低学年までは結構自由に遊びまくってたものだけど、中学年の終わり頃になると、もう何か塾や習い事に行かなきゃいけませんって雰囲気になってくる。
とはいっても、その雰囲気に一番敏感なのは母親と相場は決まっていて、本人の意思とは無関係に勝手に決めてきてしまい、果ては家計を圧迫するだのなんだの好き勝手を言い始めて、家庭内がぎくしゃくしたりもするもんだ。
それまで友達と全力で遊んでいた立場としては、たった週2日とはいえ大事な時間を無駄に消費しているような気がして、正直かなり不機嫌だった。

かといって嫌なことばかりかと言えばそんな事はなく、それなりに新しい楽しみも見出していた。
それは『塾の居残り』っていう言い訳で、公然と夜遊びが出来ることだ。
すっかり手足のように馴染んだ自転車で夜の街をかっ飛ばし、「これで晩御飯を買いなさい」にと手渡されたメシ代でする最高の買い食い。
夜のコンビニに流れる洋楽を聞くと少し自分が大人になったような気がして、見慣れたはずの町のもう一つの姿、夜の街を満喫したものだ。

そして友達と別れた後・・・これからが本当のオレの夜の楽しみとなっていた。
周りに誰もいないのを確認して思いっきりペダルを踏み、とある場所に向かう。
そこは無人の公園。
臭くて汚い大きなトイレが静かに電灯の音を響かせ、秘密の行動を否応なく盛り上げる。

自転車を木陰に隠し、オレは最大限の注意を払い、あえて一番汚い男便所の個室へと向う。
・・・そこには、誰かが捨ててったエロ本とか、エッチな落書きとか、自分の部屋には到底置けないような魅力的なパスワードがいっぱい詰まってる。
それは、これから行う行為には絶対に必要不可欠なものなんだ・・・。

ふうっと一息つき、周りに静かに意識を配る。

(大丈夫、誰もいない)

オレは金具の音をさせないよう、ゆっくりとベルトを外し、短パンとパンツを静かにゆっくりと脱いで小物置き場に置く。
汚い床で服を汚さないためだ。
こうすれば、これからの行為に集中することが出来る。

(さて、今日の中身はっと・・・)

心臓をドキドキさせながら個室の隅に落ちている雑誌を拾い上げる。

(今日は看護婦さんか・・・)

何のことはない。
精通もまだながら、オレは自分のモノを弄り回すことである程度性欲を満足させる方法を覚え、それこそサルのように毎晩そんな事をしていたのだ。

毛もまだ生えておらず、あまり強く弄ると先っちょが赤くなってしまう。
でもオレはその行為に夢中になってこねくりまわした。
まだ効率的なやり方なんかわからないから、痛くないように、エロ本にしっかり視線を固定しながら息を殺してやるだけだ。

「んっ・・・んっ・・・んっ・・・んんっ・・・」

腰から背中にかけて重い、それでいて電流が走るような快感が走り、俺は個室の壁に一息ついてもたれかかった。

「へへ・・・」

かさかさと紙で先っちょを拭き、雑誌の中のお気に入りのページをびりっと破る。
こうやってオレは、ささやかなオカズを親目につかないようにファイリングしていたのだ。

コンコン。

(ひぃっ!!!だ、誰?!)

さっきまでのささやかな行為への満足感が、一瞬で破滅への絶望感へと変わる。
この行為が恥ずかしくてみっともなくて、人間としての、いや男としての尊厳をも地にまみれさせてしまうことは子供のオレでも分かることだ。

無視だ、無視!
何時間でも黙ってやり過ごすんだ!

・・・コン・・・コン・・・。

ダメだ!完っ全にばれてるよ!
どうしよう?
警察や両親、友達にまでばれちゃったら、もうお終いだ!
もう泣きそうな気分だった。
でも、素直に謝れば、見逃してくれるかもしれない。

その思いだけで、オレはそうっとトイレのドアを開けたんだ。

ぎぃぃいいいいっ・・・。

怪奇物よろしく、必要以上に大きな音を軋ませてドアが開く。

「あわわっ・・・」

・・・?
誰もいない・・・?
いや?!違う!そうじゃない!

