「暖まったかい?身体を洗おうか」
「え、あの、はい」

とまどうわたしをかずさんはそのまま抱き上げて浴槽から立ち上がりました。
服の上からでは分からなかったかずさんの筋肉質の身体付きに目が奪われます。
PCMAX
そっとわたしを床に下ろすと、かずさんはボディーソープのボトルから出した液体を手で泡立てました。

「そこに立って向こうを向いてごらん。身体を洗ってあげるよ」
「え、でも」
「いいから」

かずさんはわたしを壁際に立たせると背中を泡だった手のひらで撫でるようにしました。
ぬるりとしたかずさんの手のひらの感触に背筋がゾクゾクします。
肩甲骨のあたりから首筋に回った手が肩、鎖骨ときて、脇腹をすり抜けたかと思うと前に回ってまだ興奮さめやらぬ体のわたしの二つの胸を持ち上げるようにしました。

「んっ・・・・そこ・・は」

ボディーソープでぬめった手のひらで揉みしだかれて、わたしはたちまち普通に立っていられなくなりました。
壁に手をついて必死に身体を支えるわたしに構わず、なめらかに動く指先がまだ鋭敏さを失っていないわたしの先端を弾くように転がします。

「あっ、やっ、あぁっ」

快感に震えるわたしの声が浴室内に反響して、普通よりも大きく聞こえます。
強めにつままれた先端がぬめりで滑ってつるんと弾かれる、それを何度も繰りかえされて、わたしの声はどんどん大きくなってしまうのでした。

「はっ、ああ、あああぅっ」

ひときわわたしの声が大きくなったところでかずさんの指先は脇からおなか、両肩に戻って二の腕、という風にわたしの敏感なポイントから逸れていきました。

「はぁ・・・・・・・」

安心したような残念なような複雑な気分がわたしにため息をつかせました。
しかし、ひと息つけたのはそこまででした。

「両脚を開き気味にして立ってごらん」

淡々とした口調の彼の指示。
とまどいつつもわたしは彼の言うとおりにしました。
再びボトルからボディーソープを手にとって泡立てると、彼はわたしの足下にしゃがみ込みました。

「足を浮かせてごらん」

彼に言われるままにそうすると、足の裏、指の間と彼の指先が動いていきます。
くすぐったい感覚に身を任せながら反対側の足もそうしました。
そしてアキレス腱から脛、ふくらはぎと今度は両方同時に指先が滑っていきます。
太股の外側に回った手が少しづつ上昇してきました。

「きれいな脚だね。無駄な肉が全然付いてない」
「そうですか?そんなこと言われたのはじめてです」

彼の賞賛の言葉にわたしは単純に喜んでいました。

「ほんとだよ」

言いながら、彼の指先がちょうど腰の真横まで上がってきました。

「お世辞でも、うれしい・・・・ぁんっ!」

不意を突かれてわたしは大きな声を出していました。
何?そう思いながらも突然発生した奇妙な感覚をこらえきれず、腰をくねらせてわたしはもう一度壁に手をついていました。
ちょうど、骨盤の骨のラインを彼の親指が少し強めになぞっています。
そんなところが感じるとは思っていなかったわたしは、驚きつつもふらつく身体を懸命に壁で支えていました。

「んっっ・・・・あっ、やっ」

そんな彼の指先に翻弄されるわたしを尻目に、彼の指先は脚の付け根ヘ移動していました。
ぐっ、ぐっ、と彼の指先が押し込むようになぞるたび、わたしはなすすべもなく腰をくねらせるだけです。

「んはぁ・・・・やぁっ」

アンダーヘアーのあたりをやわやわとひっかくようにしたとき、わたしはこらえきれず泡だらけの身体のままその場にへたり込んでいました。
大きく息を荒げているわたしの身体に、少しぬるめのシャワーが浴びせられました。
流れ落ちた泡が床を流れていくのを呆然と見ているわたしに彼は相変わらず穏やかに微笑んでいました。

「座ったままでいいから、こっちを向いて両脚をひろげてごらん」

優しい口調の彼にわたしはのろのろと言われるままに動きました。
両手を床について身体を支え、腰を彼に向かって突き出した状態でゆっくりと脚を広げます。
恥ずかしげもなくむき出しに晒されたわたしのその部分に、ぬるめに調整されたシャワーのお湯が浴びせかけられました。
勢いよく吹き出すお湯の束に、むず痒いような甘い快感が走ります。

「あぁん・・・」

軽くのけぞりながらわたしは声が出るのを我慢しようともしませんでした。
いつの間にか差し込まれた彼の指先が、わたしのそこをそっとなぞるようにうごめいています。
何もつけられていない指先に、ボディーソープとは違った種類のぬめりがまとわりついているのがはっきりと分かります。
シャワーの水音にかき消されて聞こえない音が、わたしの身体の奥からかすかに伝わってくるのです。
一瞬離れた指先が今度は下に潜り込みました。
おしりの割れ目をなぞるように動いたかと思うと、少し上に戻ってお尻の穴の周囲をもみほぐすようになぞるのです。

「ふぁぁ、ぁん・・だ・・め・・・・きたな・・・・」

くすぐったさに混じっておぞましくも感じる奇妙な感覚に力が抜け、わたしは声が出ませんでした。
はしたなく腰をがくがくとうごめかして身もだえするだけです。
そんな感覚がいつまでも続くかと思われたときでした。

「あぁんっ!」

ようやく戻ってきた彼の指先が、シャワーに負けじとぬめりに溢れかえるわたしの中にそっと差し込まれました。
びくん、と身体が震え、無意識のうちに差し込まれた指先をわたしのその部分が締め付けるようにうごめきました。

「はぁぅ・・・っ」

震える爪先に自然と力が入ります。

「あっ、あっ、ああっ、あああっ」

ほんの少し曲げられた彼の指先が、わたしの中のぬめりを掻き出すようにゆっくりと出し入れされていきます。

「はんっ、はぁんっ、あ、あ、あ、ああぁぁぁぁぅんっ!」

そして、彼の指の動きと合わせるように漏れていた声が、浴室内いっぱいに響き渡った瞬間、その部分を中心にして痺れるような甘い、熱い感覚がほとばしりました。

「あぁぁぁぁぁっ、あぁぁんっ!!」

それは多分絶叫に近かったと思います。
痺れと震えが全身を包んだとき、わたしは絶頂に達していました。
しばらくして、ぐったりとなったわたしの身体を力強い腕が抱きかかえるのが分かりました。

