Aが帰った後、さすがに疲れ切ってまして。
翌日、起きたのは一応午前中ってレベルでしたし。
腰が重いのなんのって。
で、煙草を吸いながらテレビを点けたんですよ。
電源切りっぱなしだった携帯の電源入れて、留守電チェック。
一応仕事でも使ってる携帯なんで、急ぎの仕事でも入ってたらやだなと。

「ピー、新しいメッセージは4件です」
PCMAX

4件?
土日に?
別に急ぎの仕事もないはずなのに?

「ゴゼンゴジ、サンジュップン」

なんだ、その時間は?

「あ、先輩?寝てますよね、Bです。じゃ、また」

また、ものすごい時間に電話してるな・・・なんでまた?

「ピー、ゴゼンゴジ、ヨンジュップン・・・ぷつ、つーつーつー」
「ピー、ゴゼンゴジ、ヨンジュウゴフン・・・ぷつ、つーつーつー」
「ピー、ゴゼンロクジ、ニフン・・・あー、いいや・・・つーつーつー」

最後のは男の声です。
聞き覚えがあるんだけど・・・。
電源を切っていたせいで履歴が残ってません。
履歴があれば誰からかわかるのに。
でも、なんでBが?
夕べは思いっきり酔っぱらってたけど、なんでそんな早朝に電話してくるんだ?
うーん・・・腹減った。
などと考えていると携帯が。

「はい?」

「あ、R?」

社長でした。
でもなんで社長?

「なんでしょう?」

「あー、あのさ、荷物って、いつ運び出すんだっけ?」

「あ、火曜か水曜には。鍵もそのときに返しますから」

って、その話はとっくにしてるんだけど。
あ、思い出した。
留守電の声、社長だ。

「社長、朝、電話くれました?」
「ああ、それ、俺」

「なんかあったんすか?」
「あー、あのさ・・・」

なんか言いにくそうです。

「あー、お前さ、Bと付き合ってる?」

はい?
なんでそんな話が?
夕べの様子を見ていたとして、「Aと」って聞かれるならまだしも。

「別に、なんもないっすよ?」

「あ、それならいいや。ちょっと気になっただけ」

それで早朝に電話するか?

「あー、あれだ、ほら、Bってお前に懐いてるだろ?一緒に辞められたら困るからな」

まぁそりゃ事実だろうけど・・・今さら・・・なんか嫌な予感・・・。

「んじゃまぁ、お前も仕事頑張れよ」

とってつけたような・・・で、電話は切れました。

(うーん、これは間違いなく、なんかあったな)

今なら、すぐさまピンと来ますが、この時はそこまで頭が回りませんでした。
で、かなり疲れていたし眠かったもんで、そのままぼうっと寝てしまったわけです。

で、携帯が鳴りました。
びくっとして発信番号を見るとB。
辺りはすっかり真っ暗だったりして。

「・・・あ、どした?」

「あ、R先輩?」

「うん、だけど、今朝も電話貰ったろ?」

「はい・・・えっと、それはもういいんですけど・・・」

どうも歯切れが悪い。

「何よ?なんかあった?」

「いえ・・・あの、辞めるときって、どうしました?」

社長との電話が蘇ります。

「辞めたいの?」

「・・・」

図星のようですが、昨日までそんな話は一言も聞いてません。
もちろん私に話す必要もないんですが、どうも話が急です。

「なんかあったろ?」

「いえ、別に・・・」

ほんとに歯切れが悪い。
普段ははっきりものを言う子だけに、それが際立ちます。

「わかった、電話じゃなんだから、明後日、俺会社に荷物取りに行くからさ、その後でいい?」

「はい、何時頃ですか?」

「午後には行くけど、荷物の整理とか色々やってたら夜になると思う」

「わかりました・・・」

それで電話は切れました。
Bは前にも書いたようにナイスバディ。
そこそこ仲も良かったんですが、彼氏がいるってことで、私にとっては“圏外”ではありました。
しかしね、そりゃ一度はお願いしたいって気持ちはありまして・・・。
会社を辞めてしまうと縁が切れてしまうと思っていたんですが、この様子だとそうはならないようです。
ちょっと嬉しい反面、社長に言われたことも気になります。
Bが辞めるのを私のせいにされて恨まれても困るし・・・。

