これがまた、夜中にやるって言うんだな。
たまんねえよ。
俺、朝早いのにさ。
そこんとこは考えてくれて、休みの前、つまり金曜の晩遅くに、副会長の奥さんと回ることになった。
風呂に入って、湯冷めしないように厚着にして待っていた。
ピンポ~ン♪
来た来た。
「はい」
「◯◯です」
副会長さんの奥さんの声がドア越しにした。
旦那さんは単身赴任中だとかで、今は一人だそうだ。
俺はチェーンロックを外し、奥さんを招き入れた。
「肌寒いですね~」と俺。
「もう秋ねえ。こんな時間にごめんね。会長さん」
「明日、休みっすから。ほんじゃ、行きましょうか」
「これ、ビラね。今日もたくさん停まってるわ」
「そうですか。困ったもんですね」
俺は車を持っていないので余計に腹が立つんだな。
それにしても、この奥さんっていくつくらいなんだろ。
40歳は超えてるはずなんだけど、どうみても30代半ばってくらいに肌が綺麗で美人だ。
すらっとしたパンツスタイルが似合っている。
ぴちっとしたお尻を振りながら、ヒールの高いツッカケを履いて、カツカツと先を行く。
ヒョウ柄のシュシュでポニーに束ねて、それが軽快に揺れていた。
通りに出て、曲がり角の端から12、3台は停まっているだろうか。
順にビラをワイパーブレードに挟んでいく。
ふと、奥さんが俺の袖を引っ張った。
「な、なんです?副会長」
「ほら、あのクルマ」
指差す方を見れば、何やら人が運転席で動いているようだ。
女の生足が一瞬見えた。
(やってる・・・)
咄嗟に俺は理解した。
「ね。ちょっと覗いてみましょ」
大胆な奥さんである。
「や、やばいっすよ」
「いいじゃない。会長さんも好きでしょ?」
そんなこと言われたって・・・。
その車はワンボックスで、カーセックスするには十分大きな車である。
フィルムは貼っていないので覗けば丸見えだった。
若い男と女が助手席のシートを倒して正常位で嵌めあっているところだった。
長いストロークで男が夢中で抽送していた。
女のくぐもった喘ぎ声が高まった。
「ああん、あん、あん」
奥さんは大きな目を開けて、口まで開いて覗いていた。
俺も結合部分に目が釘づけだった。
俺は正直、女性経験が数えるほどしかない。
そのうちの九割は商売女だった。
彼女というべき人は、出来かけたが、理由もわからずに破局した。
さて、件の男の性器は自分のよりも立派に見えた。
女性の顔は暗くて見えないけれど、おまんこには街灯の明かりがちょうど差し込んで、スポットライトにように映し出されている。
突然、男がビクビクっと痙攣したように震えて、突っ伏すように女に倒れ込んだ。
女も一段と大きな声で叫んだ。
「イッたみたいね」
かすれた声で奥さんがつぶやいた。
「行こうよ。見つかるとやばいから」
俺の喉もカラカラだった。
二人はそっと車から離れた。
その後は無言で残りのビラを挟んでいった。
マンションの非常階段の所まで戻ってきた時。
「すごかったね」
「え、あ、まあ」
俺は答えに窮した。
「会長さんは彼女いるの?」
「いませんよ」
「だったら、あんなの見て、今晩つらいんじゃない?」
妖しく奥さんの瞳が光った。
「だったら、一人でするだけっすよ」
俺はぶっきらぼうに答えた。
「してあげよっか?」
そう聞こえた。
「え?」
「だからぁ、あたしが会長さんのお相手をしてあげようかって」
「いいんですか?俺、構いませんよ。嬉しいなぁ」
「こんなおばさんで悪いけど。あたしだって、たまんないもの」
「でも、どこで?」
「あたしんちに来なさいよ。誰もいないから・・・」
深夜のエントランス。
奥さんと二人きりでエレベーターに乗り、最上階の7階で降りた。
都心の夜景がきれいだった。
奥さんの部屋はその一番奥だった。
「どうぞ」
「おじゃましまーす」
間取りは俺の部屋とずいぶん違っていた。
端の部屋は俺の部屋より二倍くらい広いようだった。
モデルルームのような洗練された調度品が整然と並ぶ。
きれい好きなマダムの部屋って感じだった。
「ビール飲む?」