隣の個室から、白く細い手が、ゆっくりとおいでおいでしてた。
硬直してしまって、体が動かなかった。
でも、逃げ出した瞬間に後ろから捕まったら・・・。
それこそ言い訳なんか出来やしない・・・。
オレはゆっくりと隣のドアに手をかけた・・・。

ばぁああああんっ!!

急にドアが開いて、俺はその白い手に掴まれたかと思うと、凄い力で個室の中に引き込まれた!

「・・・!!!???」

叫ぼうとしたオレの顔や口が柔らかい何か物で塞がれた!
じたばたと必死に藻掻くオレ!
・・・でも、ちょっとした違和感を感じ、少し冷静になって目を薄く開いてみた・・・。

「・・・しーーっ・・・お願いっ・・・何もしないから・・・何もしないから、ね?静かにして・・・」

囁くように耳に押し当てられるあったかい吐息。
部屋に押し込まれたままの姿勢でオレが藻掻いていたのは・・・白くて柔らかいお姉ちゃんの肌だった。

がばあっ!!

オレは慌てて上半身を起こして白い腕を引き剥がした。
しかし、個室のドアは既に閉められていたから、オレはあっという間に逃げ先を失った。
薄暗い個室の中で徐々に目が慣れていくと、どうやらオレを引き込んだらしい女の人もゆっくりと体を離していく。

すとんっ。

向かいの洋式便器の蓋の上に腰を下ろしたのは、薄いカーディガンだけ羽織って後は下着一つ身に着けていない、お姉さんだった・・・。

「・・・こんばんわ?ボク・・・」

お姉さんは、この状況下で、ごく普通に、凄く優しい笑顔を見せた。

「・・・お隣で、何をしていたのかなあ?」

くすくす笑いながらお姉さんがオレの顔を見る。

「そ・・・そんな事よりも・・・お、お姉さんこそ、は、裸じゃない・・・」

「・・・おちんちん、弄ってたでしょう?・・・いけないんだー」

大人の汚い論理のすり替えで、事の真相に全然近づけない俺。
その状況がさらに混乱を呼び、俺の顔と頭はもうすっかり熱くなっていた。
・・・と、その時!

「・・・静かに!」

ぐいっとまた腕を掴まれ、今度はお姉さんの前に一緒に蓋の上に座らされた。
と同時に、どこからか酔っ払いらしき男の声が便所に近づいてきた・・・。
男は、もう記憶も定かじゃないんだけど、とにかく奇声に近い声を上げて、会社なり何なりの悪態をついていたんだと思う。

「・・・ったくよぉぅ・・・」

じーーっ・・・じょぼろおおお・・・。

「あーーっ」

男のため息が聞こえてくる。
相当酔っ払ってるようだ・・・と思ったら・・・。

(!?)

ちーー・・・っ。

蓋の上に座ってるオレを後ろから抱え込むようにしてるお姉ちゃんが、静かにオレの股間のチャックを下ろし始めた!!

「な・・・何してんだよ!」

「んふふ・・・」

声に出来ない激しい会話のやりとり。
じたばたしようとすると耳元で温かいほとんど吐息な囁きがなされ、オレは動きを止めるしかなくなってしまった。

「暴れるとバレちゃうよー?」

動きを止めたオレの股間に静かに白く細い指が滑り込んでいく・・・。

じょぼろおおお・・・。

「・・・んあ?っるせえなぁ・・・」

男の声に再び息を呑む。
その瞬間、するっとチャックに入ったお姉さんの指が、今までこんな風に触られた・・・いや、触ったことが無いくらい優しく、くすぐるようにパンツ越しに撫で回し始めた。

