俺は自宅住みで、予備校に通いながら浪人ライフを満喫していた。
当時は、どこでもいいから大学と名の付くところに入れればいいと思っていた。
俺の家はマンションだったが、うちの母親は社交的でマンション内にも友だちが多く、よくおばさんたちが入れ替わり立ち代わり、うちに遊びに来ていた。
たまに俺が机に向かって勉強しようとすると、母親やおばさんたちの笑い声が聴こえてきて参った。
PCMAX

1人だけ気になるおばさんがいた。
寿子さんといって、旦那さんと理容店を開いている、年の頃は30代前半くらいの人だった。
特別に美人という感じではなかったが、うちに来るおばさんたちの中では若いほうだったし、やさしそうで、しっとりした大人の女性という感じで、俺は寿子さんが来るとわかると少しワクワクした。
理容店が休みの月曜日に来ることが多かったが、寿子さんが来るときはわざと用があるふりをして出ていって、「こんにちは」と挨拶するのがお決まりだった。
俺はいつしか月曜日が楽しみになった。

ある時、髪が伸びたので母親に「散髪代ちょうだい」と言うと、母親が思い出したように、「だったらK岡さんのところに行けば?」と言った。
K岡さんというのは寿子さんのことだ。
うちから歩いて15分くらいのところに寿子さん夫妻は理容店を構えていた。
俺はいつも手軽な1000円カットの店で済ませていた。
一般の理容店に行けば洗髪や髭剃りなどで1時間以上かかることが多いが、そうした店なら10分程度で終わるからだ。
しかし、寿子さんにカットしてもらえるとなれば時間なんか関係ない。
俺はなぜ今まで寿子さんの店に行くことを思いつかなかったのかと少し後悔した。

その日の午後。
『カットスペースK岡』に行くと、旦那さんと寿子さんがいた。
俺が行くと、他の客の髪を切っていた寿子さんが、「あらー」と嬉しそうにこちらを見た。
結局、寿子さんではなく旦那さんに切ってもらうことになった。
椅子に座って首から下に布を掛けられ、頭を水のスプレーで濡らされながら、「大学生だっけ?」と旦那さんに訊かれた。
すかさず寿子さんが、「もうすぐよね。頑張ってるんだもんね」と言った。
旦那さんは映画に出てそうなイケメンで背も高かった。
ハサミ捌きは上手そうだったが寡黙な人だった。
頭の仕上がりは上々。
頭を洗ってもらったり顔剃りしてもらうのも気持ちいい。
でも、次こそは寿子さんに切ってもらいたいと思った。

2ヶ月ほどした平日の午前、店内の様子を窺いつつ入店した。
ラッキーなことに寿子さんしかいなかった。

「今日は主人は組合の用事で昼まで私だけなの。待たせるかもしれないけど、ごめんね」

他の客の顔剃りをしながら寿子さんが言った。
しばらく待って俺の番になった。
緊張しながら椅子に座る。
マスクをした寿子さんが床に落ちた髪の毛を掃き、ひげ剃り用のクリームを整えたりしている。
うちに来るときの寿子さんとは違ってプロの雰囲気が漂っている。
最初に首の襟元を剃られた。

「勉強のほうは順調?」

「はい、なんとかって感じです」

首筋をカミソリがなぞり、ゾクゾクしてくる。
くすぐったさに近い感覚。
なんだか股間がムズムズしてきた。
寿子さんのハサミ捌きは旦那さんに負けず劣らず上手だった。
いや、旦那さんよりも丁寧な感じがした。

「ずっと勉強ばかりだと大変でしょう。気分転換も必要よね」

「そうですね。たまにゲームセンターに行ったり友達とカラオケに行ったりしますよ」

「そうなんだ、カラオケ楽しそう」

じつは気分転換と言えばオナニーもよくしていたが、密かに寿子さんのことを思い浮かべてしたことも少なくなかった。

髪の毛のカットが終わり、椅子が倒されて顔剃りとなった。
シェービングフォームを塗られた後、熱めの蒸しタオルが顔に掛けられ、まずは額の辺りからカミソリが入る。
寿子さんの柔らかい指先が俺の額に当たる。
ふと目を開けると寿子さんの顔が間近にあった。
きめ細かくすべすべしてそうな肌。
タオルが外され、顔の下半分の剃りがはじまる。
寿子さんの指先はとにかく柔らかい。
エロい俺はふと、(この指で寿子さんもオナニーするのかな?)と思った。
俺の顔の間近に、水色のユニフォーム越しの寿子さんの胸が迫っている。
俺の股間はムクムクと大きくなっていき、俺は思わずそこを隠すように両手を置いた。

俺は寿子さんに会いたくて、それまで2ヶ月だった散髪の頻度を1ヶ月とちょっとに縮めた。
母親に、「勉強に集中するためのリフレッシュ」と言って散髪代をせしめた。
旦那さんではなくて寿子さんに当たることを念じて入店すると、だいたい寿子さんに切ってもらえた。

2度目の大学受験まで残り2ヶ月ほどになった12月のある月曜日の昼間。
俺が机に向かっていると玄関のチャイムが鳴った。
その日は母親が外出していたので俺が応対に出ると、寿子さんだった。
寿子さんは旦那さんの実家から送られてきた寒ブリが入っているという発泡スチロールを手にしていた。

