これからお話するのは、何とも言えず奇妙なお話です。
いつの間にか人生の迷路に入り込んでしまった私たちの恥ずかしい話を聞いてください。

私と妻は結婚して5年になります。
私が31歳、妻は27歳ですが、大恋愛の末に結ばれて、幸せな毎日を過ごしていました。
私たちの唯一の悩みは子供ができないことだったのですが、結婚後3年目くらいまでは、「やり過ぎかな」などと言って笑い飛ばしていました。

でも、5年に入って、二人ともだんだんと心配になり、不妊治療の産婦人科に通うことになりました。
妻の友人に、同じように不妊で悩んでいた人がいて、その人に口コミで紹介してもらった病院に行きました。

その人も最後には妊娠したのですが、あまり詳しいことは教えてくれなかったそうです。
その病院は横浜市内にあって、病院というより、ひっそりとした一軒家でした。
私たちのように口コミの客が中心で、大きな宣伝はしていません。

初めて、診察を受けに行ったとき、出てきたお医者さんは、30代後半の色白の紳士で、この人なら信頼できるという感じでした。
ショックだったのは、いきなり妻が内診されたことと、私がオナニーで精液を採取するように言われたことです。

男子トイレで私がオナニーをしている間に、妻が内診を受けているかと思うと、とても辛かったのを覚えています。
もっとも、その後の私の苦しみに比べれば、全然、大したことはありませんでしたが。

数日して、検査結果を伝えたいう医師(X医師とでもしましょうか)に呼び出されて、二人で病院に行きました。
X医師は険しい顔をしながら、こう言いました。

「あなたがたご夫婦は非常に難しいケースです。まず、ご主人の精液中の精子の数が非常に少ない。また、奥様は生まれつき妊娠しにくい体質をされている。このままでは、赤ちゃんを授かるのは難しいかも知れない」

私たちはショックのあまり、その後の専門的な説明にはほとんど頭が回りませんでした。

X医師は、説明が一区切りついた後、「どうしても赤ちゃんが欲しいですか」と尋ねました。

私と妻はしばらく顔を見合わせましたが、どちらからともなく「はい」と答えていました。

X医師は、もし、そうならご主人の精液は使えないので、ドナーの精液を使うしかないと言いました。
何人かの見知らぬドナーから提供された精液を混ぜ、本当の父親が誰かは分からないようにしたうえで、妻に人工授精をするというのです。
私は、妻の体内に見知らぬ男性の精液が入るというだけで耐えられない気持ちでした。

妻も悩んだようですが、私が強くならなければならないと思い、私の方から「やってみよう」と言いました。
たとえ、父親は私でなくても、妻の子であることには違いないのですから。

そこまで悩んで始めた人工授精も、上手く行きませんでした。
何回か失敗した後、X医師は私たちを呼んでこう言いました。

「奥様にも、妊娠しにくい体質という問題がある。人工授精というやり方では難しい。そもそも精液をビーカーで混ぜたりするので、フレッシュでなくなるので、奥様が妊娠しやすかったとしても上手くいかないケースが多い」

「では、どうしたらよいのでしょうか」
「言い難いのですが。道は二つしかありません。一つは諦める。もう一つは・・・。ドナーから、直接フレッシュな精液の提供を受けることです」

直接、提供を受ける?

「つまり、優秀な精液を出せるドナーの方と、直接、セックスすることです」

私たち夫婦はハンマーで殴られたようなショックを受けました。
X医師は「大切な問題ですから、お二人でよく考えなさい」と言って私たちを帰しました。

その夜は、二人で手を取り合って泣きました。
妻は「もう、諦めます」と言います。
でも、妻がひと一倍子供を欲しがっていることを知っている私は、諦めさせることが出来ません。
そして、私は言ってしまったのです。

