詳細は省くが、この失敗をあと6回繰り返した。
毎回期待に胸を膨らませ指名するのだが、来る女はどれも千佳ではなかった。
もちろん、毎回プレイは断った。
何回か危なかったが、もはや俺も意地になっていた。
PCMAX

俺の安い給料では回数を重ねるのに時間がかかってしまった。
一覧表も、何度も往復した。

ヤミーにも、「そろそろ諦めたら」と言われていた。

もはや千佳と抱き合うのは絶望的だと思われた8回目、ついにその時が訪れる。
この時、3年の夏、つまり去年の夏である。

もはや諦め気味だったが、また千佳に似た風俗嬢を指名した。
そのお店は、お店から女の子とラブラブデートをして一緒にラブホテルに入るというスタイルのお店であった。
電話で指名し、時間を決める。

そしてついにその日。
平日の昼間で、大学は夏休みに入っていた。
お店に入り、予約の旨を伝え、待合室で待たされる。
程なくして名前を呼ばれるので出口に向かう。
そこに待っていたのは、正真正銘、千佳だった。

千佳「え?俺くん?」

俺「え?千佳ちゃん?」(演技)

俺は泣きそうだった、あまりの感動に。
ただの噂から駆け出して2年以上、求め続けた千佳が目の前にいた。
よくぞ探し当てたと誇る一方、その奇跡が信じ難かった。

千佳は明らかに動揺していた。
顔を真っ赤にしながら隠していたりしてたが、バレバレだった。
俺は涙を見せないように、恥ずかしがるふりをしながら俯いていた。
咳き込むふりをしてハンカチを取り出し、震える手で涙を拭った。

お店の男に促され、とりあえず俺たちは店の外に出た。
とりあえず歩き出した俺たち。

千佳は、「えーー、どうしよう、どうしよう」とテンパっていた。

俺「まさか千佳ちゃんがこんなお店で働いてたなんて・・・」

俺も動揺する演技に努めた。
とりあえずゆっくり話そうと千佳が提案し、俺たちは通りがかった公園のベンチに並んで座った。

千佳はまず、「大学の皆には言わないで欲しい」と俺にお願いした。

とりあえず俺はそれを快諾した。
そして、ハッキリとは言い難かったのだろう、「私がお店に連絡するから他の嬢を宛てがう」という流れに千佳は持っていこうとしていた。
まあ当たり前の反応だろう。
顔見知りで同じ学科の男相手にプレイをするのは、出来るだけ避けたいはず。
だが俺がそれを許すはずがなかった。

「俺は今日、お金を払って君を指名した」
「誰でも良かったわけじゃない、君を指名したんだ」
「顔見知りという状況以外、君のいつもの仕事と何の違いがある?」
「正直、前から千佳ちゃんの事が気になってた」
「これは何かの運命じゃないかな?」

などと脳みそをフル回転させて説得した。
女は運命って言葉に弱いってデスノートに書いてあった。
もはや告白まがいの熱弁と、「皆には内緒にするからさ、ね?」という脅しまがいを織り交ぜ、説得を重ねた。
千佳は何回か深呼吸をした後、「・・・わかった」と小さく言った。
この時、俺のパンツは我慢汁に溺れそうであった。

ホテルに入った。
千佳は、まずお湯を溜めに風呂場へ向かった。
程なくして俺と並んでベッドに座った。
それとなく話した。
どういう経緯で風俗を始めたのか、云々。
まとめるとこうだ。

・風俗業界にはスカウトされて入った。
・最初は友達との旅行資金を貯める目的だったのだが、高給すぎて辞めるのが惜しくなり、続けた。
・客で来た男に告白されて付き合った(これが例の社会人の彼氏らしい)。
・彼氏の説得により、風俗をやめた(その分のお金は、彼氏がくれていた)。
・彼氏と別れてお金がなくなり、復帰した。