で、その明後日に。
事務所で荷物整理をしながら雑談です。

みんなから「R、お前、ベロベロだったなー」とか「ちゃんと帰れたか?」などと言われ、適当に誤魔化します。

その会話に参加してるAが時々意味ありげに目配せするんですが・・・。
昨日、携帯に何度かかかってきたんですよね、Aから。
タイミングが悪くて出られなかったんですが、返信しなかったのも事実で。
それでちょっとバツが悪かったり。
荷物を宅配便に預けたりして、一段落ついたときには夜7時を回ってました。

「それで今日はどうするんだ?」

社長が聞いてきます。

「さて、まぁ」と曖昧に返事。

するとBが、「あ、私、打ち合わせに行って直帰します」と出かけてしまいました。

なるほど、これはピンと来ます。
私がそろそろ帰るので、近くで待っているつもりでしょう。
それを聞いて私は、「まぁ、もうしばらくここで休んで帰りますよ」と話を打ち切り、エレベーターホール脇の喫煙所に。
で、誰もいないのを確認してBに電話。

「その辺にいるんだろ?」

「はい、もう出られます?」

「もうちょっと。出たら電話するから適当に時間潰してて」

すぐに電話を切って煙草を一服してるとAがやって来ました。

「ねぇ・・・」

目が変わってます。
仕事してる目じゃない。
潤んでるというか・・・いきなりキスされました。

「うわ・・・」

「ん・・・」

もういきなりディープです。
ねっとりした舌が絡んで・・・頭の中にあの夜の乱れっぷりが蘇ります。

「はぁ・・・」

口を離すと糸を引いてます。

(Aって、こんなにエロかったっけ?)

「なんで電話くれなかったの?」

昨日のことですね。

「いや、単にタイミングが悪くてさ。結構バタバタしてたから」

「ほんとに?」

「ほんとだって」

Aはそう言いながら体を密着させてきます。
たわんだブラウスの胸元から真っ赤なブラが・・・エロい!

「じゃ、今日は?」

そう喋る唇が赤くてエロい!
こんな赤い口紅つけてたっけ、今まで?

「いや、今日はこの後、用事があるからさ」

「ほんとに?誰と?」

間違っても、「Bと」なんて言えない雰囲気です。

「ほら、C社のディレクターと営業に呼ばれててさ、なんか俺の独立祝いとか言って」

「そっか、それじゃあしょうがないね」

そう言いながらAは体を離しました。

「じゃあまた電話するね。Rさんも電話してね」

こ、これは・・・。
Bと約束してなかったら、この場でフェラくらい・・・。
いえ、すぐそばのホテルに直行でしょう。
余計な約束をしなきゃ良かった・・・。

で、事務所を出て、すぐにBに電話。
Bは近くの喫茶店にいました。
もう夜8時くらいになっていたので喫茶店から出させて、ちょっと離れた少々高級な居酒屋へ。
この居酒屋、店内が適当に暗くて、座敷席が高い衝立で仕切られてまして、少人数で行くにはいい雰囲気なんです。
そこで他愛もない話をしながらビールを飲み始めました。
最初は「独立してどうするんですか?」とか、ほんとに他愛もない話。
で、私もBもそこそこ以上に酔いが回りだした頃。

「私も辞めようかな・・・」

そう、電話でもそう言ってました。
これが今日の本題のはず。

「辞めてどうする?お前じゃ、まだフリーでやっていくほどのツテも経験も足りないんじゃない?」

「そうなんですけど・・・この仕事じゃなくても・・・」

Bがイラストレーター志望ってのは知ってます。
でも実際の仕事は8割がデザイン。
その辺でギャップがあることは想像できましたが。

「まだ判断するのは早いと思うけど」

「でも・・・」

また歯切れが悪い。

「なんか他に理由ある?」

ここで、「R先輩がいなくなっちゃうから・・・」なんて答えを期待したのは酔いのせいです。

「社長が・・・」

(はい?あの社長が何か?)