もうろうとした意識の中で、重力を失った身体がひんやりとした硬質感のある空気に包まれたのが分かりました。
そのまま、そっと床に下ろされましたが身体に力が入らず、彼の身体にしがみついて寄りかかるように立つだけで精一杯です。

「大丈夫?しっかりして」

遠くの方で優しい口調の彼の声が聞こえますが、わたしは返事すら出来ませんでした。
やがて、バスタオルの柔らかな感触がわたしの身体をそっとぬぐっていきました。
水滴がぬぐわれたわたしの身体は、再び下半身をすくい上げられて抱きかかえられました。
そのまま部屋を横切った彼は、何も言わずわたしの身体をベッドに横たえて姿を消しました。
シーツの冷たい感触がわたしの意識を少しづつはっきりさせていきます。
けれど火照った身体からけだるい脱力感はなかなか抜けず、汗ばんだ身体が少しずつひんやりしていくのを感じながらわたしはぼんやりとベッドルームの天井を眺めていました。
すぐに、水の滴る身体をバスタオルでぬぐいながら彼がベッドサイドに戻ってきました。
それを呆然と眺めるわたしにあの優しい微笑みを向けながらバスタオルで身体を拭いていました。

身体を拭き終えたかずさんはわたしのそばに腰掛けると、わたしのおでこに手を伸ばしました。
乱れておでこに張り付いたわたしの前髪をそっと撫でつけるとそのままおでこに軽いキス。

「いっぱい感じてたね、ゆん。もっといっぱい感じさせて欲しいかい?」

もうこれ以上は無理。
さっきまでそう思っていたはずなのに、耳に飛び込んでくる彼のささやきはそんな気持ちをどこかに追いやってしまっていました。

「・・・は、い・・・。もっと、いっぱい、感じさせてください・・・」

かすれて弱々しい口調で発せられる自分の台詞に、わたしは完全に酔っていました。

「では、どうすれば感じさせてもらえるか、ゆんには分かるよね」
「はい・・・・」

決めつけるような彼の口調は今のわたしにとってとても心地の良いものでした。
何をすればいいのか、今のわたしには考えるまでもないことでした。

わたしはのろのろと両膝を立てると、おしりのすぐ下のあたりを抱えて、大きく脚を開いていき、むき出しになった股間を彼に晒すように見せつけるポーズを取りました。
何も言わず微笑を浮かべている彼の視線を感じるだけで、わたしのその部分に熱い何かがどんどん溢れていくのが分かります。

「見て、ください・・・わたしのおまんこ、こんなに・・・・・えっちなお汁が・・・いっぱい、なの・・・・」

言いながらわたしは右手をそこに当てて、溢れかえるみだらな液体を指先でなすりつけるように動かしました。
自分でもあきれるくらい潤ったそこが、手の動きに合わせてみだらな音を響かせます。

「・・・・いやらしい子だね、ゆんは。さっきイッたばかりなのに、もうこんなになってるんだね」

淡々とした彼の煽り。

「・・・そおなの・・・・・ゆんは、いやらしい、女の子なの、恥ずかしい姿をかずさんに見られて・・・いっぱい感じてるえっちな、女の子・・・・なんですっ・・・・」

自分で自分を辱める言葉を口にして、わたしはもう、とまらなくなっていました。

「・・・・だから・・・かずさんに、ゆんのいやらしい、おまんこ・・・・いっぱい気持ちよくして欲しくて、我慢、できないの・・・・あぁんっ」

そんな台詞を口にしているだけで、自分の中のみだらな欲望がどんどん追いつめられていくのが分かります。
そして、そのことを自覚するだけでわたしの中の何かがどんどん加速していくのです。

「いけない子だね、ゆん。そんなことを初めて会ったばかりの男に自分で言うなんて、きっと淫乱なんだね」
「んっ・・・そう、なの、ゆんは、いけない淫乱娘ですっ・・・・とっても、悪い女の子なんですっ・・・・あっ」

ビクン、とわたしの身体が揺れました。
その後も時折びく、びく、と勝手に身体が震えてしまいます。

「じゃあ、そんな悪い子は、お仕置きしないといけないね」

冷淡に聞こえる彼の言葉にわたしは歓喜していました。

「はい・・・っ、お仕置き、してください・・・もぉ、我慢、できない・・・・っ」

無我夢中で、わたしはそんなことを口走っていました。
なんてことを言っているんだろう。
そう思いながらそういう自分自身の浅ましく惨めな姿に例えようのないくらい喜びを感じていました。
そうなのです。
辱め晒されることに喜びを覚え、それが達せられなければ自分で自分を辱め追い込むこともいとわない・・・・。
今まで気付かなかっただけで、わたしはきっとそういう女だったのです。

「ゆん。四つん這いになってお尻を僕の方に向けて突きだしてごらん」
「はい・・・」

屈辱的な姿勢をとる快感がますますわたしを揺さぶります。

「自分で自分のいやらしい場所を広げて見せなさい」

無感動な彼の口調が逆にわたしを高ぶらせます。
わたしはべとついた自分のそこを誇らしげに指で広げて見せました。

「すごいことになってるね、ゆん。自分でも分かっているんだろ、ほら」

「・・・んぅっ」

突き立てられるように差し込まれた彼の指をなんの抵抗もせずにわたしは受け入れていました。
とたんに、生卵をかき回すような、そんな激しい水音が聞こえてきました。
同時にむず痒いようなじわじわとした感覚がわたしを苛むのです。

「んぅ・・・・ふぁああぁぁ・・・・・ん」
「ほら、すごいえっちな音がしてるよ、ゆん。こんなに溢れさせちゃうなんて、悪い子だねえ、いっぱいお仕置きしなきゃね」
「はいぃ・・・いっぱい・・・お仕置き、して、くださいっ・・・」