我ながらあまりのビッチっぷりに驚いた。

お湯が溜まった。
千佳は少しずつ現実を受け入れ始めたのか、「どうせやるなら、ちゃんとやる!」とか「俺くん、どうせ童貞なんでしょ?」とか、少しずつ心を開き始めた。

お互い服を脱がし合う。
千佳の下着は上下とも赤だった。
小ぶりだが可愛いおっぱいだった。

千佳は俺のチンコを見て、「皮かぶりwww」と笑いながら、玉をふにふにと触って、ちょっとだけシコシコしてくれた。

俺は射精した。
全く予想していない発射であった。
俺の白いリビドーは、千佳のお腹辺りに勢いよく掛かっていった。
俺は涙目になりながら腰をガクガク震わせ、呆然としていた。
千佳は、最初は驚いていたが、何テンポか置いてから爆笑していた。
ラブホテルの脱衣所で、方やチンコから精液を流しながら肩を震わせて立ちすくみ、方やお腹に精液が掛かったまま座り込んで爆笑。
そして2人とも全裸である。

とりあえず、促されるままにお風呂に入った。
千佳は丁寧にチンコから精液を絞り出し、洗ってくれた。
変な声が出てガクガクしたのを覚えてる。

「仕方ないよねww童貞だもんねw」

慰めかバカにしてるのか分からなかったが、千佳なりのフォローをしながら洗ってくれた。
俺は雨に濡れた子犬のように、泣きそうな顔でそれに頷いていた。

「男のくせにかわいーーww」とか言って頭をなでなでされた。

そして一緒に浴槽に浸かった。
千佳は、お風呂用に長い髪をゴムでまとめていて、可愛かった。

お風呂で千佳が俺をなでなでしながら、「・・・してみたい?」と言った。

「何を?」と返すと、千佳がそっとキスをしてきた。

うがい薬の味がしたが、念願だった好きな女の子とのキス、そして俺のファーストキス、興奮しないわけにはいかなかった。
自分から慣れないなりに舌を絡ませたり、唾液を送ったりした。
千佳は、「・・・んっ・・・」とか言いながらそれに応えてくれた。
お風呂で息苦しくハアハアとした吐息が風呂場に響く中、俺と千佳はキスを続けた。
俺の息子は元気を取り戻しつつあった。

やがてお風呂を上がった。
体を拭いてもらい、バスローブを着て部屋に戻った。
布団に倒れこむと、改めて恥ずかしさがこみ上げてきて、千佳の顔が見れなくなった。
俺は枕で顔を隠しながら、恥ずかしさ、不甲斐なさ、興奮、達成感、勃起、賢者タイム、色んな感情が混ざり合ってどうにかなりそうだった。

千佳がベッドの横にごろんと横たわった。
そして、「バーカww開始数分でお金無駄にしてww」と、俺を弄り始めた。

「1回出したら終わりなんだけどwww」

笑いながら、千佳は俺を人差し指でグリグリとつついた。

「ごめん、ごめん」と、俺は枕で顔を隠しながらひたすら謝った。

まだ指定した時間は余っていたが、何を思ったか、俺はもう帰りたかった。
とにかく恥ずかしかったのだ。
でも、そこから動いて千佳と顔を会わせるのもまた恥ずかしく、どうにも動けなくなっていた。

そうすること数分、千佳は、「暇!」と枕の上から俺の顔を叩いた。
思わず俺は枕から顔を出した。

「脱いで、ほらwww」

千佳はしなやかな動きで俺の上に乗ってきた。
だんだん、千佳がノリノリになっていた。
千佳は俺のバスローブを脱がすと、乳首を舐め始めた。
俺は女の子みたいに変な声を上げてしまった。

「ひゃうぅぅんんんっっ」といった感じだ。

千佳は、「感じすぎwwさすが童貞ww」とか笑いながら、涎を垂らしつつ、俺の両方の乳首を攻め続けた。

「俺くんも彼女できたらこんなのしてもらえるのにねーww」とかバカにされながら、俺は腰を浮かして感じていた。

チンコはバキバキだった。
千佳は時々指を俺の口に突っ込んできたり、耳を舐めてきたり、キスをしたりしてきた。

「早漏www」とか散々バカにされた。

上半身だけで骨抜きにされた俺は、チンコをおっ立てながら、アヘ顔でガクガクしていた。
千佳は「可愛いーww」とか言いながら、よしよししてくれて、俺の唇をゆっくり舐めてくれた。
唇を舐められるのが凄く気持ち良かったのを覚えてる。

そしてついに、フェラに突入した。
千佳は、「またすぐ出されると面白くない」と言い、手を使わずに攻めてきた。
玉舐め、裏筋舐め、亀頭ペロペロ、涎垂らし、俺は面白いくらいにアヘ顔でよがった。
腰があり得ないくらいガクガクして、浮いた。
千佳はSっ気が乗ってきたのか、手ぐしで俺のチン毛を抜いて、キャッキャ言いながら遊んでいた。