「一度だけ試してみよう。それで妊娠すればそれでよし。だめだったら、そのとき考えよう。一度試してみて、ふたりとも辛かったら、もうやめよう」

妻は、「ごめんね、ごめんね」と言いながら頷きました。
悪いのは、精子の薄いわたしなのに。

何日かして、お互いの気持ちを確かめった私たちは、X医師に電話をし、身を切られる思いで「一度だけ試してみたい」と言いました。
妻は最後まで躊躇っていましたが、私が一生懸命励ましました。

X医師は、「本当に良いのですね」と念を押した後、「それでは良いドナーの方を探してあげましょう」と言ってくれました。

一週間ほどして、X医師から連絡があり、夫婦で病院に来て欲しいと言われました。

「明日、ご紹介します。気持ちに揺れはありませんね」と聞かれたので、もう、すっかり覚悟を決めた私たちは、「はい」と答えました。

すると、X医師は説明したいことがあると言って、話しだしました。

「明日、ご紹介する方は、40歳で独身の人で、事業で成功している人です。独身であること、お金に余裕のあることは後でトラブルにならないために大事です。血液型はご主人と同じです。学歴も申し分なく、どこから見ても健康な方です。ルックスは、明日、ご夫婦で確認してください。でも、必ず満足される筈です」

そこまで言った後、X医師は妻の方を向いて言いました。

「もうひとつ大事なことがあります。じつは、明日は、どうしても奥様に頑張って欲しいことがあるのです」

頑張る?

「それは、言い難いことなのですが」

X医師は妻の目を覗き込みます。

「奥様には、是非、アクメを感じて欲しいのです」

アクメ?

「絶頂感。オルガスムスです」

私はショックを受けました。
私は、受精だけが目的のセックスなのだから、服を全て脱ぐ必要もないし、目隠しをしたり、カーテンで仕切ったりして顔を合わせないようにすれば良いと思っていたのです。

妻を見ると、真っ赤になって俯いています。

なぜですか?

「それは、女性がアクメに達すると、子宮が収縮してポンプのように精液を子宮の中に吸い上げるからです。これが自然の仕組みなのです。奥様は妊娠しにくい体質ですから、どうしても頑張ってアクメに達して欲しいのです」

私はめまいがしました。
それに、頑張ると言っても・・・。

「大丈夫です。明日、ご紹介する男性に全て任せれば上手く行きます。それだけのテクニックを持った方です。あとはリラックスすることですね」

テクニックという言葉を聞いて、私はぞっとしましたが、どうしようもありません。

最後にX医師は・・・。

「ご主人は心配でしょうから、最後まで奥様と一緒にいてあげてください」

妻は「あなた、お願いね」と消え入るような声で言います。

「それでは、明日の夜7時に横浜のABCホテルのロビーでお待ちしています」

X医師は、横浜でも最上級のホテルを待ち合わせ場所に指定したのでした。

翌日は土曜日でしたが、私は、妻のキスで目を覚ましました。

「あなた、本当にいいの。私、よく分からないけど、怖いの」
「大丈夫だよ。僕が最後まで一緒にいるから」

私たちは、朝から激しく交わってしまいました。

本当のことを言うと、これから妻が見知らぬ他人に抱かれるということ、そしてそれをこの目で見るということが、私を不思議な興奮に導いていたことは間違いありません。
この不思議な気持ちが、この後、私に地獄の苦しみを与えるのですが。
私たちは、朝の営みですっかり疲れてしまい、そのまま重なり合うように眠りました。

そして、ふと気づくと夕方の4時になっています。

妻は、よろよろとベッドから降りると、入念にシャワーを浴びました。
そして、見知らぬ男に抱かれるための身繕いを始めたのでした。

初めて会う男に抱かれる夜のために妻が選んだのは、薄い水色のスーツでした。
白いブラウスを着て濃紺のネッカチーフを首に巻いた姿は、あくまで清楚です。

妻の身長は160センチを少し越えたくらいですが、一見、華奢に見えるものの、フィットネスで鍛えているので、腰回りも締まっており、胸もにもそれなりのボリュームがあります。