今にも崩れ落ちそうな自分の姿勢を保つことに精一杯で、そんなことしか言えませんでした。
すっと抜かれた彼の指がわたしの目の前に突き出されました。

「ほら・・・まだ何もしてないのに本気で感じてる証拠が着いてるね。ほら」
「いやぁ・・・・みせないで・・・」

言いながらその彼の指先から視線をそらすことが出来ません。
べっとりと濡れた彼の指先に、透明な液体に混じって、白っぽい、ねとねとしたものが混じっています。
それが「本気汁」と呼ばれているものであることをかずさんに教えられた瞬間、わたしは全身が痺れるような錯覚を感じていました。

「んやぁ・・・・っ、はぁんっ」

再び差し込まれた時、かずさんの指は二本に増えていました。
曲げられた指先が、お風呂場の時とは逆の方向、おしり側の壁をこするように出し入れが始まりました。
「ぐちゅっ」とか「じゅぼっ」とかいうようなみだらきわまりない音と共に、内臓をかきまわされるようなおぞましい快感がわたしの身体を蹂躙していきます。

「んああああっ・・・・はあぁっ、はぁぁぁあああああんっ」

いままでに考えられないくらい、野太いって言うんでしょうか。
とても自分の声だと信じられないくらい、ケモノじみた声がわたしの口から漏れていきます。

「あっ、あっ、ああっ、ああっ、あんっ、あああっんっ!」

かずさんの指がぐるん、ぐるんと全体的にかき回すように動き出しました。

「いやっ、やっ、ああ、はぁぅッ、ああぁぁぁぁんっ!!」
「いいよ、ゆん、もっと可愛い声で鳴かせてあげようね」

容赦のない彼の言葉。
同時に、かずさんのもう一方の手が、わたしのクリを摘まんで、転がすように動き出しました。

「あっ!あっ!あぁぁぁぁんっっっ、ああぁぁぁぁっ!」

そして、生暖かい何かが、わたしのお尻の穴を這うように、突くように、うごめきはじめたのです。
それは彼の舌でした。
何か別の生き物のようにうごめきだしたそれは、今までわたしが知らなかった快感と狂喜をわたしに与えるのです。

「ふぁあうぅっ、ふぁああぅぅっ!あっ、あっ、ああああっ、ダメ、ダメ、いやぁぁぁぁぁっ!!」

ビクン、ビクン、ビクン、とわたしの身体が痙攣した気がしました。
敏感なポイントを三カ所同時に責められるという未知の体験に、わたしの身体は何度も絶頂へ登りつめていたのです。
意味の分からない絶叫が遠くの方で聞こえています。
わたしの声のはずですが、それが、遠くなったり近くなったりしてやがて、何もかもが真っ白になってしまいました。

そのとき何度達したのか、正確な回数は分かりません。
わたしが覚えているだけで四回は間違いない筈です。
小さな波が短い間隔で何度も訪れたあと、ゆるやかで大きな快感の波が訪れてきた、そういう印象なのです。
けれど、そこで終わりではありませんでした。

「・・・・まだ終わりじゃないよ、ゆん」

特に口調が変わったわけでもないのに、ひどく冷たく聞こえる彼の声がわたしを現実へ引き戻しました。

「ふぁんっ・・・・」

四つん這い姿勢を保てず、腰だけを突き出すような無様な姿勢でへたり込んでいたわたしの身体は、いつの間にか仰向けにされていました。
彼の力強い腕がわたしの脚を掴んだかと思うと、おしめを換えてもらう赤ちゃんのような姿勢にさせられていました。
そのままぐっと広げられ、折り曲げられた脚は膝がちょうど脇のあたりに押しつけられています。

「すごい格好だね、ゆん。でも、ゆんはこういう格好させられるのが大好きだものね」
「あぁ・・・」

わたしは否定しませんでした。
彼の言うとおりだったからです。
浅ましい、とお思いになるかも知れません。
けれど、その屈辱の一つ一つがその時のわたしにとっては至福の刻だったのです。

「かずさ・・・・ふぁうっっっ・・・あっ、ああっ、あああっっ」

再び湧き起こった快感の波にわたしは翻弄されていました。
彼の唇がわたしのあの部分に口づけたかと思うと、お尻の穴のあたりから上に向かって、溢れかえりしたたり落ちるわたしのみだらな液体をすくい取るかのように彼の舌がうごめいていました。

「あっ、あっ、あああっ、だめ、おかしく・・・・なる、おかしくなっちゃぅ・・・・・・っ!」
「いいとも、おかしくなってごらん」

冷徹な言葉の後、彼の舌の動きがいっそう激しいものになりました。
何か別の生き物がそこにいるのではないか、そう思えるほど緻密かつしなやかな動きから生み出される快感にわたしはひたすらうわごとめいた嬌声をあげることしかできませんでした。

「あんっ、ああん・・・っ、やだ、やだ、そんなに、された・・・ら、あんっ、いっ・・・ちゃう、あんっ、あああっ!」

二回ほどの短い波の後、本命がやってきました。
敏感すぎるほど敏感になったクリを、彼の唇ではさまれて吸い込むようにされながら、舌先でかき回すように舐められたのです。
快感の波に飲み込まれてどこまでも落ちていく、そんな無重力感が今にも訪れる、そう実感した瞬間でした。
彼の愛撫がスイッチが切れたようにとまったのです。

「・・・・んっ、んぅ?」

高められていた欲望の疼きを突然放置されて、わたしはまたあの絶望にも似た焦燥感を味わうことになったのです。

「・・・・やだぁ・・・やめないで、お願い。何故止めるの・・・・」

わたしがそう言うと再び波が襲ってくるのです。
しかし、頂点に達するかどうか、というところで再び彼はその動きを放棄してしまうのです。
それは数回、繰りかえされました。

「おねが・・い、お願い、ちゃんと・・・イかせて、ヒドい・・・・」

そんな風にどうしようもない部分で焦らされて、はしたない懇願をせざるを得ないわたしのもうろうとした意識に、どこか含みのある微笑をたたえた彼の表情が飛び込んできました。

