「少し遊んでみたらどう?」なんて、酒が入るたびに妻に囁き、「そうしようかしら」とからかう妻に、半分本気で嫉妬の炎をかきたて、セックスするようになりました。
小心者の私はそれで十分だったのです。
PCMAX

ところが、その夜は違いました。
いつものように私が軽口をたたくと、妻は少し悲しげな表情を見せて、「今、付き合っている人がいるの」と言うではありませんか。
小心者のくせに格好つけたがる私は、「ほう、それは良かったね。で、Bくらいはいったの?」と、半信半疑というか、強がりというか、本当に付き合っていたとしても、せいぜい食事するくらいだろうと高を括って笑いながら言いました。

「付き合って3ヶ月になるの」

妻は真顔でした。
私は狼狽しました。
しかし平静を装って、「あっそう、じゃ、寝ちゃったの?」と、茶化すように言いましたが、口元が歪んでいるのが自分で分かりました。

「怒らないでね、私、家庭壊す気なんて全然ないし、ほんと、遊びなの。あなただって、いつも遊べ遊べって言っていたしー」

妻は私が激怒すると思ったのか、不安な表情を浮かべました。

(えっ、マジかよ、ホ、ホントに浮気してんのかよ?)

私の狼狽は頂点に達し、頭の中は真っ白になりました。
ショックでした。
それでも、なんとか格好つけようと焦り(今思うと、自分の間抜けさに汗が出ます)、「うん、そうだよね、結婚したら女は終わりなんて時代は昔のこと。俺だって佐和子がいつまでも女として輝いてくれた方が嬉しいんだ」と、取り繕うのが精一杯でした。
口の中がカラカラになりました。

「相手は誰?何回寝たの?」

「そんな・・・、あんまり追い詰めないで・・・」

妻は布団に顔を隠しました。
その時、突然、私は欲情しました。
なんでこんな時に勃起するのか分かりませんでした。
こういう時、男には2つのタイプがあるのかも知れません。
激怒する夫と、欲情する夫・・・。
私は後者だったようです。
ペニスは20代に戻ったようでした。

「相手は誰なの?」
「何回やったの?」
「よかった?」
「何度もイッたのか?」
「舐められたのか?」
「咥えたのか?」
「こんなこともやったのか?」
「後ろからもやられたのか?」

私は狂ったように妻に問い、舐め、乗りかかり、突きまくりました。
妻は聞いたこともないような叫び声を上げ、のたうち回り、最後は2人とも泣いていました。
苦悩と快楽の日々がその夜から始まりました。

妻の不倫告白から10日間、毎晩激しいセックスをしました。
私だけが知っているとばかり思っていたこの紅い唇、この柔らかな乳房、この白い太股、この丸いお尻、この黒い毛が密生している深く豊かな谷間・・・。
これらの秘密が私の知らない間に全部暴かれていたとは・・・。
妻の体のひとつひとつに唇を這わせていくと、悔しいような、敗北したような、愛しいような、複雑な気分がごちゃ混ぜになり、そのくせペニスは嫉妬で怒ったように硬くなっているのでした。

妻は少しずつ相手の男のことを話しました。
男は妻の女友達が紹介した人で、私より2つ上の40歳、会社員。
子どもが2人いるが、奥さんとは離婚協議中で1年前から別居しているということでした。
しかし名前や住所などは、「相手に迷惑がかかる」と言って、頑として明らかにしませんでした。
聞けば、「お互い大人の付き合いをしょう。家庭にごたごたを持ち込まないようにしょう。一方が別れたかったらキッパリ身を引こう」と最初から約束して付き合い始めたということでした。
だからどうしても名前を言うわけにはいかないと妻は言い張るのでした。
もちろん、セックスの中身についても口を開こうとしません。
そして、もう男とは会わないと言うのでした。

しかし、私もだんだん“夫のメンツ”なるものが頭をもたげてきて、「黙っているなら興信所でもなんでも使って突きとめてやる」と喧嘩腰になってきました。
妻は私が相手の男と事を構えるのを一番恐れているようでした。
私は一計を案じました。
というのも、妻の不倫告白を受けてのセックスがあまりに強烈な興奮を与えてくれたので、内心、この状態をもう少し続けたいと思っていたからでした。
私は妻に提案しました。