手足はすらりと伸びていて、長い髪には緩いウェーブがかかっています。
私が車を運転してABCホテルへ向かう途中、私たちは押し黙ったままでした。
気のせいか、妻の顔は青ざめて見えました。
ホテルには約束の時間より15分ほど早く着いたのですが、X医師はすでに待っていました。

「こんばんは。もうすぐ彼は来るはずです。奥様は、気分はどうですか」

X医師が尋ねても、妻は黙って頷くばかりです。

「今夜はリラックスして、大いに楽しむくらいの気持ちでいてくださいね」

それを聞いて、私の中にはどす黒い不思議な興奮が渦巻いてきました。

今夜がどんな夜になるのか、妻が見知らぬ男に抱かれて、どんな反応をするのか。
そして、その様子を見て、私はどんな気持ちになるのか。
抑えようと思っても、私の股間のものは大きくなっていたのです。
そして、ついに彼はやってきました。

「初めまして」

にこやかに挨拶をしてきた彼は、明るい紺のジャケットを着ていて、私よりも少し背が高く、予想していた以上の好印象でした。
ビジネスで成功している人だということでしたが、よく日焼けしていて、40歳にふさわしい落ち着きと、健康なスポーツマンの両面を兼ね備えた人のようでした。
その明るい雰囲気に、妻の緊張も少し解けたようです。

まず、私たちは、X医師も一緒に4人で食事をしました。
ホテルの最上階にある和食のレストランで、めったに口にすることのない高級な懐石料理を食べたのですが、妻はあまり箸をつけていませんでした。
X医師と男性は、世間話をして、妻をリラックスさせようとしていたようです。

私も平静を装って、時々、口を挟みましたが、何をしゃべったか、よく覚えていません。

男性は、「本名を言う必要はありませんが、名前が無いと言うのも困るので、何か名乗りませんか。私はKということにしましょう」と言いました。

私は、とっさに適当な名前を言いましたが、妻は不意をつかれたのか、蚊の鳴くような声で「ゆかりです・・・」と、本名を名乗りました。

そして、いよいよ食事も終わりを告げました。
私たち男性三人は白ワインを飲んで、少し赤くなりましたが、妻は、お茶を飲んだだけでした。

X医師は、「それでは、私はこれで失礼します。最後に二つだけ、奥様に申し上げましょう。実は、この話があってから、Kさんの精液をチェックしましたが、精子の量は申し分ありうません」

そして、私たちを笑わせようとしたのか、「いわゆる濃いやつですよ、ははは」と言いましたが、私たちは何と言っていいか分かりませんでした。

「もうひとつ。今夜は全てをKさんのリードに任せること。Kさんにも無茶なことはしないように言ってあります。だから、Kさんの言う通りにしてください」

そう言って、X医師は去って行きました。

Kは、X医師を見送ったあと、「もう、この一つ下の階のスイートルームにチェックインしてあります。今からご案内しましょう」と言いました。

その部屋は、びっくりするほど広く、横浜の夜景が一望に見渡せる素晴らしい部屋でした。

私と妻は、窓のそばに立って、夜景にしばらく見惚れてしまいました。
Kは、部屋のホームバーの冷蔵庫からシャンパンを出して栓を抜きます。
その音で、私たちが振り返ると、Kはシャンパンを三つのグラスに満たして「乾杯しましょう」と言いました。

そして、妻の方を向くと、「あなたのような素晴らしい方のお役に立てるのは、私も本当に幸せです。X医師から話を聞いてから、ずっと禁欲してきましたが、今日、それをすべてあなたに捧げます」と言って、にこりとしました。

妻も、思わず「はい」と答えて、美しい口元に、少しばかりの笑みを浮かべました。

シャンペンで形ばかりの乾杯が終わると、Kは「そろそろ始めましょうか」と言いました。
私は、思わず生唾を飲み込んでしまいましたが、妻はもう覚悟を決めたかのように「はい」と答えます。