「続けて欲しいの?」
「はい、やめないで・・・・イかせて、ください、お願い」
「けど、こうやって焦らされるほうがすごく感じるんじゃない?」

彼のいじわるな言いように納得しつつも、ますます焦燥感を煽られている自分がいました。

「いやだ、いじわる、言わないで、お願い、イかせて、イかせてください、ゆんをイかせてください・・・・!」

まともな思考能力を放棄したかのように、わたしは夢中でそうつぶやいていました。

「しょうがない子だね、ゆんは。でも、可愛いよ、いっぱいイかせてあげようね」

福音のような彼の言葉と同時に愛撫が再開されました。

「はぅぅッ、ああ、あああ、ああああぁんっ、気持ち、いい、気持ちいいよぉ・・・・・あぁんっ」

そして、ほぼ瞬間的に、焦らされていたわたしは絶頂へと登りつめてしまったのです。
荒い呼吸音が世界を支配していました。
他には何も聞こえてきません。
時折ビクン、と身体が震えるとき、わたしの中の牝の器官がそれに同調するように激しく収縮を繰りかえすのが分かります。
それがおこる度に湧き上がる、激しい飢餓にも似た欲望の疼きをわたしはもはや押さえられそうにありませんでした。
彼の熱く、固く膨れあがった雄の器官で貫かれ、苛まれ、弄んで欲しい。
そして、彼の熱くたぎった精のしるしをわたしの牝の器官に注ぎ込んで欲しい。
そのあまりにはしたなくあさましい、ケモノじみた望みを、わたしはいつの間にか口にしていました。

「・・・はぁ・・・・・・・。かず、さぁん・・・・お願・・・い。かずさんの、かたくて、ふとくて・・・おっきくなった、おちんちん・・・・わたしの、おまんこに・・・・入れて、ください、お願い・・・」

その時のわたしは、ぞっとするほど浅ましい表情をしていたことでしょう。

「おねがぁい・・・・。もぉ、我慢出来ない、おちん、ちん、欲しいの、おねがい・・・・・」
「これが欲しいの?ゆん」

そんな冷ややかな言葉と共に、わたしの眼前にそそり立つ男性自身を、かずさんは見せびらかすかのように誇示していました。

「ぁん、それ・・・・それが、ほしい・・・・です」

並はずれて大きいとはわたしも思いませんが、はち切れんばかりに膨れあがり、そそり立つかずさんのそれは、艶やかに輝いていて、わたしの中の牝の本能を刺激するには充分すぎました。
差し出されたそれに、わたしは飢えた子供のようにむしゃぶりつきました。

「んぅ・・・・ンむっ、んはぁ・・・・んく・・・・」

かずさんに何か言う暇も与えず、かずさんの膨れあがった欲望のしるしを口の中で舐め、しゃぶっていたのです。
そんなことをそれも自分からしてしまったのはこれが初めてのことでした。
テクニックなどないに等しいわたしのフェラを、かずさんは何も言わずに受け入れてくれました。
ひたすらがむしゃらに彼の熱くかたい雄の器官をねぶり尽くそうとするわたしに、かずさんは苦笑したかも知れません。

「・・・おいしいかい?ゆん」
「んはっ・・・んっ、はひ・・・おいし・・・んんっむ」

そんなわたしのつたないフェラでも、しないよりはマシだったということなのでしょうか、さらに膨れあがり脈打っているように感じられだした頃、かずさんはわたしの行為を止めました。

「・・・もう、いいよ、ゆん。それ以上されたらゆんのお口に出してしまうよ」

お世辞だと分かっていても自分の行為をほめられて、わたしはとても嬉しくなりました。

「そんな・・・・下手くそでごめんなさい」
「下手なもんか、すごく上手だったよ、ゆん」

口元に溢れていた自分のよだれを手で拭ったわたしに、かずさんはまたあの優しいキスをしてくれました。

「そんな・・・恥ずかしい、です」
「また溢れ出しているね。そろそろこれをゆんに入れてあげようね」

淡々とした口調の彼の言葉に、わたしの牝の器官が勝手に反応していました。

「・・はい、入れて、ください。かずさんの固いので・・・・えっちなゆんにお仕置き、して・・・」

膨れあがる期待に胸がきゅっとなるのがわかりました。

「また、さっきみたいに四つん這いになってごらん」
「はい・・・」

感じすぎてフラフラの身体はのろのろとしか動いてはくれません。
力が入らず、四つん這いの姿勢を保てないわたしは、腰だけを高く捧げたような無様きわまりない姿勢でかずさんを振り返りました。

「いいよ、それで。そっちの方がエッチでゆんには合ってるね」
「やぁ・・・・ん、そんな、こと、いわないで・・・・」

不意に戻ってきた羞恥の感覚にわたしは一人身をよじりました。

「いくよ・・・ゆん」

彼の指がわたしのあそこをぐっと広げるのが分かりました。

「すごいね・・・ゆんのオマンコ、すごく溢れてる・・・」
「あぁん・・・いわないで・・・」

次の瞬間、何か熱く固いものが押し当てられました。
そして、一気にわたしの牝の器官を貫いたのです。

「んっ、あっ、あああああぁぁっ!」

どん、と何かがわたしの奥底に当たる感覚。
そして、押し当てられた部分から湧き起こるそれまでとは比較出来ないくらいの快感に、わたしは悲鳴のような甘い叫びをあげていました。

「んんぁああっ、あああ、あああっっぅ!」

同時に、求めていたものが収められた喜びに反応して、わたしのそこが何度も収縮を繰りかえすのが分かります。
肉体が絡みつく快感は、わたし自身にも感じられるものだったのです。
どん、どん、どん、奥底を突かれて湧き上がる快感のすさまじい波に、瞬時にわたしの中で何かが登りつめていきました。

「あ、あ、ダメ、いっちゃう、いっちゃうぅっ!」

その言葉を口にした瞬間、また彼のあの冷酷な仕打ちがわたしを待っていました。
奥まで突き入れず、中途半端なところで止められた彼のものを、激しく震えてわたしのそこがうごめいています。

