自分で経営とか自営の仕事してる人はわかると思うけど、たぶん自分都合で簡単に自己破産とか債務整理もできないようなシビアな借金が残ったんだと思う。
で、そこの家に、国立大学行ってるってので近所では自慢のすごい可愛い娘さんがいたわけ。
若い人は知ってるかわかんないけど、大石恵を若くして可愛くしたみたいな。
今だと、そうだなぁ、皆籐愛子を色っぽくした感じかな。
とにかくスーパーとかで見かける程度で、普通に近所の男に話題になるくらい。
最初は居酒屋とかでバイトしてて、俺ら仲間でその子目当てで行ってたんだ。
もちろん、こっちは土木作業員だから、国立大のお嬢様なんて、全然友達とかにもなれないんだけどさ、冷やかしでね。
でも、しばらくしたらその居酒屋から居なくなっちゃって、店長もその後を知らなくて、「どこ行ったのかな?」なんて話してたんだよ。
そしたらある日、男友達の一人が、「その子が隣の県のソープで働いてる」って言うわけさ。
「あんな美人がさすがにソープはウソだろー」って言ったけど、友達が「いや、ほんとだ」って言い張るから、「ほんとならすげー」「じゃあ行ってみよう」ってことで、行ったら本当に本当だった。
顔は文句なしの絶品だし、スタイルも良くて、とくにオッパイがきれいで、まあサービスとか会話とかは上手いわけじゃないけど、ルックスだけは未だに風俗経験至上最高だったな。
俺のキャバクラとかも入れた全水商売・風俗至上でね。
文句なしの一番。
で、元々美人だってことだけで町の噂になるくらいの子だから、ソープともなれば、あっという間に地元で広まってさ。
男が会えば、「お前、ソープ行った?」の話ばっかり。
まあ普段からそんな話ばっかしてる連中だけど、相手がすごい美人だし、俺らみたいな高卒の肉体労働だと勉強コンプレックスもあるし、国立大行ったような頭いい女とは普段は話す機会もないわけで、そんな女がソープにいるってんで盛り上がっちゃったわけよ。
たぶん地元のそれ系の男は、全員行ったと思うし、『ツアー』とか言って、何人か連続で指名したりとかして、金のある時はそんなことばっかやってたな。
でも、よく考えたら、わざわざ2時間近くもかかる遠いソープで働いてたのは、地元でソープのことがバレたくなかったからなんだろうなと思ったら、なんか可哀想な気もした。
みんな、「借金大変なのー?」とかズケズケ聞いたりしてたし。
後から聞いた話じゃ、個室の中で、相当酷いこと言ったやつもいたみたいだ。
オバサンとかは今でも「娘さんがソープ行った家」とか、「ほら、大学やめて風俗行っちゃったあの子」とか言うし。
俺も、なんか地元話とかできるのが嬉しくて勝手に興奮して、向こうも「ははは」なんて笑いながら流してたけど、よく考えると、そういうのも辛かったのかな。
結局、1年ちょっとして東京のソープに移籍しちゃった。
「あれだけ可愛ければ吉原とかの引き抜きじゃね?」とか噂したけど、実際は地元の奴らがうざかったのかなとも思った。
まあ実際、あの美形なら吉原でもナンバーワンになるんだろうけど。
まだ今でもソープやってるのかな?
今だと25歳くらいか。
居酒屋バイトの頃に仕入れた情報では、その子の彼氏も国立大の学生だったらしいけど、どうなったのかね?
やっぱエリートさんは、ソープ嬢になったら別れるんだろうな。
俺だったら、あんだけ可愛ければ、借金あっても絶対別れないけどな。