「それでは、まず、あなたから・・・ゆかりさんから、シャワーを浴びてきてください」

妻は、私の方を見ます。

「今日は、Kさんの言う通りにする約束だから」と私が言うと、妻は「分かりました」。

まず、スーツの上着を脱いで、クローゼットに仕舞い、そしてイヤリングを取ってテーブルの上に置きました。
そして、ハイヒールを脱いで、スリッパに履き替えると、大きく呼吸をしてから、バスルームに消えていきました。

妻がシャワーを浴びている間、Kは自分が輸入雑貨のビジネスをしていること、大きなクルーザーを持っていて、時々泊りがけでクルージングに行くこと、X医師は高校の後輩であることなどを話ました。

しばらくして、話題も無くなった頃、妻がバスルームから出てきました。
妻は、化粧を落とし、備え付けのバスロープに着替えていましたが、桜色に上気した顔は、本当に愛らしく美しく、今すぐ夫である私が抱きしめてあげたい衝動に駆られました。

Kも「ゆかりさんは、本当に美しい」と言い、「それでは、私もシャワーを浴びてきます」という言葉も、少しうわずっていました。

Kがシャワーを浴びている間、私たちは何も話しませんでした。
妻はじっと下を見ていましたし、私は燃え上がる嫉妬心と、どす黒い欲情と闘うのに精一杯だったのです。

Kは、間もなく、妻と同じバスローブを着て戻ってくると、「ベッドルームへ行きましょう」と言って、妻の肩に手をかけました。
Kがついに妻の体に手を触れたのを見て、私の欲情は止め処なく大きくなっていきます。

三人でベッドルームへ移り、明かりを落とすと、Kは「ご主人はそこに座っていてください」と言って、部屋の隅のソファを指差しました。
そして、妻の肩を抱くようにして、二人で大きなダブルベッドに腰掛けたのです。

妻は身を固くしていましたが、大人しくKの横に座りました。
Kはしばらく、妻の髪を撫でていたのですが、やがて、妻のあごに手をやって自分の方を向かせると、いきなりくちづけたのです。

とっさのことに、妻は驚いた様子でしたが、覚悟を決めたように目を閉じて、Kにされるままにしていました。
Kのキスは長く情熱的で、次第に妻も体から力が抜けていくのが分かりました。
私の目は二人に釘付けとなり、もう股間はそそり立っています。

やがて、Kは妻のバスローブの紐をゆっくりと解いて、脱がせにかかります。
妻は少しばかり体をよじって抵抗しますが、すぐに上半身は剥き出しにされてしまいました。

妻がバスローブの下にブラジャーをつけていたのを見て、Kは苦笑しましたが、慣れた手つきで背中に片手をまわしてホックを外します。

妻は、両手で胸を押さえてブラジャーを奪われまいとしますが、Kは妻の耳元で「今夜は私のリードに任せる約束ですよね」と言って、ブラジャーを奪い去りました。
妻はそれでも、両手で胸を隠していましたが、Kが優しくその手を退けると、ほの暗い明かりの中で、妻の形の良い乳房が露わになりました。

Kは、「きれいだよ」と言うと、ピンク色をした小さい可愛い乳首の一つに吸い付きました。

妻は思わず、仰け反りましたが、Kは、じっくりと時間をかけて両方の乳首を味わっています。
やがて、妻の乳首はやや赤みを帯びて充血し、痛いほどに尖っていきました。

それを見届けたKは、バスローブを妻の体から剥ぎ取ります。
そして、妻をベッドにゆっくりと押し倒すと、全身に唇を這わせ始めました。
このときには、K自身もバスローブを脱いでいましたが、すでに彼の股間のものはどす黒く充血し、そり返っています。

やがて、全身を愛撫される妻の呼吸は大きく乱れ始め、ときおり、電気に打たれたように痙攣し始めました。
夫である私に遠慮しているのか、必死に声を押し殺しているようでしたが、切ない声も漏れ始めます。
Kは、妻が何度目かの痙攣で腰を浮かせたときに、パンティを長いすらりとした足から抜き去りました。
ついに妻は全裸にされてしまったのです。