缶ビールのロング缶を手に奥さんがキッチンから出てきた。
「いただきます」
イタリア製と思われるテーブルの上でグラスにビールが注がれた。
「いい部屋ですね」
「端なんでね。二人じゃ広すぎて。今、一人でしょ。持て余してんの」
軽く乾杯のポーズをとって、ぐっとグラスの半分くらい飲んでしまった。
「ご主人、単身赴任だとか言ってましたよね。こないだ」
「そうよ。シンガポールにね」
「海外ですか」
驚きの表情で俺は答えた。
「たぶん、現地妻なんかがいるのよ」
不機嫌そうな表情で奥さんが言う。
「まさか」
「ま、いいじゃない。あたしだってしたいことしたいじゃない。ねぇ」
いたずらっぽく奥さんが笑いかけた。
「さ、飲んで。明日、休みなんでしょ?」
「い、いただきます。はい」
「でも、あんなところでするかぁ?ふつう」
奥さんが呆れ顔で訊く。
「事情があるんでしょう。家でできないとか、ホテル代が勿体無いとか」
「あはは、不倫かもね。あたしたちみたくね」
「ほんと、いいんですか?俺なんかと」
「いいのよ。会長さん・・・山本さんが、良ければね」
「俺は、光栄ですよ。◯◯さんみたいな美人のお誘いを受けられるなんて」
「よしてよ。若く見えるけど、もう腐りかけよ」
そう言ってグラスを干した。
「でも、したいんでしょ?」
意地悪く、俺は訊いてやった。
「したいわ。若い人と」
立ち上がると、俺の座っている方に回り込んできて、首に抱きついてきた。
もう誘惑モードに入っている。
「K子って呼んで。Yさんて、下の名はなんて言うの?」
「Tです」
「じゃ、T君。ベッドに行こう」
小首を傾げて奥さんは立ち上がった。
ダブルベッドなど、ホテルでしか見たことがない俺は戸惑ってしまった。
明かりは調光器でやや暗めに設定していた。
間接照明で壁際が明るい。
K子さんは、さっさとクリーム色のブラウスを脱いで、ベージュの下着姿になった。
「わお」
「どうしたの?珍しい?」
怪訝そうに尋ねる。
「いや、俺、正直、女の人のそういう姿あまり見ないんで・・・」
「変な子。経験ないの?もしかして」
ベッドの縁にK子さんは腰かけて訊く。
「いや、ありますよ」
自信無げに俺は返答した。
「ふふふ。強がり言って。じゃね、おばさんが手ほどきしてあげるから。脱いでここに横になりなさい」
もう、さっきから勃起していた。
K子さんの化粧品の香りで理性が吹っ飛びそうだった。
女とやれるんだという、得も言われぬ期待感でいっぱいだった。
トランクスの腰ゴムを一気に下げ、その雄姿をK子さんに見せた。
「あら、すごいじゃない。ビンビン・・・」
あまり自慢できる代物ではないけれど、人並みだとは思っているので、堂々と仁王立ちになった。
「どうですか?俺の」
「申し分なし!さ、ここに横になって」
俺は言われるがままに体を横たえた。
K子さんはブラを取り、ショーツも足から抜いた。
結構、たっぷりとしたバストである。
屈めば、ぶらりと揺れるほどの。
陰毛は濃く、情熱的に見えた。
「じゃ、ごめんあそばせ」
そう言って俺の横に滑り込んできた。
「触っていい?」
「どうぞ」
細い、長い手指が俺を弄る。
竿を握り、包皮をいっぱいまで下ろしてくる。
カリの角をなぞり、先走りの液を表面に塗り拡げてくる。
なんとも慣れた手つきで、そういったご商売をしてたのかと勘ぐりたくなった。
「舐めてあげる」
「えっ?」
「なんで驚くのよ。してもらったことないの?」
「ヘルスでは・・・」
「そんなとこ行ってんだ。やらしい子」
そう言いつつパクリと先端を咥えこんだ。
その温かさと柔らかさでさらに俺は硬くなったようだった。
「ああん、おっきい・・・それに、かったぁい」
なんだか絶賛してくれている。
悪い気はしない。
ベロベロ、ジュボジュボと激しく扱われ、かなり危ない状況だった。
「奥さん、俺・・・」
「奥さんじゃなくって、K子でしょ?どうしたの?もうだめ?」
俺は首を縦に振って限界を知らせた。
「一度、出しちゃいなさいよ」
(口の中へ出せというのか?)