(ぞくぞくぞくうううっ・・・)

寒気がするような感じがして、思わずきゅっと足を閉じるオレ。
必死になってお姉ちゃんの腕を掴むんだけど、もそ・・・もそ・・・と動かされてしまうと、どうにも腰砕けになってしまう。
そして、ついに濡れてしまってるパンツの膨らんだところに裂け目を入れるように指がなぞられ・・・恥ずかしいくらいに立ったチンチンを、ぽろっと出されてしまった。

「濡れてる・・・だめよ?ちゃんと拭かないと・・・汚いよ?」

ふふっていう吐息混じりに言われると、なおのこと情けなくて、恥ずかしい気持ちが湧き上がってくる。
どうしようもなく、オレは本当に泣きそうな気分で、必死にお姉ちゃんの腕を押さえていた。
でも、手首から先の動きだけで、オレの情けないアソコは散々弄ばれてしまった・・・。

「・・・おーい、坊主?苦しいんかあ?」

隣でションベン終えたおじさんが壁越しに聞いてくる。
本来なら絶対に返事なんかしないけど、もう隠し通すことだけを考えてたから必要以上の大声で、「う、うん!寒くってなかなか出ないんだっ!!」と、オレは答えた。

「くすくすっ」と笑って、くにゅくにゅとまだ皮の剥けきっていない先っちょをこねまわすお姉ちゃん。
もう冬が始まっていたから吐く息は細く白く、オレの耳元を温めて撫でていく。

「・・・っうっ」

思わず声を上げてしまう。
あまりの屈辱に、つい涙が出てしまった。

「っひっ・・・ぐしゅっ・・・」

そうするとおじさんは個室の外から心配そうにこう言った。

「・・・坊主?風邪引かないようにな?これ・・・」

ぽんっと投げ込まれるポケットティッシュ。
それがお姉ちゃんの頭に当たり、それを受け止めたお姉ちゃんが、ひらひらとそれをオレの前に見せつけた・・・。
おじさんが去って行ったのを十分な時間かけて確認した後、オレはお姉ちゃんの手から離れ、お姉ちゃんを見据えた。

「あら・・・怒っちゃった?」

あらあらという顔でオレを見返すお姉ちゃん。

「・・・あったまりだえっつうの!!」

オレは怒りにまみれて怒鳴ろうとしたんだ、けど・・・。

「なんっで・・・っ・・・こ、こんな・・・こんなっ・・・」

ぐすっ・・・ぐじゅるっ・・・。

さっきまでの緊張が解けたせいか、男として情けないところを見られたショックからか、本当にそんな意思は無いのに涙が後から後から出てきて止まらなくなった。
ひくつく嗚咽で言葉にもなりゃしない。
このお姉ちゃんに言いたいことは山程あるのに・・・。
そしたら、すうっと白い手が伸びて、オレの両頬を押さえるように撫で回して言った。

「・・・ごめんね?ボク・・・」

すうっと頭に手が伸びて優しく髪を撫でる。

「怖かったよね?・・・」

「うんうん」とオレと顔を見合わせて頷くお姉ちゃん。

(違うよ、お姉ちゃん!オレは自分の情けなさと、お姉ちゃんにされた行為の屈辱さに泣いてるんだってば!!)

どうにもこうにも会話が噛み合ってないような気がして、オレは「はぁ」って思わず息をついてドアにもたれかかった。
そしたらオレの顔を覗き込んでいたお姉ちゃんの正面に、まだ立ったままのチンチンを晒すことになってしまった。
再び、かーっと熱くなるオレ。
お姉ちゃんはうふって笑うと、「ごめんね・・・?」って言いながら、「ほふうぅ」って口をすぼめながら先っちょに息を吹きかけた。
あそこに沿って流れる温かい空気の流れが敏感な先に触れていく。
そしてお姉ちゃんは、そのまま先にキスをした・・・。

今日、2回目の射精だった。