Kは、妻を全裸にしてしまうと、慎ましやかな一掴みの草むらの奥に舌を這わせ始めました。

やがて、クリトリスを入念に舌で愛撫された妻の息は大きく乱れ始めます。

「あなた、ごめんね」と言った言葉や切ないあえぎ声が漏れる頃には、私だけのものであるはずの妻の蜜壷は十分に潤ったようでした。

そして、ついに私の恐れていた瞬間、それとも私の待っていた瞬間がやってきました。
Kが、その棍棒のように怒張した肉棒を妻の蜜壷に挿入し始めたのです。
妻は、もう何の抵抗もせず、ただ身を捩じらせてKの肉棒を根元まで受け入れました。

Kのピストン運動は次第に激しさを増していきます。
妻の口から漏れる「あん、あん」といった声も次第に大きくなっていきます。
Kは、ピストン運動をしている間も、長いキスをしたり、乳首をついばんだり、すっきりと少女のように脱毛された腋を舐めあげたりします。

やがて、Kの腰の動きが一段と激しくなると、Kは、「おおう」という声をあげて、大きく体を痙攣させ、大量の白い粘液を妻の体内に放出したのでした。

射精を終えたKは、妻の体の上に突っ伏したのですが、まだ結合は解かれていませんでした。
そして、乱れていた呼吸が整ってくると、再び腰を動かし始めたのです。

妻は、私との結婚生活では経験したことのない行為に驚いたのか、「うそ・・・」と言いますが、Kの腰の動きはどんどん大きく強くなっていきます。

妻は「いく、いっちゃう」とか、「もうだめ、もうだめ」と、うわ言のように繰り返し、気のせいか、妻自身も腰を振り始めているように見えるではありませんか。

二人は腰を動かしながらキスをしたり、視線を絡めあったり、もう何年も肉体関係のある恋人同士のようです。

一度、大量に放出しているせいか、Kの持続力も十分で、二人はお湯でもかぶったように汗でびっしょりになりました。
Kは、時折、妻の乳房の汗を口で舐めとっています。

そして、ついにKと妻は同時に体を仰け反らせ、痙攣させてクライマックスを迎えたのでした。

二度目の射精を終えると、Kはようやく結合を解いて、妻の横に寝そべりました。
そしてしばらく休むと、「私たちはシャワーを浴びますから、ご主人は少し待っていてください」とかすれた声で私に言い、今度は二人で一緒にバスルームに消えたのでした。

二人が去ったあとのベッドには大きなしみができていて、妻の体液とKの精液のにおいが部屋に充満していました。

しばらく私は、ソファに呆然として座っていましたが、急に胸騒ぎがして、こっそりとバスルームを覗きに行きました。
バスルームの外から聞き耳をたてると、妻の声が聞こえます。

バスルームのとびらを細く開けて中を覗いた私は愕然としました。
バスルームの中には、風俗店にあるような大きなエアマットがあり、そのうえでは、シャワーをお湯を浴びながら、Kと妻が三度目の交わりの最中だったのです。

エアマットは、たぶん、Kが先回りしてチェックインしたときに持ち込んだのでしょう。
そして妻は、私に見られていないという安心感からか、さらに大胆になっていたのです。

二人は、向き合って座って結合する座位と呼ばれる体位で交わっていました。
Kが腰を入れると同時に妻も腰をいれ、Kが腰を引くときには妻も腰を引いて、お互いが受ける刺激が最大限になるよう、二人の息はぴったりと合っています。

そして、私は、聞いてはいけない言葉を聞いてしまったのです。

妻は、自分から「もっと、もっと。お願い、もっと」と繰り返しているのです。

やがて、二人は腰を動かしたまま、ひしと抱き合います。
そして二人でがくがくと体を震わせて、エクスタシーを迎えたのでした。
恥ずかしいのですが、私もそのとき、ズボンをおろして自分の手で、絶頂を迎えたのです。

