私は自然に演技を始めていました。
天井の模様を見上げるように、「excellent・・・」と呟きながら10cmほどしかない湯船の縁にお尻を乗せました。
体育座りのように両脚の膝を立てて、脚を開き気味にします。
私の思惑とは違って、やはり彼らにとっての一番の興味の対象は、お尻の穴ではなく性器でしょうから、不自然でない程度にM字型に脚を開きます。

2人が揃って私の股間に目を移します。
私の正面、すぐそこで腹這いに寝転んでいる彼らです。
天井を向いて目を瞑っていたさっきとは違って、今度は彼らの目線の動きが手に取るようにわかります。
私の太ももの奥にある性器を覗き込んでいます。

私はすでに非常に冷静になっていました。
さっきあれほど恥ずかしい気持ちで観察されたので、今さらたいして恥ずかしくもありませんでした。
それどころか、彼らがさっきまで私の顔を褒め続けてくれていたおかげで私は自意識過剰になりかけていました。

『きれい』『美人』『清楚』・・・。

確かに私は日本でも時々言われることがあります。
でも誰しも、本人である私に対しては、なかなか直接的には言ってこないことのほうが多いです。
褒めるというのはデリケートな行為ですから、相手もそれなりに気を遣うでしょうし、冗談めかしたりしてオブラートに包んだように褒めてくださることが普通です。
日本語を解さない演技を続けたことのおかげですが、本人である私の目の前で、あそこまでストレートに自分の顔を褒める言葉を何度も口にしてもらえたことは女としてとても嬉しくて、幸せで、心地の良いものでした。
私は壁のデザインを眺めながら・・・。

「beautiful pattern・・・」

そして彼らに・・・。

「what do you think about it?」

私にできる最高の微笑みを作って話しかけました。
彼らは英語で突然話しかけられたことに動揺したのか・・・。

「あ、え・・・、あ・・」

「what?」

「あ、ビューティフル」

「exactly」

笑顔で話しかける私の顔と、性器が隠れていない股間との間を、彼らの目線が行ったり来たりしています。
私は完全に自意識過剰になっていました。
彼らに自分の顔をもっとよく見てもらいたかったし、彼らが今見ている性器の持ち主が、こんな顔なのだということを分からせたい気持ちでした。

(性器と顔を見比べさせて、もっと彼らを喜ばせてみたい)

そんなすごく傲慢な気持ちでした。
そのために性器を見せつけていました。
同じ女性に見られたら“ぶりっこ”と軽蔑されかねないような可愛らしい表情を作って、自分の膝を自分自身で抱き寄せました。
太もものつけ根、股間の部分が丸見えです。
彼らの視線が突き刺さります。
こんなすごいこと、会社で私を知る人のすべてが私のこんな大胆な行動を夢にも思わないことでしょう。
職場で働いているときの私の姿からは絶対にイメージすることの出来ない行動です。

職場の皆さんが勝手に抱いてくれている清楚というイメージの私、そしてそのイメージ通りにしか振る舞えない私・・・。
決してそんなことはないのに、私のことを一方的に“高値の花”と思い込んでくださっている人の存在も何人か知っています・・・。
遠い外国の地とはいえ、そんな私のこんな行為、誰もが信じはしないはずです。
そんな“日常の私に対するアンモラルな振る舞い”に快感を覚えている自分自身が、このときの私を支えていました。

(どう、あなたたち幸せでしょ?)
(うちの会社の誰もが見たことない姿なのよ)

姿勢のせいで半ば口を開けかけている私の縦の割れ目が、彼らの視線を釘付けにしています。
さっきまで好き勝手なことを言っていた彼らに対して、今度は逆に私が主導権を握ったような感覚になります。

「so beautiful・・・」

彼らの目が再び私の性器に向けられています。
性器の何がそんなに彼らの目を引き付けるのでしょう・・・。

(顔を見て褒めて欲しいのに)

来社するお客様にも見せたことのないような微笑みで、とにかく早口で話しかけました。

「I like it.but Idon’t know details of European pattern」

「何言ってっかわかんないけど、可愛い~」

(あん、もっと言って)

「do you?」

「この美人顔で、まんこ見えてるしー」

「what?」

『美人』という言葉と、『まんこ見えてる』という言葉に言いようのない陶酔感に包まれます。
再び、さっきのぶりっこ顔で微笑みます。

「超可愛い~」

「やっべぇー、まんこ丸見えだしー」

(あーん)

湧き上がる背徳的な感情に恍惚としていました。
さっきの余韻を味わうどころか、改めて見られる行為に酔いしれました。
もうそろそろ潮時でした。
彼らにも聞き取れるようにゆっくりとした口調で・・・。