「男の名前も住所も聞かないことにする。その代わり、男との付き合いをこのまま続ける(変な亭主です)。デートの日を前もって知らせて、帰ってきたら全部話すこと」

妻は渋々OKしました。

告白後、初めてのデート日がやってきました。
妻によると、デートは月1回という事でした。
ということは、これまで3回デートをしたという事になり、はっきり言って、なんだ思ったより少なかったんだと思いました。
しかし、夫に告白し、不倫を公認された妻が、大胆に変身するのにさほど時間はかかりませんでした。

その日は土曜日、子どもは妻の従妹の家に泊めることにし、従妹の同い年の子と朝から遊びに出かけました。
妻は寝室で着替えています。
どんな下着を着けて行くのか?
覗き見したい誘惑に駆られましたが、何事にも格好をつけてしまう私は平静を装っていました。
しかし胸はドキドキです。

小雪がちらつく日でした。

「じゃ、行ってきますね」

妻の声で新聞から目を上げると、妻と目が合いました。
はにかんだ表情でした。
私は欲情しました。
昨夜は、(明日、妻が男に抱かれに行くんだ)と考えただけで異常に興奮し、激しくセックスしたばかりなのに・・・。

「うん、気をつけて」と私は妻を送り出しました。

赤いコートが似合うその後ろ姿を目で追いながら、私は、「腰が痛くなるくらいやってもらってこいよ」とつぶやきました。

その1日が長かったこと。
妻は夜9時頃、帰ってきました。
私は待てません。
すでに暖をとってある寝室に妻を引っ張っていき、ベッドの上に押し倒すと、ボタンをちぎるように服を剥ぎ取りました。
パンティストッキングが破けました。
白くて豪華な刺繍が入った、切れ込みの深いパンティーが目に飛び込んできました。
私はしゃぶりつくように、もっこりしたパンティーの谷間に唇を押しつけました。
愛しくて、愛しくて仕方ありませんでした。
男に抱かれてきた妻、佐和子。
厚く盛り上がった土手にパンティーの上から接吻すると、私は妻を強く抱き締めました。
赤い唇がやけに色っぽかったのを覚えています。
滴り落ちる桃の蜜を吸うように、深く深く妻の唇を吸いました。
舌と舌とが唾液にまみれベトベトと絡み合いました。

「ああ・・・」

薄く開かれた唇から吐息が漏れ、白い歯がこぼれました。
私は早く妻のおまんこが見たくなりました。
ベッドサイドのスタンドを点け、妻の下半身を灯かりの方に向けようとすると、妻は「いや、いや、いや」と首を激しく振って抵抗しました。

「約束だろう、全部見せるって」

約束したのは『全部話す』ことでしたが、私にとってはどちらでも同じことでした。
妻の両足を灯かりの下まで引っ張ると、パンティーを一気に引きずり下ろしました。
黒々とした陰毛が、太股の合わさるところに、獣のようにうずくまっていました。
肉厚の土手を囲んで陰毛は絡み合い、臍に向かって火焔が立ち上るように密生して、つやつやと妖しく濡れて見えました。
私は目を見張りました。
小陰唇は充血し、土手から飛び出さんばかりで、蜜壷から淫汁が溢れ出て、てらてらと光っています。
クリトリスは真っ赤に膨れ、まるでマシュマロのようになっていました。
こんなに膨張した妻のクリトリスを私は初めて見ました。