「んーっ、やだ、やだぁっ、止めないで、止めちゃヤダッ、かずさぁん・・・っ」

今度はゆっくりと、彼の熱く固いものがわたしの中で動いていきます。
じわじわと再開された快感の翻弄に、わたしはびく、びくんと身体を震わせて、押さえつけられた高ぶりに焦らされ、焦燥感を煽られていったのです。

「あん、あん、もっと、もっと激しく、はげしくして・・・・おねがいっ・・・あああ」
「ダメだよ、ゆん。そう簡単にイかせたら、お仕置きにならないじゃないか」

冷酷な彼の宣告に、わたしは余計に高ぶりを押さえられなくなりました。

「ひどい・・・いじわるしない・・・でッ、あっ、ああっ、ああああんぅっ!」

その後も、激しい動きとゆるやかな動きをリズミカルに繰りかえされ、翻弄されたわたしの高ぶりが、勝手に爆発するまでそう時間はかかりませんでした。

「はぁぅぅぅんっ!!・・・ああんぅぅぅっ」

彼の動きと関わりなく、耐えきれなくなったわたしは一人勝手に登りつめてしまったのです。

「・・・ダメだっていってるのに、いけない子だね、ゆん。もっとお仕置きしなきゃね」

繋がったままの姿勢で、腰を抱えていた腕をわたしのひざの裏に回したかずさんは、驚いたことにわたしの身体をそのまま抱きかかえて立ち上がったのです。

「ひゃぅんっ・・・・んっ、ああんっ!」

繋がった部分に圧力を受けて、わたしの奥底にどん、とそれまでを超える強い刺激が加わりました。

「ン、やぁッ、ダメ、ダメェッ、おかしくなる、いっちゃうよぉっ、かずさ・・・ああんっ」

ずん、ずん、ずん、ずん。
抱きかかえられたまま歩くだけで、奥底まで挿入されて突き上げられる部分に鈍いかすかな痛みと、それを上回るすさまじい快感が湧き起こります。
わたしが連れて行かれたのは、最初に入った部屋にある大きな姿見の前でした。

「ほら、見てごらん、ゆん。見えるだろ、ゆんのいやらしい姿とえっちな表情が」
「いやっ、そんなのみたくない・・・」

いいながらわたしは吸い寄せられるように鏡に映る自分の姿に見とれていました。
抱きかかえられ、大きく広げられた脚の間にある、みだらな自分自身の肉の裂け目、そしてそこから溢れる液体にまみれていやらしく光る彼のものが、わたしの肉の裂け目を引き裂くようにねじ込まれていました。
そして、とろんとしたどこか焦点のあって無いような目でそれを眺めている、肌をピンク色に上気させただらしない表情のわたし。
究極にみだらな自分の姿を見せつけられて、わたしの羞恥の感覚が頂点に達した瞬間でした。

「すごい格好だね、ゆん。もっとすごいものを見せてあげようね」

もう何度もいっていることですが、あくまでも優しく淡々とした口調の彼の言葉が、とてつもなく冷酷な宣告となってわたしを揺さぶりました。

「やっ、あっ、ああっ、ああぁぁっっんんっ!」

抱きかかえている彼の腕が、ゆっくりとわたしの身体を上下に揺さぶりはじめました。
そのたびに、わたしにねじ込まれている彼のものが、わたしの液体をかき混ぜるように、ぐちゅ、にちゃ、とみだらな音を部屋いっぱいに響かせてわたしの肉の裂け目を蹂躙するのが鏡を通してわたしに飛び込んでくるのです。

「あん、ああん、あん、あんっ、あっ、ああっ、ああんっ、あああああっ!!」
「いいよ、ゆん、もっと可愛い声で鳴いて、ほら、ほら、ほらっ」
「あっ、ああっ、ああん、ダメ、ダメぇ、そん・・なにっ、され・・・あああっ!あ、ああっ」

彼の力強い抽送とすさまじい羞恥の責め苦の挟撃は、わたしの絶頂をいともたやすく呼び覚ますのです。
わたしの牝の肉が、絶頂を迎えて激しく収縮をはじめました。

「・・・おっと」

またしても、わたしは登りつめることにお預けをくらい、焦らされる悔しさに臍をかむ羽目になりました。

「・・・はっ、んっはぁ、も・・・・いかせて・・・・おねが・・・」

抗議の声も満足に出ないわたしを尻目に、彼はわたしを抱え上げたまま再び移動し始めたのです。

「どうせなら、ゆんの恥ずかしい姿を、沢山の人に見てもらおう、ね?」
「・・・・んぁっ・・・や・・・・・・・」

不安と羞恥におののくわたしに満足そうな微笑みを浮かべて、彼が連れてきた場所は最初に抱きしめられた窓辺でした。
すでに日は落ちかけていて、窓から見える海は真っ赤に染まっていました。
目に映る美しく開放的な光景と、自分の置かれた状況とのギャップにとまどっていると、やにわに彼の抽送が再開されたのです。

わたしの視界が上下にゆるやかに揺れだしました。

「ほら、ゆん。ゆんがオチンチン嵌められていく姿を、ここから他の人にも見てもらおうよ、ほらっ」

ここは最上階でしかも海に面した窓ですから、どう転んでも他の誰かに見られる心配はありません。
けれど、開放的な外の風景がまともに視界に入る今の状況が、わたしの羞恥を激しく煽り、高ぶらせていったのです。

「そんな、やっ、・・・あん、あん、いやっ・・・ああんっ!」

ときに激しく、ときにゆるやかに、リズミカルな彼の抽送に翻弄されて、いとも簡単にわたしの官能は臨界点まで高められてしまいました。

「ダメ、もぉ・・・ダメなの、イッちゃう、イッちゃうよぉ・・かずさ・・・ン、ああぁっ!」
「イッていいよ、ゆん、思いっきりイってその恥ずかしい姿を、外の人に見られちゃえ、ゆん!」

かずさんの言葉にこれまで以上に羞恥を煽られたわたしは、あのケモノじみた絶叫に混じって、またしても信じられないような自分の言葉に酔うように絶頂へ登りつめてしまったのです。

