。
オレの視線に気がついたのか、姉貴はその脚をオレの前に突き出した。

「舐めろ」

オレは姉貴の脚を舐め始めた。
初めのうちは控えめに舌を這わしていただけだったが、自分でも興奮してきたためか、次第に激しくむしゃぶりつくように舐め回した。

「うわ。やらしい舐め方・・・アンタ、フェチの気もあるの?」

姉貴は言葉でオレの羞恥心を煽り、オレの右手の動きも速くなった。

「あ、イキそう・・・」

オレの言葉を聞くと、姉貴は足でオレの肩の辺りを蹴飛ばし、オレは思わず仰向けに倒れた。
姉貴は椅子に座ったまま、オレの股間を足で踏みにじるようにコキ始めた。

「ほら、お姉ちゃんがイカせてあげる。◯◯はヘンタイなんだから足で十分でしょ」

「あ~っ・・・ダメ、イク・・・」

「『姉さん、イキます』って言いなさい」

物心ついて以降、姉貴のことはずっと呼び捨てで、特に中学後半辺りからはほとんど『お前』呼ばわりしていたため、改まって『姉さん』と呼ぶことにはすごく抵抗があったが、射精直前の状況では否やもない。

「く、ね・・・姉さん、イク・・・イキます!」

そう言ってオレは姉貴の足で達してしまった・・・。
股間から脳髄まで一直線に貫くような快感だった。
しかし急速に冷めていき、オレはわずかばかりの余韻と、代わりに広がっていく罪悪感に支配されていた・・・。

「どうだった?ヘンタイくん」

「気持ちい・・・よかった・・・です」

「そう。ちょっと素直になってきたみたいね」

オレの口調の変化にも敏感に反応する。

「アンタ、今日外出の予定は?」

「いや、特に・・・」

「そう。じゃあいいものあげる」

そう言って席を立ち、自分のクローゼットの中から何かを探し始めた。
オレは惨めな気持ちで自分の出したモノを拭きながら姉貴を待っていた。

「ん~、これでいっか・・・」

何やら見つけ出したらしく、こちらへ向き直ると何かを放ってよこした。

「あたしの下着のお古。アンタ、今日1日これ穿いてなさい」
「え?そんな・・・ムリだよ・・・」

「何がムリなのよ。別にそれ1枚でいろとは言わないわよ。その上に何穿いたっていいし・・・」
「でも・・・」

「大丈夫。母さんにだってわかんないわよ。明日、学校行く時には穿き替えていいから。ほら!」

そう言って促されると、オレはそれ以上拒むことはできなかった。
諦めてその下着を穿くと、その布地の少なさはあまりに頼りなく、しかも明らかにサイズが小さいため、尻の半分ほども覆えないありさまだった。

「ほら、まっすぐ立って。ちゃんと見せて」

自分でも赤面しているのが分かるくらい顔が熱く火照っていたが、一方で姉貴の下着を穿くという異常な行為に興奮したのか、つい先程放出したばかりのペニスがまたもや硬くなり始めていた。

「あらあら。おチンチンはみ出させて、何考えてるのかな?このコは。あはは。可愛いわよ。写真に撮ってあげたいくらい」

当時デジカメなんて物はなく、一般にはポラロイドでない限り現像に出す必要があったため実際に撮られることはなかったが、今なら間違いなく写メに撮られていただろう。

「はい。じゃあ今日はこれでお終い。そのイカ臭いティッシュ、あたしの部屋に置いてかないで自分の部屋に捨てるのよ」

そう言われると、追い立てられるように部屋を出されてしまった。
その日は結局、自分の部屋に戻っても、姉貴の下着を穿き替えることはなかった。
それどころか、そのままもう一度オナってしまう自分の変態ぶりを再認識させられるだけだった・・・。

それからというものオレは毎日のように、姉貴とのひと時を反芻しながらオナっていた。
姉貴をオカズにするということに対する後ろめたさはあるものの、その背徳感こそがまたさらなる興奮を呼び起こし、オレはすっかり姉貴の虜になっていた。

しかし、あれから1週間以上が経っても、その後姉貴からの誘いはなかった。
オレ自身、本音はともかく、体裁だけは姉貴に強要されたことだ、ということを自分への言い訳にしていた部分があったが、すでに爆発寸前の欲望の前には体裁など取り繕う余裕もなく、ついに自ら姉貴の部屋をノックした。

「ん、どした?」

机に向かって勉強していたらしい姉貴は、こちらへ向き直ると、先日のことなどまるで記憶にないかのような、ごく普通の態度で聞き返してきた。
そんな表情にまで意地悪さが感じられるものの、オレは言い出さずにいられなかった。

「あのさ・・・」

「なぁに?ハッキリなさい」

「その・・・また、して欲しいんだ」

オレは消え入りそうな声でそう告げた。

「何をして欲しいって?」

分かってるくせに・・・とも言えず、まごまごしている間にもオレはすっかり勃起していた。

「いじめて欲しい・・・」

そう言うと姉貴は2~3度軽く首を振って呆れたような顔を見せた。

「あらあら。軽くからかっただけのつもりだったのに、本気になっちゃったの?」

オレは返す言葉もなかった。

「だいたい、あたしたち姉弟でしょ。いつまでもこんなことしていいと思ってるの?」

「分かってるよ、そんなこと。でも、どうしようもないんだ」

オレは思い切って、押さえきれない気持ちを口にした。

「ふ~ん。で、どうして欲しいわけ?」
「どう・・・って、姉貴・・・姉さんの好きなようにいじめて欲しい」

「あっ、そ。ところでアンタ、どのくらいオナニーしてんの?」
「・・・毎日。多い時は日に3回くらいは・・・」

「あたしをオカズにして?」

黙って頷く。

「まったく、呆れたコね。分かった。いいわ。いじめてあげる」

オレは思わず顔を上げた。
しかし、次に耳にしたのは全く予想もしていない言葉だった。

「あたしがいいって言うまでオナニー禁止。以上」
「な、ちょっ・・・そんな!」

「あたしの好きにされたいんでしょ?」
「そうだけど、それは・・・」

「嫌ならいいわよ。好きにしなさい。その代わり、もうおしまいだからね」

オナニーを禁止されることなど想像もしていなかったが、これで終わらせるなど、もっととんでもないことだと思い、オレは食い下がった。

「・・・我慢したら、またしてくれるのか?」

「どうかなぁ。アンタの態度次第ね」

そうまで言われては従うより他になかった。

「・・・分かった」
「『分かりました』でしょ!」

「分かりました」
「時々点検するからね。バレないと思って勝手にやるのは自由だけど、あたしがちょっとでも怪しいと思ったら、本当にしてようがしてまいが、そこでおしまいよ。いい?」

オレは黙って頷くしかなかった。

「分かったらもういいでしょ。あたしは今忙しいんだから」

そう言うと、姉貴は取りつく島もなく、オレを部屋から追い出した。
オレは猛りきった欲望を沈めることを許されないまま、すごすごと自分の部屋へ戻るしかなかった・・・。