「・・・こんなに膨れるまで、こんなに膨れるまで、吸われて、弄られたのか・・・」

私は呆然とし、声もかすれました。
妻は両手で顔を覆い、「いやいや、灯かりを消して、お願い、消して」と泣き出しそうに懇願しました。

「だめ、ちゃんと答えなきゃ、消さない」

私は嗜虐的になって言いました。

すると妻は、「そうよ、そうよ、そうよ、そうよ」と、うわ言のように繰り返し、腹を波立たせて嗚咽しました。

妻も恥辱と自虐と愉悦の坩堝に投げ出され、訳の分からない状態になっているようでした。
私も変になりそうでした。
いや、確かになっていました。
このおまんこ、このおまんこ、自分が一番好きなこのおまんこ。
それが、どこの誰とも分からない男に好きなように弄られて、舐められて、ぶっといヤツを何度も何度も出し入れされたんだ・・・。
私は妻のおまんこにしゃぶりつき、吸っては舐め、舐めては吸って、顔中を淫汁だらけにしました。
ほんの2、3時間前まで、男が弄りまくり、舐めまくり、好きなだけ突きまくった、このおまんこ。

(ああ、なんて美味しいんだ!)

不倫公認となった妻の月1回のデートが月2回となり、やがて3回になるのに時間はかかりませんでした。
男と女は2人だけの時間を持てば持つほど親密になるのは当たり前です。
しかし、妻は『夫公認』の事実だけは男に黙っているようでした。

デートを重ねるうちに妻の様子が明らかに違ってきました。
以前にも増しておしゃれに気を使うようになりました。
決して女房自慢で言うのではありませんが、妻はちょっと見には女優の鶴田真由似で、相手の男も一緒に連れて歩くのが満更でないらしく、時々ブランド品などを買ってはプレゼントしているみたいでした。
おしゃれは下着にも及びました。
妻のランジェリーボックスには、いつの間にかレッド、イエロー、ピンク、ブルーなど色とりどりのパンティーがぎっしりと詰まるようになりました。
Tバックもあります。
もちろん私とのセックスには一度も着けたことはありません。
私は妻の留守を狙ってボックスを開け、香水の匂うパンティーを広げては鼻を押し当て、背徳の匂いを深々と嗅ぎ、オナニーに耽ることがありました。

公認の条件だった、『デートの出来事を全部話す』という約束は、なかなか守られませんでした。
しかし、桜の花が咲く頃だったでしょうか、男と付き合い始めて半年、私に告白して3ヶ月が過ぎた頃、ようやく妻はセックスの中身についてポツリポツリと話すようになりました。

「男の人ってみんな同じようでも、微妙に違うのね」

寝物語に妻は言い始めました。
妻は私と結婚する前に2人の男性と付き合っただけで、そう性体験が多いわけではありません。

「どういう意味?」

「うーん、例えば体位なんか、何十通りもやる人って滅多にいないでしょ、パターンはだいたい同じよね。ただ、同じ体位でも相手によって微妙に違うのよね、当たり前かもしれないけど」

妻がいよいよセックスの中身を言い出したので私はドキドキしました。

「ふーん、でもよく分かんないなぁ」

私はとぼけました。
すると妻は私の横顔をチラッと見て、「彼の場合はね」と、私を奈落へ突き落とすような話を始めたのです。

妻の話の内容は、結論を先に言いますと、「愛人のペニスは私より太くて大きい、ベッドのテクニックも私より上、持続力は私より数段上」というものでした。
敗北感がどっと押し寄せてきました。
私と同じような体位をとっていても角度や強弱のテク、また、太さに差があるので受ける感じが違うと妻は言うのです。
そして次のような事も言いました。

「彼はいつも灯かりを点けてするのよ。顔がよく見えて反応がよく分かるって。私の足の間に体入れて、両手で私の腿を押さえて、見ながらするのが一番好きみたい。『こうするとよく見える、これが一番興奮する』って」

私は呻きました。
男は、自分のペニスが妻のおまんこにズボズボ出たり入ったりしているところをじっくり眺め、心ゆくまで楽しんでいるのです。

私は敗北感に打ちのめされて、この苦しみから逃れるには自殺するか、妻と愛人を殺すか、どちらかしかないとまで思い詰めた時期がありました。
結局そうしなかったのは、私が小心者であり、いつも体面ばかりを取り繕う人間だったからです。
妻に“愛人”を持たれた“小心者”が生き延びる術は、“マゾ男”に徹するほかなかったのです。