「はぁああん、ああ、あああ、見て、見てぇっ、ゆんのオマンコ、イッちゃうのぉッ!あああっ!」

なかば気を失うように達してしまったわたしを、かずさんはそっと引き抜くと、またベッドまで運んでくれました。
もう、何がなんだか分からなくなっていました。
焦らしに焦らして高ぶるだけ高ぶらせて、イかされてしまう彼の濃厚なセックスに、わたしはどっぷりと漬かってしまっていたのです。
何度イかされたのか分からないくらいイかされても、かずさんの濃厚な淫獄は、わたしの官能をどこまでも縛り続けているように思えました。

「気持ちいいかい?ゆん」
「・・・ン、ぁ・・・かず・・さん」

息も絶え絶えのわたしはその時満足に受け答えすることすら出来ませんでした。
あれだけわたしが繰り返し繰り返し何度も達したのに、彼はまだ一度も達していないのです。
彼の淫獄は、まだまだ終わりではないはず。

「イきすぎて声も出ないみたいだね、ゆん。でも、まだ続くんだよ、ゆん」

まだ続くっていうの?恐怖と焦燥と、それを覆すような期待と熱望。
わたしは彼の淫獄の虜囚だったのです。
そして、その宣言を聞いたときから、わたしがなすべきことは決まっていました。

わたしはけだるい手足をのろのろと動かすと、両膝の裏を抱えるように抱きかかえました。
みだらな虜囚のわたしが取るべき姿は、とどのつまりこれしかあり得ないのです。
じんじんと痺れたようになっているわたしのあそこは、何もせずとも開ききって、みだらな液体をひたすらに溢れ、垂れさせていました。

「・・・・かず、さん・・・・・きて・・・淫乱な、ゆんを、犯し尽くして、ください、おねが、い・・・」

絞り出すようなわたしの懇願を、かずさんは何も言わず見ていました。
今のわたしの言い方では、まだ熱意が足りないのです。

「おねがい・・・します、かずさん、の、おっきくて、太くて、固いオチンチンで・・・・淫乱なゆんの、淫乱なオマンコ・・・を犯し・・尽くして、かず・・さんの、熱い・・・精液を、わたしの・・・・子宮のなかに・・・いっぱい、いっぱい出して・・・ください、お願い、お願い・・・・ッ」

自然と頬が紅潮して、自分の瞳が欲情に潤むのが分かります。
しばらく黙っていた彼が、ようやく口を開いてくれました。

「・・・・よく、言えたね、ゆん。とてもいい子だよ、君は。すごくステキだ、僕はずっと君のような女の子を捜していたのかも知れないね・・・・。よし、君の望むように君を犯し尽くして、僕の熱いほとばしりを君の中にたっぷり注いであげるよ」

クールな表情でささやかれる、呪文の詠唱のような彼の言葉。
わたしも、彼の言うようにこの瞬間をずっと待っていたのかも知れません。

「・・かずさん、来て、おねが・・・あんっ!」

わたしの身体に覆い被さるのと同時に、彼のとても固いものが、潤みきったわたしの肉の裂け目に侵入してきました。
ゆっくりと、押し込まれたそれは、わたしの絡みつく肉を味わうかのように、じわじわと奥へ進んでくるのです。

「かずさん・・・・固くて・・・・熱・・・い」
「あぁ・・とても、気持ちいいよ、ゆんのおまんこ・・・」

一番奥にたどり着いたとき、ずんっ、と走った鈍い衝撃を受けて、それまで何度も貫かれているはずなのに、わたしは今日初めて彼と一つに繋がった、そういう実感を味わったのです。

「あぁ・・・・ン、きもちい・・・い」
「あぁ、すごいよ・・・・ゆん。びくんびくんって、僕のものを締め付けてる・・・」

いいながら、かずさんはそっとわたしにキスをしてくれました。
わたしも、それを待っていたかのように、差し込まれたかずさんの舌に自分の舌を絡め、まさぐりあったのです。

「ん・・・・っむ」

そして、ゆったりと彼がわたしの中で動き始めました。
わたしの折り曲げられていた脚をかずさんは自分の両肩に担ぐようにしました。
折り曲げられた腰が、かずさんの腰と深く密着して、かずさんの分身がわたしの奥深い部分まで挿入されていきます。

「ふぁあ、あ、ああんっ、あん、あん、あんっ」

ゆったりとしたリズムで、奥底をえぐり込むように、かずさんのものが抽送されていきます。
そして、そのリズムに合わすようにわたしは甘い鳴き声を漏らしてしまうのでした。

「気持ちいい?ゆん・・・」
「はい・・・っ、あ、あぁ、ああん、ああん、ああっぅ」

のの字を書くって言うんでしょうか、クルクルとかき回すような抽送の後、かずさんはわたしの脚を肩から外すと、もう一度、軽いキスをして、わたしの身体を抱きしめたかと思うと、くるりと回ってお互いの位置を入れ替えました。

「んっ・・・・んっ」
「ゆんの好きなように、うごいてごらん」

わたしがかずさんの上になる、騎乗位の格好になったのです。

「は・・・い」

自分の体重でさっきと同じくらい深くねじ込まれたかずさんのものの気持ちよさに身を震わせつつ、わたしはゆっくりと腰を揺すっていきました。

「あ・・・・ン、んっ、んっ、んんっ・・・」

実のところ、わたしがこの体位を経験するのはこれが初めてのことでした。
最初のうちはぎこちない自分の動きに気を取られてイマイチ集中出来なかったのですが、慣れてくると、自分の思うように突かれるような感覚をコントロールできることが、これほどすばらしいこととは思いませんでした。

「くぅ・・・・んっ、あん、ああぁ、ああん、ああん、あっ」

より深く、より強く、自分の思いのままに、かずさんの分身を味わうことができるのです。

「あん・・・きもちい、い、ですか・・・・?んんっ」

かずさんを見下ろすように腰を揺すっていると、まるで逆に男の人を犯しているような錯覚に捕らわれて、どこか倒錯したような気持ちが湧き上がってきます。

「きもちいいよ・・・ゆん。でも、こう言うのは、どうだい?」

わたしの心中を見透かしたように、かずさんは荒い息づかいを隠さず、逆にわたしに反撃を加えてきました。
づん、づんっ!わたし自身が深く押し込んだ、と思った所から、さらにかずさんが下から腰を突き上げてきたのです。