「あともう少しね」

「いよいよです。もうやばいですよ」

玄関で寿子さんとしばし話し込んだ。
寿子さんはほぼノーメイクに近い感じだったが、肌がきれいで、すっぴんも悪くはなかった。

「休みの日とか、旦那さんとどっか出かけないんですか?」

「主人は釣りが好きだから、今日も1人で海釣りに出かけたのよ」

「そうなんだ。ついて行けばいいんじゃないですか?」

「私、釣りには興味ないし・・・」

寿子さんは寂しそうな顔をした。

「何に興味あるんですか?」

「そうね・・・カラオケとかかな」

「俺も好きですよ、カラオケ。なんだったら今度行きましょうよ」

「あら、いいわね」

玄関で寿子さんと意気投合してしまった。
その時、俺の体内に猛烈な勢いでアドレナリンが出まくった。

「もう、今から行っちゃいません?」

「え?今から?」

「用事とかあります?」

「特に用事はないけど・・・」

寿子さんは満更でもない様子だった。
俺も根を詰めて机に座り続けていたので気分転換したいと思っていたが、まさかそんな展開になるとは思いもしなかった。
午後一、カラオケボックスで落ち合った。

「若い男の子とこんな昼間からいいのかしらね」

店の前で化粧をした寿子さんが戸惑いの表情を浮かべていた。
しかし、部屋に入り、マイクを握るとその表情は変わった。
上手い、上手すぎる。
寿子さんの歌はバリうまだった。
難しいと言われる、Superflyや宇多田ヒカル、鬼束ちひろとかの歌を気持ち良さそうに歌いあげていく。
聞けば、高校時代からバンドを組んでいてボーカルを担当していたのだと言う。
俺はますます寿子さんに魅かれた。

それから寿子さんと密かにLINEでやりとりをするようになった。
年を越えて受験日が近づくなか、寿子さんがしばしば応援メールをくれて、俺はそれを励みに勉強を頑張った。
ついでに寿子さんを思い浮かべてオナニーもした。
そして第一志望の大学の受験日当日。
俺は最高のコンディションで臨み、夏の時点では合格判定が『D』クラスだったその大学に晴れて合格することができた。
合格が決まった直後、寿子さんから誘われた。

「次の月曜日、静かにうちに来て」と。

その日、もちろん母親にも黙って寿子さんの家を期待度MAXで訪ねた。
旦那さんはいつものように海釣りに出かけていて、夜遅くまで帰ってこないとのこと。
リビングのテーブルには小さなケーキの他、オードブルなどの料理が乗せられていた。

「合格おめでとう!よく頑張ったわね」

「ありがとうございます!寿子さんの励ましのおかげです」

シャンパンで乾杯した。
一緒にカラオケに行ったことがきっかけとなってLINEするようになり、それからの2ヶ月間で寿子さんと俺との距離はギリギリまで縮まっていた。
でもお互いに色んなことをわきまえて遠慮し、我慢してきたのだった。

「よかったね」

ワイングラスを置いた寿子さんがいきなり俺の背後から抱きついてきた。
店でカミソリが当てられていた俺の首筋に寿子さんの唇が這った。
そういう展開になることを前々から妄想し願っていた俺は、寿子さんを床に押し倒した。
それからは“キス大会”になった。
俺は恥ずかしながらそれまで女子と付き合ったことがなかったので、どうすればいいか分からなかったが本能のままに動いた。
理容店のソファーでドキドキしながら順番待ちしていた頃を思い出すと、憧れだった寿子さんとキスしていることが夢としか思えなかった。

寿子さんが恥ずかしそうな顔で舌を突き出した。
俺は意味が分からなかったが、寿子さんが何度も舌を突き出してきてようやく意味を理解した俺は、寿子さんの舌を吸ったり舐めたりした。
ユニフォーム越しに激しく想像していた寿子さんのおっぱいも舐めた。
初めて目にし、舐める、女性のおっぱい。
大きめでいやらしい乳首をチューチューしていると、「赤ちゃんみたい」と寿子さんが笑った。
俺は余裕の寿子さんを感じさせようと思い、本能のままに乳首を舐めた。
寿子さんは俺の後頭部をせわしなく撫でながら感じていた。

何もかもが初めてで余裕のない俺は寿子さんに一つ一つ教えてもらった。
旦那さん用に買ってあったコンドームを付けてもらうと、流れるように寿子さんの上に体を重ねた。
やがて俺のギンギンのチンチンが寿子さんの中に飲み込まれていった。

(気持ちいい!熱い!)

そう思った俺だが、ほとんど余裕はなく、寿子さんに指導されるままに腰を振った。

「そうそう、その感じ」

「これでいいんですか?」

「いいわよ、気持ちいいわ」

数分後に俺は初セックスを終了した。

その後も、月曜日ごとに寿子さんの家で密会することになった。
会う回を重ねるごとに俺に余裕が生まれ、貪欲に寿子さんを求めた。

「あぁん、いい・・・りょうちゃん、会うたびにすごくなってく」

俺に攻められて寿子さんは髪を振り乱して感じた。
どうやら寿子さんの旦那さんは、「釣りに行く」と称して別の女性の所に行っているとのことだった。
そして仮面夫婦だから、久しくセックスはないという。

「俺で良かったら、いつでも気持ち良くさせますよ」

「あぁぁん・・・ありがとう・・・」

ガンガン腰を振りながら俺が言うと、寿子さんは嬉しそうな困ったような顔をした。
今、俺は大学1年生だが、月曜日の大学の単位はほぼ捨てている。