「can you understand what I said?」

「え、あ、ノー」

「oh,god」

私は、はにかんだような照れくさそうな顔を作りました。
そして絶対に聞き取れないような小さい声で、ものすごい早口につぶやきました。

「I know you watched my analhole.tell me your impressionofit」

さっき日本語がわからないと思って言いたい放題に言われたことへの仕返し、いたずら心でした。
シンプルなことを言っているだけですが、彼らは私の早口英語にまったくついて来られずに、ただ私の顔を見ています。
私は人懐っこい微笑みを保ったまま立ち上がりました。
タオルを手に取り、体に巻きます。
腹這いのまま目だけで私の動きを追っている彼らに振り返り、今度は聞き取れるように・・・。

「I wanna swim・・・byebye」

そう言い残して部屋から出ました。
プールに向います。
彼らがまた追ってくるかどうかは五分五分だと思っていました。
一応私なりに自分の魅力を振り撒いたつもりではいました。

やたらと天井が高いプールの部屋に入ります。
この日はもともとどの部屋も人の姿が少なかったのですが、プールの部屋も先客は2人だけでした。
白人のカップルです。
2人で楽しそうに遊んでいました。
多少おじゃま虫かなという気もしましたが、タオルを置いて私もプールに入りました。
のんびり泳ぎます。
やはり前回来たときに、ここでおじさんたちにされたことの印象が強烈にあります。
お尻のお肉を両サイドに押し開かれる場面を想像してしまいます。
強引に肛門を剥き出しにさせられる自分の哀れな姿をイメージします。

(同世代の男の子にそんなことされたら泣いちゃうかも)

しばらくの間泳いでいましたが、とうとう彼らは現れませんでした。
来ないなら来ないで、それはそれで仕方ありません。
私は割とさばさばした気持ちでした。
なんでも自分の思い通り、そうそう都合良くいくわけはありません。
彼らも新しいターゲットを見つけたのかしれません。

ちょっぴり残念でしたが、泳ぎ疲れて体もぐったりしてきましたので私はプールを上がりました。
そろそろ帰ることにしました。
これで混浴ともお別れです。
若い女性である私でさえも、男性の前で全裸で振る舞うことになる混浴温泉ですから、数日前に初めて訪れたときは受付ですら緊張したのを思い出します。
それが2度にも渡って、結構大胆な裸の見られ方をしてしまいました。
いざ帰るとなると、ちょっとだけ感慨深いような気分になります。
寂しいような気持ちです。

『だったら日本でも混浴の温泉を探して行けばいいじゃないか』

そうお思いになる方もいらっしゃるでしょうけど、私がこれほど大胆になれたのは、ここが外国だからです。
日本では、混浴温泉があったとしても入りたいなんて思いませんし、そんな勇気すらありません。
やはり異国の開放感や文化の違いに身を置いた状況があってこそなのです。

(もう当分こんな経験はできないな)

体にタオルを巻いてプールの部屋を出ました。
軽くシャワーを浴びて、さっぱりしてからロッカールームに戻るつもりでした。
シャワールームに行きます。

(あ・・・)

中に入ると、東洋系のおじさんたちのグループがシャワーを使っていました。
5~6人のおじさんたちが裸で各々シャワーを浴びています。
言葉の様子から中国語圏の人たちのようです。
入ってきた私を見て、皆明らかにに目を輝かせています。
何を言っているのか全くわからないのですが、私を見ながら大きな声でおしゃべりしています。
私1人、すごい注目されぶりです。
場所がシャワールームですから、もしかしたらこのおじさんたちは、たった今入館してきたばかりなのかもしれません。
混浴施設にワクワクしながら女性のヌードに期待を膨らませていたところに、初めて現れたのがこの私なのかもしれません。
“全裸にタオル1枚を巻いているだけの若い女”の登場に心を弾ませているのでしょうか?
5~6人のおじさんの目が、タオル1枚の私の姿に注がれています。
私のほうは、感覚的にもう慣れてしまっていた状態です。

(今さら裸を見られるぐらい)という感覚です。

慣れって怖いですね。

帰ろうとしているところだったこともあり、さして抵抗感もありません。
おじさんたちの注目を集めている中で平然と体からタオルを外しました。
オールヌードになってタオル掛けに置きます。
全身に強烈な視線を感じます。
おじさんたちが何か言い合っています。
意味を全く理解できませんが、おじさんたちはお互いに顔を見合せながら嬉しそうにしています。

私は空いているシャワーの下に立ちました。
このシャワールームは部屋の両側の壁にシャワーの口が並んでいて、手元のノブをひねると頭上からシャワーが降り注ぐような造りです。
シャワーの口は手持ち式ではなく、壁に固定されています。
降ってくるシャワーの位置に体の立ち位置を合わせて、お湯を体に当てます。
仕切り壁がありませんので、みんなで壁際に並んでシャワーを浴びるようなスタイルです。
ですからシャワーを浴びる私の姿は、どのおじさんからも丸見えです。

