今年の夏、久しぶりに大学時代のメンバー何人か集まって飲むことになった。
学生時代の思い出とか、仕事の愚痴とか、この仲間だから話せることがたくさんあった。
週末の勢いもあって、相当に飲んだ。
PCMAX

わたしは酔うとすぐに、「手を繋いで」と言う癖がある。
それは周囲もわかっていて、隣で手を繋いでいた友人も慣れた顔で笑っていた。
今考えたら、ある意味狙って飲まされたんじゃないかと思う。

2次会が終わって、3次会に移動する頃も10人程度が残っていた。
みんなかなり酔っぱらっていて、他愛もないことで大声で笑い合っていた。
次の日の朝一で彼氏と約束があったわたしは、意識が半分飛んだ状態ながら、そろそろ帰らなければと頭の端で考えていた。

「ホテル行こう」

ふと手を繋がれて見上げると、さっきまで横に座っていた友人だった。
わたしが酔っぱらって、手を繋いでとせがんでいた相手だった。
周りに聞こえないように耳元に囁いてくる。
でも周りはみんな酔っぱらっていて誰も気にしようとはしない。

「それは、ダメ」

わたしは身体を寄りかからせながら、笑って答えた。

「いいじゃん」

「ダメ」

「お願い」

「えー」

3次会に向かおうと誰かが歩き始めたらしい。
わたしたちも手を繋いだまま、みんなより少し遅れて歩き出した。

「じゃあ、3年くらいしたら、しよっか?」

「だめ、その頃は俺もう結婚してるから」

「何それー!彼女いないくせに」

「だから今日、お前としたいの」

そんなことを笑いながら話していた。
ときどき軽くキスをした。
駅と連結した、地下街に下りる階段があった。
他のみんなはずっと先を歩いていて、ここで下りてもきっと誰も気付かないだろうと思った。
同じことを彼も考えたらしくて、もう1回言われた。

「電車乗って、ホテル行こう」

「明日、彼氏と約束あるから・・・」

口ではそう答えながらも本当は少し心が揺れていた。
今エッチしたら絶対に気持ちいい、と思った。

そんな気持ちが伝わったのか、彼は手を引っ張って階段を下りた。

「泊まるのは、やっぱりダメ」

そう言って上目で彼の顔を見ると、少し寂しそうな顔で笑って言った。

「じゃあトイレ?」

「え?」

駅地下街のトイレは本当に綺麗だった。
もう周囲の店はどこも閉まっていて、人が入ってきそうな気配もない。
半分だけ酔った頭で、なんでこんなことになったんだろう?とぼんやり思いながら、2人で女子トイレの個室に入った。

荷物を後ろの棚に置いた。
彼が立ったまま、わたしを壁に押し付けてキスをしてきた。
今まで彼に対して恋愛感情は持ったことなかったけど、キスがすごく気持ちよかった。
気が付いたら、自然にエッチな声が出た。
わたしのスーツのインナーは白いシャツで、ぎゅっと押し付けると少しだけブラが透ける。
淡いピンクのブラの縁を親指で擦られた。

「透けてる」

彼はにやにや笑って、片手を背中に回してホックを外した。
急に胸の力が抜けて、「やん」と声が出た。
身体を壁に押し付けたまま、Tシャツの下から手を入れて乱暴に触ってくる。

「Dくらい?」

耳元で言いながら、わたしのTシャツを脱がせてブラも外してしまった。
わたしの目を見ながら、乳首を親指でぎゅっと押してくる。
目を逸らせないまま、恥ずかしくて、でも気持ち良くて変な声が我慢できなかった。

「下も脱いで」

わたしは自分でスカートのファスナーを下して、ストッキングを脱いだ。
こんなことになると思わなかったから、ブラとショーツがセットじゃなかった。
その時のショーツは黒レースの紐で、彼はわたしの足の付け根を触りながら、「超エロいんだけど」と、嬉しそうに笑っていた。

「こんなの、いつもだよ」

少しエロい声で答えると、彼は笑いながら下着の中に指を入れてきた。

「あん、ダメ」と声が勝手に出る。

胸だって気持ちいいけれど、やっぱりあそこを触られるのは全然違う。
立って身体を壁に押し付けられたまま指を入れられているので、足がガクガクする。
彼はずっとわたしの顔を見ていた。