「社長と何かあったの?」

まぁ小さな事務所ですから、社長と齟齬を起こすと居辛いのはわかります。

「えっと・・・誰にも言いません?」

まさか、社長に強引に迫られてるとか・・・。
そういえば、社長と前に、「Bっていい体してるよな」なんて笑いあっていた記憶も。

「社長に・・・されちゃったんです・・・」

思考が停止しました。
サレチャッタ?
ってことはアレですか、社長のちんちんが刺さったんですか?
舐めたんですか?
オッパイも舐められたんですか?
社長の上で腰振ったんですか?
もしかして飲みました?
さっきのAのエロモードと酔いが重なって、脳内で様々な風景が・・・。

「で、それっていつ?」

声が上擦っていたと思います。

「この間・・・先輩の送別会の後・・・」

「ど、どこで・・・」

「事務所で・・・」

酔ったBを送ると言いながら社長はBを事務所に持ち込み、有無を言わさず押し倒したそうです。
Bはかなり抵抗したそうですが、酔いもあって逆らいきれず、やられてしまったとのこと。
あの事務所の電気はそれだったんですね。
じゃあ、あのとき私とAが事務所に入っていたら・・・。

「そりゃ、ひでーな・・・」

そんなことしか言葉になりませんでした。
その一方で、ちんちんが勃っていたのは、ここだけの秘密です。
だって・・・このナイスバディが・・・蹂躙されたなんて・・・想像するだけでも先走ります。

「そりゃ、居辛いわな・・・」

Bは心と体が一致していない私の言葉に頷きました。

「で、社長はその後は?」

「会社では何も・・・」

(会社では?じゃ・・・外では?)

「電話かかってきたり・・・仕事のこともあるから着信拒否もできないし・・・」

「で、お前は、その気ないんだろ?」

思いっきり深くBは頷きました。

「うーん・・・悪い、すぐいいアドバイスできねーや・・・」

何を言っても無責任になりそうで・・・。
ちんちんは勃ってますけど・・・。

「いいです。話を聞いてもらえただけでも少し楽になりました。自分で決めることですもんね」

「もしかして社長と続くの?」

「それはないです」

きっぱりです。
社長が少し可哀想な気も・・・しません、これっぽっちも。
そうこうしながらビールはウルトラハイピッチ。
私は若干抑え気味ですが、Bはこの間以上のペースです。
飲まなきゃ話せないって感じで。

「まぁさ、そのうち社長も諦めるだろうし・・・。そりゃ、そんなことする人のところで働けないだろうけど、もう少しだけ様子を見てさ」

なんて何の役にも立たない、説得力のない話を続けていました。
で、時計はなんとすでに0時・・・。
4時間近く飲み続けました。
気付いてみれば、Bは真っ赤な目で揺れています。
私もそこそこには酔ってます。
営業時間が終わるようなので、私はBを抱えるようにして店を出ました。
Bは背が高くて大柄なので結構大変です。
で、平日の終電近い時間となると、人がどんどん駅の方に向かっていきます。

「どうする?」

「あ、Rさんが3人いる」

完全にできあがってます。
当然、この段階では、(やれるかも)が頭に浮かんでますが、まずAとの一件があり、社長のレイプがあり・・・強烈なブレーキがかかってました。
しかしBはまともに歩けず。
とりあえず近くの雑居ビルの入り口の脇に2人して座り込みました。

「大丈夫か?」

「うー、ちょっと頭が痛い・・・」

このまま電車かタクシーに乗せてしまうのも酷。
とは言え、このまま路上に居続けるのも辛い。

「休みたい・・・」

(なんですと?それはアレですか、ホテルに入りたいと?)

「今からちゃんと休めそうな場所って・・・一つしか思い浮かばないけど・・・」

「そこでいいです・・・」

(来たーーー!)

