つまり、私との関係を暴力で強制的にどうするとかいうこと、聞かないとひどい仕打ちをするとかいう、世間で言うところのDV系の人格ではないのです。
私自身も他人に強く出られると断れないようなタイプではなく、むしろ強気な女なのではないかと思っています。
ここで困ったのは、義弟が意識したにせよ、しなかったにせよ、とっても女の扱いに長けた人であるということなんです。
次の日の夜十時過ぎ、うちの駐車場に車が入ってきました。
(来た。)
私は気持ちを引き締めました。
自分の家庭を守るために、私のがんばりどころです。
今ならまだ『間違い』で済まされると思っていましたから。
玄関のチャイムが鳴ります。
モニターに義弟の姿が映ります。
「はい」
「こんばんは。来ちゃったよ」
義弟は笑顔で言います。
「ごめん。もう会えない。やっぱり、こんなことはいけないよ。もう来ないで」
その日、朝から頭の中で何度も練習し反復した言葉を一気に告げました。
義弟は戸惑った後、「ちょっとだけでも会いたい」と言いました。
でも、私はモニターの電源を切り、今まで点けていた玄関の照明を消しました。
頭の中で「お願い!帰って!」と叫び続けてました。
しばらくして玄関のモニターをつけるともう誰もいませんでした。
ちょっとホッとしましたが、まだ駐車場からエンジン音が聞こえます。
車には乗ったような音が聞こえました。
そのとき電話が鳴りました。
義弟だなと思いましたが、もしかしたら夫かもしれないと思い受話器を取りました。
義弟でした。
切らなくちゃと思いましたが、さっきの仕打ちがあまりにも酷すぎたかなと反省もしてましたので、言葉ではっきり言おうと思い、話し始めました。
警戒していた私が意外だったのは義弟の最初の言葉は「ごめん」だったということでした。
ちょっとびっくりしました。
「姉さんを困らせてしまって・・・」などと、ひたすら謝ります。
「会いたい」とか「開けてくれ」とかの言葉を覚悟して、心を堅くしていた私はなんだか肩すかしを喰らってしまいました。
下手に出られるといつものお姉さんモードにかえってしまい、私はこの三日間のことを「まちがい」であり「二人だけの秘密」にして終わりましょうといろいろと話し続けました。
「お酒って怖いよね」ということで終わらせようとしたんだけど、それまで聞き役だった義弟はそのあたりから逆に話し始めました。
決して私の言葉に反論するのではなく「あのときは本当に舞い上がっていた」と前置きしてから、どうやって私の部屋に忍び込んだのかとか、最初に布団の中に手を差し入れて胸を触ったとき私が体をわずかに反応させて漏らした声が色っぽくて夢中になってしまったとか・・・淡々とあの晩のことを語り出したのです。
反省っぽい語り口に何となく切るタイミングを失って聞き続けていると、いつのまにかあの日の感覚が蘇ってきます。
「姉さんの中に入ったときにあたたかく包んでくれた・・」とか、「グイグイ突きあげて・・・最初にイッたときの姉さんの声色っぽかった」とか・・・ダメダメと思いながらも、いかされた時の感覚が体の芯を走ります。
もういいのに・・・と思っても、義弟はひたすら話します。
10分も経ったでしょうか。
「あぁ・・思い出すと、こんなに大きくなってる」
彼の言葉に逞しかった彼のモノを思わず体の感覚で思い出してしまいました。
体が熱くなっています。
知らない間に膝頭をこすりあわせていました。
彼に早く帰ってもらおうと部屋の明かりを薄暗くしてしまったのもこうなるとマイナスでした。
暗いリビングでソファーに腰掛けながら心ならずも昨日まで体を絡め合った男の声を聞く。
仕掛けられる・・・。
いけないと思う気持ちとは裏腹にどんどん体が高まってきます。
「ごめん、ちょっと自分でさわるよ」と言った後、「はぁ~」と彼のため息が。
昨日まで耳元で聞かされた声です。
それを聞きながら私は何度もいかされたのです。
腰が自然に動きます。
まるでもうセックスが始まってる感じです。
突然「姉さん、感じてる?」聞かれた私は、反射的に拒否の言葉を言いました。
でも「だめぇ~」という言葉が上滑りして、自分が今まで言った中で一番色っぽい言葉なんじゃないだろうかと思うほど、情感たっぷりの声になってしまいました。
それを聞いた彼は「姉さん。自分でさわってみて」はっきり仕掛けてきました。
舞い上がった私はまるで催眠術のようにスカートの上から前をさわりました。
すごい快感です。
思わず声が出ました。
「ほら、良くなってきた。ほら、体が欲しがってるだろ?楽にさせてあげようよ」
「直にさわってみて」の言葉に下着の中に手を入れました。
すごい状態です。
夫が行って以来、オナニーにふけっていた私は、ここから先はもういつものコースでした。
それどころか、耳元で男の声を聞きながらのオナニーとなりいつも以上の高まりようでした。
声も出ました。
ちょうど8割方上り詰めて、あと少しというところで電話口の彼が「姉さん。会いたい。抱きたい」と言いました。
私の理性ははっきりと『いけないのよ』と思っていました。
でも、口をついて出た言葉は「あぁ、欲しい。・・・入れて欲しい」でした。
すぐに玄関のチャイムが鳴ります。
私は玄関まで走っていき、鍵を開けました。
強引に抱きしめられました。
キスをされ、あそこに指をねじ入れられました。
ヒザの力が抜けて立ってられませんでした。
彼は小柄な私を抱え上げるとリビングまで連れてきてソファーに投げ出しました。
そして、ズボンを脱ぐと私の下着をはぎ取り一気に突き立ててきました。
昨日以上に大きく感じられ、体中が征服されたようでした。
服を着たままリビングのソファーで犯されるというシチュエーションにもドキドキしました。
いけないのにと思えば思うほど高まりました。
結局その晩も義弟はうちに泊まって、ほとんど一晩中犯されました。
いや、私的には愛し合いました・・・と思いたいのですが・・。
朝、彼の朝食を用意して、出勤していく彼を玄関に見送ると出がけに抱きしめられてキスをされました。
とんでもないことなのに、もう違和感はなくなってました。
でも、昼を過ぎて正気に返るとドッと罪悪感が・・・。
そんなことを感じながらもその晩、彼が来たときは素直にドアの鍵を開ける私がいました。