「んんっ、あんっ!・・・そんなのっ・・・ずる・・・あああっ!」

一瞬手に入ったかのように思えた主導権は、結局かずさんの手元に戻ってしまったのです。
わたしの腰を両手で抱えるようにしたかずさんに、下から逆に突き上げられて、わたしは大きく上半身をのけぞらせました。

「あぁっ、ああっ、あん!あん!ダメ、やだ、ああんっ!だめっ」

みだらな鳴き声をかずさんにあげさせられて、わたしは彼にかなわないことを思い知らされたのです。
不意に、わたしの下のかずさんが上半身を起こしました。
もちろん繋がったままです。
気持ちよさに脱力してこらえきれなくなったわたしが、かずさんの首に腕を巻き付けて抱きつくようにすると、かずさんはわたしのひざの裏から手をまわして、わたしの腰を抱き上げました。

「あぁん・・・かずさ・・・ん、あっ、ああっ、ああああ」

そのまま軽く持ち上げるようにわたしの身体を上下に揺すりだしたのです。

「気持ちいいだろ?ゆん」

目の前にかずさんが少し切なそうな、それでいて誇らしげな表情で微笑んでいました。

「あんっ・・・は、い、あっ、気持ち、んっ、いいっ、ああ、あああんっ!」

快感にいななくわたしの唇をふさぐようにかずさんが唇を重ねてきました。

「ふぅん・・・・っむ、んっ、んんっ、んんん・・・」

息苦しくなって、かずさんの背中にまわした手に自然と力が入ります。
そのままパタンと押し倒されて、自然と最初の体勢と似た形に戻りました。

「んはっ・・・、あ、あ、ああ、あああっ」
「・・・・犯し尽くしてって言ったね、ゆん。望み通り、ゆんをめちゃめちゃにしちゃうよ、いいね」
「あんっ、あ、・・・・して、めちゃめちゃに・・・あああぁぁぁんっぅぅぅ!」

そう宣言した彼は、わたしの足首を掴むと、何かに捧げるかのようにわたしの脚をVの字に広げ持ちました。
そして、そのまま狂ったようにわたしの身体を突き上げました。

「ほら、ほら、いくよ、いくよ、ゆん、ゆんっ」
「あ、ああ、ああんっ、あん、あぁんっ、あん、ダメ、あん、ああ、ン、あん、ああっ」

やがて彼は足首から手を滑らせてひざの裏に手をかけたかと思うと、そのままわたしの脚を折り曲げるようにしました。
またしてもあの屈辱のポーズ。
そして変わらぬ勢いでわたしの牝の器官を破壊せんばかりに突き続けるのです。

「ほら、ほら!ほらっ!」
「んンーッ!や、や、やっ、あ、んっ、ああん、ああああっ、すごい、すごいよぉ・・・・あああああ」

暴れ回る彼の分身に身体の中をひたすらかき回される鈍い痛みと、それを超える痺れるような快感。
気付いたときわたしの身体はさらに体勢を変えられて横倒しにされていました。
もちろん、惨めな開脚の状態はそのままです。
やや浅い角度で突き上げられながら、彼の指先がわたしのクリに伸びていました。

「あん、あん、あ、あ、くぅんっ!や、だ、だめっ、そこだめぇ・・・・・・・っ、イッちゃう、イッちゃうよぉ・・・・っ!!!」

粘液にぬめった指先で、腫れあがったクリをつまみ上げられて、わたしは悲鳴とも絶叫ともつかぬ声をあげていました。
びくびくん、と身体が揺れました。
かずさんの猛攻にこらえきれず、わたしは自分の言葉通りイってしまったのです。

「もっともっとイかせてあげるからね、ゆん」

のけぞり身を震わせるわたしに構わずに、かずさんはさらにわたしの体勢を変えました。
横向きの姿勢から四つん這いに無理矢理持っていくと、イってしまったわたしをさらに突き上げるのです。

「はぅッ、んんっ、はぅぅぅぅんっ、ああ、あ、んはぁ・・・・・・・!!」

もうろうとして声にならない声をあげるわたしは、かずさんに腰をつかまれて引き上げられ、腰だけを突き出した格好で背後から肉の裂け目をかずさんの暴れ回る分身でかき回され、えぐられ、みだらな汁を掻き出されるのです。

「ンあっ、んぁっ、んんぁっ、はん、はぁン、も・・・・ダメ、あん、やぁ、あ、あ、あ、あ、ああ!!」

全身がおこりのように震え、じんじんと痺れたような感覚がわたしを支配していました。

頭の中に響くわたしの息づかいが大きくなったり小さくなったりしていました。
ひたすらに身体を揺すられる奇妙な浮遊感。
もうどうしようもない限界がわたしを待っていました。

「あ、あ、あ、あ、あ、だめ・・・、だめぇ、もぉ・・・・おね、が・・・いっ、きて・・・来て・・・・ッ!!」

ケモノのような叫び声を誰かが遠くの方で叫んでいました。

「いくよ・・・・っ、ゆん、いくよ、いくよ、中に・・・・ゆんの中に、出すよ・・・・・ッ!」

かずさんの声が、張り裂けんばかりに聞こえた瞬間、おなかの下の方を中心に、熱い何かが爆発しました。

「あぁぁぁぁぁんんっっっ、ああああぁぁぁっっっぅ!!!」

真っ白な光が脳を直撃したような感覚の後、わたしの意識は闇の中に溶けていったのです。
気がついたとき、わたしの中で、熱く固い塊がびくっ、びくん、と震えながら、もっと熱い何かを吐き出していました。

「・・・んん・・・っ、はぁぁ・・・・・・・っ」

その熱い何か、を身体の奥底で受け止めている実感に、何故か心が震えました。
痺れたようになっている身体は、深い脱力感に包まれていて、指一本動かせそうにありませんでした。
すっ・・・とわたしを蹂躙していた熱く固い塊が引き抜かれました。