その夜、私の妻とKは、さらに何度か交わりました。
バスルームで座位で交わったあと、ベッドルームに戻ってくると、もう私の視線など気にならないかのように痴態を繰り広げたのです。

さすがに妻は私の見ている前では、Kの肉棒を口に含みませんでしたが、再びバスルームで二人きりになったとき、妻がKのそそり立つ肉棒に唇で奉仕しているのを、私はドアの隙間から見ていました。

おそらく六度目となる放出が終わったあと、ようやく私にとっての悪夢は終わりを告げました。
妻は汗と歓喜の涙にまみれて、もはやベッドの上に放恣に体を横たえるばかりです。
Kは、足を引きずるようにして一人でバスルームに入り、やがて、初めて会った時のように、こざっぱりと身繕いをして現れました。

「今夜はこれで失礼します。ゆかりさん、ご主人、ありがとうございました。どうぞ、お二人はこの部屋に泊まって行ってください。精算は私がしておきます」

そう言って、Kがぐったりと体を横たえた妻に最後のキスをすると、妻はまるで「行かないで」と言うかのように、首を振っていやいやをしましたが、Kが子供をあやすように優しく髪を撫でると、そのまま深い眠りに落ちてしまいました。

時計を見ると、もう、夜中の三時です。
昨晩の八時過ぎから、Kと妻は七時間以上も愛し合っていたのでした。
Kが去ったあと、私は呆然と妻の寝顔を見つめるばかりでしたが、その顔は満ち足りた喜びに溢れた穏やかな幸せそうな寝顔でした。

安らかな寝息を立てる妻に毛布を掛け直すと、私も緊張が解けたせいか、あるいは、私自身も自分で三回も放出していたせいか、どっと疲労を感じて、妻の横に倒れこむようにして、眠りに落ちたのです。

あれほどに激しい交わりだったのに、しばらくして妻に生理がありました。
受精には失敗したのです。
本音を言えば、私は妻が他人の子を宿さなかったことで安心する一方で、これから先はどうしたらいいのだろうかと考え込みました。

X医師に妻が妊娠しなかったことを伝えると、「残念ですね。どうしますか。Kさんは奥様を気に入ったようですが、また、試してみますか」と聞きました。

Kが妻を気に入ったという言葉に私は激しい嫉妬を感じましたが、とにかく、妻と相談することにしました。

私の理性は、妻が「もう辞めます」と言うことを期待していました。

しかし、私のどす黒い欲情は、妻がまたKに抱かれる姿を想像して、私の理性を狂わせようとしていました。
妻は、私の期待に反して、はっきりと辞めたいとは言わず、「あなたにお任せします」と答えたのです。

私は、どす黒い欲情に勝てず、また、強がりもあって、「もう一回、やってみよう」と言ってしまいました。

X医師に「もう一回やってみたい」と伝えると、「Kさんの日程を聞いてみましょう。お忙しい方なので」と言いました。

X医師からの連絡はしばらく無かったのですが、その間、妻がさりげなさを装いながら「連絡あった?」と何度も聞いたのを覚えています。

やがて、X医師が指定してきたのは平日でした。
仕事があって、私は立ち会えません。

妻に「僕が一緒にいられないから、少し先でもいいから週末にしてもらおうか」と言うと、妻は「ううん、いいわ。私一人でも大丈夫よ」と言うではありませんか。

私は、自分の嫉妬心を知られたない一心で、Kと妻が二人きりで会うことを認めてしまったのです。
いよいよ、Kと妻が二人で会うという日の朝、私がベッドで目を覚ますと、朝食の用意をしている妻が、キッチンで「ららら・・・」と小さな声で歌を歌っているのが聞こえます。
Kと再会する喜びで妻の気持ちが華やいでいるのだと思うと、私は暗い気持ちになりました。