Bを抱えるようにして近くのラブホへ。
平日は空いていていいですね。
しかし頭の中では、(いや、ここでやってしまったら社長と同じだ)とか(Aにバレると非常にマズいことになるような気が・・・)と否定的な意見が多く。
とにかく部屋に入って、Bをベッドに寝かせました。
私はソファに座って、ポカリを冷蔵庫から取り出して、煙草に火。

(これは絶好のチャンス。しかし・・・)

「うん・・・」

Bが少し苦しそうにベッドの上で身をよじりました。
トレーナーの上からでもその巨乳がぷるんと揺れたのがわかります・・・。

「あ、シャワー浴びてくれば?ちょっとは楽になるかも」

「うん・・・」

Bがもぞもぞと起きあがって、のたのたとシャワーへ・・・。

(全部、ガラス張り!)

いや、狙ったわけではないのだ、断じて。
Bはそんなことに気付いてないのか気にしていないのか、もそもそと服を脱いで・・・黒のブラ&ショーツ。

おおう・・・乳デカ!
ケツ丸!
乳輪、薄い色で小さい!
あ、乳デカいのに全然垂れもせず・・・思ったよりウエストは細いんだな・・・。
あ・・・毛も薄い・・・。

シャワーの音がし始めます。
もう目が釘付け。
煙草の灰がテーブルの上に落ちます。

(そうか、若い肌というのはこのことか!)

シャワーの水を弾いてます。
しかし、なんてスタイルがいいんだ・・・。
この体を社長は、揉んでしゃぶって好きなように・・・許せん。
ガラスが湯気で曇ってきて・・・これじゃ見えん!
私はガラスにへばりついてました、情けない・・・。

15分くらいしたでしょうか?
シャワーの音が止まったので、私は慌ててソファに戻りました。
改めて煙草に火を・・・。
出てきたBは体にタオルを巻いて・・・。
あれ?
肩にブラストラップ・・・。
なんだ、タオルの下は下着を着てるのね・・・。
とは言え、まだ心の中の葛藤は良心が優勢。

「先輩、迷惑かけてすみません・・・」

「いいよ、気にしないで」

と、いい人ぶりながら、「じゃ、俺もシャワーだけ」と立ち上がりました。
シャワーなんて速攻ですよ。
ちんちんビンビン。

(バカ息子、今は抑えろ)なんて思いながら、(でも、この状況って、和姦じゃない?)なんて思いも。

いやいや、いけませんよ、彼女は傷ついてるんだから・・・。

シャワーから出ると、Bはベッドの中にいました。
タオルは床に落ちてます。
ってことは、下着姿のBが・・・。
あの黒のエロい上下で・・・。

寝てます。
寝息を立ててます。

「はぁ」

大きく溜息を吐いて、ソファで煙草を。
そうだよな、いけないよ、こんなことでエッチしちゃ。
そうだ、これでいいのだ、これで・・・眠い。

ん?私はどこで寝るんでしょう?
ソファは嫌だ。
床も嫌だ。
せっかく大きなベッドがあるのに・・・。
そうか、大きいからベッドに入っても、Bと密着しなくて済む・・・。
はい、葛藤しながらも、やりたくてやりたくてしょうがないわけです。

私はベッドに滑り込みました。
掛け布団を上げたときにBの下着が見えて・・・。

(なんてエロい体なんだ・・・)

Bの隣に寝転んで布団を掛けました。
すると・・・。
Bの目が開いてこっちを見てる・・・。

「R先輩が3人いる・・・」
「天井が回ってるぅ・・・」
「ちょっと頭痛い・・・」

甘えたように言ってきます。
もう目の前で横たわったBが潤んだ目でそう言うんですよ。
たまったもんじゃありません。
これで我慢しろって言うほうが無理です。

「・・・気分悪い?」

「うー、ちょっと・・・回ってるよぉ・・・」

「治るおまじない、教えてやろうか?」

「教えて・・・」

私はBにキスしました。
いきなり舌をねじ入れます。
それくらい切羽詰まってたんです。
舌と舌が絡み合って・・・Aに比べるとちょっとぎこちない感じがまた・・・。

「んぅ・・・」

Bも自然と舌を絡めてきます。
そこで一度、唇を離しました。
上目遣いでBが私を見つめています。

「あぁー、先輩、キスしたぁ・・・」

そのどこか甘えたような言い方にスイッチオン!
再びキス、キス、キス・・・。

<続く>