中学3年のときに同じクラスになったKさん。
Kさんは、やや細目で、目の下には皺があって、頬にはそばかすがあるので、顔はなんだかおばさんっぽい。
でもお姫様カットの黒髪セミロングで、日焼けしたような色の肌。
女の子にしては背が高く、積極的なところがあって、よく喋って笑う明るい人だった。
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なぜかKさんには、ちょっと尖ったような言い方でからかわれたり、笑われたりした。
だから僕は、(大して可愛くもないのに一体何なんだよ・・・)って思っていた。

でも体育の時に、ぼんやりと女子の方を見ていたら、1人の女の子が目に留まった。
Kさんだった。
Kさんは他の子よりも短パンから見えている脚が長く、髪を後ろで束ねていたので、ほんのりと汗ばんだ首筋が見えた。
お尻も引き締まっていたし、思ったよりも胸も膨らんでた。
この時、Kさんって意外と悪くない気がしたのだけど、楽しそうに僕のことをからかっている顔が思い浮かんでしまって、これくらいで見惚れてしまった自分がバカに思えてしまった。

それでも僕は体育のたびにKさんが気になって、こっそり見ていた。
Kさんの薄く日に焼けた長い脚が見れる短パン姿が好きだったし、特に裸足で歩いている時は、長い足の指が見えて色っぽいと思った。
そして髪は下ろしている時よりも、後ろで束ねているときや両サイドで束ねている方が似合うと思った。
こうしてだんだんKさんが以前よりも可愛く思えるようになっていった。

Kさんは体育時間の前後、友達と話しながら、片足を上げて足首を回すような仕草をよくした。
単に体を解しているだけだと思うのだけど、なぜか必ず体を少し反ったようにして、腕を組んだり両手を腰に当てたりしていた。

ある時、体育が終わって体育館を出る時にKさんは靴下を脱いで裸足になると、いつもみたいに足首を回し始めた。
ちょうど向かい合わせになる位置だったので、Kさんの足の裏が丸見えだった。
Kさんは友達と喋っているから意識なんかしていないのだろうけども、なんだか僕のことを見下ろしながら、こちらに汗ばんだ足裏を向けてグリグリっと踏みつけているようなイメージが浮かんでしまった。
Kさんの足の裏は体育の後だから汗で湿っており、何だか匂いまで漂ってくるように感じたけど、その仕草がものすごく色っぽくも思えたから僕はじっと見つめていた。
そんな僕に気が付いたKさんに、「ちょっと何見てんの~?」って笑いながら聞かれたけど、「何って何がさ?」と返答して、僕はKさんの横を通りすぎて更衣室に向かった。

何日か経った昼休み、友達の多くはどこかに遊びに行ってしまった。
しょうがないから1人で別の校舎にある芝生の上に転がっていたら、「◯◯くん」と呼ばれた。
いつの間にかKさんが立っていて、笑いながら僕を見下ろしていた。
Kさんは髪をセミロングのお下げにしていた。

「Kさん、どうしたの?」

僕が素っ気なく聞くと、「◯◯くんに、いいものあげる」と可笑しそうに言った。

「え、何をくれるの?」

期待を込めて聞くと、「私からのご褒美」と笑いながら答えた。
Kさんは後ろ向きになって片足を上げると、靴を脱いで靴下も脱ぎ始めた。
Kさんがこちらに向き直ったと思ったら、裸足になった足を上げて、僕の顔めがけて踏みつけてきた。
僕は慌てて体ごと横転した。
頭の後ろで地面を踏む音がした。

「なんで避けるの?」

すぐに僕は体を起こしてKさんを見た。
Kさんは相変わらず僕を見下ろしながら楽しそうに笑っていた。

「何するのさ?危ないだろ!」

でもKさんはすぐにまた僕の顔を踏みつけるように足を突き出してきた。

「見たいんでしょ?体育の時、いつも私の足を見てるでしょ?好きなんでしょ?今日も体育があったし、ほら、よく見せてあげる」

Kさんは、僕の顔に当たるか当たらないかの位置まで足の裏を近づけると、ゆっくりと上下に動かした。

「触りたい?嗅ぎたい?頬擦りしたい?舐めたい?」

そして、そっと足を置くように僕の顔面を踏みつけてきた。
Kさんのほんのりと汗ばんだ足の裏の柔らかい感触がした。

「◯◯くん、喜んでる?」

確かに体育の時はいつもKさんの足を見惚れていたし、そうなったらいいのにと思いながらオナニーしたこともあった。
でも急にこんな事をされると思わなかったから驚いた。
だけどだんだん僕は、本当にKさんに踏まれていることの実感が湧いてきて、すごく興奮した。
足蹴にされていることが何だか嬉しくなってきて、こっそり喜んでいると、今度は頭を踏みつけられた。
Kさんの足の重さが気持ちいい。
そしてKさんがこんなことを本当にやってくれることが堪らなかった。
しばらくしてKさんは僕の頭から足を離した。

「ねえ、もしかしてグリグリして欲しかった?」

Kさんは目の前にしゃがんで、僕の顔を覗き込みながら満面の笑みで言った。
体育の時に、Kさんが裸足で足首を回している姿が浮かんだ。
すぐに僕はKさんの汗ばんだ足裏で顔をグリグリと踏みつけられている場面を想像したのだけど、恥ずかしくて言えなかった。
しばらく何も言えずに黙っていると・・・。

「へえ?やっぱりそうなんだ・・・」

さっきまで満面の笑みが、軽蔑するような歪んだ笑みに変わっていた。

「・・・言いふらされたくなかったら、これからはKさんの言うこと聞けってこと?」

「言いふらすわけないでしょ、私だけが知ってるってことが楽しいんだから」

Kさんは脱いだ靴下をクルクルと回して、満足げに笑いながら意気揚々と去っていった。
途中で立ち止まって振り向くと、「私の生足、これからも見たかったら見ててもいいよ」と言った。

でもKさんとはこの1回だけで、卒業まで特に何もなかった。
というより何だか気まずくなって、Kさんをチラ見する以外は極力避けていた。
高校も別だし、もうKさんと会うこともないと思っていた卒業の日。

「◯◯くんって虐められるのが好きな人でしょ?私って虐めるのが好きな人だから、私たちって相性合うかもよ?どう?」

いきなり言われた。
僕は色んなことを意識してしまい、結局何も言えなかった。

Kさんはそんな僕を見て、「はっきり言えない人とは付き合ってなんかあげない。この変態くん♪」と満足げに笑うと去っていった。

どうやら一方的に振られたってことらしい。

でもあのとき、どう答えれば良かったんだろう?
それきりKさんとは会ってないけど、Kさんのあの満足げな笑みだけは今も記憶に残っている。