その日、二人は一緒に昼食を食べてから、例のABCホテルで二人きりの時間を過ごすことになっていましたが、私が会社から帰るまでには、妻も戻っているという約束でした。

午後になると、私は全く仕事に手がつきませんでした。
今、妻がKに抱かれている、Kの腕の中で何度もエクスタシーに達している、そしてKは大量の白い粘り気のある液体を妻の体内に注ぎ込んでいる・・・と思うと、私の股間は熱くなりっぱなしでした。

私の妻とKが二人きりで愛し合っている様子を妄想しながら会社での時間をやり過ごした私は、会社が終わると同時に一目散に家に帰りました。
妻は私により先に帰っている約束だったので、帰ったら、すぐに妻を抱きしめたいと思ったのです。

ところが、私たちのマンションの部屋は空っぽでした。
そのまま、10時になっても、11時になっても妻は帰ってきません。
携帯に電話しても、留守番電話に繋がるだけです。
私には、悶々とした気持ちで待つことしか出来ません。

結局、妻が帰ってきたのは、明け方の5時でした。
マンションの前に車が止まる音がして、しばらくして、妻がそっとドアを開けて入ってきました。
ベッドで横になっている私が眠っていると思ったのか、妻は、いつもの花柄のピンクのパジャマに着替えて、忍び込むようにベッドに潜り込んできました。

「遅かったね」と私が声をかけると、妻が凍りつくのが分かりました。

「・・・あなた」

「いったい、どうしたんだ」
「・・・ごめんね」

「ずっと、Kと一緒だったのか」
「はい」

妻の声は震えていました。
私は聞いてはいけないことを聞きました。

「そんなによかったの」

妻は黙っていましたが、やがて、すすり泣きを始めました。

「・・・ごめんね。私、あの人といると訳が分からなくなるの。何度も何度もいかされて、自分が自分じゃなくなるみたい。でも、愛してるのはあなただけ。それだけは分かってね」

やはり、妻は何度もいかされたのでした。

Kとの交わりで何度もアクメに達し、Kが思うままに放出する白濁した粘液をたっぷりと注ぎ込まれてきたのです。
唇を貪られ、乳首を吸われ、クリトリスを思うがままに弄られてきたのです。

私は暗い気持ちになり、それ以上妻を責める気にもなりませんでした。
一つだけ気になったのは、妻の口から「もう二度としません」という言葉だけは出なかったことでした。

妻の朝帰りがあった後、私たち夫婦の間には、一見、いつもの平穏が戻りました。
私たちはKのことは決して話しませんでしたし、赤ちゃんのことさえ話題にならなくなりました。
しかし、私には妻の生活に大きな変化が起きていたことが分かっていました。
妻はKと何度も会っているのです。

二人きりで会った日に、携帯の番号やメールアドレスも交換したのでしょう。
もはや、X医師や私の仲介なく、二人は会いたい時に会えるのです。
妻も慎重になっているらしく、私が会社から戻る時間までには家に戻るようにしているようです。

それでも、時々、「ごめんなさ~い。お友達とお茶してたの」と言いながら、7時過ぎに帰宅して、慌てて夕食の用意を始めることもあります。

そんな日の夜に限って、私から求めても「ごめんなさい。少し疲れてるの」などと言って断られます。

たぶん、その体にKとの激しい行為の痕が残っているからなのでしょう。
妻が私に秘密を持つということは、私には考えられないことでした。

私たちの夜の営みも変わってきました。
妻の体に微妙な変化が現れてきました。
Kと知り合う前よりも、エクスタシーに達する時間が早く、何度も続けて達するようになってきたのです。

また、エクスタシーそのものも、以前より高く深いようでした。
私のほうも、妻がKに抱かれている姿が頭を支配しているせいか、以前よりも激しいらしく、行為のあと妻から「あなた、最近、激しいわ」と言われるようになりました。

Kの出現で、私たちの夫婦生活が変わってしまったのです。