それならそれでいいやと思った。
K子さんの妖艶な表情、その淫靡な唇が俺自身を咥えているのだ。
もうだめだった。
「K子、イクぅっ!」
長い射精感が続いた。
K子さんには悪いが、一瞬、元カノK美の顔が浮かんだ。
ドックドックと液体がペニスを通過している。
「うぷっ」
K子さんが咽るような声を出しているが、目を瞑ってすべて受け止めてくれている。
口の角からドロリと白い粘液がこぼれだした。
手を当てて受けるK子さん。
「むあぁ、いっぱい・・」
あろうことか脱いだショーツに吐き出した。
「K子・・・そんなとこに出してどうすんの?」
俺は訊いた。
「ティッシュが間に合わないから。いいのよ。洗うし。でもすごい量ね。溜まってた?」
「まあ、あまり一人でしないから」
「あらら、小さくなっちゃった」
射精後は無残に縮んでしまって、陰毛の影に隠れてしまっていた。
「ちょっと、うがいしてくるね。キス、いやでしょ?このままじゃ」
「はあ」
賢者モードの俺は気のない返事をした。
俺が回復するまでベッドの中で、天井のシャンデリアを見ながら二人でしゃべっていた。
「じゃ、そのK美さん、他に男がいたんだ」
「そうじゃないかなって思うんだけど、確かめようがないんだよな」
K美と別れた経緯を話していた。
「二股って、あると思うよ。女にとっちゃ保険をかけておきたいからね」
「男も同じだけど」
「あたしさ、旦那と結婚する前に二股かけてたんだよ」
「へえ」
「その人、遊び人だったから、堅実に今の旦那の方を取ったの。結婚してからも何度か会ってたな」
「ひどいな、K子は」
「あたしもそう思う。でも最近は、旦那の方が赴任先で何をしてるかわかったもんじゃないわ」
「お互い様ってわけだね」
「ま、ね」
俺は馬鹿話を止めるためにK子さんの口を奪った。
「あ、む」
やや乱暴な接吻だったけれど、すぐにK子さんのペースで舌を絡めとられた。
他人の唾液が甘いと感じたのは初めてだった。
再び激しく勃起していた。
「ね、クンニしてくれない?」
「いいけど、上手じゃないよ」
パックリと開かれた陰唇に俺は口を持って行った。
獣性を感じさせる熱い香りが立ち上る。
決して嫌な匂いではない。
どう舐めていいのかわからず、膣の周りと思しい部分を舌先で突付き、押し広げた。
「あふっ。いいわ」
それでもK子さんは賛美してくれた。
「ここも、お願い」
そう言ってクリトリスの部分を自分の指で広げた。
俺は、そのくちばしのような器官を唇で挟んだ。
「ああんっ!」
声が大きくなった。
気持ちいいのだろうか?
唾を溜めて、その突起に擦り付け、たっぷりと潤して舐めあげた。
「きゃん!」
仔犬のような声が発せられた。
同時にビクビクと内股が痙攣した。
イッたのだろうか?
「もう入れてっ」
K子さんがとうとうおねだりしてしまった。
俺は浅い経験でなんとか亀頭を膣口に宛てがい、正常位で腰を入れた。
ズチュッとK子さんのオマンコは、俺を軽々と根元まで呑み込んだ。
「あぁんっ、入ってきたぁ」
ちょっと緩いかなという印象だったが、だんだん締ってきて、ぎゅうぎゅうと締め付けてくる。
「おっぱいを可愛がってくれる?」
俺は従順に代わる代わる、わらび餅か水まんじゅうのように柔らかいおっぱいを揉み、乳首を甘噛みした。
そうすると膣もヒクヒクと震えだし、俺を離さないという意志でもあるかのような動きを呈した。
「いいわぁ。とっても」
「K子。とても締るよ。あそこ」
「あたしにもわかるの。ぎゅっと締めてる感じが。ね、動いてもいいのよ」
俺はピストン運動を疎かにしていた。
「じゃ、動きますよ」
ずん、ずんと最初はゆっくり、だんだん速く、音がするくらいに激しく打ち付けた。
「はうっ!ううっ、やん、イック~、イッちゃう」
K子さんの中はますます滑らかになり、溢れ出さんばかりだった。
その発する音も耳障りなくらい大きくなった。
俺のペニスは泡立つ粘液で白くなって、K子さんから出てくる。
「いい?K子」
「いいっ。いいっ!」
「中で出すよ」
「出してっ、いいから、ちょうだいっ!」
一度出して長持ちしている俺だけれど、ここまでよがられると、その視覚的な要因でオーガズムに昇り詰めそうだった。
K子さんの足が俺の腰を挟み込み、『もっと奥を突いてくれ』と言っているようだった。
俺はK子さんの口に舌を入れて掻き回し、腰は振りながら、死にそうなくらい運動した。
汗が玉になって、K子さんにぼたぼたと降りかかる。
腰を持ち上げ、屈曲位で深く突き刺した。
「あんっ!あんっ!ダメッ!イッちゃう!あっ!あっ!イクッ!っくうぅっ!」
K子さんは顔をしかめて仰け反った。
「うああああっ、K子っ!」
俺は大爆発した。
抜けた膣口から噴き出す精液。
二人はそのまま朝までベッドで眠りこけ、俺は初めて女の家で朝を迎えた。
その後、K子夫妻が引っ越すまで関係は続いたけれど。
今は俺も結婚して、かみさん一筋、二児のパパになった。