慰謝料と毎月の養育費の支払いに追われる私には自由になる金も少なく、現在、彼女が以前から住んでいた2LDKのマンションで慎ましく暮らしています。
若い女との純愛を全うしたと言えば聞こえはいいのですが、実のところ泥沼の愛憎劇ですっかり消耗し、友人からも「三十代後半とは思えない老成ぶりだな」と揶揄される昨今です。
そんなある日、寝物語で知ったのですが、私の愛人だった時期、彼女には他に男・・・しかも複数の男がいたそうです。
「だってあなた、週の半分は向こうに帰ってたじゃない。寂しかったし、今頃きっと奥さんとしてるんだって思うと悔しくて・・・」
確かに、当時の彼女はモテました。
目鼻立ちのはっきりした化粧映えのする顔立ち。
ヒップよりバストのほうが大きい日本人離れしたグラマラスボディ。
男たちの間では「結婚とか付き合うんじゃなく一発やりたい女」と評されていました。
そんな彼女に水を向けられた男たちは、一も二もなく誘いに乗ったことでしょう。
相手には事欠かなかったはずです。
「あなたがいない日は誰かれ構わず『遊びに連れてって』と声をかけたわ。『何か悩んでるなら相談に乗るよ』とか殊勝な顔をしながら、男なんて心のうちで考えていることはみんな同じね。送ってきてくれて『ちょっと寄ってって』って言えば本性をむき出しにして・・・」
「ちょ・・・ちょっと待ってくれ。じゃあ、つまりこのベッドで?」
彼女は独身時代から、大きなダブルベッドを使っていました。
「そうよ。ここでいろんな人たちと・・・」
話がにわかに現実味を帯び、私は股間に力がみなぎるのを感じました。