私は、夫と子供と三人で旅行へ行った。
一泊して旅を堪能した後、のんびりドライブをしながら帰る予定だったところへ大雨が降り始めた。
天気予報で聞いていたよりも遙かに激しい雨で、風も強く、高速が通行止めになってしまった。
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それでも頑張って車を走らせたが、道路が冠水した地点にさしかかって道が分からなくなり、とりあえずレストランに入って今後の対策を練ることにした。

連休の観光地でレストランも人が多く、同じくらいの年の三人家族と相席になった。
こちらも同じ目に遭っているらしく、お互い途方に暮れていたところに、瀬戸大橋まで通行止めになったというニュースが飛び込んできた。
諦めて、もう一泊することに決めた。

仲良くなったその家族と一緒に周辺のいくつかのホテルを回ったが、空いている部屋がなかなか見つからない。
ようやく空き部屋を見つけたと思ったら、和室一室しかないとの事だった。
両家で話し合って、相部屋で泊まることになった。
子供同士の意気が合っていたこともあったし、私自身、相手の奥さんとも旦那さんとも話が合って、気兼ねせずにいられたからこその相部屋だった。

部屋は6帖一間で、一緒に食事をして大浴場でお風呂に入って浴衣になって、子供達は早々に床に就いた。
大人は4人でしばらくお酒を飲んでいたが、悪のりした夫達が、“夫婦入れ替わっての添い寝”を提案し、気分良く盛り上がっている妻達も勢いでOKして床に就くことになった。

6帖の端に私と相手の旦那さんが並んで寝て、子供達を間にして相手の奥さんと夫が反対側に寝るといった具合だ。
当然、子供達も同じへ屋で寝ているわけで、そんなに大きな意味を含むものではなくて、遊びと捉えてのことだった。

ところが、照明を豆電球にして布団に潜り込むと、隣に寝ていた旦那さんがもぞもぞと寄ってきた。
そっと手を伸ばして私の布団の中に手を滑り込ませてきて腕に触れた。
ドキドキして心臓が高鳴った。
耳を澄ますと、部屋の反対側では夫がひそひそ話をしているのが分かる。
相手の奥さんと話しているようだった。

旦那さんは少しずつ慎重に、しかし確実に体を寄せてきて、今では半分私の布団の中に体を突っ込んできていた。
ちらりと彼の顔を覗き込んだ。
暗くて良く分からなかったが、彼が私を望んでいることが分かった。

私は目を閉じて、体から力を抜いた。
彼の脚が私の脚に触れ、彼の手が私の胸の辺りを浴衣の上から触ってきた。
下着は着けていたが、浴衣という着衣自体がとても心もとなく感じた。

彼の手が浴衣の襟元から地肌に触れそうになった瞬間、小さな小さな声で、部屋の奥から相手の奥さんの声が聞こえてきた。
くすくすと笑っているように聞こえた。

私は、彼の手が浴衣の中に滑り込んでくるのをそのまま受け入れた。
気持ちよかった。
いつもとは全く違う愛撫は、私とってとても新鮮で、はっとして拒絶するような激しさではなくて、まっとりと溶けていってしまいそうな甘い快楽を与えてくれた。
嬉しくて顔が緩んでいる自分にも気付いたが、薄明かりの中で彼にそれを気付かれてもかまわないと思った。

徐々に体が熱くなるにつれ、胸元に彼の手が来る度にブラジャー越しになる愛撫がもどかしくなり、地肌への愛撫を求めて自ら脚を絡ませた。
膝に彼の硬くなったところが触れ、私を悦ばせた。

彼が私の体を引き寄せた。
私は彼の太股を内股に挟み込み、股間を押し当てて応えた。
いつの間にかホックが外され、ブラが胸元からぽろりとこぼれ落ちた。
その瞬間の解放感は最高だった。

乳首に彼の指が触れた途端、「あんっ」と言う声が漏れた。
きっと、夫の耳にも届いただろう。
そう思うとさらに体が熱くなり、さらに愛撫を求めた。
いつもの夫の手とは違った大きなごつい手が包み込むように私の乳房を覆い、揉みあげた。
しかしそれは決して激しくはなく、優しく、撫でるような甘い動きで私を魅了した。

彼のもう一方の手が私の下半身を弄り始め、私は膝を開いてその手を内股に促した。
自分でも下着が愛液でぐっしょりと濡れているのは分かっていた。
あえてその濡れた下着を触らせたいかのように身を引き寄せ、ついにパンツの上から大切な部分に触れられた瞬間には悦びに身を震わせた。
その後、彼の手はパンツの中にまで侵入し、まっとりとした時間を与えてくれた。
どのくらい長い時間、そうして甘いひとときに浸っていたのか分からないが、そのまま深い眠りに就いていた。

翌朝、子供達の騒がしさに目覚めると、隣には夫が横になっていた。
えらく機嫌がいい。
夕べ、隣に寝ていたはずの旦那さんは、奥さんと一緒に部屋の反対側に座って子供に話し掛けていた。
目が合うと、にっこりと微笑んで、「おはようございます」と言ってくれた。

夫の顔を見た。
あらちの奥さんと目を合わせていた。
そして、少ししてから私の方に振り向いた。
二人で、にっこりと笑い合った。
なぜかは分からないが、幸せなひとときだった。