そのとき、誰かの足音が聞こえた。
隣の個室に誰かが入ったらしい。
鍵がかかる音がした。
彼はわたしの声が出ないようにキスをすると、そのまま指を動かした。
クチュクチュと音がする。
わたしは声にならない声を喉で漏らした。

隣から流水音がする。
女性の声で咳き込む音がする。
びっくりして、キスしたまま彼の目を見る。
彼は意地悪そうに笑ってわたしの目を見て、それでも指を動かすのを止めようとしなかった。
わたしの弱いところに触れるたびに、「ん・・・」とキスしたままの唇の間から息が漏れる。

(絶対に隣の女の人は気付いてる)

そう思うと恥ずかしくなって余計に感じた。
しばらくして、また足音が聞こえて、隣の人が出て行ったのがわかった。

「びっくりしたな」

「うん」

2人で笑って、わたしは彼のシャツのボタンを外し始めた。
ボタンが外れると、彼はベルトを外して、ズボンとボクサーパンツを脱いだ。
もう十分に大きくなっていた。
どちらかと言うと細めだけれど、色も形も綺麗だった。

「1日シャワー浴びてないから、汚いけど」

「ううん、大丈夫」

「舐めて」

「うん」

頷くと、わたしは跪いて口に彼を咥えた。
1日の終わりなのに、なぜか匂いも味も薄かった。
舌先でカリの裏側を探ってみる。

「動いて」と言うので、頭を動かして彼のモノが反応するのを感じていた。
しばらくして、口に咥えたまま上目で彼の顔を見上げた。
彼は少し恥ずかしそうな顔をして、「もういいよ」とわたしの身体を起こした。

「入れたいんだけど、いい?」

「持ってる?」

「持ってない」

「・・・今日は大丈夫だから、いいよ」

少し怖いと思ったけど、日を考えたらほぼ確実に安全だと思った。
何より麻痺した頭では、今ここでやめられる気がしなかった。

彼はわたしを後ろ向きにして、壁に手をつかせた。

「いくよ」

そう言って、一気に後ろから突いてくる。
こんなシチュエーションのせいなのか、びっくりするくらい気持ちよかった。
きっと彼氏の方が上手だけど、いつもと比べ物にならないくらい気持ちよかった。
わたしのお尻と彼のお腹が当たってパチンと音がする。
我慢できなくて、正直な声が大きく出る。
彼は背後からわたしに密着して、片手でわたしの腰を抑えて、もう片手で乳首を弄ってきた。

「お前、声大きすぎる」

「あん、・・・だめ」

「俺も超きもちいい。なぁ、正常位じゃだめ?」

いくら綺麗だと言ってもトイレの床に寝るのは少し抵抗があった。
でもわたしが1番好きな体位は正常位だし、今さらの状態で、抵抗も何も無かった。
言われるままに床に仰向けになって、足をM字に広げたところに彼が入ってきた。
彼が動くたびにグチャグチャと音がする。
口が勝手に、「もっと気持ちよくなりたい」と言っていた。

「もっと・・・もっと奥まで来て」

「やばい、中キツい・・・超熱いんだけど」

見上げた彼の額は汗だくで、目はもう笑っていなかった。
わたしはそろそろ限界だった。
ビクッと電流が走って、わたしが先にイッてしまって、それからしばらくして彼も外で出した。
頭がじんじんして動けない。
彼はわたしの髪の毛を触りながら笑った。

「お前、めっちゃ可愛い」

お互い恋愛感情は無いのはわかっていてもドキッとしてしまった。

その後は、本当にそのまま家に帰った。
別れ際に、彼に聞いてみた。

「ねぇ、こんなことになると思ってた?」

「・・・ちょっと思ってた」

「まじで!!」

「ごめん・・・気持ちよかった?」

「・・・気持ちよかった」

なぜ彼とあんなことになってしまったのか、今でもよくわからない。
みんなには内緒の話だけど、すごく気持ちよかったのは事実なので、いつかまた、こっそりこんなことがあってもいいのではないかと思う。