隣の家には、幼稚園からずっと一緒だった幼馴染の佳帆がいた。
佳帆は元SDN48の佐藤由加理に似た癒し系の顔で、細身だが胸も平均程度にはあり、男子からの人気もかなり高かった。
PCMAX
俺の部屋の窓の1メートル向こう側に佳帆の部屋の窓があり、漫画やアニメでよくある窓越しで互いの部屋を行き来するという関係を、かれこれ10年以上続けていた。
いつしか俺も佳帆も、互いに恋愛感情を抱く様になり、告白できぬまま迎えた高2の夏休みに、関係が一変する出来事が起きた。

その日は朝から部屋に閉じこもって、学校から出された課題に取り組もうとしたが、やり出して30分くらいしたら急激に睡魔が襲ってきて、いつの間にか深い眠りに落ちてしまった。
しばらくして起きたが、自分がどれだけ眠りに就いていたか分からず、時計を見たら既に昼前になっていた。
半日の大半を無駄に過ごしてしまったことを後悔していたら、佳帆の部屋の方から人の気配がした。
その日は佳帆も朝から出掛けていたらしく不在だったが、どうやら俺が寝ている間に帰って来ていた様で、一声掛けようと窓の方へ近寄ると、そこには天国が広がっていた。

その時の佳帆はまさに着替えの真っ最中で、上下セットの白地に黒い水玉模様が散りばめられたブラとパンティーが目に飛び込んできた。
呆気に取られて固まってしまい、その場で身動きが取れずにただただ見続けてしまっていたら、Tシャツに丈の短いスカートへと着替え終わった佳帆と、迂闊にも目が合ってしまった。
その途端に佳帆の顔が怒りの入り混じった驚愕の顔へと変化し、バッと勢いよくカーテンを閉められた。
その瞬間、得体の知れない恐怖感に苛まれ、数秒後にその正体が判明する。

ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン!!!

怒涛の様なインターホン連打で、すぐに佳帆だと認識し、下へおりて恐る恐る玄関を開けると、それと同時に強く握り込まれた拳が俺の顔へと飛んできた。

ガハッ。

殴られた部分を手で覆っていると、今度は股間に強烈な蹴りを入れられて、凄まじい激痛が走った。

「ウグゥゥゥ・・・」
「あんた、あたしの着替え覗いてたでしょっ!」

「・・・わりぃ、つい」
「すみませんじゃないわよっ!このエッチ、スケベ、変態!」

股間を押さえてその場でうずくまっている俺は、その後も佳帆に容赦なく蹴られまくった。
しかし、それが原因で俺の中で出してはいけない欲望が芽生えてしまった。
蹴りを入れてくる佳帆の脚を受け止めて、下からスカートの中を覗き込む体勢になった。
先程覗き見た、白と黒の水玉模様の柄をしたパンティーが目の前に広がっていた。

「ゲホッ、ゲホッ・・・やっぱ近くで見た方が興奮するねぇ」
「はぁ?あんた、何言ってんのよ?いいから放してよ!」

「やだねっ!ちょっとしか見てないのに、あんだけ蹴られるのは割りに合わねえな」
「きゃあっ!」

佳帆の脚を掴んでいた腕を上へあげると、体勢を崩した彼女はその場で豪快に転倒してしまった。
尻餅をついた痛みで佳帆が自分の尻を撫でてる隙に俺は玄関の鍵を閉め、彼女の身体の上に跨いで見下ろす。

「蹴られた分だけ、俺にも美味しい思いさせろっ!」
「やだ・・・ちょっと・・・何、本気になってんの・・・あたしもちょっと悪かったからさぁ・・・」

「今さら、おせぇよ・・・」
「ッ・・・!」

頭に血が昇った俺は、後ずさりして廊下の方へ逃げようとする佳帆の唇を躊躇なく奪いにいった。
突然の出来事に驚いた彼女は目を見開いたまま硬直してしまった。
それを良いことにTシャツの上に手を添えて乳房を揉みしだいた。

「おぉっ!柔らけぇぇ!思ったより大きいんだなお前」
「いやっ・・・ちょっとやめて・・・謝るからさぁ・・・」

「好きだ!俺もうお前とヤリたくてしょうがないんだ!それにお前も俺とこうなりたかったんだろ?」
「こんなのやだよ・・・ねぇ・・・もうやめて・・・」

半泣きになって弱々しく抵抗する佳帆を見て、今ならヤレると確信し、俺は最後の行動に移る。
スカートの中に手を突っ込み、パンティーの端の部分に手を掛けて脱がせようとした。

「いやあああぁぁぁ!!!」

佳帆は脱がされまいと必死に抵抗し、引きずり下ろそうとする俺の力に対抗し、自分も下着を正反対の方向へ引っ張る攻防を繰り広げていたら、ある異変が起こる。

ジョオオオオオオォォォォォォ!!!

パンティーの股間部分の生地がどんどん黄色く染まっていき、気が付けば廊下に大きな水溜りができていた。
失禁・・・。
犯されるというあまりの恐怖で、緊張感が極限に達し、漏らしてしまったのだろう。

「うあああぁぁぁん・・・」

高校生にもなって他人の目の前で失禁するという恥辱を受け、佳帆は両手で顔を覆い隠し、泣きじゃくりながら家から飛び出してしまった。

その日の夜。
佳帆が漏らした尿を一人で始末し、その場に残った異様なアンモニア臭もどうにか誤魔化し、俺は部屋で彼女と今後どう顔を合わせたらいいかと考えていたら・・・。

コンッ、コンッ。

窓をノックする音が聞こえてそちらを見てみると、そこには自分の部屋の窓から身を乗り出した佳帆の姿があった。

「どうしたの・・・?」

「うん・・・ちょっと話があるんだけど・・・上がらせてもらえる?」

「あ・・・ああ・・・」

佳帆は俺の部屋へと移り、ベッドに腰掛けて例の話題を振ってきた。

「あのさぁ・・・あたしが漏らしたこと、おじさんやおばさんに言った?」

「いや、言ってないけど・・・」

「そう・・・よかった・・・」

誰にも報告してないと聞いた瞬間、佳帆はホッした表情を浮かべて話を続けてきた。

「それでね・・・今日はごめんね。学校でちょっと嫌なことがあってね、それで八つ当たりしちゃった」
「俺の方こそ、すまん・・・」

「・・・ところであの時、あたしのこと『好き』って言ってたけど、あれ本気?」
「ああ・・・まあな・・・」

「あたしはいいよ。あんたのこと、好きだし・・・」

勢い任せに発した言葉を告白と受け取ったのか、佳帆は俺と交際するのを認めてきた。

「いいのか、本当に?」
「うん、じゃあ早速キスしない?」

「えっ、いきなり?」
「いやいや、昼間したじゃん。それに・・・あれ、あたしのファーストキスだったんだよ。だから、もう1回キスし直さない?」

「分かった・・・」

強引に奪った昼間とは打って変わって今度のキスは、互いの気持ちを確認し合った上での充実したキスだった。

「これからはあたしのこと大切にしてね」

「ああ、分かった」

その日から俺と佳帆の関係は幼馴染から恋人へと変わった。
それから約8年、大学を卒業したと同時に佳帆は俺の家へ嫁ぎ、第一子も一昨年生まれ、今は第二子を身ごもり、幸せな家庭を築いている。
しかし、今でも例の廊下を通る度に、あの日の出来事をたまに思い出している。