「咥えて欲しい?ねーねー?ww」

千佳は俺を挑発しながら、細い指でチンコを摘まむように弄った。

「はい、・・・はい」

俺はほとんど泣きながらそれに同意した。

「好きに出していーからww」と言うと、千佳は一気にチンコを咥えてきた。

そこからはほとんど一瞬だった。
千佳は、チンコを咥えたまま激しく頭を上下させた。
涎で音を立て、舌を硬く固定して、チンコを口内で滑らすようにしていた。
右手は根元を握ってシコシコ左手は、玉をふにふに触ってきた。
我慢の限界だった俺は、千佳の名前を思わず叫びながら、千佳の口の中に射精した。

「あぅああああ・・・」と痙攣のように体を震わせながら、俺はイッた。

千佳はチンコを咥えながら、「ふふっwww」と声にならない笑い声を上げ、最後まで搾り取ってくれた。
正直飲んで欲しかったけど、あまりの気持ちよさにそれをリクエストする気力は無かった。
千佳は俺の精液をティッシュに出していた。

「2回目だから薄いねwww」などと笑っていた。

俺の痙攣が収まるまで千佳はホテルのテレビを見ていた。
やがて、「延長すんの?ww」と急かされながら、俺はいそいそと着替えた。
もうチンコにそんな体力は無かった。
そして2人で並んでラブホテルを後にした。

帰り道も千佳は俺に、「皆には内緒だからね!」と念押しをした。
もちろんだ、誰に話すというのだ。
この快楽は俺の思い出なのだ。

千佳とはお店の前でお別れとなった。
俺は清々しい心持ちで家に帰った。
そしてヤミーを呼び出した。
ヤミーに全てを報告した。

ここまではまだ良かった。
ヤミーには報告義務があると思っていた。
そしてヤミーは親友だと思っていた。
あれだけ千佳捜索を手伝ってくれたので、しっかり事後報告とお礼をするのが筋だと思った。
俺は間違っていないはずだった。
ヤミーとは同じ一覧表を見ながら作業をしていたので、ヤミーにもどの風俗嬢が千佳なのか分かった。
2人でボカシの入った千佳の写真を見ながら、祝杯をあげた。
俺はまたバイトに励み、必ず千佳を指名する、そう誓った。

以降は、後々分かった情報を補完しつつ、経緯を記す。
ヤミーはあろう事かその次の日に千佳を指名→千佳とヤミー、ベッドイン→ヤミー、帰宅(実家暮らし)→ヤミーマミーが、ヤミーの様子がおかしい事に気づく(石鹸の匂いがする、髪が濡れている、妙に浮かれているetc)→ヤミーマミー、ヤミーを問い詰める→ヤミー、全てを白状→真面目なヤミーマミー、息子の学友が風俗で働いている事を問題と考え、学科の担当教授へチクる→千佳が呼び出される・・・。
後はお分かりだろう・・・。

現在、俺は学科の女性陣からは完全に無視され、女性陣に味方するリア充DQN男子にも邪険に扱われ、ヤミーとは絶交し、無論千佳は俺の顔を見ようとすらしない。
面と向かって罵倒されたりもない。
完全に孤立している。
最近は寂しさを紛らわすために就活に励んでいる。

“学生時代頑張ったこと”なんて1つしかないのに、それが面接で喋れないなんて惜しい。

それ以降TSUTAYAには怖くて行けてない。
風俗店のHPを見ると千佳の在籍情報は綺麗に消えていた。
千佳にはとても悪い事をしたと思っている。
俺はヤミーが親友だと信じていた。
そもそもの出発点は俺の淡い恋心だという事から、同じ年月ヤミーは俺の気持ちを知っていた。
そんなヤミーが千佳を指名するとは思わなかったし、でもヤミーに報告するのは礼儀だと思った。
俺が甘かったのも重々分かっている。

最近は、千佳に似てる有村千佳というAV女優だけが俺の心の支えになっている。
リプライも返さず、ただ黙々と彼女のツイッターを追っている。
その面影を千佳に重ねて毎日を過ごしている。

もちろん俺はまだ童貞だ。
もう一生童貞でも良いかな。

足りないとは思うけど、俺なりの千佳への罪滅ぼしに童貞のままでいようと、最近は思っている。