「んっ・・・・」

惚けたようになってぐったりとしてるわたしを逞しい腕がそっと抱きしめて、身体を包むようにしてくれました。

「大丈夫かい?ゆん」

ささやきながら、わたしの額、鼻先、そして唇への軽いキス。
髪の毛を撫でつけるようにしてくれる優しい手つきがとてもくすぐったく感じます。

「・・・・ぅん、大丈夫・・・・です、ふはぁ・・・・」

かずさんの、優しい微笑みが、そこにありました。
微笑んで、もう一度キスをしたあと、わたしをさらに強く抱きしめて、そっと胸に押しつけるように抱いてくれたのです。
わたしは、彼の心臓の音を聞きながら、いつの間にか、完全に眠りに落ちていました。

どれくらい時間が経っていたのかはわたしもよく覚えていません。
目が覚めたとき、ベッドに寝ていたのはわたしひとりでした。

「えっ・・・・」

もそもそと上半身を起こしたとき、隣の部屋からかずさんが現れました。
バスタオルで身体を拭きながら、わたしのそばに歩み寄ってきた彼は、あのいつもの優しい微笑みを浮かべていました。

「おはよう。お目覚めの御気分はいかがかな?」

冗談めかした口調の彼に、何故かわたしは赤面していました。

「シャワーを浴びといで。汗をいっぱいかいて気持ちが悪いだろう?」
「あ、はい、そうします」

かずさんのわたしてくれたバズローブを羽織ると、けだるさの残っている脚を引きずるようにして浴室に足を運びました。
シャワーを浴びながら、まだ痺れたような感覚に包まれているあそこに触れると、ぬめった情事の残滓がまだ残っていました。

「・・・・んっ」

意を決して指を差し入れると、かずさんの放った熱いしるしがたっぷりと指に絡みつきます。

それを見た瞬間、湧き起こった寂しさにも似た感覚に身を震わせながら、ぬるくしたシャワーでそれを洗い流しました。
それを終えて、お湯の張られたゆったりとした浴槽につかると、わたしは目をそっと閉じました。

シャワーを浴び終わって外に出ると、かずさんは服を着て煙草をくゆらせながらソファでコーヒーを飲んでいました。

「・・・これ、デザインが君の好みに合うかどうか分からないけど、よかったら着てみて」

わたしのバッグのそばに、小さな紙袋が一つ。
中を開けてみるとブラとショーツが一セット入っていました。

「ホテルのショップにはそれしかなくてね。サイズ、おおよそだから合うといいんだけど」

照れくさそうに言うかずさんにわたしはくすっと笑いました。
わたしがシャワーを浴びている間にそんなものを買いに行っていたなんて。
顔を真っ赤にして下着を選んでいるかずさんを想像してつい笑ってしまったのです。

「ありがとうございます。気を使ってもらって」

彼の選んだ下着は派手すぎず、それでいてゴージャス。
素材も良いものを使っているのが一目で分かって、きっと高かったに違いありません。

服に着替えて、メイク直しと髪をセットしたわたしが化粧室を出ると、かずさんは一人、窓辺に立って外を眺めていました。
すでに闇が外を支配していて、薄暗い中にかすかな明かりに反射した波間が見えるだけです。

「お待たせしました」

そばに寄ったわたしをかずさんはそっと腰で抱いてくれました。

「ステキだったよ、ゆん」
「はい・・・かずさんこそ」

わたしたちは正面から抱きしめ合って深いキスをしました。

「・・・・。送るよ、ゆん」

何故か、とまどったような表情のかずさんは、すぐに表情を変えてわたしにそういったのでした。

来たとき同様、かずさんの車に同乗したわたしは、自分の最寄りの駅まで送ってもらうことになりました。
小一時間程の、軽いドライブ。
わたしたちはほんとの恋人のように、その楽しい時間を過ごしたのです。

駅前のロータリーで、わたしはかずさんの車を降りました。
もう結構遅い時間だったので、あたりには客待ちのタクシーが数台と路上でギターを弾いている数人の男性くらいしか居ませんでした。

「今日は、あの・・・ほんとにありがとうございました。とても、楽しかったです」
「いいんだ。僕も、今日はとても楽しかった。ありがとう」

頭を下げるわたしに、車のドアにもたれかかるように腰掛けているかずさんはあのいつもの微笑みでまぶしそうにわたしを見ていました。

「あの・・・次は、いつ会えますか?」

一瞬の間のあと、意を決して発したわたしの言葉に、かずさんは何故か、あのホテルのときと同じ、とまどった表情を見せて、そしてわたしにこう言ったのです。

「・・・次は、ないよ。言ったろ、これはゲームなんだって。忘れなさい、僕のことは」
「だって・・・そんな」

わたしは思わず胸の前でバッグを握りしめていました。

「君にはきちんとした彼氏もいるんだ。僕みたいな男のことは今日限りで忘れなさい。君みたいな女の子は、僕なんかと付き合っちゃ、いけない」

突き放したような口調でそう言うかずさんに、わたしがなおも食い下がろうとしたときでした。

「いいね。忘れるんだ。あの電話番号も忘れて。君はとてもステキな女の子だったよ」

それだけ言い放つと、かずさんはわたしの頬にそっと手を触れました。
優しく顎を持ち上げて、そして、最後の優しいキス。

一瞬のことに気をのまれて立ちつくしていたわたしが気付いたとき、かずさんは車の運転席に乗り込んでいました。
そして、静かに走り去った彼の車のテールランプに見とれていたわたしの視界はいつの間にかぼやけ、滲んでいたのです。
それでも、わたしは、いつまでも彼の走り去った方向を見つめていました。

その後、わたしは彼氏と無事続いています。
あの日のことは、決して言うわけにはいきませんけど。
あれから、かずさんと会うことは二度とありませんでした。
それでも時折、あの日のことを思い出すたび、わたしはパソコンを立ち上げ、どこか適当な2ショットチャットに入ります。
そして、かずさんが入ってこないだろうか、そう思いながら待っているのです。

終わり。