愛人とデートを重ねる妻が変わったのは、おしゃれよりも何よりもセックスそのものでした。
セックスの中身を告白した妻は、気が軽くなったのか、私とのセックスでも大胆にその変化ぶりを曝け出すようになりました。
妻の喘ぎ声は、今までは漏れる声を堪えるという感じで、その慎ましやかな乱れ方が私の好みでした。
しかし、やがて私たち夫婦の寝室に、「ああん、いやいやいや、許して許して」などという喘ぎが響くようになったのです。
愛人が妻の体を“改造”しているのは間違いありません。

新しい性感帯も確実に開発していました。
私とのセックスでは到底考えられない部位で、妻が激しく反応を示すことがたびたびありました。
そりゃそうです。
結婚生活を10年もやっていれば、『女房の性感帯なんてもう開発し尽くした。なにも残っていない』と考えるのが普通の亭主です。
女房の方だってそういうものだと思っています。
ところが男が変われば別のセックスをするから、違う性感帯を発見するものなのです。
妻は背中に回した指の爪を立てたり、足や腿を粘っこく絡めてきたり、陰嚢を舐め上げることまでやるようになりました。
絶頂近くになると一段とよがりだし、腰をグイグイと押しつけてきます。
愛人は明らかに私の妻を淫乱に仕込んでいるのです。
男の足元に跪き、男の陰嚢を舐めさせられている妻の姿を想像すると、私のペニスは涎を垂らしてしまうのです。
寝取った男にすれば、他人の妻に亭主の知らない癖をつけ、自分好みのオンナに仕込んでいくなんて、これに勝る男冥利はないという事なのでしょう。

男はますます大胆になり、キスマークと分かるバラ色の斑点を妻の乳房や太股に刻印して、私の元に返してきました。
その斑点に唇をつけると妻は苦しそうにイヤイヤしました。
情けないことに、そうした妻に私は勃起してしまうのです。
寝取る男がいるという事は、一方で寝取られる男がいるという事です。
惨めな悲しい気分になります。

ただ男は妻に、「家に帰ってから亭主とやるな」と言っていたそうですが、私は毎回妻を抱きました。
それが私の唯一のリベンジだったのです。

妻の愛人のテクと持続力は相当のようでした。
一度挿入すると、ほとんど抜かずに上から下へ、下から横へ、また上へ、そして後ろへと、色々体位を変えながら数十分以上責め続けるみたいでした。

しかし、たったひとつ、妻が私のために断り続けていてくれたものがありました。
コンドームをつけない“中出し”です。
以前、小説か何かで、『人妻との情事では、後ろから責めるのと中出しが最も興奮する。征服したという気分に一番させるからだ』というようなことを読んだ記憶があります。
いくら性豪の寝取り男でも、心の片隅には亭主に対して少しはライバル意識があるはずです。
亭主が大事にしている妻を尻の穴が見えるくらい四つん這いにさせ、後ろから犬みたいに犯す。
さらに亭主が舐めるであろうおまんこに思いっきりドクドクと精を注ぐ。
これが亭主に勝った勲章なのでしょう。
妻は最初のデートで、すでに後ろから刺し貫かれてしまいました。
しかし、中出しだけは絶対やらせないというのが、私たち夫婦の約束であり、最後の砦だったのです。

梅雨に入って少し蒸す日でした。
妻は、「早く帰って来るわ」と、いつもの、しかし一度も守られたことのない言葉を残して出かけました。
プリプリしたお尻が肉感的で、オンナの盛りを発散させていました。
その日は珍しく本当に早く帰ってきました。
そして、「暑い、暑い、ちょっとシャワー浴びるわね」と、まっすぐにバスルームに行ってしまいました。
夫の直感です。
脱衣籠をまさぐると、ブルーの紐パンティーが丸められてありました。
そっと開くと、おまんこが当たるところに、白濁した精の痕がくっきりと見えたのです。
私は鼻を近づけました。
どこか冷笑の匂いがしました。
約束はあっさりと破られてしまいました。

でも、どうして怒ることなど出来ましょう。
シャワーを浴びてもまだ火照っている妻の体を顔に跨らせ、私は何度も何度も何度も舌をペロペロさせて、妻のおまんこを舐め続けました。