私はノブをひねって湯を出しました。
頭からシャワーを浴びます。
私に注がれるおじさんたちの視線を強烈に感じます。
これを書いている今でも忘れられません。
胸、ヘア、お尻、そして顔に遠慮なく熱い視線を浴びせられました。
でも特に恥ずかしさは感じませんでした。
慣れって怖いと自分でも思いますが、もう完全に感覚が、そういう場所なんだから全裸で当然になっていました。
それどころか、3方から囲まれるようにおじさんたちの視線を集める自分が、まるでファッションショーのモデルにでもなったかのような気分でした。

普段は陥没気味の私の乳首ですが、もうずっと飛び出しっぱなしです。
この乳首にも何人ものおじさんの視線が集まっているはずです。
本当だったら恥ずかしくて立っていられなくなるような状況のはずなのに、羞恥心も屈辱感もなく、むしろ誇らしいようないい気持ちです。
例えるなら主役の気分です。
体のあちこちに見られているという意識が行きます。

それでも私は、あくまでも堂々と平然とシャワーを浴びていました。
ふと、“ある自分の姿”のイメージが頭の中に浮かびました。
そしてその瞬間、主役気分のまま何も考えることもなく、体が勝手にそれをそのまま行動に移していました。
(※文章にすると長くなってしまいますが、ここからは最後までスピーディな動きをイメージしてくださいね)

私は降り注ぐシャワーの中心部分から半歩だけ前に踏み出しました。
壁に向かって立っています。
落ちてくるシャワーのお湯と壁との間のわずかな隙間に頭を出します。
壁に向かってほんの軽くお辞儀をするような感じで、少しだけ背中を丸めました。
立ち位置を微妙にずらし、背中にお湯を当てます。
私は体の横にぶらんと下げていた自分の両方の手を、それぞれお尻のお肉に当てました。
左手でお尻の左側のお肉を右手で右のお肉を持ちます。
それぞれ掴むようにして、お尻のお肉を両サイドに開きました。
お尻の穴が丸見えになります。

自分で無理やりお尻のお肉を開いて、肛門を丸見えにしたのです。
・・・いえ、違います。
私はただ、お尻の割れ目にもシャワーを当てようとしただけです。
それだけのことです。
ですから平然とした何食わぬ表情を崩すわけにはいきません。
私は澄ました顔で自分の背中を振り返ります。

(ああ・・・注目されている)

さほど広くもないこのシャワールームです。
その中で自分たちのグループに混ざってシャワーを浴びている唯一の他人、そして若い女である私をおじさんたちが見ています。
何気ない感じでひょいっと自分のお尻を広げている綺麗な女の子(自分で言ってごめんなさい)が、すぐそこに立っているのです。
おじさんたちが陽気に何かを言い合っています。

「見ろあれ!」

「すげーぞ!」

そんなふうに言っているのかもしれません。
私は、さっきとは比較にならないほどお尻のお肉を思いっきり両サイドに引っ張りました。
そして腰だけをくいっと曲げ、お尻全体の角度を上に向けます。
お尻の穴が全開になるように、両サイドに開いたお尻のお肉を持ち上げるように引っ張りあげます。

(見て、見て、見えてるんでしょ・・・)

お尻の穴が完全に剥き出しです。
それも自分自身の手で・・・。
先日、プールで日本人のおじさんにされたのと似たような状態です。
そう思うと一気に頭に血が上ってくるような感覚に襲われ、ここに来て急激に恥ずかしさが込み上げてきました。
眉間がきゅっとなり、じーんと熱くなってきます。
背中に当たったあとのお湯が、お尻の割れ目を通って流れ落ちます。

(見て、ほら、おじさんたち見える?)

強引に開かれたお尻の割れ目の真ん中でお尻の穴が全開です。
無理やり剥き出しにされた肛門が強引に広げられた状態です。
背中から流れてくるお湯が通り落ちていきます。
自分でお尻の穴の中央の部分を広げておきながら、目頭がじわっとなってきます。
もう泣く寸前の、あの突き上げるような感覚が込み上げてきます。

お尻から手を離してシャワーを止めました。
何食わぬ顔でシャワールームを後にしました。
更衣室に入って服を着ている頃になって、やっと実感が湧いてきて、現実的な気分になりました。
今頃になって屈辱的な気持ちが私の自尊心を痛めつけます。
ドーンと来る感じです。

(私はいったいなんて下品なことをしたの)

実際にはほんの数秒のことです。
ただ、おじさんたちに注視されている状況の中、私は自分自身の手でお尻の穴を広げて見せたという事実は間違いがありません。
馬鹿な自分を呪いたくなるような気分です。
激しい自己嫌悪と、自分の存在を否定したくなるような、そんな辛い気持ちに陥りました。
満足感よりも後悔の気持ちを覚えながら精算を済ませ、退館しました。