なんで私の思い通りにならないの!って感じでフラストレーションが溜まってたそんなある日。
その大好きな彼が、体を鍛えるために学校に持ち込んでいた“ハンドグリップ”を見つけました。
何か、おかしな衝動が頭を支配しました。
彼の持ち物が欲しいというのと、ハンドグリップのグリップ部分が自慰行為をするのに向いているんじゃないかって思ったんです。
気が付いたら、私はカバンの中に彼のハンドグリップを仕舞っていました。
ストーカー女のように、大好きな彼の私物を盗んでしまったのです。
(後で返せば問題ない・・・)
その時は、そう思っていました。
その日の夜、私はおもむろにハンドグリップの匂いを嗅ぎました。
今まであまり嗅いだ事のない彼の匂い・・・。
気がついたら私は自慰行為を始めていました。
彼の匂いを嗅ぎながら、彼のことを思い浮かべて。
その後、私はそれとなくハンドグリップを返すチャンスを窺っていたのですが、結局チャンスは訪れず、進級。
彼とはもう同じクラスにはなれないだろうなーなんて思っていたのですが、3年の時も同じクラスになることが出来ました。
でも彼とは接点がない日々が続き、そんなある日、また私の悪癖が出てしまうのです。
今度は彼の持っていた“スティックのり”です。
それも、今回は彼がクラスメイトに貸したところを盗んでしまったのです。
そのため、クラスではちょっとした騒ぎになりましたが、私の心はまた彼の持ち物を手に入れられた幸福感でいっぱいでした。
これも後で返せば問題ないと思っていましたし。
結局、彼への想いは実りませんでしたし、盗んだ物も返せませんでしたが、私の性癖を開眼させてくれた彼には感謝しています。
もちろん彼に謝りたい気持ちもあります。
無口で無愛想だけど勘の鋭い人だから、たぶん私が持ち物を盗んだこともバレてたと思います。
それから私の気持ちも。
なのに、私はいつも彼の優しさに甘えていました。
彼の私物を皆にバレないように盗んでは、それを私の一番大事な所に擦りつけたり匂いを嗅いだりしてオナニーしたり・・・。
これはストーカーだ!って、頭では悪い事だって判っているんですが、とても興奮し、盗んではそれをオナニーする為の道具に使ってしまうんです。
でも、一度も高価なものは盗んだ事はありません。
上にも書いたようにノリとか、消しゴムとか、鉛筆とか、安価で彼の匂いがするような物だけを選んでいました。
それがせめてもの私の罪滅ぼしです。